2021年04月26日

2021.4.24 人形浄瑠璃 4月文楽公演@国立文楽劇場

2021.4.24 人形浄瑠璃 4月文楽公演 第3部

息せき切って劇場に着いたら、残念な告知のパネルが
2件も。
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残念だが仕方ない。せめて今日だけでも楽しもう・・。

演目
「傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると)
  十郎兵衛住家の段
   (口)太夫=竹本碩太夫、三味線=鶴澤燕二郎
   (前)太夫=竹本千歳太夫、三味線=豊澤富助
   (後)太夫=豊竹靖太夫、三味線=野澤錦糸
   人形役割 阿波十郎兵衛=吉田玉也、女房お弓=桐竹勘十郎、
        娘おつる=桐竹勘次郎、飛脚=桐竹亀次  外
  (休  憩)
「小鍛冶(こかじ)
  太夫 稲荷明神=竹本織太夫、宗近=豊竹睦太夫、
     道成=豊竹芳穂太夫、ツレ=竹本小住太夫、豊竹亘太夫
  三味線 鶴澤藤蔵、鶴澤清志郎、鶴澤友之助、
      鶴澤清允、鶴澤清方(胡弓も)
  人形役割 三条小鍛冶宗近=吉田玉佳、
       老翁実は稲荷明神=吉田玉志、
       勅使橘道成=桐竹紋秀  
  はやし 望月太明象藏社中

「傾城阿波の鳴門」。冒頭で幼い順礼(巡礼と書く方が一般的な気がするが、
ここではこの文字)とお弓が交わす会話は、落語にも登場するくらいでと
ても有名だけれど、“本物”の文楽を見るのは初めてだ。

阿波十郎兵衛は、主命により紛失した重宝の刀を探すため、盗賊にな
り、女房のお弓とともに、大坂の玉造に潜伏している。

十郎兵衛の留守に、追手が迫っているとの文を受け取ったお弓は、こ
のまま盗賊として捕らわれては夫の名折れ・・と心配する。

そこへやって来た順礼の少女・・よくよく話を聞けば、紛うことない、
わが娘・・しかし、ここで親子の名乗りをすれば、娘まで盗賊の罪に
連座させることになる・・と、心を鬼にして娘を追い払う。

しかし、すぐに思いなおし、その後を追うのだが・・・

一方、盗賊・銀十郎となった十郎兵衛は、乞食に付け狙われているこ
の巡礼の少女を助けるが、懐に金を持っているという言葉に、ふと、
悪心を起こし・・・

悲劇である。親が実のわが子を殺すという話が、文楽にはなんと多い
のだろう。「大義のため」とは言うけれど、殺しは殺し、しかも、こ
の十郎兵衛は、おつるがわが子であるとはまったく知らず、初対面の
順礼の少女の懐を狙うのだから・・性質が悪いよなぁ、と思う。

それにしても、こんな小さな女の子が、ひとりで順礼なんて、養育し
ていた祖母はいったい何を考えているのか?との疑問は、最後に明ら
かになる。

おつるの懐から金と一緒に出てきたのは、祖母の最後の文だった。
祖母は、尋ねる刀の行方を知って、一刻も早く十郎兵衛に知らせよう
と、おつるとともに旅立つ直前、帰らぬ人となったのだ。

わが子を自ら手に掛け、同時に母の最期を知らされたら・・きっと、
正気じゃいられないのでは?と、思うのだが・・・・
十郎兵衛、強すぎです。

「小鍛冶」。もともとは能の演目で、能でも見ているが、文楽でも一
度見ているようだ(まったく忘れている)。

刀鍛冶の宗近は、勅命により刀を打つことになる。すぐれた刀を打つ
ためには、すぐれた相槌(向こう槌とも)が必要と、稲荷明神に祈願
する。

そのお告げにより、刀を打つ準備をする宗近と、見守る勅使道成の前
に、稲荷明神が現れて、見事、一振りの刀を・・

刀を打つ場面で、本物の?火花が激しく飛んだのはすごかった・・人
形が焼けこげちゃわないかと心配になる。どういう仕組みなんだろう?

織太夫師の伸びのある美声、藤蔵師の力強い三味線が、なんとも心地
よい。至福の時間だった。

ところで、ロビーにこんな人形が展示されていて、写真を撮る人が列
を作っていた。
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なんでも、「刀剣乱舞」とかいうオンラインゲームのキャラクターな
のだそうで、その名も「小狐丸」と、宗近と稲荷明神が打ち上げた刀
と同じ名前なのだとか。・・・ま、よくわかりませぬ。
posted by JTm at 13:47| 文楽 | 更新情報をチェックする

2021.4.24 moppyリサイタル@大津市伝統芸能会館

2021.4.24 moppyリサイタル VOLUME2 一回目

演目
ご挨拶        茂山宗彦
狂言「二人袴」
    聟=茂山宗彦、兄=茂山逸平、
    舅=茂山千五郎、太郎冠者=茂山 茂、 後見=鈴木 実
  (休  憩)
狂言「縄綯(なわない)」
    太郎冠者=茂山宗彦、主人=茂山千五郎、
    何某(賭けの相手)=茂山 茂、    後見=茂山七五三
附祝言「猿唄」    茂山七五三
ご挨拶と退場の案内  茂山宗彦

