2018年01月28日

2018.1.27 番楽@国立小劇場

2018.1.27 国立劇場民俗芸能公演 番楽 第二部

演目
根子番楽(ねっこばんがく) 根子番楽保存会(秋田県北秋田市)
 口上
 露払い
 翁舞(おきなまい)
 敦盛(あつもり)
 三番叟(さんばそう)
 信夫太郎(しのぶのたろう)
  (休   憩)
 作祭り(さくまつり)
 鞍馬
 曽我兄弟
 鐘巻(かねまき) 

昨年秋に、能楽堂での黒川能公演を見た時、山形県に
伝わるこの芸能のルーツのひとつが、隣県・秋田に伝
わる「番楽」であるかも?との知識を得た。

で、たまたまその時にチケット発売中だったこの会を、
ついつい、購入してしまった次第。

「番楽」は、神楽の一種に分類される芸能で、かつて
は、山伏が携わっていたと考えられている。

その中で、今回見た根子番楽は、秋田県北秋田市阿仁
の根子集落に伝承される。この地域はいわゆるマタギ
の里であり、番楽を担ってきたのもその人々である。

息災延命を祈る神楽の定番の演目に加えて、長刀や刀
を勇ましく振り回す、勇壮な演目が多いのは、狩猟を
生業とする人々の芸能であることの証、かもしれない。

今回の上演演目のなかでも、「敦盛」「信夫太郎」
「鞍馬」「曽我兄弟」「鐘巻」などが、合戦の様子を
語る舞であったり、兵法比べの様子を伝えたり、仇討
ち修業の様子を見せたりと、激しい動きの活発な舞で
ある。

わたしが一番面白かったのは「鞍馬」で、これは、牛
若丸と弁慶が兵法比べをする物語だ。

舞台が京の五条の橋の上ではなく、鞍馬の山中とだっ
たのは、ちと、「?」ではあったけれど。

それでも牛若丸は、「ここと思えはまたあちら」の身
軽さで弁慶を翻弄し、最後はなんと、弁慶の持つ長刀
の柄の上に乗ってしまう・・

牛若役は、もちろん子どもさん・・たぶん、小学生だ
ろう。この少年ばかりでなく、冒頭の「露払い」にも、
子どもたちが登場し、大活躍。

プログラムの解説によれば、昭和39(1964)年から地
元の小学生全員に、番楽を教える活動が始まり、その
“卒業生”の中から、今を担う指導者が誕生している由。

そして、演者ばかりでなく、客席を埋めた観客の方も、
かなりの部分、地元からの「応援団」だったのではな
いかな・・・?

地元に伝わる芸能を大切にし、みんなで応援して、次
代に伝えて行こうという意気込みが大いに感じられる、
すてきな公演であった。
posted by JTm at 14:57| 雑記 | 更新情報をチェックする

2018.1.26 笑えない会Legacy@深川江戸資料館

2018.1.26 笑えない会Legacy よね吉・千五郎ふたり会

演目
座談会          桂 よね吉、茂山千五郎
             茂山童司(司会)
  (休   憩)
狂言「空腕(そらうで)」 主人=茂山茂、
             太郎冠者=茂山千五郎  後見=山下守之
  (休   憩)
落語「仔猫」       桂 よね吉
             三味線=豊田公美子、鳴物=桂二乗、桂二葉
  (休   憩)
落言「神棚(かみだな)」 小佐田定雄=作
             落語=桂 よね吉
             神様=茂山 茂、その妻=茂山童司、
             その母=茂山千五郎   後見=山下守之
             三味線=豊田公美子、鳴物=桂二乗、桂二葉

このふたり会は、京都で会を重ねているようだが、
東京では二度目だそうだ。残念ながら前回は見ていな
い・・他と被っていたのだろうか。

「笑えない会」という名称は、自分たちには、まだ少
し力不足かな?と思えるような演目を演りたい・・・
なので、お客さんは笑えないかも?というところから
ついた名だとのこと。

そして、実際、前回の東京公演は、「さんざんだった」
・・というようなトークから開始。

まずは古典狂言の「空腕」。
この空は、大空のことではなく、からっぼの方。
日頃、腕自慢をしたがる太郎冠者が、実はとんでもな
い臆病者で弱っちぃ奴だった・・というお話。

夕暮れに使いを命じられて、主人に刀を借りて出かけ
た太郎冠者だが、立木を追い剥ぎと間違えて、「この
刀を上げるから命ばかりは・・」と懇願する始末。

心配して後をつけた主人は、これを見て、家宝の刀を
盗られては大変と、こっそりこれを取り上げて帰る。
刀を失くした言訳に、自分の武勇伝をデッチ上げる太
郎冠者だが・・・

