2018年08月17日

2018.8.16 日本演芸若手研精会@日本橋社会教育会館

2018.8.16 日本演芸若手研精会 第446回 柳亭こみち卒業公演

演目
春風亭きいち      一目上り
春風亭昇々       生まれる!
柳家小はぜ       やかん泥
桂 宮治        初天神
  (仲 入 り)
「柳亭こみち真打昇進披露口上」
 (前列下手から)志ん吉(司会)、昇々、こみち、正太郎、市楽
 (後列下手から)小もん、小辰、宮治、小はぜ
 (手締め音頭係)遊京(私服)
古今亭志ん吉      大隈家の人々
柳亭こみち       縁切榎(+踊り「かっぽれ 豊年満作入り」)
        (三味線:太田その)

研精会唯一の女性メンバー、こみち師匠、いよいよ
卒業の日を迎えた。いつもの共通入場券では入れな
いという特別興行で、それでも客席は満員御礼・・
この会場にこんなに人がいるの、久々に見た。

きいち「一目上り」。まずはおめでたい噺でスター
ト・・だけどこれ、市馬師版だよね?・・「化けも
のありますか?」「うちの婆さんかい?」という会
話も、「ご恩返しに風邪でもひきてぇんですが、因
果と丈夫で」の会話もあったしね。

昇々「生まれる!」。研精会在会中に、二度の出産
を経験したこみち師に贈る噺・・だそうで。早生ま
れはなにかと不利だからと、なんとか出産を遅らせ
ようとするお話。(つい最近、そんなニュース見た)

馬鹿らしいが面白かった。前回のような古典より、
こっちの方が断然良い。マクラのお母さんの話も愉
快だった。

小はぜ「やかん泥」。一朝師匠がよく掛けている噺。
小はぜさんのは二度目かな。パァパァしゃべってば
かりの新米泥棒が、すごく気弱そう。一朝師だと、
もう少し明るくて能天気なんだけどな。

宮治「初天神」。金ちゃんの両親は、こみち&宮田
昇という設定で。昇先生とは同じ芸術協会だから?、
まったく遠慮がない・・・場内爆笑。

仲入り後は、口上から。幕が開くと、上手で市楽さ
んが太鼓を叩き、下手で志ん吉さんが笛を吹く・・
どこかで見たかたち。

卒業記念とあって、今日は出番のないメンバーもた
くさん登場・・黒紋付なしの遊京さん、ごくろうさ
ん。みなさん、こみち師匠ヘのエールをたっぷりと
だったが、中で、宮治さんの話は、凄腕のセールス
マンだったという前歴がうかがえて、お見事!

志ん吉「大隈家の人々」。寄席での披露目でも掛け
ていた、W大学出身者にはバカウケの噺。
余談だが、終演後のネタの張り出しが、「大隅家・・」
になっていたのはご愛敬・・噺の内容に合わせた?

こみち。まずは、研精会先輩諸師への感謝?の言葉
を一通り。そして、「ここのお客様は洒落の分かる
方ばかりですから」との断りで、「縁切榎」へ。

大圓朝作。以前に一度、喬太郎師で聞いている。ふ
たりの女との縁を、どっちかひとり切ろうとするが、
どうしても切れない・・と、板橋にある縁切榎(実
在するらしい)へ。

どうしようもないヒモ体質の男に、しとやかに尽す
ふたりの女・・こみち師が演ると、とってもリアル
なんだけど、不思議におナマにはならない・・って、
矛盾してるかな?

でも、それがこみち師の一番の魅力なんです。

最後、縁起直しの「かっぽれ」も素晴らしく、結構
な卒業公演でした。


冒頭に、「研精会唯一の女性メンバー」と書いたけ
れど、口上での話では「研精会最初の女性」でもあ
るらしい。さて、今後、二番目、三番目の起用はあ
るのかな?・・・どうですか、主催者さん?
posted by JTm at 09:10| 落語 | 更新情報をチェックする

2018年08月16日

2018.8.15 八月納涼歌舞伎・第一部@歌舞伎座

2018.8.15 八月納涼歌舞伎・第一部

演目
「花魁草」2幕4場 北條秀司=作・演出、大場正昭=演出
  出演 お蝶=中村扇雀、幸太郎=中村獅童、米之助=松本幸四郎、
     座元勘左衛門=坂東彌十郎、お栄=市村萬次郎、 外
  (休   憩)
舞踊「龍虎」 大野恵造=作、十世坂東三津五郎=振付
  出演 龍=松本幸四郎、虎=市川染五郎
  (休   憩)
新作歌舞伎「心中月夜星野屋」1幕 小佐田定雄=脚本、今井豊茂=演出
  出演 おたか=中村七之助、星野屋照蔵=市川中車、
     お熊=中村獅童、藤助=片岡亀蔵  外

「花魁草」。安政の大地震で江戸を逃れた、役者の幸太
郎と遊女のお蝶は、栃木宿の百姓・米之助に助けられ、
その離れに暮らしている。

互いに想い合うふたりだが、10歳も年上でしかも暗い過
去のあるお蝶は、所帯を持つ決心がつかずにいる。

そんな日々に、突然現れた江戸の芝居の座元・・震災か
ら復興した芝居小屋に、幸太郎を迎えたい、しかも、以
前のような大部屋役者ではなく、若手の花形として、と。

喜ぶ幸太郎、励ますお蝶・・しかし、お蝶の心にはある
決心が・・・

想い合いながら、ついに結ばれることのない男女・・と
いうのは、なんか、新派にありそうな物語。北條が師事
した、長谷川伸作品にも通じる、昭和の香り・・それも
昭和初期・・ただよう舞台。初演は昭和56(1981)年だ
そうだけれど。

