2017年04月30日

2017.4.29 大蔵流五家狂言会@梅若能楽学院会館

2017.4.29 第三回 大蔵流五家狂言会

演目
狂言「鴈礫(がんつぶて)」
   大名=大藏教義、
   道通りの者=山本則孝、仲裁人=茂山千五郎
狂言「惣八(そうはち)」
   料理人(惣八)=山本泰太郎、
   有徳人=善竹隆司、出家=茂山逸平
狂言「棒縛(ぼうしばり)」
   次郎冠者=善竹隆平、
   主人=山本則秀、太郎冠者=大藏基誠
  (休   憩)
狂言「茶壺(ちゃつぼ)」
   すっぱ=茂山良暢、
   中国方の者=茂山童司、目代=善竹大二郎
狂言「千切木(ちぎりき)」
   太郎=茂山 茂、亭主=山本則重、
   太郎冠者=大藏彌太郎、立頭=善竹忠亮、
   立衆=茂山千五郎、山本則孝、山本則秀、
      善竹隆司、善竹大二郎、
   女=善竹富太郎
附祝言「猿唄」    4名

3月に立合狂言会を見て以来、家を越えての競演
にハマってしまった感があり、この日はなんと、
能楽堂のハシゴ・・・出演者の中にも、掛け持ち
の方、何人かいらしたようで。

会場は、東中野駅と中野坂上駅の中間くらい。
個人的に、馴染みがない土地ではないのだが、知
りませんでした、能楽堂があるなんて。

昭和36(1966)年に出来たとのことだから、あの
ころ(いつ?)、すでにあったのだねぇ・・縁な
き衆生でありました。

「鴈礫」。見事な鴈を見つけた大名が、弓矢を構
えて狙いをつけるうち、通りがかりの男が石をぶ
つけて仕留めてしまう。

自分が「狙い殺した」と言い張る大名・・おいお
い、それはないだろう!ってところ。

大名の弓の腕前を見て取った仲裁人が、「もう一
度射てみて」・・・死んで動かなくなった鴈だと
いうのに、大名の矢は・・・?
・・・だから、最初から言ってるじゃない!?

「惣八」。出家と料理人を多く雇うという高札を
見て、元料理人の出家と、元出家の料理人が同じ
家に雇われる。

ところがこのふたり、互いに、まだ、新しい仕事
に慣れていない・・・早速命じられてしまった仕
事を前に、思案投げ首するばかり。

ふたりが仕事を交換して、めでたしめでたしとな
るはずが・・・主人は怒る。

・・・うーん、怒らなくたっていいじゃない?と
いう感じだが、やはり、出家がなまぐさ物を扱っ
たり、料理人が経を読んだりするのは、当時の感
覚ではNGなんでしょう。

それにしても、この有徳人、なんでまた、出家と
料理人を多く雇おうなんて考えたんでしょうね?

「棒縛」。これはお馴染みの演目。両手を縛られ
た太郎冠者と次郎冠者が、協力し合って酒を盗み
呑む・・・呑めないとなると、余計に、無性に呑
みたくなる・・・その気持ち、よく分かります。

「茶壺」。茶壺を担いで旅する男が、酔って道端
で寝ていると、すっぱが現れてこの茶壺を盗ろう
とする。

奪い合っているところに、目代(役人)が現れて
仲裁・・・という流れは、最初の「鴈礫」とよく
似ている・・まぁ、最後は違うけれど。

目代が、いろいろと事情聴取する場面、すっぱは、
上手く真似をしてなかなか正体を現さない・・・
このあたり、良暢さんの、ワンテンポ遅れての合
舞は、なんともお見事でした。

「千切木」。連歌の仲間にうるさがられて、仲間
外れにされてしまった太郎。呼ばれもせず会に押
しかけ、あれこれ邪魔をするので、ついには袋叩
きにされてしまう。

太郎の女房は、この仕打ちを怒り、太郎に仕返し
をするようたきつける・・・実は臆病な太郎は、
どう見てもへっぴり腰。

太郎役の茂さんがスリムなのに、女房役の富太郎
さんは、超とつけたいくらいの重量級。
・・・これ、まさに、配役の妙です。

連歌仲間も、この女房には逆らえないだろう・・・
「留守!」という答は、太郎の背後に女房の姿が
見えたからかも?と、ふと思ったり。

附祝言の4名、お名前を確認しきれず、すいません。
童司さんがいたのだけは分かったのですが。
posted by JTm at 13:30| 狂言 | 更新情報をチェックする

2017.4.29 国立能楽堂狂言の会

2017.4.29 国立能楽堂狂言の会 -家・世代を越えて-

演目
狂言「二人袴(ふたりばかま)」(和泉流)
    シテ(親)=野村万作、アド(舅)=三宅右近、
    小アド(太郎冠者)=野口隆行、小アド(聟)=奥津健太郎
  (休   憩)
狂言「咲嘩(さっか)」(和泉流)
    シテ(太郎冠者)=野村 萬、
    アド(主)=三宅近成、小アド(咲嘩)=髙澤祐介
狂言「首引(くびひき)」(大蔵流)
    シテ(親鬼)=山本東次郎、
    アド(鎮西八郎為朝)=善竹隆平、アド(姫鬼)=善竹隆司、
    立衆(眷属)=山本泰太郎、山本凛太郎、水木武郎、
           若松 隆、山本則重

