2017年01月20日

2017.1.19 国立劇場初春歌舞伎公演

2017.1.19 国立劇場初春歌舞伎公演

演目
国立劇場開場50周年記念
通し狂言「しらぬい譚(ものがたり)」
 (柳下亭種員ほか=作『白縫譚』より。
  尾上菊五郎=監修、国立劇場文芸研究会=脚本)

発 端        若菜姫術譲りの場
序 幕     (筑前)博多柳町独鈷屋の場
二幕目 第一場 (筑前)博多菊地館の場
    第二場    同  奥庭の場
          三味線=杵屋巳太郎、尺八=神永大輔
  (休   憩)
三幕目     (筑前)博多鳥山邸奥座敷の場
  (休   憩)
四幕目 第一場 (京)錦天満宮゜鳥居前の場
    第二場 (京)室町御所の場
  (休   憩)
大 詰     (肥前)島原の塞(とりで)の場

 <配役> 大友若菜姫=尾上菊之助、鳥山豊後之助=尾上菊五郎、
      鳥山秋作=尾上松緑、乳母秋篠・足利義輝=中村時蔵、
      菊地貞行=坂東亀三郎、大友刑部・謎の参詣人=片岡亀蔵、
      傾城綾機・足利狛姫・山猫の精=尾上右近  外

毎年の吉例で、正月の歌舞伎公演は、一種“お祭り”である。

その「仕掛人」は、尾上菊五郎丈・・・最近は、もっぱら、息子
の菊之助丈が奮闘役、それでも、重鎮としての存在感、さら
に、え!?と、思わせるような柔軟な発想(いい意味でのお
ふざけでもあるが)など、この人無くしては、国立の初春は明
けないと言っても過言ではないだろう。

今回の演目は「しらぬい譚」。原作は江戸時代末期から明治
にかけて、何人もの作者に書き継がれた長篇小説である由。

小説の刊行途中から、何度も芝居になっていたそうだが、そ
の後途絶え、昭和52(1974)年に、国立劇場で復活上演。
(さすがに、見てません)

今回は、それをさらに改訂し、原作の中から“芝居向き”の、
面白そうな場面を選りすぐって脚本を制作したとのこと。

筑紫の菊地家と大友家の領地争い、庶民に身をやつした姫
君、怪しげな蜘蛛や猫の妖怪、そり魔を破る家宝の鏡・・・
等々、これでもか!とばかりに詰め込んだ、面白さの数々。

そして、客席上空を、斜めに飛ぶ菊之助丈の2度にわたる宙
乗り、御殿の屋根に突如として出現する巨大な化け猫、その
化け猫に操られる「猫四天」の立ち回り・・・舞台機構を駆使し
し、外連味もたっぷりで、見るものを飽きさせない。

そして、休憩時間を除けば2時間半ほどという、スピーディな
展開・・・三か月にわたる忠臣蔵の長さに慣れた身には、そ
うか、これも歌舞伎なんだ!と、目からウロコ・・・でした。

国立劇場の初期、「原則は通し上演」という目標を掲げること
に、「上演されなくなったのはつまらないから。それをわざわざ
復活する意義はない」という批判もあった(わたしの母なども
その意見だった)らしい。

しかし、要はそのやり方次第。
現代に生きるように、“面白く”復活させれば良いのです・・・。
ま、今も、ご意見はいろいろあるようではありますが、ね。  
posted by JTm at 21:00| 芝居 | 更新情報をチェックする

2017年01月19日

2017.1.18 すみだ北斎美術館 常設展

2017.1.18 すみだ北斎美術館 常設展

最初に、「出来るよ」と聞いたのは、もう、かなり以前の
ことだ。たしか、江戸東京博物館の開館前後のことだ
から、平成5年?

今回、伺ったところでは、最初の企画段階からだと、な
んと29年という歳月が必要だったとのこと・・・
ちょうど、バブルがはじけた直後からの、経済低迷の
影響を、もろに被ってしまったのだろう。

その、待望久しかった、「すみだ北斎美術館」が、昨年
11月、めでたく開館。残念ながら、開館記念展はもう
終わってしまったが、常設展はいつでも見られる・・・と
いうことで、訪れることに。

両国駅からほど近い、墨田区亀沢、北斎の生誕地と
言われる町の、公園の一角にその美術館はある。
小さいながらも、現代的なフォルムの建物だ。

0118(1).JPG
(建物外観。パンフレットから転写)

地上4階、地下1階で、一階に受付とショップ、図書室。
地下は洗面所とロッカー。2階が事務室で、3・4階が
展示室になっている。

3階の企画展示室では、この15日まで、開館記念展が
開催され、多くの見学者を集めた・・・もう、間もなく、入
場者が10万人を超えるとか。

開館記念展の“目玉”は、海外に流出して、100年も行
方不明であった、「隅田川両岸景色図巻」の一挙公開で
あったらしい・・・
  0118(2).JPG(部分。パンフレットから転写)

