2024年04月06日

2024.4.5 「そして誰もいなくなった」@江東区文化センター

2024.4.5 劇団ピュアーマリー公演「そして誰もいなくなった」

演目
「そして誰もいなくなった」一幕
  原作・脚本=アガサ・クリスティ
  翻訳=保坂磨理子、演出=鈴木孝宏
  (出演)ヴェラ=伶美うらら、ロンバート=野村宏伸、
     小野 了、川原洋一郎、田口 守、石山雄大、
     側見民雄、水野江莉香、吉良達也、夏樹陽子(注)

孤島に集められた人々が、かつての罪を暴かれて、ひと
りずつ“処刑”されて行く・・あまりにも有名な、クリス
ティの「そして誰もいなくなった」。

作者自身が脚色した戯曲の上演とのことで、子どものこ
ろからのクリスティ・ファンとしては、絶対に見逃せぬ。

ストーリーは、たぶん、知らない人はもういないのでは
ないか。しかし、だからと言って、ネタバレしていいと
いうことにもなるまい。上演期間もまだ残っている。

ということで、詳しくは書かないが、気になったことを
いくつか。

登場する童謡は、昔読んだ本では「10人のインディアン」
だったと思うが、それが「Little soldiers」に。一番最
初は、Niggersだったそうだ。差別用語に対する意識変
化の過程を見るようだ。

6人目がいなくなる部分の歌詞を「ひとりが訴訟を起こ
して4人になった」としていたが、これだと、鬘と法服
をまとわされた死体の意味がわからない。

原文は、Five little soldier boys going in for law
One got in chancery, and then there were four.

これはどうやら、「法律を学んでひとりが大法院に入っ
た」という意味らしい。大法院は日本で言えば最高裁判
所というところか。イギリス法廷では、現在も、裁判官
は、鬘を被り、法服を身にまとうそうだ。

最後、犯人の動機を「人を殺してみたかった」という、
サイコパス的なものにしていたが、原作に馴染んだ者と
しては、なんか、違う・・という印象。

とはいえ、犯人役の役者さんの、狂気の演技は、たいへ
んに迫力があって、正直、ちょっと怖かったです。

注:当初の予定では、山本陽子さんが出演することになってい
たが、2月に急逝されたため、夏樹陽子さんが代演。
posted by JTm at 12:19| 芝居 | 更新情報をチェックする

2024年04月05日

2024.4.4 入船四景@日本橋社会教育会館

2024.4.4 入船四景

演目
入船亭辰ぢろ      道具屋
入船亭扇橋       転宅
入船亭扇辰       ねずみ
  (仲 入 り)
入船亭扇蔵       左の腕
入船亭扇遊       井戸の茶碗
          (三味線:岡田まい)

昨年10月の会は、残念ながら四景ならぬ三景になってし
まったが、今回は、無事、四景が揃った。

辰ぢろ「道具屋」。マクラ代りに「携帯を切って」との
告知をしていたら、なんと、客席に扇辰師匠登場!
・・なんか、以前にもこんなことやってましたね、師匠。

焦りまくる辰ぢろさん。でもお小言ではなく、お褒めの
言葉が・・なんとか落ち着いて、しっかり最後まで、こ
れも、「ハプニングに動じない」ための試練か(笑)

扇橋「転宅」。お菊さんに、「名前で呼んで」と言われ
て、泥棒が思わず「高橋!」・・って、体育会系か。

扇辰「ねずみ」。前回は急なぎっくり腰で休演・・とい
うことで、「あたしの腰が立ちました」の、この噺へ。

いつもより少し早口のような・・スピーディな展開。
利発で可愛い卯之吉少年、律義そうなその父親、きりっ
とカッコイイ二代目政五郎、そしていつも通り飄々とし
た甚五郎・・人物造詣がきっちりしているから、聞いて
いてわかりやすいし、感情移入しやすい。

扇蔵「左の腕」。松本清張原作の、いわゆる“文芸物”。
以前に一度、正雀師匠で聞いている。その時に聞いたと
ころでは、清張の原作を先代文蔵師が脚色したとのこと。

美しい娘と老飴屋・・謎の多い親子。知人の世話で、あ
る大きな料亭で働くことになる。土地の岡っ引きが、こ
の娘に眼をつけ、老父の秘密を探ろうとするが・・

犯罪を取り締まる側の岡っ引きが悪党で、悪党のはずの
泥棒が仁義に厚いいいやつだった・・という皮肉。
ある意味、清張らしいかも。

扇蔵師、前回も同じようなテイストの噺だったと記憶し
ている。扇蔵師匠に向いた味わいのように思う。

扇遊「井戸の茶碗」。扇遊師匠のこの噺は、何度か聞い
ているはずだが、かなり久々でもある。2014年以来。

ことさらに笑わせようとはせず、全体にさらっとした印
象なのだが、途中で何度も、客席から笑いが起こる。

出てくる人がみんないい人なのは、誰が演っても一緒だ
けれど、その上に演者自身の人柄が上乗せされるのか、
より一層、すてきないい噺になってると感じた。

扇橋師以下4人の師匠方、みなさん、なぜか、茶系統の
着物や羽織を着ていらしたのが印象的。入船亭のチーム
カラーですかね?
posted by JTm at 11:32| 落語 | 更新情報をチェックする

2024年04月02日

2024.4.1 表扇家@日本橋社会教育会館

2024.4.1 第7回 表扇家

演目
入船亭扇橋     (ご挨拶)
桂 枝平      死ぬなら今
入船亭扇橋     長屋の花見
  〃       野ざらし
  (仲 入 り)
入船亭扇橋     鼠穴

プログラムとともに配られた、扇橋師の一文・・・
(クリックすると拡大します)
  IMG_9315.JPG

驚いたが、ありそうだ、とも。見事に騙されました。最後まで
じっくり読むと、エイプリールフールであることがわかるが、
前半で驚いて、舞い上がっちゃって、最後まで読まない人が多
数・・・ご本人、してやったりのガッツポーズ。

枝平「死ぬなら今」。前座は普通演らない噺と、自分でも言っ
ておられたが、これが、とても面白かった。ただ、地獄寄席の
くだりは、誰かの「地獄八景」で聞いたような気が・・。

扇橋「長屋の花見」。先日聞いたばかりの、市童さんのとよく
似ていた・・ネタ元は市馬師匠で決まり、かな?
ちょうど桜も咲き始めて、今回は実にタイムリーな演目に。

扇橋「野ざらし」。昨秋以来。八っつぁん、いつもよりさらに
ハジケていたようだが、冒頭の件で、演者自身が浮かれていた
のかもしれない。

扇橋「鼠穴」。お初です。正直、意外な演目だった。
一朝師匠が演るのと同じくらい意外・・扇辰師匠は、たぶん、
演らないだろうなー・・。

夢オチの結末を知っているためもあるのだろうが、再会して、
あの時三文しか貸さなかった訳を話す兄貴は、夢で「鬼」と呼
ばれるような人には見えないな・・弟思いの、良い兄さんって
感じ。ネタバレかもしれないが、個人的にはこの方が好き。

弟の“出世過程”は、「わらしべ長者」みたいで、結構好きなん
だけれど、その部分が、ちょっと短かったような・・?

「弟子入り志願者なんて来ない、万が一、来てもとらない」と、
扇橋師匠は言うが、まぁ、いずれ、そんな日も来ると、ファン
はみんな思ってますよ。
posted by JTm at 13:18| 落語 | 更新情報をチェックする