2017年06月26日

2017.6.25 一朝会@浅草見番

2017.6.25 第五回 一朝会

演目
春風亭朝太郎      一目上り
春風亭一左       宮戸川
春風亭一朝       天災
  (仲 入 り)
春風亭一朝       大山詣り
         (三味線:岡田まい)

梅雨らしい雨の中、満員のお客さん。限定100席
で売っているらしいが、回を追うごとにお客さん
が増えているように思う。

朝太郎「一目上り」。最初の一幅が、雪折れ笹で
はなくて、富士の絵に蜀山人の賛というのは珍し
い。おそらく、季節への配慮だと思うが、そんな
“台本”もあるのか・・初めて聞いた。

一左「宮戸川」。お花ちゃんが小出さんに駆けっ
こを習っていたり・・なんていうくすぐりがある
ところで、ネタ元は、あ、あれだな、と。

正直に言います・・“ご本家”より好きです、わた
し。・・・誰とは言いませんが、あの師匠の話し
ぶりは、口先だけのしゃべりに聞こえて、どうし
ても好きになれない。

一朝の二席。
「天災」。お、やったね!という気分。この噺は、
なんたって、一朝師匠が極め付け。

師匠である先代柳朝師匠を念頭に演じると、以前
に言っておられたと記憶している。今回も、マク
ラは、その柳朝師の逸話。・・これがね、また、
素敵に楽しい・・・それもまた、一朝師の天災の
楽しみとなっている。

「大山詣り」。これはレアもの。たぶんお初。

冒頭、「お山を遠慮してくれ」と言われて、床を
叩いて講義する場面で、「お前、毎年そうやって
そこを叩くから・・」と言うのは、志ん朝師のC
Dで聞いた記憶がある。

熊さんの喧嘩相手が、負けず劣らずの喧嘩好きで、
どっちもどっちという感じ。

ただ、罪もないカミさん連中を、みんな坊主にし
てしまうという結末が、不思議と不快感なく笑え
るのは、喧嘩両成敗だからってことじゃなく、
一朝師匠の、あくまでカラっと明るい芸風の故で
しょう。

おかげで梅雨空も一休み・・・雨、上がりました。
posted by JTm at 08:55| 落語 | 更新情報をチェックする

2017年06月25日

2017.6.24. 三田落語会@仏教伝道センター

2017.6.24. 三田落語会(昼席・夜席)

昼席演目
桃月庵はまぐり      たらちね
林家正蔵         夢八
柳家三三         碁泥
  (仲 入 り)
柳家三三         磯のあわび
林家正蔵         藪入り

夜席演目
林家たま平        出来心
桃月庵白酒        犬の災難
柳家喬太郎        ニセ長短
  (仲 入 り)
柳家喬太郎        夢の酒
桃月庵白酒        青菜
      (三味線:昼夜とも、太田その)

昼席。
はまぐり「たらちね」。新妻の名を確認するとこ
ろまでで切った・・かな? 短いじゃん!と思っ
たことだけ記憶にあり。

正蔵「夢八」。あまり不気味さを前面に出さず、
全体にカラッと明るい噺。考えてみると、この噺、
正蔵師のような丸顔の童顔?の人の方が良い。

細身で顔色の悪い人や、丸顔でも怖い顔の人だと、
ホントに不気味すぎて、夜中にはばかりに行けな
くなりそうだ。

三三の二席。
「碁泥」。碁を禁じた奥さんが、点かない煙草を
くわえた碁打ちふたりの様子を、ふすまの陰から
覗き見て面白がっている様子が、なんだかすごく
楽しい。

ふたりに輪をかけて碁好きの泥棒が、パチーン!
という石の音に、ぶるっと身を震わせる・・わた
しは別段、碁好きではないけれど、共感できるなぁ。

「磯のあわび」。昨年の三三・左龍の会で聞いて
いるので二度目。人を疑うことを知らない与太郎
さん・・・可愛いところもあるが、あの押しの強
さは・・・近くに居たら閉口だね。

正蔵「藪入り」。昨年、正蔵・馬石・一之輔の会
で聞いたのと一緒で、ネズミの登場しない独自の
サゲ。・・・分かりやすいけど、芝浜とか井戸茶
とか・・・似てるよなぁ、と今回も思う。

夜席
たま平「出来心」。前半の間抜け泥の部分。新米
泥棒の失敗談、「根岸三平堂に入った」は、愉快
だった。師匠が帰ったから出来た、そして、彼が
その師匠の息子だからこそ、活きたくすぐり。

