2018年03月18日

2018.3.17 扇辰日和@なかの芸能小劇場

2018.3.17 扇辰日和 vol.66

演目
柳亭市朗        真田小僧
春風亭ぴっかり☆    表彰状
入船亭扇辰       阿武松
  (仲 入 り)
三遊亭歌太郎      電報違い
入船亭扇辰       明烏

市朗「真田小僧」。失礼ながら、決して上手いと
は言えないんだが、真面目で真っ直ぐな感じは悪
くない。如何にも市馬門下・・という印象。

ぴつかり☆。こちらは前かたとは正反対の印象・・
自分でも言っていたか、実に落ち着きがなくて、
マクラの話もあっち行ったり、こっち行ったり。

ようやく入ったのが「表彰状」。ぴつかりさんで
も一度、他に、金馬師、文雀師のも聞いている。

昭和30年代の新作らしい。予想とは逆に逆に話が
進んでしまうという可笑しさ。

扇辰。こちらもまた長ーいマクラ。ふたりのゲス
トの紹介、長岡での中学、高校時代の思い出など。

なぜ?と思ったら、前座の市朗さんが、元阪急ブ
レーブスの今井雄太郎投手に似ている・・と、そ
れを言いたかったらしい。今井投手、扇辰師匠の
中学の先輩だそうです。

でようやく入った噺は「阿武松」。かなり急いで
いたのは、まあ、仕方ないか。

歌太郎「電報違い」。初代圓歌作だそうで、歌太
郎さんにとっては、まさしく一門の噺だ。

出入りの生薬屋の旦那のお供でお伊勢参りに出か
けた出入り職人のしん太。帰り道、名古屋で心中
者を救った旦那に、「明日は帰れないから、家に
電報を打ってくれ」と頼まれる・・

無筆のしん太が、郵便局の窓口で、係の男に道中
を物語るのは、「くしゃみ講釈」の前半みたい。

そして、列車事故のニュースと、しん太の打った
電報が巻き起こす騒動は、まさに「佃祭」そのま
んま。・・・にぎやかで愉快な噺だった。

扇辰「明烏」。扇辰師匠のこの噺は、何年ぶりだ
ろう・・・かなり久々なんだが、ここのところ、
小辰さんで続けて聞いたし、扇遊師匠のも先月聞
いたから、懐かしい・・と言うほどではない。

聞いていて、ふっと思ったのだが、扇辰師匠って、
物語の中心の人物よりも、周囲にいるその他大勢
の人物に、肩入れしたい方なんじゃないかな?

たとえば、この噺の遣り手のおばさんとか、「雪
とん」の糸屋の女中とか、「阿武松」の武隈関の
女房とか。・・あ、女性ばかりだ。

聞く方がそれを好きになれるかどうかが、扇辰ファ
ンか否かの分かれ目になるのかもしれない。
posted by JTm at 15:02| 落語 | 更新情報をチェックする

2018年03月17日

2018.3.16 国立劇場三月歌舞伎公演

2018.3.16 国立劇場三月歌舞伎公演

演目
「増補忠臣蔵ー本蔵下屋敷ー」(一幕二場)
 第一場  加古川家下屋敷茶の間の場
        浄瑠璃=竹本蔵太夫、三味線=鶴澤翔也
 第二場  同      奥書院の場
        浄瑠璃=竹本愛太夫、三味線=鶴澤慎治
  (配役)桃井若狭之助=中村雁治郎、加古川本蔵=片岡亀蔵、
      井浪伴左衛門=市村橘太郎、三千歳姫=中村梅枝 外
  (休   憩)
「梅雨小袖昔八丈-髪結新三-」(三幕六場)
    河竹黙阿弥=作、尾上菊五郎=監修
 序 幕  白子屋見世先の場
      永代橋川端の場
  (休   憩)
 二幕目  富吉町新三内の場
      家主長兵衛内の場
      元の新三内の場
 大 詰  深川閻魔堂橋の場
  (配役)髪結新三=尾上菊之助、家主長兵衛=片岡亀蔵、
      家主女房お角=市村橘太郎、手代忠七=中村梅枝、
      弥太五郎源七=市川團蔵、白子屋お熊=中村梅丸、
      白子屋後家お常=市村萬次郎  外

「増補忠臣蔵」。増補というのは、本篇には登場しない
脇筋のエピソードという意味だそうで、現代風に言えば、
忠臣蔵スピンオフというところだろうか。

忠臣蔵九段目、山科閑居の場に、松の廊下で塩冶判官を
抱き止めた桃井家家老の加古川本蔵が登場して、大星の
息子・力弥に討たれる。


ここの本蔵の登場は、よくよく考えてみると、なんか、
唐突じゃないかい?・・・という疑問の解答の物語だ。

師直を討とうと考えたのに、家老の本蔵が、密かにまい
ないを贈ったためその機を得られず、松の廊下以降、
「へつらい武士」と陰口を言われている若狭之助。

殿様の怒りは本蔵に向かい、本蔵は自ら、下屋敷に蟄居
している。その屋敷内には、若狭之助の妹で判官の弟と
許婚の間柄の三千歳姫もかくまわれている。
(今風に言うと、マスコミから隠れている・・というところか)