明日にも緊急事態宣言が発令されようという最中に、大津、
大阪への遠征を企てる。

大津で狂言を見て、その後、大阪に移動して文楽の三部、
翌日に一部と二部を見る予定だったが、この旅の初日の昼
には、翌日の文楽公演の中止が決まったとのニュース。

・・前日に言われてもなぁ・・とため息が出たけれど、ま
あ、この日の公演だけは無事に見られそうだから・・と、
自分を慰める。

大津市伝統芸能会館は、大津市役所にほど近く、三井寺の
隣にある能楽堂。
  外観
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  内部 舞台の大きさは決まっているが、橋掛は国立能楽堂の半分くらいかな?
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まずは、宗彦さんのご挨拶?と思ったが、聟の装束で登場
し、名乗り始めるから、「え、挨拶なし?」・・そんなこ
はありません、一転、素に返ってのおしゃべりに。

「二人袴」。結婚後初めて妻の実家に挨拶に行くのが、聟
入という行事で、この若い聟は、今日、それをしなくては
ならない。

嫌がる弟をなだめたりすかしたりして、ようやく舅の家に
連れて来た兄だが・・

ここれはもう、お馴染みの演目だが、普通は、年上の役者
が兄、年下の役者が弟の聟役を演じるところを、今回はあ
えて、実弟の逸平さんに兄を演じさせるという・・

でもなー、なんだか全然違和感がない。逆に逸平さんの方
が弟だというのが、不思議に思えちゃったり。(ごめん)

前方席にいた、小さなお嬢さんが終始、けらけら笑ってい
らしたのが印象的。

「縄綯」。博奕好きながら全然勝てない主人は、ついに有
り金残らず巻き上げられ、おまけに召使の太郎冠者までを
も取り上げられることに。

太郎冠者をなんとかだまして、相手の家に送り込んだのだ
が、それを知った太郎冠者は、“ストライキ”を決行。まっ
たく仕事をしないので、賭けの相手は、元の主人に苦情を
言う。

元の家に返された太郎冠者、縄を綯いつつ、賭けの相手の
家の悪口を言い募るが・・

こんなに慕っている主人に、賭けのかたにされてしまう太
郎冠者は気の毒千万。中世の身分制社会の下人の悲哀・・
なんだけれど、次々に繰り出す悪口の仕方話の、なんと、
愉快なことか。

左右に上下を切って話す様子は、なんだか落語みたい。
「ちりとてちん」の小草若、そのままです。

終演後、京阪とJRを乗り継いで大阪へ。大阪駅で翌日の
新幹線の乗車変更手続きをして、地下鉄で日本橋の文楽劇
場へ。・・間に合うかどうか心配だったが、無事、到着。
posted by JTm at 10:58| 狂言 | 更新情報をチェックする

2021年04月23日

2021.4.23 権太楼ざんまい@日本橋劇場

2021.4.23 権太楼ざんまい

演目
三遊亭まんと     たらちね
柳家権太楼      宿屋の仇討
  (仲 入 り)
柳家権太楼      船徳
       (三味線:井上りち)

まんと「たらちね」。お初です。萬窓師門下、2019年に
楽屋入り。新妻の名前がお経になっちゃうところで切って
降りたのだけれど、なぜか、ふたたび高座へ。

「最後まで演れって言われました」・・・権太楼師匠の、
まさかのダメ出し。

ただ、権太楼師匠、決して前座さんを叱ったわけではなく、
素直で前座らしいよい噺、特に間がいい・・と、褒めてい
ました。

権太楼師の二席は、いずれも、5月上席の鈴本でネタ出し
しているもので、今月中席の間に、稽古していたらしいが、
「10席のうち2席、ちょっと危ないので・・」と。

公開稽古ですか?・・いや、三度目の緊急事態宣言発令で、
これが“本番”になっちゃうかも?

権太楼「宿屋の仇討」。しばらく演っていないとのことだっ
たが、昨年8月に聞いている。ただその時が8年ぶりの遭
遇だったから、口演機会はあまり多くないのかもしれない。

以前に比べると、江戸っ子三人組の馬鹿騒ぎの時間が、少
し短くなったかなぁ・・?
それでも、元気に賑やかに・・権太楼落語の神髄。

権太楼「船徳」。もう25年も演っていない・・というよう
なことを言ってらしたが、いえいえ、そんなことはありま
せん。2015年、2017年と、2回聞いています。

2015年は鈴本夏まつり、2017年は三田落語会だった。

頻繁には演らなくなって、25年くらいたつ・・という程度
の意味だったのかな。いずれにせよ、レアなのは確か。

四万六千日の客が、こうもり傘を持たず、したがって石垣
を傘で突くことが出来ず、ふたりの客が手で石垣を押した
り、汗が目に入るからと、徳さんが客に汗を拭かせたり、
ついでに腰を叩いてと言ってみたり・・他の演者ではあま
り聞かないくすぐりが多々。

そして、徳さんがひとりで舟を漕いでいると知った竹屋の
おじさんが、「ひとりかー?・・大丈夫か―?」と絶叫す
るのが、もう、たまらなく可笑しかった。

さて、鈴本さんの5月上席GW興行、どうなるのかなぁ?
予定では、「四季の噺十夜」のテーマで、冬の「うどん屋」
から、師走の「鼠穴」までネタ出しされている。

この日の演目の「宿屋の仇討」は春で4日目、「船徳」は
もちろん夏で6日目に予定されているのだが・・さて?
posted by JTm at 22:27| 落語 | 更新情報をチェックする