2017年09月28日

2017.9.27 鈴本演芸場下席・夜の部(その2)

2017.9.27 鈴本演芸場下席・夜の部
      柳亭こみち真打昇進披露興行

演目
三遊亭わん丈     寄合酒
松旭斎美智、美登   (奇術)
五明楼玉の輔     マキシム・ド・吞んべぇ
柳家花緑       初天神
ニックス       (漫才)
柳亭燕路       時そば
鈴々舎馬風      (漫談)
林家二楽       (紙切り)
     桃太郎、四畳半差し向い、東京五輪
三遊亭金馬      長短
  (仲 入 り)
「真打昇進披露口上」
 (下手から)
  玉の輔(司会)、花緑、金馬、こみち、燕路、権太楼、馬風、市馬
ストレート松浦    (ジャグリング)
柳亭市馬       山号寺号
柳家権太楼      (小話)
柳家小菊       (粋曲)
 真打昇進
 柳亭こみち     くしゃみ講釈
      (三味線:あき、あさ、ふゆ)

こみちさんのお披露目二日目。最初ほどではない
が、開場前から長蛇の列・・立見とまではいかな
いが、ほぼ満席か。

わん丈「寄合酒」。最初聞いた時に比べると、完
全にわん丈カラーに。圓丈門下らしく自由自在。

玉の輔「マキシム・ド・吞んべぇ」。久々。

花緑「初天神」。花緑師の落語で一番最初に聞い
たのが、たぶん、この噺。団子屋のくだり。

燕路「時そば」。燕路師ではお初かもしれない。
小三治師の時そばを、受け継いでいるようだ。

二楽。東京五輪は、聖火リレーの様子を切った。
遠くにスカイツリーと“あの”ビル。

金馬「長短」。長さんが上方の人。のんびりした
しゃべり方が、可愛らしい。

「口上」。この日は終始笑顔だったこみち師匠。

ストレート松浦。開場前、一緒に並んでいた方に、
こみち師の旦那様、宮田陽さんと同じ、宮田章司
門下だと教えていただいた。芸種はまったく違う
けど・・・と、こみち師とは、義きょうだい?

市馬「山号寺号」。短い時間でわっと沸かせる、
お得な噺。この日は歌入りで。

権太楼。10分弱で、普段、マクラに演る小噺を
総ざらえ。

小菊。梅は咲いたか、並木駒形、寄席スタンダー
ドナンバーへの八番、せつほんかいな。

この日の太鼓は、文菊師匠だった由。
22日の菊之丞師ともども、こみち師とは「は
なし亭」仲間だ。

こみち。開口一番、「今日は泣かない・・」と
言ったとたんに、わっ!と、涙が・・・

上がる前に、燕路師が、「好きなようにやって
こい」と、言葉を掛けてくれたのが嬉しかった
のだそうだ・・・「珍しく、優しい言葉を・・」
って、ホント、どんなに厳しい師匠なんでしょ。

落ち着いたところで、やはり、みなさんへの感
謝の言葉を述べ、それから「くしゃみ講釈」へ。

こみち師のこの噺は、お初か?
ネタ元は、権太楼師匠かな?と思うような、爆
笑の一席・・・涙も吹き飛ぶ、満面の笑顔で。

こみち師の鈴本での披露目は、あと1日、30日
に予定されているが、残念ながら、他と被って
行けない・・・次は、末廣で!
posted by JTm at 13:34| 落語 | 更新情報をチェックする

2017年09月27日

2017.9.26 らくご街道雲助五拾三次@日本橋劇場

2017.9.26 らくご街道雲助五拾三次 -大詰-

演目
桃月庵はまぐり    たらちね
五街道雲助      浮世床(通し)
  (仲 入 り)
五街道雲助      藁人形
        (三味線:太田その??)

はまぐり「たらちね」。新妻がなんとも威厳たっ
ぷりで、こんな女房がいたら、ちょっと怖いかも。

雲助の二席。
「浮世床」。雲助師の浮世床を通しで聞いたのは
2012年以来。将棋~本~隠し芸~夢で40分と
いうのは、その時と同じだ。

どこでも切れる噺なので、ちょくちょく聞くが、
通しで聞くのは珍しい・・たぶん、雲助師以外で
聞いたことはなかったと思う。

ただ、確か三三師が以前に話していた、前座(二ッ
目かも?)のころの思い出話を思い出した。

地方の仕事に先乗りで行っていたら、後から来る
はずの師匠方の乗った列車が遅れて、かなりの長
丁場をつながなくてはならない・・

その時に、この浮世床を演ったのだそうだ。
「通しで覚えていてよかったと思いました」と語っ
ていたのを思い出す。

つまり、そんなアクシデントでもなければ、普通
は聞く機会がないってことなんだ・・・貴重な噺
をありがとうございます、雲助師匠。

「藁人形」。扇辰師匠で再三聞いているが、それ
とはまったく別系統の噺だった。扇辰師の噺は、
彦六(八代目正蔵)師から扇橋師匠を経て、と聞
いているが、雲助師のは、おそらく、昔の速記本
を基にしているのだろう。