“敵”がいなくなると、急に強気になっちゃう太郎冠者
・・・狂言にはよくあるタイプ。言訳の武勇伝の仕方
話は、大いに勇ましい。

そして実はすべてを知り、内心、ニヤニヤしながらも
その太郎冠者の“奮戦”を見ている主人・・・イジワル
なんじゃなくて、面白がっているところに好感。

落語「仔猫」。美人じゃないけど、働き者でよく気の
付く女中のお鍋さん・・・実はオソロシイ性癖の持ち
主で・・・

後から考えると気味の悪い噺なんだが、聞いている間
はむしろ、怖いより可笑しい・・・冒頭のトークで、
よね吉師は、「昔、枝雀師匠のこの噺をそでで聞いて、
怖くて震え上がった」と言っていたんだけど。

この噺、初めてではないはずだが、オチが、本性を隠
すという意味の「猫を被る」と、「齧る(かじる)」
という意味の関西弁を掛けた地口オチということは、
初めて気づいたように思う・・・お恥ずかしい。

それにしてもよね吉さん、しばらく見ないうちに、随
分とカンロクがつきましたねぇ。

落言「神棚」。落語+狂言で、落言・・です。
腕はいいが、怠け者の提灯職人、家主からの注文で、
明日朝までに提灯を10張・・・出来なければ長屋を出
て行かなくてはならない。

しかし、男は酒を飲んで寝てしまう・・・困ったのが、
この家の神棚(「死んだおっ母さんの信心で、立派な
神棚」との説明あり)に住む神様。

男が家を追い出されれば、自分たちも路頭に迷う・・・
と、男の代わりに提灯を貼ることに。

夜が明けて完成した提灯を見た男、調子に乗って、翌
日は倍の20張、さらに30張を請け負う。

大変なのは神様。嫌がる女房や姑(この神様は養子ら
しい)まで総動員して提灯を貼ろうとするが・・。

この神様家族が、必殺シリーズの中村主水一家を思わ
せて愉快。女ふたりの“わわしさ”は、群を抜いている。


予定時間を大幅に超過して、終演は9時半過ぎ。
「笑えない会」のはずなのに、なぜか大笑いしっぱな
しで、あまり長さは感じなかったけれど。
posted by JTm at 12:03| 狂言 | 更新情報をチェックする

2018.1.26 池袋演芸場下席

2018.1.26 池袋演芸場下席(主任・一琴)

演目
柳家小ごと      道灌
鈴々舎八ゑ馬     代書屋
柳亭こみち      七度狐
古今亭菊太楼     締め込み
翁家勝丸       (太神楽曲芸)
橘家圓十郎      饅頭怖い
隅田川馬石      時そば
  (仲 入 り)
鈴々舎馬るこ     大安売り
柳亭左龍       宮戸川
笑組         (漫才)
柳家一琴       夢八
         (三味線:田村かよ)

小ごと。一琴門下。昨年6月に楽屋入りとのこと
だが、お初です。「道灌」。柳家らしく。
なんか、目をつぶってる?・・と思ったけど、単
に目が細いだけかな。(失礼・・・)

八ゑ馬「代書屋」。上方落語との断りで。代書屋
に来る客が女性で、亭主の履歴書を依頼。このパ
ターン、初めて聞いた。(と思う・・)

こみち「七度狐」。暮れの音曲噺の会で初演?を
聞いた。その時は27分かかったが、寄席サイズに
まとめて、今回は16分。お囃子さんとのコンビネー
ションも結構でした。

菊太楼「締め込み」。夫婦喧嘩の女房の早口セリ
フをすっぽり割愛し、12分というコンパクトサイ
ズ・・・それでもそれなりに面白い。

圓十郎。「何ですか、今席の顔付けは!」と、重
量級勢ぞろいのメンバーを揶揄・・って、自分が
一番でしょ!

「饅頭怖い」。例によってお茶が怖いでは終わら
なかったけれど・・ハテ、何が怖かったのか・・
すでに記憶なし。

馬石。圓十郎師と仲入り後の重量級に挟まれて、
いつもにもまして、シュッとした男前に見える(笑)

「時そば」。最近、噺の途中で横道に脱線する傾
向がある?・・この日がまさにそれだった。
個人的好みとしては、マクラはともかく、本篇に
入ったら、あまり脱線しないで欲しいんだけど。

馬るこ「大安売り」。“池袋部屋”と異名のある今
席に合わせて?・・いや、本場所中だからでしょ
う、相撲の噺。

左龍「宮戸川」。“肉食系”お花さん、“草食系”の
半七に迫る!・・・半七ならずとも怖いよ、お花
さんの顔。

一琴「夢八」。別名、夢見の八兵衛。トリネタと
しては、いささか穏当を欠くような気がしないで
もないが・・・爆笑。

伊勢音頭が、七度狐と被ったけど、たまたまかな?
わざとかな?と、ちょっと気になった。
posted by JTm at 11:01| 落語 | 更新情報をチェックする