白酒「犬の災難」。白酒師のこの噺、なんと2011
年以来。まあ、“珍品”の部類ですからねぇ。

隣家に届けられた鶏肉を預かり、「食べちゃおうか」
と考えちゃうのは・・性質悪いと思うんだけど、
なぜかあまり嫌な感じがない。これ、演者の風貌
の徳(得?)かも。

喬太郎の二席?
「ニセ長短」。これは終演後の貼り出しに書かれ
ていた演目だが、実際には「猫久」「武助馬」
「長短」、三席をちょっとずつ。

なぜこんなことになったのかの詳細は書きません。
いろんな方が他に書いておられるようだし。
個人的には、「猫久」、サゲまで聞きたかった。

「夢の酒」。仲入り後は、気を取り直して、真面
目に。

先日、らくだ亭で聞いたばかりだが、短い間に、
かなりの変化。夢の女はますます蠱惑的となり、
お花さんの嫉妬は、ますます募る・・・楽しい噺。

白酒「青菜」。これも昨年に続き、二度目の遭遇。
植木屋のカミさんが、嬉々として“お屋敷ごっこ”
をしたがり、喜んで押し入れに入っちゃう・・こ
れ、爆笑です。
posted by JTm at 08:32| 落語 | 更新情報をチェックする

2017年06月23日

2017.6.23 能楽鑑賞教室@国立能楽堂

2017.6.23 第34回 能楽鑑賞教室

演目
解説「能楽のたのしみ」    山井綱雄(能楽シテ方金春流)
狂言「附子(ぶす)」(大蔵流)
     シテ(太郎冠者)=山本則孝、
     アド(主人)=山本凛太郎、アド(次郎冠者)=山本泰太郎
  (休   憩)
能「黒塚(くろづか)」(金春流)
     シテ(前・女、後・鬼女)=辻井八郎、
     ワキ(阿闍梨祐慶)=殿田謙吉、
     ワキツレ(同行の山伏)=則久英志、
     アイ(能力)=若松 隆
     囃子方 笛=藤田貴寛、小鼓=鳥山直也、
         大鼓=佃良太郎、太鼓=金春國直
     後見=髙橋 忍、井上貴覚
     地謡=大塚龍一郎、本田芳樹、中村昌弘、山中一馬、
        政木哲司、山井綱雄、後藤和也、本田布由樹

今年の鑑賞教室は、たまたま生徒さんたちの少ない
日に当たった。都内の私立の中学と高校、各一校。

冒頭の解説は、能舞台の説明、能楽の歴史など、必
要最小限の項目に絞って、初心者にもとっつき易く
明解。

途中で、生徒さんを三人舞台に上げてのワークショッ
プも例年通りだが、客席の元・生徒まで巻き込まれ
るとは思わなんだ・・・

狂言「附子」。これはもう、ポピュラーな演目で、
教科書にも載っているそうだから、生徒さんたちの
反応も上々。

ただ、茂山千五郎家の公演を見慣れている身には、
山本家の演出は、地味だなぁとの思いを禁じ得ない。
・・もちろん、それも面白いのだが。

能「黒塚」。昨年9月に、本公演で一度見ている。
その時と同じ金春流・・ただし、前回は「雷鳴の出」
という小書がついていた。

黒塚の女の後シテは、般若の面をつける。
冒頭の解説の山井師は、「般若がどうしてあのよう
な姿になったのか、その訳は自分で調べて」と。

“宿題”なので、調べてみる。

般若の面をつける代表的な役柄は、「葵上」の、六
条御息所の生霊だそうだ。

元・皇太子妃という高い身分、教養豊かな女性だが、
光源氏との恋が終わりに近づいたことを悟り、それ
でもなお、思いきれずに、源氏の正妻である葵上を
苦しめる。

その表情には、怒りと恨みが強く表れるのは当然だ
が、そのさらに奥には、見捨てられた者の悲しみが
宿る。

黒塚の女もまた、「見てはだめ」と言い、「見ない」
と約束したのにもかかわらず、それを破られてしまっ
たことを悲しく思ったのか。

いや、それ以上に、人を喰らうことによってしか生
きられない悲しさ、そして、そうまでして生きたい
と思う自分の浅ましさを、嘆いているのだろう。

最後、阿闍梨の祈りによって調伏されてしまい、
「失せにけり」の詞に乗って橋掛を引き上げる鬼女
が、なんとも哀れに見えたのは・・・ちょっと、感
情移入しすぎだったかな。
posted by JTm at 21:23| | 更新情報をチェックする