2018年05月31日

2018.5.30 入船亭扇辰独演会@国立演芸場

2018.5.30 皐月の独り看板 入船亭扇辰独演会

演目
橘家かな文      一目上り
入船亭扇辰      三方一両損
  (仲 入 り)
入船亭扇辰      お初徳兵衛
   (三味線:恩田えり、鳴物:入船亭小辰)

半蔵門線が遅れて、少し焦る・・・ゆっくりと夕飯
食べてから行くつもりだったのに、コンビニでおむ
すび買って、急いで会場へ。

かな文「一目上り」。道灌かな?と思っていたら、
掛軸の絵が雪折れ笹だった。引用する讃や詩、悟が
色々で、間違えるとさまにならないから、結構大変
な噺だ・・と思う。二ッ目のお披露目用かな?

扇辰の二席。仲入り後の「お初徳兵衛」がネタ出し。

「三方一両損」。後半がしっとりとした噺だから、
前半はカラッと威勢よく。

大工も左官もふたりの大家も、切れのよい江戸弁で、
見事な啖呵の応酬・・・比べると、大岡様は普通に
しゃべっているだけで貫禄十分。

「お初徳兵衛」。初演直後に二度ほど続けて聞いた
切り・・・4年ぶりの遭遇。ただ、このところ、小
辰さんが受け継いで演っているから、ご無沙汰した
気がしない。

以前に比べ、お初が一途な想いを貫きながらも、芸
者という“職業柄”の、男女の心の機微は、しつかり
とわきまえて、より一層「大人の女」として描かれ
ているように感じた。

二席とも良い噺だったのだが、ちと気になったこと
がひとつ。
特に「お初~」の方なんだが、「え、ここで笑う?」
と思われるような“場違い”(とわたしには思える)
なところで、何度か、笑いが起きていたこと。

感性の違いと言ってしまえばそれまでで、仕方ない
ことではあるのだが・・・でもやっぱり、なんか、
気持ち悪いんだよね・・・スイマセン。
posted by JTm at 13:57| 落語 | 更新情報をチェックする

2018年05月30日

2018.5.29 桂吉坊×木ノ下裕一ふたり会@浅草見番

2018.5.29 凸凹伝芸教室 桂吉坊×木ノ下裕一ふたり会

演目
ご挨拶とオープニングトーク   桂 吉坊
                木ノ下裕一
落語「皿屋敷」         桂 吉坊
  (仲 入 り)
歌舞伎トーク「番町皿屋敷」   木ノ下裕一
まとめ?トーク         桂 吉坊
                木ノ下裕一
 (三味線:恩田えり、鳴物:柳家花ごめ、金原亭小駒)

土曜日に続く浅草見番だが、客筋がまったく違う・・・
若い女性、多数。

木ノ下裕一氏は、「古典演目の現代的上演を行う」、木
ノ下歌舞伎の主催者。月末まで上演中のコクーン歌舞伎、
「切られの与三」でも補綴を担当。

わたしは、三年前に一度、「三人吉三」を見ている。⇒

このおふたりの会は、今まで何度か開かれているようだ
が、この会場で、この主催者で行われるのは初めてだそ
うで、今後も続く・・予定とのこと。ぜひ、お願いしたい。

吉坊「皿屋敷」。今回のテーマが、落語と歌舞伎のお菊
さんなので、まずは落語から。

東京では「お菊の皿」と呼ばれる噺だが、元は上方落語
なのかな。舞台は姫路(播州)で、青山鉄山は、姫路の
代官という設定。皿屋敷は、今は車屋敷と呼ばれている
・・調べたら、姫路城の車門近くにあるから、だそうだ。

伊勢参り帰りの男が、三十石船で皿屋敷のことを知らず
に恥をかいた・・というところから、丁寧に演じた。

お菊さんの人気が高まって、観客が増え、演技?がクサ
くなる・・などというのはお江戸版と一緒だが、興行師
は登場しなかった。

お菊は二度の登場だが、いずれも鳴物が入って、一度目
は淋し気に、かつ、不気味に。そして、二度目は見事な
芝居振りで。サゲは「風邪だから明日休むの」と。

木ノ下裕一「歌舞伎トーク」。歌舞伎の「番町皿屋敷」
は、岡本綺堂作で、大正5年に、二代目市川左團次、市
川松蔦の顔合わせで初演。ジャンル?としては新歌舞伎、
である。

