2018年12月14日

2018.12.13 国立能楽堂定例公演

2018.12.13 国立能楽堂定例公演 演出の様々な形

演目
狂言「狐塚」(和泉流)
     シテ(太郎冠者)=石田幸雄、
     アド(主)=月崎晴夫、
     小アド(次郎冠者)=野村萬斎
  (休  憩)
能「小鍛冶-白頭」(金剛流)
     シテ(前・老人、後・稲荷明神)=種田道一、
     ワキ(小鍛冶宗近)=村山 弘、
     ワキツレ(橘道成)=小林 努、
     アイ(家人)=中村修一
     囃子方 笛=一噌幸弘、小鼓=鳥山直也、
         大鼓=谷口正壽、太鼓=三島元太郎
     後見=宇高通成、豊嶋幸洋
     地謡=熊谷伸一、豊嶋晃嗣、元吉正巳、金剛龍謹、
        見越文夫、今井清隆、遠藤勝實、今井克紀

先月に続き、流派ごとの演出の違いを見る会に。
とは言え、ひと月たつと、どうも記憶が・・・情けない。

でも、今回は演出の差が大きかったので、初心者でも「は
はぁ・・」と思える場面が多かった。

まずは狂言「狐塚」。大蔵流では、狐塚の田に鳥追いに行
くのが、太郎冠者と次郎冠者のふたり連れだったが、今回
の和泉流では、太郎冠者がひとりで行くことに。

この太郎冠者、狐が人を化かすことを本気で信じている・・
中世の話だから当然と言えば当然なんだが。

というわけで、“陣中見舞い”にやって来た、同僚の次郎冠
者も主人も、ふたりとも狐に違いないと縛り上げ、「皮を
はいでやる!」と・・・怖っ!

太郎冠者が、皮を剥ぐ刃物(でっかい鎌!)を探しに行っ
た隙に、縛られたふたりは互いの縄を解いて逃げ出すのだ
が・・・
見送る太郎冠者、「やっぱり、狐は化かすのが上手い」。

能「小鍛冶」。小書き「白頭」は、前シテが老人(普通は
童子)、後シテも、赤や黒ではなく白の頭・・まさに、年
古りた白狐・・神通力も強そうだ。

物語の運びは、前回の観世流と変わりない。ただ、後シテ
の出は、橋掛の途中で立ち止まって、下界を見下ろすよう
なかたちをしたり、橋掛の手すりに足を掛けたりと、いか
にも天から舞い降りたかのような登場の仕方を見せる。

かなり派手な演出だなぁという印象だった。

前シテの老人が語る、霊力?のある剣のあれこれ、唐土の
話に、日本武尊の草薙の剣の話も、二か月連続で聞いたせ
いか、前回よりよく理解できた感じで・・・

ま、なんとか居眠りせずに最後まで楽しめた・・かな?
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2018年12月12日

2018.12.11 国立劇場十二月歌舞伎公演

2018.12.11 国立劇場十二月歌舞伎公演

演目
通し狂言「増補双級巴ー石川五右衛門ー」
       四幕九場   三世瀬川如皐=作
 発 端     芥川の場
 序 幕     壬生村次左衛門内の場
          浄瑠璃=竹本葵太夫、三味線=鶴澤寿治郎
  (休  憩)
 二幕目 第一場 大手並木松原の場
     第二場 松並木行列の場
 三幕目 第一場 志賀都足利別館奥御殿の場
          浄瑠璃=竹本道太夫、三味線=豊澤勝二郎
     第二場    同   奥庭の場
     第三場 木屋町二階の場
          大薩摩=鳥羽屋里長事 大薩摩文清太夫林雀
          三味線=稀音家新之助
  (休  憩)
 大 詰 第一場 五右衛門隠家の場
          浄瑠璃=竹本樹太夫、竹本葵太夫
          三味線=鶴澤祐二、鶴澤寿治郎
     第二場 藤の森明神捕物の場
          浄瑠璃=竹本樹太夫、三味線=鶴澤祐二
  (配役)石川五右衛門=中村吉右衛門、次左衛門=中村歌六、
      此下藤吉郎久吉=尾上菊之助、足利義輝=中村錦之助、
      傾城芙蓉・五右衛門女房おたき=中村芝雀  外

「増補双級巴(ぞうほふたつどもえ)」は、三世瀬川如皐が、
先行の“五右衛門物”をいくつかつなぎ合わせるようなかたち
で創作した作品だそうで、嘉永4(1851)年、江戸中村座初
演。ただしこの外題が用いられたのは、10年後の再演(文久
元年、江戸守田座)時からとのこと。