なにしろ、怖かった・・聞いていて、「もう半分」
を思い出した・・西念の造型が、あの八百屋の爺
さんによく似ている。

お熊や西念の出自も、まったく異なる。

お熊はぬか屋の娘であることに変わりはないが、
もとは武家の家柄だという。

西念は火消しではなく、喧嘩三昧の遊び人だった
のが改心し、案外、真面目に仏を信じているらし
い・・30両の金も、毎日の稼ぎをこつこつ貯めた
ものだ。

最後、甥の甚吉に、鍋の中味を見られてしまった
あと、経緯を物語る西念のセリフが、芝居振りに
なる・・・如何にも雲助師らしい。

ただ、オチは、がらっと元に戻して、「めか屋の
娘だ」と締めた。


さて、ついに大詰となってしまったらくご街道・・
全部で50回の公演が行われたそうだ。五十三次の
旅は、京都の手前で、どうやら“沈没”らしい。

ただ、またも気が向いたら、お伊勢参りや金毘羅
様へ、旅に出る日がくるかも・・?と、雲助師。

どうぞ、お元気で、また新しい旅を始めてください。
その時は、ぜひとも、ご一緒させていただきます。
posted by JTm at 11:03| 落語 | 更新情報をチェックする

2017年09月26日

2017.9.25 「深川の雪と吉原の花」展@岡田美術館

2017.9.25 「深川の雪と吉原の花」展

箱根小涌谷にある岡田美術館は、2013年の開館
当初から、長い間所在不明だった美術品が、「え、
ここにあったのか!」と、業界を驚かせている。

実業家の岡田和生氏のコレクションとのことだが、
どうやら、長年にわたって、コツコツと密かに?
収集されていたらしい。

明治以来の旧財閥系の大コレクターのコレクショ
ンは、各所の美術館で公開されているが、岡田氏
は1967年創業のユニバーサルエンターテインメン
トという会社の創設者で、主にゲーム機などを扱っ
ているらしく、如何にも現代的な、新コレクター
と言ってもよいだろう。

世を驚かせたそのコレクションのひとつが、喜多
川歌麿の肉筆浮世絵「深川の雪」だった。

縦199㎝×横341㎝という巨大な掛軸・・2014
年に公開されるまで、半世紀余り、その行方
が分からなかった作品だ。

そして、この作品は、いずれも現在は米国の
美術館に所蔵される、「吉原の花」「品川の
月」とともに、雪月花三部作を構成する。

中で、「品川の月」は、コレクションの門外
不出を条件に設立された、アメリカ合衆国ワ
シントンDCにある、フーリア美術館の所蔵
のため、今後とも、日本への里帰りは望めない。

しかし、今回、アメリカ・コネチカットのワ
ズアース・アセーニアム美術館所蔵の「吉原
の花」が来日すると聞き、ぜひにと、箱根へ。

 IMG_1664.JPG 岡田美術館入口。

パンフレット。以下の画像はすべて、このパン
フからの引用です。
 IMG_1668.JPG

深川の雪。(岡田美術館蔵)
 IMG_1666.JPG

吉原の花。(ワズワース・アセーニアム美術館蔵)
 IMG_1665.JPG

品川の月。(複製。原本はフーリア美術館蔵)
 IMG_1667 (2).JPG

じっくり見ていて気付いたのは、描かれている人
物が、どれもみな女性ばかり?・・・ということ。

吉原はもちろん、深川も品川も、男の遊び場であっ
たはずなのに・・・もてなす側ばかりか、お客ま
で女性ばかりに見える。

「深川の雪」では、左下の女性に抱かれている赤
ん坊が、男の子?かもしれない。

「吉原の花」では、右下隅に立つ人物が、若衆か?
 IMG_1665 (2).JPG

そして「品川の月」では、左上の障子に映る影が、
どうやら客の男性らしい。
 IMG_1667 (3).JPG

パッと見て、分かる“男性”は、各作にひとりずつ。
あとはみんな女性。

なぜ、男がいないのか。
歌麿は、確かに女性を描くことを得意にしていた
から、もしかすると、注文者の意向なのかもしれ
ない。その方が華やかになるから、と。

またもしかすると、女たちが妍を競う里の雰囲気
を描きたかったのかもしれない。

はっきりした解答はないけれど、そんな見方もま
た面白いなー、とふと思った次第。
(各画像はクリックすると拡大します)
posted by JTm at 13:21| 展覧会 | 更新情報をチェックする