2018年07月23日

2018.7.22 鈴本演芸場下席・夜の部

狂言会が終わったのが、午後4時20分。外へ出たら
日が傾いたって、暑さは相変わらず・・とても帰る
気になれず、涼みに寄席へ。

2018.7.22 鈴本演芸場下席・夜の部(主任・菊之丞)

演目
古今亭まめ菊      たらちね
古今亭ちよりん     真田小僧
翁家社中        (太神楽曲芸)
金原亭馬玉       ざる屋
古今亭菊志ん      蝦蟇の油
ホンキートンク     (漫才)
宝井琴調        (講談)小政の生い立ち
柳家さん喬       そば清
  (仲 入 り)
ぺぺ桜井        (ギター漫談)
古今亭志ん陽      熊の皮
林家正楽        (紙切り)
        線香花火、夏祭、屋形船、ウェディング
古今亭菊之丞      船徳
        (三味線:りち、あき、ふゆ)

まめ菊。お初です。菊之丞門下。「たらちね」。
ホント、最近の前座さんって、どうしてこんなに上
手いの?

ちよりん。秋に真打昇進、駒子を名乗るそうだ。前
席のたこ平さんもだったが、なんか、急激に上手く
なったという印象。真打昇進ってそういうものか。

馬玉「ざる屋」。先代馬生師から?続く“お家芸”・・
「金庫ごと持ってけ!」・・景気いいなぁ。

菊志ん。花緑師の代演。花緑師は、昼間福岡での仕
事で、飛んで帰って浅草の夜トリには間に合う予定
だったが、福岡の空港の落雷で、飛行機が飛ばなかっ
たそうで。

結局、浅草は志ん輔師が代バネだった模様。
鈴本の方は当初からの代演で、菊志ん「蝦蟇の油」。
後半の酔っ払いぶりが半端じゃない。

ホンキートンク。いつも通りのネタをいつも通り演っ
ている・・と思うのだが、ちゃんと笑えてしまうの
はとっても不思議。

琴調「小政の生い立ち」。喬太郎師が落語で演って
いるが、元の講談版は、聞いたことあったかな?
時間が短いので仕方ないかもしれないが、なんとな
く物足りない感じ。

さん喬「そば清」。定番中の定番だね。最短7分で
演ったのを聞いたけれど、この日はほぼ20分。まさ
に自由自在です。

志ん陽。文菊師の代演。「熊の皮」。こちらも定番。
熊の仕草が似合いすぎ。

正楽。屋形船のお題で、敢えて舟を半分だけにして、
舳先に立つ美人が、遠くの花火を眺める図。この構
図が、なんともお見事!

菊之丞「船徳」。終演後の募金(西日本の水害の)
のためだったか、やや急ぎ気味という印象。なぜか、
舟に乗るまでの部分の方が面白かった・・ま、たぶ
ん、わたしの体力が限界だったのだろう。

各寄席で、西日本水害の義援金募金を行うそうで、
出口に、菊之丞師、志ん陽師、ちよりんさん、まめ
菊さんが、募金箱持って待っていた・・ちょっとだ
け、寄付してきました。
posted by JTm at 16:58| 落語 | 更新情報をチェックする

2018.7月 納涼茂山狂言祭2018東京公演@国立能楽堂

2018.7.21 納涼茂山狂言祭2018東京公演(第一日)

演目
お話(解説)      茂山逸平
狂言「右近左近(おこさこ)」
    右近=茂山 茂、
    女房=茂山千五郎、後見=島田洋海
狂言「千鳥」
    太郎冠者=茂山七五三、主人=丸石やすし、
    酒屋=茂山あきら、後見=増田浩紀
  (休   憩)
狂言「彦市ばなし」(木下順二=作、武智鉄二=演出)
    彦市=逸平、天狗の子=茂山童司、
    殿様=茂山宗彦、後見=千五郎、茂、島田、増田
    笛=栗林祐輔
附祝言「猿唄」     茂山千五郎

「右近左近」。狂言には珍しい、女房の浮気話・・・
なのだそうだ。隣家の左近の牛に畑を荒らされた右近
は、代官に訴えに行くことに。気の弱い右近は、女房
相手に、訴えの予行演習。ところが、女房はなぜか左
近贔屓で・・・。

冒頭の解説の逸平さんは、「女房の浮気が本当として
演じる時と、ただそう臭わせるだけの時と、二通りの
演じ方がある」とのことだったが・・・千五郎師の女
房は、あまりにもオッカナクて、左近さんだって、ち
と尻込みするんじゃない?という感じ。

なので、“浮気”は、女房が勝手に左近に熱を上げてる
だけなんじゃないかなー・・と、思った次第。

「千鳥」。大好きな演目の上、七五三・あきら両師の
顔合わせと言うのも、なんとも嬉しい。

以前のツケも払う当てがないのに、さらにひと樽の酒
を「とってこい」と命じられた太郎冠者・・酒屋の主
人の話好きを良いことに、祭りの様子を面白おかしく
言い立てて、みごと、酒の奪取に成功!