「龍虎」。襲名から半年の、松本幸四郎、市川染五郎の
親子競演である。

龍虎の争いは、日本絵画の画題としてよく取り上げられ
るもので、個人的には、葛飾北斎の作を思い出す。

 0816.jpg
 ↑わが家の壁に掛かっている龍虎図。龍図(フランス・ギメ美術館蔵)
が里帰りして、虎図(太田記念美術館蔵)に再会した時の展覧会で購入
したコースター。

最初、龍と虎のついた冠?を付けて登場した両者だが、
すぐに長い毛の鬘に変わり、さて、どちらが龍でどちら
が龍なのか?・・はい、袴の柄が龍は波頭、虎は竹林で
した。毛の色も龍は黒、虎は茶髪(笑)

二度の引き抜きもあり、豪快で迫力のあるスピード感あ
ふれる舞踊。振付の十世三津五郎は、三年前に亡くなっ
たあの方です。伴奏は竹本でしたが、演者の名は不明。
・・プログラムには書いてあるのかなぁ?・・買わなかっ
たので、すいません。

「心中月夜星野屋」。今回のお目当てはこの芝居。落語
「星野屋」を落語作家の小佐田定雄氏が脚色。

お話は、ほとんど落語の通りで、騙し騙されながらも、
カラッと明るく、不快感があまりないのも落語的。落語
を知り尽くした小佐田氏ならではの脚色だと思う。

星野屋の旦那を演じる中車丈(つまり、香川照之さん)
は、俳優としてはベテランだが、歌舞伎役者としてはま
だ経験が浅い。この星野屋の旦那を芝居好きで、なにか
というと芝居の真似をしたがる人と設定したのは、なか
なかよい工夫だ・・という気がした。

「花魁草」では、優男の役だった獅童丈が、男勝りの母
お熊を演じているのは、なんとなく楽屋オチっぼくてこ
れもまた楽しい。

余談だが、「ムシが好かない」と女たちにクサされた星
野屋が、「俺はムシが大好きさ!」とうそぶいてみせる。
「いよっ!カマキリ先生!」と、声を掛けたかったな。
posted by JTm at 09:42| 芝居 | 更新情報をチェックする

2018年08月13日

2018.8.12 小ゑん落語ハンダ付け@お江戸日本橋亭

2018.8.12 第10回 小ゑん落語ハンダ付け

演目
小ゑん&馬石      (ご挨拶)
柳家寿伴        ラブレター
隅田川馬石       浮世床・夢
柳家小ゑん       青菜
  (仲 入 り)
柳家小ゑん       トニノリ
隅田川馬石       唐茄子屋政談

第4回以来、なかなか日程が合わず、久々の参加。

寿伴「ラブレター」。別題「女給の文」だそうで、かつて
は、無学な女給からの恋文だったのだろうが、今では、海
外で生まれ育って、日本語が苦手な女性からの手紙として
いる。

印象としては、「生徒の作文」に近い。いくらでもバリエー
ションが出来そうな。

馬石「浮世床」。半ちゃんの長い夢のくだり。ここのとこ
ろ、滑稽噺に“新境地を開いた”?感のある馬石師、当然の
ようにこの噺もブラッシュアップ。

前半、「半ちゃんのモテ方講座」みたいなノリが愉快。い
ちいち、自慢げにそっくり返る半ちゃんが可笑しいこと。

小ゑんの二席。
「青菜」。五代目小さん師の型だが、そこはそれ、新作落
語の雄の噺だから、それだけでは終わらない。

前半のお屋敷では、旦那がちょいとマンガチックだし、後
半の長屋にいたっては、いろいろとお遊び満載の、爆笑噺
になっていた。

植木屋の女房が、太ってトドみたいで、その体形で腰巻に
襦袢だけって・・・想像するとものすごいね。

「トニノリ」。題名だけではなんだか分からない。
ドアの横の戸袋部分に窓のあった電車(山手線103系)が
走っていた時代の物語。

そう言えば、そんな電車あったよね・・そして、戸袋窓を
見ていると、中のドアの開閉装置が気になるというのも、
身に覚えあり。実は、子どものころ、夢中で見ていて、ド
アに指を引き込まれ、怪我したことがあるんです。
(山手線ではありませんが)

通勤電車の戸袋の中に、なぜか海苔が一枚・・気になるよ
ねぇ・・・仕事も手につかなくなったサラリーマンが、つ
いに休暇をとって、この海苔を手に入れるまでの苦難の道
のり・・・。

落語としては奇妙な味の一席だけど、やっと手にした海苔
を食べる場面は、なんとも美味しそうだった。

馬石「唐茄子屋政談」。前半部分をかなり端折って、40分
弱でサゲまで通し。

時間的には短くなるのは歓迎だけど、放浪の若旦那の飢え
や、カボチャを売り歩くのは「みっともない」というセリ
フを省いてしまうと、最後、改心した?若旦那が、因業大
家に言い放つ、「俺は八百屋だ!」の感動が薄くなるよう
な気がするのだが・・・さて?

ハンダ付け、次回は10月14日(日)、ゲストは正蔵師と
のこと。
posted by JTm at 09:45| 落語 | 更新情報をチェックする