2016年09月28日

2016.9.27 日本演芸若手研精会・昼席@お江戸日本橋亭

2016.9.27 日本演芸若手研精会・昼席

演目
柳家小はぜ      道灌
入船亭小辰      目黒の秋刀魚
柳亭市童       ろくろっ首
  (仲 入 り)
柳家緑太       町内の若い衆
春風亭正太郎     死神

開場前、今日は落語協会ばかり・・・という話をしていたが、
よくよく見たら、さらに「柳家」が5人中4人だ。五代目小さ
ん孫弟子・ひ孫弟子の会みたいになってる。

小はぜ。昇進まであとひと月、いつのまにか弟弟子も出来
て(小はだ。この9月下席から楽屋入り)、進境著しい・・・と
言いたいが、さて?・・・噺は「道灌」。初心を忘れずに。

小辰「目黒の秋刀魚」。昨秋から演っているようだが、遭遇
出来ずに、この日がお初。ほぼ、扇辰師匠のまんまだけれ
ど、さりげなく、細かいところを変えているようだ。

マクラの小噺、殿様が見るのが、庭の築山だったけれど、
ここはやはり、築山の松だか桜だか、木の名を入れた方が
良い。「枝ぶりが良い」って言うからにはね。

市童「ろくろっ首」。例によって、いったい幾つなんだ?と言
いたくなる、老成した語り口。それならば、「お嫁さんが欲し
いー!」の大絶叫は、もっと爆笑を誘ってもよさそうなもの
だが・・・何が足りないのか?

緑太「町内の若い衆」。こちらもまた、まったくそつなく演っ
ているのに、今ひとつ物足りなさが残る・・・なんでかなぁ?
・・・・・だからと言って、ウケばかり狙うのも、どうかとは思
うのだが。ま、ほどほどに、ね。

正太郎「死神」。正太郎さんの死神は、たぶんお初。
なんと言っても、最後の、「寿命のろうそく」の場面が怖かっ
た・・・・「これ、なぎ倒しちゃったらどうなる?」「大災害が起
こるんだ」・・・ナットク。

そして、「お前のせがれのろうそくを消して、お前の火を移
せ」というセリフ。息子の命と自分の命の二者択一を迫る
・・・こんなオソロシイ死神は初めてだ。


終演後、表に出たら、楽屋口から飛び出して来た正太郎
さん、すでに私服に着替えて・・・速い!と思ったが、なん
だ、下はすててこのまま。(笑)
posted by JTm at 08:43| 落語 | 更新情報をチェックする

2016年09月25日

2016.9.24 特別企画公演「日本の太鼓」@国立劇場

2016.9.24 国立劇場開場50周年記念
    第40回 特別企画公演「日本の太鼓」・第一日

演目
鶴の寿(つるのことぶき)     作調=藤舎呂英
  出演 藤舎呂英連中 
      囃子 藤舎呂英、藤舎円秀、藤舎清之、望月太津之、
         梅屋右近、藤舎呂裕、望月正浩、望月呂鳳
      笛  福原徹彦、福原百七
      長唄 杵屋佐喜、杵屋長寿郎、杵屋利次郎、
         吉住小碌、杵屋正則
八丈太鼓(東京都八丈島)
  出演 八丈島太鼓の会 菊池隆、菊池卓
尾張新次郎太鼓(愛知県名古屋市)
  出演 尾張新次郎太鼓保存会
       服部貴行、土方道人、林克久、岡田健二、安井貴広、
       山田成美、棚橋春美、松岡秀春、松岡義大、鳥山竜佑、
       鈴木快斗、安井富、安井久晃
石見神楽「大蛇(おろち)」 
  出演 谷住郷神楽社中(島根県江津市)
       右田哲也、大迫吉秀、大場俊弘、早弓智博、大畑慶介、
       大畑公介、恵木勇也、太田祐三、大杉典久、岩崎優、
       原広樹、岡本祐一、右田達郎、青木修平、別所良祐、
       濱吉勇介、島田雅也
  (休   憩) 
独演「千年の寡黙2016」   作曲=林英哲
       独演 林 英哲
大太鼓連打「七星」      作曲=林英哲
  出演 林 英哲
     英哲風雲の会 上田秀一郎、はせみきた、服部博之、木村優一、
            辻祐、上坂優、田中嘉久、石塚拓矢

あまり馴染みのない分野の会に、またもお邪魔したのは、
一昨年、文京シビックHで拝見した「石見神楽」の名に惹
かれたからだった。

もちろん、再見の石見神楽「大蛇」は、前回にも増して(な
にせ舞台が広いから)の勇壮さであったが、他の出演者
もまた、勝るとも劣らない見事さだった。

プログラムは、創作太鼓と各地に伝わる伝統芸能によっ
て構成されている。

「鶴の寿」。開場50周年の記念に委嘱された祝祭の曲だ
そうで、この日が初演。

能の「式三番」をモチーフに、太鼓を主体にして、鼓、笛、
そして長唄のアンサンブル。長唄の詞は、能の謡の「とう
とうたらり・・・」をアレンジしたものだったようだ。

「八丈太鼓」。プログラムには、宇喜多秀家を始め、戦に
敗れてこの島に流された流人たちが、刀を桴(ばち)に
持ち替えて打ち鳴らした・・・という、話が紹介されていた。

演者の両菊池氏は、父子だそうで、確かによく似たお顔
立ちだった。

ひとつの太鼓をふたりで打つ、両面打ちという技法で演
じられ、文字通り、「打てば響く」という、絶妙のコンビネー
ション・・・掛け合いの妙味である。

二日続きのこの公演だが、両日とも、災害から復興した
伝統芸能の演目が、ひとつずつ組み込まれている。
(ちなみに二日目は宮城県気仙市の太鼓)