言ってみれば、詐欺の話なんだけど、愛敬たっぷりの
太郎冠者は、どうにも憎めない。騙された酒屋の主人
も、意外に、怒ってはいないみたいで・・愉快。

「彦市ばなし」。熊本の民話をもとに、劇作家の木下
順二が書いた作で、当初は新劇で上演され、のちに、
武智鉄二が狂言として演出した。ただ、セリフは、狂
言の“標準語”には直さず、もとの熊本弁のセリフを、
そのまま使っている。

“うそつき”を自認する彦市、天狗の子を騙して隠れ蓑
を取り上げたが、天狗の親の報復が怖くなり、通りか
かった殿様を利用して、なんとか逃れようと画策・・

この殿様のキャラが良い。一見、お馬鹿っぼいのに、
実はちゃんと、真理を見抜いてる?という感じを漂わ
せ、愛敬たっぷりで憎めない。・・こういうの、宗彦
さん、はまり役!

最後、彦市と天狗の子の“水中対決”は、いかにも狂言
らしい、“つもり”の演出。これを陸から眺めている、
殿様のおおどかさが、これまた楽しかった。


2018.7.22 納涼茂山狂言祭2018東京公演(第二日)

演目
お話(解説)      茂山あきら
狂言「末広かり(すえひろがり)」
    果報者=茂山千作、太郎冠者=茂山 茂、
    すっぱ=丸石やすし、後見=増田浩紀
復曲狂言「独り松茸」(台本制作=茂山千之丞)
    男=茂山あきら
  (休   憩)
狂言「狸腹鼓(たぬきのはらつづみ)」
    尼=茂山千五郎、
    喜惣太=茂山童司、後見=丸石、茂
    囃子方 笛=松田弘之、小鼓=田邊恭資、
        大鼓=大倉慶乃助、太鼓=林雄一郎
附祝言「猿唄」     茂山 茂

二日目はあきら師の解説から。冷房の普及していない
時代には、狂言師は夏はお休みで、装束や面の虫干し
などしていた・・というお話(ボヤキ?)も。

「末広かり」。主催の会社は、今年、創立30周年だそ
うで、それを(こっそりと)言祝ぐ演目とか。

扇子と傘を取り違えるという内容は、教科書などでも
有名。リクエストの理由にも「教科書にあったあの演
目を見てみたい」というのが多いそうな。

太郎冠者を騙す“すっぱ”が、おまけとして、「主人の
機嫌が悪い時にご機嫌を直すための囃子もの」を教え
てくれる・・・なんと、ご念の入ったことか。

そして、まんまとそれに乗せられて、浮かれてしまう
果報者・・太郎冠者の囃子に合わせて、ビクッ、ビクッ
と、身体が動き始めるのが、なんとも楽しい。

「独り松茸」。和泉流にはあるひとり狂言を、大蔵流
でも・・と考えた千之丞(もうすぐ先代になる)師が、
今は途絶えてしまった大蔵流別派の台本をもとに、復
曲した。

男が山に松茸狩りに行く・・山道を登り、蛇に怯え、
あちこち松茸を探し回った後、見事な松茸を見つけて、
それを肴に一杯・・という物語を、たったひとりで、
しかも、舞台装置や小道具もないままに演じる・・・。

それなのに、見ている方には、その山道や大きな松茸
が、ちゃんと見えて来る・・・落語とおんなじ。

「狸腹鼓」。あの、井伊直弼が台本を作り、井伊家お
抱えだった茂山千五郎に演じさせたという、千五郎家
にのみ伝わる演目。

畑を荒らす狸を射る喜惣太のもとに、尼の伯母が現れ、
殺生の愚を説く。・・実はこの伯母、若い眷属を救お
うとする古狸が化けたもので・・・

狐と猟師の対決を描く「釣狐」と、よく似た物語では
あるが、後半、正体を見破った喜惣太が、「腹鼓を聞
かせてくれれば許す」と言うのが、なんかとってもほ
んわかした雰囲気。

狐vs.猟師の、鋭い緊迫感とはまったく違う、民話的な
感じ・・落語でも、狸は道化役だよなーとふと思った。

喜惣太役の童司さん、年末に三世千之丞を襲名する。
前日の「彦市~」の天狗の子の可愛らしさ、この日の
喜惣太の凛々しさと、毛色の違う二役を見事に演じて、
襲名への“決意”を感じさせた。
12月、楽しみにしてます。
posted by JTm at 10:08| 狂言 | 更新情報をチェックする