2018年03月11日

2018.3.10 狂言と落語で楽しむ「宗論」@横浜にぎわい座

2018.3.10 狂言と落語で楽しむ「宗論」

演目
解説          布目英一(にぎわい座チーフプロデューサー)
開口一番・落語「骨皮」 春風亭きいち
落語「宗論」      春風亭一之輔
狂言「宗論」(和泉流) 浄土僧=石田幸雄、法華僧=高野和憲、
            宿の主人=野村太一郎   後見=内藤連
  (仲 入 り)
対談          石田幸男&春風亭一之輔
            司会=布目英一
                (三味線:千葉しん)

にぎわい座の新企画である。
落語と狂言をメインとするこんなブログを書き綴る
者として、見逃すわけには行きませぬ。

いつもは客席通路から、諸注意を告知する布目氏が、
舞台上に登場・・・同様の注意の後、そのまま、今
回の企画の解説に。

落語の「宗論」は、益田太郎冠者が狂言から翻案し
たものとのこと。

益田氏は、三井の大番頭、鈍翁と呼ばれた益田孝の
息子で、男爵。自らも実業界で活躍するかたわら、
演劇・文芸を趣味とし、様々な分野の芸術家を支援。
さらに、自分でも喜劇などの脚本を書いた。

落語では、「宗論」以外にも「かんしゃく」の作家
として知られる。

今回は、その益田太郎冠者翻案の落語と、元ネタで
ある狂言の競演だ。

まずは前座から。
きいち「骨皮」。「金明竹」の前半だけ。仲入り後
の対談の時の布目氏の言によれば、どうやら主催者
側からの依頼であったようだ。

同じ「骨皮」という演目が、狂言にもある。

きいちさんの松公は、ただのお馬鹿というより“怒れ
る”与太郎で、師匠である一之輔師の「かぼちゃ屋」
の与太郎を思わせる。

一之輔「宗論」。一之輔師のこの噺は、あまり記憶
にない。一朝師や正朝師、玉の輔師がよく演ってい
るところを見ると、春風亭ではポピュラーな噺なの
だろうけれど。

耶蘇教信者の息子が、その話を聞きに行った神父の
名が、「パーチモン・ルイ・ヴィトン」・・パチモ
ン、パチモノとは、「偽物」の俗語である。

最後、新入りの飯炊きは、メッカの方向を尋ねる・・・
どうやら、この家には、世界三大宗教がそろったよ
うである。

狂言「宗論」。和泉流で見るのはお初だが、大蔵流
と大きな違いはないようだ。

旅で道連れになったふたりの僧、実は仲の悪いふた
つの宗派の僧であった。若くて真面目な法華僧を、
年上の融通無限な浄土僧が、「ちとなぶってやろう」

まるで子どもの喧嘩のような、数珠の「いただかせ
合戦」、法論のはずが、なぜか食べ物の話題になっ
てしまう「宗論」・・・果ては、互いの念仏とお題
目を取り違える始末・・・

落語「宗論」では、毎度「違うじゃん!」と思って
しまう「宗論はどちが負けても釈迦の恥」という言
葉・・・この狂言では、まさに!と思わせる。

後半の対談の中で、石田師が、「狂言は和解して終
わるんです」と言っておられたのが印象的だった。

どうやらこの企画、来年度も続けたいらしい。確か
に、落語と狂言で共通の、あるいはよく似たところ
のある演目は多いから、何回かは続くだろうけれど・・

ただ、そのためには、後半の“対談”の企画を、もう
少しグレードアップする工夫が欲しい。それがない
と、毎回、同じ話になっちゃいそうだから。

ちなみに、落語と狂言(と講談)の会は、国立能楽
堂でも年一のペースで行われているし、「落言」の
会もあるし、鈴本でも二度ほどやった(残念ながら
見ていないが)し・・・結構、やっているのですよ。

ただ、直接的に同じ演目をぶつけるのは、今までは
あまりないようで、そのあたり、次回以降にも期待
したい。
posted by JTm at 12:37| 落語 | 更新情報をチェックする