そこへ、若狭之助がお成り・・との知らせ。
いったい、なに?・・と色めき立つ屋敷内。三千歳姫に
横恋慕する伴左衛門は、この機に乗じて、お家乗っ取り
を画策するが・・・。

最後、本蔵を死罪にすると言いながら、実は伴左衛門の
悪事を暴く若狭之助に、つい、先日見たばかりの、某T
Vドラマの最終回を思い出したのは、我ながら苦笑せざ
るを得なかった。

そして自らの心情を語る若狭之助のセリフ・・・
「へつらい武士は数多いる」・・うん、最近では財務省
辺りに、多く生息しているようだ。

閑話休題。
本蔵の処罰は済んだと、若狭之助は言い、本蔵に虚無僧
の身支度をしてやり、師直邸の絵図面を渡す・・そうか、
それで!・・・と、山科に突然本蔵が登場する謎が、見
事に解けたのだった。

「梅雨小袖昔八丈」。こちらは2015年に芝翫(当時は
橋之助)丈の主演で上演したものと、ほぼ同じ内容。

新三役の菊之助丈・・・いい男すぎ!
なんか、落語「雪とん」のお祭り佐七を思わせるなぁ・・・
これじゃ、お熊は、「親指と人差し指、指二本で」あっ
さりと、忠七から乗り替えちゃうんじゃないかい?

そして、その分、ワルの要素に乏しい感が・・・無きに
しも非ず。まあ、このあたりは次に期待としておく。
なにせ、尾上菊五郎家にとっては、まさしく「家の芸」
ですからね。今後も、見る機会は多そうだ(って、国立
で演ってくれないとダメなんだけどね)。

「忠臣蔵」で敵対する武士を演じた亀蔵・橘太郎両丈が
こちらでは大家夫婦に扮して、コミカルな演技を見せる。
達者な脇役無くして、芝居は成り立たない・・というこ
とを、体現して見せた。

お熊役、梅丸丈がなんとも可愛らしい娘振り。
最近の若手はよく知らないので調べてみたら、梅玉丈の
部屋子で、21歳。歌舞伎のお家の出ではなく、ご両親は
ともに出版関係のお仕事とか。

梨園外から人気役者になった女形には、坂東玉三郎丈と
いう素晴らしい先輩もあることだし、今後、ますますの
ご活躍を期待したい。

もうひとり、若手も若手、今年5歳になる、菊之助丈の
長男、寺嶋和史くんが、新三を呼びに来る小僧さんの役
で、登場している。

こちらは、当代の菊吉を祖父に持つ、サラブレット中の
サラブレットだ。今から活躍を期待などと書くのは、さ
すがに早すぎるけれど、一生懸命芝居振りを演じて、と
ても可愛らしく、客席からは大きな拍手。

お父さんと手をつないで、袖に入って行く背中は、親子
共にほっとした様子に見えた。
posted by JTm at 10:36| 芝居 | 更新情報をチェックする

2018年03月15日

2018.3.14 柳家権太楼独演会@深川江戸資料館

2018.3.14 柳家権太楼独演会

演目
三遊亭あおもり     やかん
柳家ほたる       のめる
柳家権太楼       百年目
  (仲 入 り)
柳家権太楼       家見舞

三文字噺の会みたい。

あおもり「やかん」。あおもりさんのこの噺はお初
・・のはず。

色々と聞きなれないくすぐりかあって、さすが白鳥
門下?とも思ったが、そこまでハチャメチャではな
いので、もしかしたら、三遊亭の、なのかもしれない。

どっちにせよ、太鼓と古典落語は師匠をしのぐ(笑)

ほたる「のめる」。とんとんとよどみなく進めば、
キリっと江戸前の噺のはず・・なんだが、ほたるさ
んの口調だと、とてものんびりしたのどかな噺に聞
こえるなぁ・・・それはそれで面白いんだけど。

権太楼の二席。
「百年目」。権太楼師匠のこの噺は、あの震災の年
の三月に下谷神社で聞いて、深く感動したという思
い出がある。

それ以来、春の楽しみであるのだが、昨年は遭遇し
ておらず、一昨年以来。

体調が今ひとつのようで、時折咳き込んだり、言葉
が出て来にくかったり?もしたけれど、細かなこと
は気にならず、噺に引き込まれる・・・

やはり、ひとりひとりの人物造形がしっかり出来て
いるからなのだろう。聞けて幸いだった・・という
噺だった。

仲入り後は、「短いのしか演りません」とのお断り
で、「家見舞」。

確かに1時間近かった百年目に比べたら半分くらい
ではあったけれど、寄席の15分版よりはずっと長く、
ほぼフルバージョン。

この噺、新居を構えた兄貴分が、カミさんを貰った
とする場合と、おっ母さんとふたりで住む場合、二
通りあるが、権太楼師は後者。

「前の家は二階があって、年寄りの上り下りが心配
だから」と、引越しの訳が説明されたのは、なんだ
か微笑ましかった。

二席目もまた、時折、咳込みつつ。
「風邪なのか、花粉症なのか・・」と言っておられ
たが・・・どうぞお大事に、権太楼師匠。
posted by JTm at 08:27| 落語 | 更新情報をチェックする