お菊伝説は、各地にあるそうで、皿が一枚無くなる原因
もいろいろ、中にはお菊が粗忽で割ってしまう・・とい
うのもあるとか。

岡本綺堂版は、殿様・青山播磨は、純粋にお菊を愛して
いたが、身分違いの恋なので、不安にかられたお菊が、
播磨の心を試すべく、皿を割った・・ということになっ
ている。(これ、落語「厩火事」みたい)

鉄山の横恋慕が原因となる落語と比べ、より、現代(と
言っても大正時代の)的に、人の深層心理を扱う内容と
なっているようだが・・・うーん、正直、歌舞伎では見
たくないなぁ・・・あまりに暗すぎる。

木ノ下歌舞伎で上演したら、どんなふうに作り上げる?
・・・そのあたり、もう少し突っ込んで聞きたかった。

最後は、吉坊師も登場して、再びふたりのトーク。
ここからは、落語の皿屋敷について、木ノ下氏が吉坊師
に聞く・・というかたち。

皿屋敷は、三代目春団治師が得意としていた噺だそうで、
鉄山がお菊を責め、最後は斬り殺す場面など、実に美し
い所作だったとのこと。米朝師から伝わった噺だが、
「春団治師匠の方がきっちり演ってはった」そうだ。

男性ながら大阪のオバチャンそのまんま、という雰囲気
の(失礼!)木ノ下氏、しゃべり出したら止まらない勢
いで、いつ終わるのか、少々、不安にかられたが、意外
に早く、きっちり2時間で終演。
posted by JTm at 09:47| 雑記 | 更新情報をチェックする

2018年05月28日

2018.5.27 柳家三三独演会「春」@東京芸術劇場プレイハウス

2018.5.27 柳家三三独演会「春」

演目
柳亭市江      もぐら泥
柳家三三      質屋庫
  (仲 入 り)
柳家三三      居残り佐平次
         (三味線:???)

この会、諸般の事情でしばらく行ってなかった。いつ
からか、会場が変わったようで、しかも昼公演・・と
いうから、久々に参加。

芸術劇場プレイハウスって、初めてだよなぁと思って
いたが、途中で奇妙な既視感・・はるか昔に、一度、
来たことある! それが落語教育委員会の公演だった
のも思い出した。2010年1月。

調べてみたら、そのころは単純に中ホールという名称
だった。その後に、大規模改修が入ったようなので、
それを機に名称が変わったのだろう。

なんて、そんなこと、どうでもいいよね。

市江「もぐら泥」。市江さんのこの噺はたぶんお初。
月末の勘定にそろばんをはじく亭主と、その脇で座っ
たまま居眠りする女房・・・静かでわびしい風景が、
泥棒の侵入(腕だけ)で、一変する。

金がどうにかなるかも?という期待以前に、平凡な日
常とは違う状況に、夫婦(特に亭主)が、心をわき立
たせている雰囲気が感じられた。

三三の二席。いずれも40分超の長講。
「質屋庫」。2015年夏のにぎわい座以来。マクラで
天神様の話をするから、そこでネタが判明する。

小僧のさだ吉の小ずるさが、三三師ならでは(笑)。
芋羊羹三切れを手に浮かべる“会心の笑い”が、なんと
も愉快。

「居残り佐平次」。こちらは2016年の三三・左龍の
会以来。スピーディな展開は以前と同様。そして、イ
ノどん・佐平次に、新しい芸・・と、新しい衣裳まで。

結構な噺だったけれど、ひとつだけ。
最後、旦那との会話で芝居調になる佐平次のセリフ、
「生まれついての悪性で」。この悪性をワルショウと
言っていたけれど、芝居好きとしてはやはり、アクショ
ウと読んで欲しいです、はい。
posted by JTm at 08:46| 落語 | 更新情報をチェックする