初日のこの日は、この「尾張新次郎太鼓」がそれ。
もともと、熱田神宮の神楽から発祥して、愛知県西部に
広まった太鼓演奏は、昭和34(1959)年の伊勢湾台
風による被害と、その後の高度成長期の価値観の変化
で、次第に廃れつつあった。

その中で、率先して若者たちを指導し、自分の技法を惜
しみなく伝えたのが、西川新次郎(1912-82)さんで、
今、その名を冠した保存会には、会員・準会員あわせて、
200名以上が所属しているそうだ。

笛の演奏に合わせて、ひとりの奏者が、それぞれ、長胴
太鼓と締太鼓を両手の桴で打ち分ける。時に、桴を投げ
上げたり、バトンのように回したりする、“曲打ち”も見せる。

8人の太鼓奏者の動きが、見事にシンクロして、視覚的
にも見ごたえがある演奏だった。

「石見神楽・大蛇」。一昨年シビックHで見たのは、島根県
吉賀町の会だったが、今回は、江津市に本拠を置く会。

「大蛇」は、石見神楽の代表的演目で、素戔嗚尊が八岐
大蛇を退治した神話に基づくもの。

なんと言っても、大蛇の舞のすごいこと!とぐろを巻いて
せりあがったかと思うと、次の瞬間には数頭の大蛇が、
絡み合う・・・そのすばやいこと!

そして、長丁場の間中、速いテンポで打ち鳴らされる太鼓
が・・・・これまた、お見事!

休憩後の後半は、太鼓奏者にして作曲家の林英哲氏の
登場。

林氏は、広島県出身で今年64歳。若いころから、鬼太鼓
座や鼓童での活動を経て、1984年には、初の和太鼓ソ
リストとして活動を開始したとか。

「千年の寡黙」は、昭和60(1985)年の初演。世界初の
和太鼓独奏曲だそうだ。

舞台中央に特別大きな太鼓を配し、左右に、様々な形の
太鼓が、ドラムセットのように組み合わせておかれている。
これを行き来しつつ演奏しながら、最後は、中央の大太鼓
での演奏となる。

いやー・・・なんかもう、頭がクラクラ。
何も考えられず、何も感じず、ただただ、どっぷりと、太鼓
の響きの中に浸かってる・・・・そんな感じ。
でもって、これがなんとも心地よい。

最後「七星」は、英哲氏とお弟子さんたちとの計9台の大
太鼓の連打・・・引き続き、太鼓のシャワーを、たっぷりと
浴びさせていただきました。

最後にもうひとつ。
前後半とも、国立劇場の舞台機構をフルに使用した、ス
ピーディな舞台転換が、実に鮮やか。前演目の興奮を、
途切れさせることなく後に続けて、より一層、演奏を盛り
上げた。・・・・特筆して称えたい。
posted by JTm at 10:29| 雑記 | 更新情報をチェックする

2016年09月24日

2016.9.23 鈴本演芸場下席・夜の部

2016.9.23 鈴本演芸場下席・夜の部
   橘家文左衛門改メ三代目橘家文蔵襲名披露興行

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演目
古今亭志ん吉      寿限無
アサダ二世       (奇術)
林家木久扇       (漫談)彦六伝
ホームラン        (漫才)
春風亭一朝       牛ほめ
鈴々舎馬風       (漫談)楽屋列伝
林家二楽        (紙切り)
   桃太郎、文蔵襲名、酒を呑む文蔵師匠、煎餅を食べる小池知事
柳亭市馬        目黒の秋刀魚
  (仲 入 り)
「襲名披露口上」
  (下手から)扇辰、一朝、権太楼、文蔵、木久扇、馬風、市馬
鏡味仙三郎社中     (太神楽曲芸)
柳家権太楼       つる
入船亭扇辰       お血脈
柳家小菊        (粋曲)
橘家文蔵        試し酒

新橋演舞場が、意外に早く終わってしまったので、3時
半に御徒町に着いてしまった・・・大初日にはもう、列が
出来ていた時間だが、さすがに、まだ誰もいない(笑)

しばらく時間をつぶして出直す。
開場時には、20人くらいの列になっていたようだ。

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志ん吉「寿限無」。前座時代に、高座が長すぎて、文師
に怒られた話をマクラに。最後、あとちょっとで終わる
ところだったのに、「お時間です」と。・・・また怒られると
いけねぇ。

一朝「牛ほめ」。これ、レアものじゃないかい?
おんなじですねぇ・・・お弟子さんたちのと。当然だけど。

市馬「目黒の秋刀魚」。殿様が、あまり漫画チックじゃな
くて、ごく真っ当なイメージ。いろんな意味で、市馬師らし
いな・・・と感じた。

「襲名披露口上」。扇辰師司会で、下手から順のご発言。
意外に真面目!

権太楼師匠が、61歳の若さで亡くなった先代のことに触
れ、「これだけは師匠を見習わないように」と言われたの
が印象的だった。

権太楼「つる」。陽気ににぎやかに。

扇辰「お血脈」。善光寺の由来は飛ばして、後半のお血
脈の印盗み出しの一件。クサイよ・・・可笑しいけど。

橘家文左衛門改メ三代目橘家文蔵。
「楽屋じゃもう、呑んでますよ・・・『俺にも・・』って言った
ら、『お前はまだ仕事があるだろ!』って怒られて・・・」

呑みたい気分を反映してか、「試し酒」へ。
豪快な呑みっぷり!・・・一気の呑み干しに、中手が二回。

連休の谷間の平日とあって、さすがに満席にはならな
かったようだが、あたたかい、いい雰囲気の客席。
おめでとう、文蔵師匠!
posted by JTm at 08:56| 落語 | 更新情報をチェックする