見られなくて残念だが、この作品は、墨田区が2015年に
取得したとのことなので、自館所蔵品。いずれまた、展示
される機会はあるに違いない。

常設展は、この作品で始まる・・・
 0118(3).jpg
「須佐之男命厄神退治之図」

これは、北斎が86歳の時に描いて、牛嶋神社に奉納した
ものの、関東大震災時に焼失、白黒の写真のみが残って
いたものを、最先端の技術で、推定復元したものだそうだ。
(凸版印刷という会社が実施。現在、1階の講座室で、そ
の記録映像が公開中)

展示室は、決して大きくはないけれど、北斎の若年から晩
年に至る作品が、系統的に展示されており、その作風の
変遷を、きちんとたどることが出来る。

展示の最後は、小布施の北斎館所蔵の「富士越龍図」。
北斎の絶筆と伝えられる作品である。(展示期間不明)

また、タッチパネルを利用して、見学者がゲーム感覚で遊
ぶことが出来たり、現在は展示されていない作品を、画像
で見ることも出来る。

冒頭に紹介した「隅田川両岸画巻」も、そのひとつ。大判の
パネルを手で送りながら、全巻をたどることが出来、合わせ
て、描かれた景色の位置が、壁面の地図に示されるように
なっている。

借用作品以外の自館所蔵作は、写真撮影も可能らしく、デ
ジタルカメラ片手の見学者も多かった。
(正直、これは、良し悪しだと思うけれど)

愉快だったのは、展示室内に再現された「北斎とお栄」。
0118(4).jpg

すっごい、リアル!・・・おまけに、動く!

そんなこんなで、美術鑑賞的にも、テーマパーク的にも、
楽しむことの出来る場所・・・というのが、最初の印象だった。

それにしても、区レベルの自治体で、北斎というビッグネー
ムを、美術館を作るほどに収集するって・・・いったい、どう
やって出来るのか・・・大きなコレクションの一括購入や、
寄贈があったらしいのだが・・・・

そのあたりの“秘密”?を明らかにする(かもしれない)の
が、来月から開催される、第二回企画展。

「すみだ北斎美術館を支えるコレクター
−ピーター・モースと楢崎宗重 二大コレクション」
2017年2月4日〜3月26日(展示替えあり)

いわば、「お祭り」の開館記念展よりも、個人的にはこちら
に興味を惹かれるね・・・って、開館展を見損ねた負け惜し
みもあるんだけど・・・楽しみにしています。

すみだ北斎美術館
 墨田区亀沢2-7-2 03-5777-8600

posted by JTm at 09:25| 展覧会 | 更新情報をチェックする

2017年01月18日

2017.1.17 人形町らくだ亭@日本橋劇場

2017.1.17 第70回 人形町らくだ亭

演目
橘家かな文      松竹梅
春風亭一之輔     味噌蔵
柳家小満ん      羽衣
五街道雲助      電話の遊び
  (仲 入 り)
柳家さん喬      夢金
        (三味線:太田その)

かな文「松竹梅」。(当然ではあるけれど)後ろに、文蔵
師匠の影がちらちらと見えるような・・・そんなところが、
とても嬉しくなっちゃいます。

一之輔「味噌蔵」。昨秋の鈴本での独演会でも聞いた。
最後、旦那の急な帰宅に大慌てする場面で、小僧のひ
とりが鯛を抱えて、恵比寿様の真似・・・これ、前回あっ
たかな?・・・一之輔師の噺は、なにが飛び出すか分か
らない・・・油断できませぬ。

小満ん「羽衣」。能の羽衣から・・・との前置きで。
ところが、漁師の白龍(はくりょう)は、べろべろの酔っ払
いだし、天女はといえば、場末の女郎みたいな伝法なも
の言いで・・・・愉快なパロディ。

マクラで小満ん師が言っておられた、三保松原の薪能は、
昭和59年から行われているイベントらしい。昨年は、10
月8日に行われたそうだが・・・今年はどうかな?
・・・・要チェック。

雲助「電話の遊び」。2014年にらくご街道で聞いている
ので2度目。今回も、その師匠の三味線と唄に乗せて。

放蕩親父も愉快だけれど、今回は、カタブツの息子が、
「区会議員に立候補している」という設定と、話すたびに、
片手で眼鏡を持ち上げる仕草が、なんだかとても可笑し
かった・・・当選したら、親父に負けないくらいの遊び人に
なりそうだな、この息子。

さん喬「夢金」。2013年の三田落語会以来。
ここのところ、各地で大雪が続いていて、TVで降雪・積
雪の景色を見慣れているので、降りしきる雪の中、大川
を進む舟の様子を、思い描き易い・・・。

・・・と言っても、結局、夢なんだけどね。

船宿の主人夫婦、とりわけ、女将の描き方にも感心・・・
さん喬師匠の噺は、いつも、隅々まで丁寧です。
(おかげで長くなる・・・ってことはあるけれど)
posted by JTm at 09:07| 落語 | 更新情報をチェックする