昨年から始まった企画公演で、三人の“国宝”に、
家の異なる若手が“挑む”。

「二人袴」。よく見る演目だが、和泉流のは初め
てかもしれない。

違いとして気づいたのは、聟が自分で聟入りを志
し、衣裳も自分で整えるという点。
茂山千五郎家では、親に言われて、いやいや行く。

それでも、ひとりじゃ心細いと、親に付き添いを
して貰うのは一緒。
・・・やっぱり、大人になり切れない。

あと、袴を計画的にふたつに裂くのも違うところ。
千五郎家の演出では、ふたりが袴を奪い合ううち
に破けてしまうのだ。

中正面の席だったので、万作師の顔が、柱の陰と
なって、ほとんど見えなかったのは残念。

「咲嘩」。大蔵流では「察化」と表記する演目。

連歌の当に当たった主人は、その指導を都の伯父
に頼もうと、太郎冠者に迎えを命ずる。ところが、
太郎冠者、伯父の住所も顔も知らないまま、うか
うかと都へ。

これ、トンデモない、粗忽な主従。

困った太郎冠者が、「伯父御は何処?」と大声で
尋ね歩くのを見つけたのが、咲嘩という“すっぱ”
・・・つまり、詐欺師である。

田舎者が都でうろうろするのを、都の悪人(心の
直ぐにない者)が見つけて、騙しにかかる話は、
狂言によくあるパターン。

だいたいが、田舎者がまんまと騙されるのだが、
この咲嘩では、騙したつもりが、あら残念!とい
う結末に。・・・悪事は引き合わない。

「首引」。これもまた、よく見る演目。

播磨国・印南野を通りかかった鎮西八郎を、鬼が
見つけ、「いで喰らおう!」

親鬼は、未だ人間の喰い初めをしていない姫鬼に、
この男を喰わせようとするが・・・

過保護な親鬼、はにかみやの姫鬼と、怖いはずの
鬼の面が、なんとも可愛らしく見えてしまう。

そして、対する鎮西八郎の方は、なんとも凛々し
くてカッコイイ・・・ちょっとした逆転現象。

ふっと愉快だなーと思ったこと。
この日の三演目の登場人物の中で、一番、豪華な
装束をつけていたのは、最後の「鬼」だった・・

これって、やっぱり、鬼への畏敬からなのかな?
posted by JTm at 12:12| 狂言 | 更新情報をチェックする

2017年04月29日

2017.4.28 柳家小満んを扇辰・喬太郎がふたり占め@紀尾井ホール

2017.4.28 柳家小満んを扇辰・喬太郎がふたり占め

二日間、奈良~京都をさまよった挙句、帰京してそ
のまま四谷駅から紀尾井ホールへ。

演目
入船亭辰のこ       たらちね
入船亭扇辰        野ざらし
柳家喬太郎        宗漢
柳家小満ん        雁風呂
  (仲 入 り)
小満ん&扇辰・喬太郎   (鼎談)噺の話で離さない
           (三味線:千葉しん)

辰のこ「たらちね」。途中から妙にスピードアップ
したような・・・時間配分、間違ったかな?

扇辰「野ざらし」。「音響の良いホールで、小さい
声でも聞こえるでしょ?」と言いつつ、大声を出す
噺に。

最後、八がコツを待ちながら火をおこす場面で、
「たらちねと付くなぁ・・」・・・うーん、そうか!

喬太郎「宗漢」。以前に一度聞いたなと思いつつ。
調べたら、一昨年秋のさん喬一門会だった。

貧乏でふんどしも買えない医者が、女房を助手に仕
立てて、山ひとつ向こうに往診に・・・

元は、中国の艶笑小話だそうだが、漢文の原作を、
ちょっと読んでみたくなった。

小満ん「雁風呂」。何度か聞いているが、そのたび
に、味わい深くなって行くような気がする。

あとの鼎談で、噺の中で雁の止まる松を函館として
いるが、本来は青森県外ヶ浜だとのこと。この町は、
津軽半島の最北端・竜飛岬のある町だそうだ。

水戸黄門の時代なら、まさに、日本の北端というイ
メージだっただろうなぁ。

この物語、わたしは大昔にウィスキーのCMで知っ
たのだけれど、鼎談ではその話は出ず・・・かなり
ヒットしたCMだと思うのだが。

後半の鼎談は、さながら、小満ん師匠による、“公
開稽古”の様相・・・扇辰・喬太郎両師のみならず、
客席一同、「勉強になりました」。
posted by JTm at 08:00| 落語 | 更新情報をチェックする