2017年03月17日

2017.3.17 映画 文楽「冥途の飛脚」@東京都写真美術館

2017.3.17 映画 文楽「冥途の飛脚」

監督=マーティ・グロス
音楽=武満 徹
1979年制作、2011年デジタルリマスター
出演
淡路町の段 
   太夫=五世竹本織太夫(のち、五世竹本源太夫)
   三味線=五世鶴澤燕三
封印切の段
   太夫=四世竹本越路太夫
   三味線=鶴澤清治
新口村の段〜『恋飛脚大和往来』より〜
   太夫=九世竹本文字太夫(のち、七世竹本住太夫)
   三味線=四世野澤錦糸
 <人形役割>
   忠兵衛=初代吉田玉男、梅川=三世吉田蓑助、
   八右衛門/孫右衛門=二世桐竹勘十郎、
   妙閑=吉田文雀  外

先月の文楽公演の時、半蔵門駅近くで、雪の降る中、
配っていたチラシ・・・なぜ、劇場に置いてもらわ
なかったのかな?・・・に釣られて見に行く。

チラシにも書かれていたが、上記に記した出演者は、
全員が、その時かその後、人間国宝に認定されてい
る方ばかり・・・そして、そのほとんどが、故人だ。
(ご存命の方は3名。さらに現役は2名だけ)

この時代に、文楽に“目覚めて”いなかった者として
は、まさに、よくぞ記録してくださいました!である。

それを成し遂げた監督が、カナダ人というのにも驚
いた。日本人より日本の伝統に関心を持つ海外の方
は多いけれど、特設舞台を作って、これだけの豪華
メンバーを揃えて、映画を撮ってしまうなんて・・・

残念ながら、多くの出演者は、わたしには未知の方
であったが、その、至芸の一端を、確かに感じ取る
ことが出来た、と思う。

幸せな体験だった。

恵比寿ガーデンプレイス内の東京都写真美術館ホー
ルで、31日まで上映中。連日、10:20〜。
21(火)、26(日)、27(月)はお休み。
posted by JTm at 21:10| 映画 | 更新情報をチェックする

2017.3.16 千作千五郎の会@国立能楽堂

2017.3.16 第一回 千作千五郎の会

昨秋のW襲名を経て、新・千作、新・千五郎が
新しく挑む会。

演目
狂言「花折(はなおれ)」
   新発意=茂山千五郎、住持=茂山七五三、
   花見の衆=茂山童司、松本 薫、島田洋海、
        井口竜也、茂山 茂、  後見=山下守之
狂言「柑子(こうじ)」
   太郎冠者=茂山宗彦、主人=茂山逸平、後見=山下
  (休   憩)
狂言「武悪(ぶあく)」
   主人=茂山千作、武悪=千五郎、
   太郎冠者=茂、  後見=松本
附祝言「猿唄」     松本 薫

「花折」。上方落語の「鶴満寺」に似たお話。
花見の衆に庭を荒らされた住持は、「今年は花見
禁止」と新発意(見習い僧)に言い残して外出。

ところが留守中に花見客がやってきて、断られる
と門前で宴を張る。楽しそうな様子を見て、新発
意は・・・?

真面目だが酒にはだらしのない新発意と、そこに
つけこむちゃっかり者の花見の衆・・・春の狂言
にふさわしい明るさと馬鹿らしさが、“満開”です。

「柑子」。柑子とはミカンのこと。前夜の宴会の
折、三つ生りのミカンを貰って召使に預けた主人
は、それを思い出して、「持ってこい」と言う。

ところが召使の太郎冠者は、自分に下さったもの
と思って、みんな食べてしまって・・・

太郎冠者が、これをどうごまかすか?が見せ場。
「栗焼」などと、同工異曲というところだ。

洒落た言訳を考えてご満悦の太郎冠者の笑顔と、
食べられてしまったと分かった主人の渋面・・・
対照的なふたりを、兄弟共演で。

・・・最後、橋掛を引き上げる、宗彦さんの“し
てやったり”という表情が、なんとも傑作だった。

「武悪」。これはかなり上演頻度の高い演目。
前半の重厚な物語が、後半になって、なんとも
コミカルな展開になる、そのギャップがウケる
のだろうか。

無断欠勤の続く召使の武悪・・・怒った主人は、
ついに、朋輩の太郎冠者に、成敗を命じる。

友でもある武悪を斬ることのできない太郎冠者
は、彼をこっそりと逃がす。

ところが、この主人と武悪が、東山でバッタリ・・・

間に立って右往左往する太郎冠者、幽霊になり
すまして、次第に調子に乗る武悪、幽霊を恐れ
ながらも、堂々と立ち向かう主人・・・三者三
様の“人となり”が、はっきりと見えて、見ごた
えのある内容。

千作師、あいかわらず、立ち居が不自由そうで
見ていて心配になったが、朗々としたお声はま
だまだお元気そう・・・どうぞ、お身体大切に。

次回は、6月8日(木)19:00〜。
posted by JTm at 19:46| 狂言 | 更新情報をチェックする