この「つなぎ合わせ」の結果、ということなのか、発端から
三幕二場までと、それ以降がまったく別物のような印象。

時代物的雰囲気と、世話物の要素、両方を楽しめる、一粒で
二度美味しい演目と言えるかもしれない。

前段で、五右衛門の生い立ちが明らかになるのには少々びっ
くり。実は西国の大名のご落胤とか、子どものころから手癖
が悪く、奉公先から金を盗んで蓄電したとか・・なんか、先
月の天一坊や、落語「双蝶々」の長吉を思い出す。

父と兄の確執の犠牲になるように命を落とす、妹の小冬が哀
れだ・・演じる中村米吉丈の、なんと可憐なことか。

自らの出自を知った五右衛門は、天下取りを目指す。手はじ
めに天皇家から足利義輝への勅状を奪い、ご勅使に化ける。
その偽勅使の行列が、久吉の一行とすれ違う・・まんまと、
久吉をだまし果せたと、声を出さずに笑う五右衛門・・吉右
衛門丈の“大きさ”を感じる。

このふたりが、義輝の別宅で対決・・と、実はふたりはかつ
てのワル仲間だったことが分かり・・・

でもね、これが実は全部、夢!・・・えー、うっそぉ!

隠れ家の二階で昼寝から目覚めた五右衛門と、下を通りかか
る久吉。この場面は、“五右衛門物”の白眉「金門(楼門)五
三桐」のパロディだ。

豪華な南禅寺山門とは全く異なる、質素なしもたやというそ
の対照が、奇妙に可笑しい。

大詰は、なんと、五右衛門の家庭生活が描かれる。先妻が生
んだ子である五郎市を、五右衛門の後妻、おたきがいじめ抜
く。この場面は、最近よく聞くニュースを思い出し、正直、
見るのが辛い。

しかし、実はおたきには、ある思惑が・・・
だが、その思いが明らかになった時にはもう遅いのだ。

結局、五右衛門はお縄になり、「世に盗人の種はつきまじ」
と辞世を残すことに。

大詰、五郎市を演じる子役が、実に達者で感心する。ダブル
キャストだが、この日の出演は、プログラムの写真から判断
すると、安藤然くん・・かな? よく頑張りました。

よく頑張ったといえば、御年74歳の吉右衛門丈もまた然り。
つづら抜けの宙乗り、そして大詰の立ち回りと、大活躍だ。
・・・お疲れさまでした。

もちろん、裏方さんや、立ち回りのからみの三階さんたちの
力もとっても大きいけれどね。
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2018年12月11日

2018.12.10 三三・左龍の会@内幸町ホール

2018.12.10 第89回 三三・左龍の会

演目
三三&左龍       (ご挨拶)
春風亭与いち      手紙無筆
柳家三三        粗忽の釘
柳亭左龍        人形買い
  (仲 入 り)
柳亭左龍        釜どろ
柳家三三        夏の医者

予定されていた9月30日が、台風襲来で列車運休と
なり、会が中止になった。そのリベンジの会である。

私事だが、その前日の29日に足を痛めて、30日はと
ても歩ける状態でなかったわたしには、大変にあり
がたい台風だった(「富久」の一八の心境だ)。

なお、その翌日の10月1日以降は、予定していたす
べての会に、もれなく参加したので、どうぞご心配
なく・・って、誰も心配してないか。

というわけで、オープニングトークはその会の払い
戻しの話。おひとり、払い戻さなかった方がいらし
たそうだが、どんな事情?

与いち「手紙無筆」。聞いていて思い浮かんだのは、
文蔵師匠の顔だった。やっぱり、第一人者だもんね。

三三「粗忽の釘」。3日に行った独演会で、マクラ
で試していた?、ゴーン氏がらみのクスグリを、噺
本篇に挿入・・それが演りたかったのかも?

左龍の二席。
「人形買い」。9月に演ったとしても季節外れだけ
ど、節句のマクラを振ったから、重陽の節句には近
いという理由で選んだのかな?

長い噺という意識があったので、途中で切るだろう
と思っていたが、サゲまで通した。それで30分。ど
こかで詰めていたのかもしれないが、どこだかはわ
からなかった。おしゃべりで生意気な小僧が可愛い。

「釜どろ」。三三師ではよく聞くが、左龍師で聞く
のはお初。豆腐屋のバァさんが、今にもジィさんを
入れたまま、釜を焚きつけそうで・・怖いねぇ。

三三「夏の医者」。こちらはドンピシャの夏噺で、
暑かったこの夏に聞きたかったなーという感じ。

木の股に首を引っ掛けて、参っちゃってるウワバミ
という“絵柄”が、ともかくも愉快。

ひとつ疑問だったのは、下し薬でウワバミは腹の中
空っぽと言いながら、薬箱はまだ中なの?ってこと。

その辺、探したら転がってるんじゃないかなぁ・・?
もっとも、そんな目にあった薬・・飲まされるのは
どう考えてもイヤ!だよね。
posted by JTm at 09:44| 落語 | 更新情報をチェックする