2019年01月23日

2019.1.22 三K辰文舎 落語&ライブ@文京シビックホール 小ホール

2019.1.22 第16回 三K辰文舎 落語&ライブ

前回来たのが、2017年末の第14回なので、1回抜けた。
そうか、去年は1回しかやらなかったのね。

演目
柳家小せん       蝦蟇の油
入船亭扇辰       権兵衛狸
橘家文蔵        天災
  (仲 入 り)
三K辰文舎       (ライブ)6曲∔アンコール3曲

いつも通り、ほどほどの入りま客席を、三師匠がこもご
もに揶揄しつつ。

小せん「蝦蟇の油」。見世物小屋のあれこれを導入に。
一眼国かな?と思ったら、蝦蟇の油だった。
酔っぱらった蝦蟇の油売りが、刀を振り回すので、危な
くってしょうがない・・・

扇辰「権兵衛狸」。狐と違って?狸は人を騙そうとする
のでなはく、ただ揶揄って遊びたいだけなんだね・・と
思えてくるこの噺。権兵衛さんもそれを知っているから、
狸汁には出来ない。

文蔵「天災」。久々に聞いたなぁ。主人公の八五郎は相
も変わらず乱暴者で、入口の引き戸はぶん投げて開ける。
紅屋の隠居が、八五郎の持って来た手紙を読む場面、先
生のリアクションが大傑作。

さて、お楽しみ(出演者の)の後半。今回は全9曲で、
ちょっと少なめだったかな。音楽には縁のないわたしは、
知っている曲が2曲しかなかった。
・・決して、世代が違うというわけではないのですが。

曲名
「春爛漫」(小せん)
  作詞・作曲・唄 さだまさし 2004
「事件」(文蔵)
  作詞 安井かずみ、作曲・唄 井上陽水 1979
「I LOVE YOU」(扇辰)
  作詞・作曲 財津和夫、唄 チューリップ 1987
「風にならないか」(小せん)
  作詞・作曲・唄 中島みゆき 1994
「タクシーと指輪とレストラン」(文蔵)
  作詞 安井かずみ、作曲・唄 加藤和彦 1983
「ひこうき雲」(扇辰)
  作詞・作曲・唄 荒井由実 1973
*****************************************
<アンコール>
「しあわせの一番星」(扇辰)
  作詞 安井かずみ、作曲 筒美京平、唄 浅田美代子 1974
  (TVドラマ『寺内寛太郎一家』挿入歌)
「いい日旅立ち」(小せん)
  作詞・作曲 谷村新司、唄 山口百恵 1978
「他に何が」(文蔵)
  作詞 森山達也、作曲・唄 THE MODS 1995

次回開催が告知される。7月29日(月)。
扇辰「月曜日なら、理容組合にビラ撒いたら、大挙して
  来てくれるんじゃない?」
小せん「『権兵衛狸』、とっとけばよかったですね」
扇辰「そうか・・しまったな。でもいいや、『浮世床』
  覚えるから」

師匠、「不精床」は止めましょうね。
posted by JTm at 08:41| 落語 | 更新情報をチェックする

2019年01月20日

2019.1.19 お正月@座・高円寺1

2019.1.19 玉造小劇店配給芝居vol.24 「お正月」

「お正月」 (作・演出=わかぎゑふ)
   出演 桂 憲一、野田晋市、山像かおり、コング桑田、
      美津乃あわ、うえだひろし、茂山宗彦、水町レイコ、
      有馬自由、浅野彰一、是常祐美  外

いつもなら、役名とともに俳優さんの名を書くところ
だが、この芝居に限っては、あまり意味がなさそうな
ので、役名は省略する。

ま、ひとつにはひとり二役がほとんどで長くなりすぎ
るということもあるのだが・・。

ただ、それ以上に、この芝居、主人公は決して人間で
はない・・という気がしたからだ。

主人公は、最初から最後まで舞台となる、ある一軒の
家の座敷であり、明治から平成、100年を超える時の
流れである。

この座敷の、年ごとの正月元日の情景が、早いテンポ
で次々に展開する。

ひとりの男が翌年には結婚して妻とふたりに・・そし
て、次の場面ではすでに3人の娘を持つ・・というよ
うに。

そうして移って行く時代の流れ、背景が、人々の会話
の中で浮かび上がってくる。

最初の場面は明治5年、維新からわずか5年後。やが
て日清戦争、日露戦争を経て、時代は大正へ。

大正デモクラシーの“春”も束の間、関東大震災・・昭
和に入って、日中戦争から太平洋戦争、自由だった人
の心までが、戦時色一色に染まっていく日々。

それが一転、敗戦後のアメリカナイズと、人々の豹変
(職業軍人だった次男坊が、進駐軍出入りのジャズ歌
手のマネージャーになっている)ぶり。

そして、ついに関東大震災に被災しして、安全な大阪
に嫁に来たと言っていた女性が、71年後、阪神淡路の
震災に合い、この家を手放すことに。

これで終わり?と思ったら、最後にもう一場面。

家はどうやら買い手がつかなかったのか、東日本大震
災の翌年、補修されて、岩手・大槌町からの移住者に、
貸し出されることに。

この新しい居住者を迎える、2012年の元日がラスト
シーンだ。

この芝居、前回上演は、15年前とのことなので、この
あとの大団円的場面は、おそらく、今回の補筆だろう。

各世代の「お正月」をつなぐのが、この一家、鈴木家
の、各代のおせち料理、特に、高野豆腐の煮物。これ
が薄味だったり濃い味だったり、甘かったり辛かった
り・・・と、時代によって種々様々ながら・・どれも
みな、決して美味しそうとは言えないシロモノ・・って
のが、なんとも愉快だ。

ケラケラ笑いながら、この家が、我らが日本が経てき
た、長いようで短い、変化が多いようであまり変わら
ない、100年という歳月について、いろいろと考える
ことが多かった。

以下は余談。
元日の話ということで、女優陣はみなさん晴れ着姿。
男優さんはだいたい、黒のスーツだったが、最後の場
面で、日系三世のケントとして登場する、茂山宗彦さ
んだけが、着物を着て登場した。

その姿が、なんとも自然で、どの女優さんのお着物姿
より、決まっていたなぁ・・という印象。さすがは、
狂言師!・・と、もっぴーファンは、大満足。

 IMG_4377.JPG 最後の挨拶。
posted by JTm at 10:22| 芝居 | 更新情報をチェックする

2019年01月19日

2019.1.18 国立能楽堂狂言の会

2019.1.18 開場35周年記念 国立能楽堂狂言の会

演目
狂言「居杭(いぐい)」(大蔵流)
   シテ(算置)=大藏彌右衛門、
   アド(何某)=大藏基誠、(居杭)=大藏康誠
  (休   憩)
素囃子「黄鐘早舞(おうしきはやまい)」
   笛=栗林祐輔、小鼓=田邊恭資、
   大鼓=大倉栄太郎
狂言「楽阿弥」(和泉流)
   シテ(楽阿弥)=野村万蔵、ワキ(旅僧)=野村万禄、
   アイ(所の者)=野村万之丞
   囃子方 笛=栗林祐輔、小鼓=田邊恭資、
       大鼓=大倉栄太郎
   地謡=野村 萬、
      山下浩一郎、小笠原匡、能村晶人、上杉啓太
復曲狂言「竹松」(井関義久=台本、羽田昶=演出)
   シテ(山立)=茂山七五三、
   アド(主)=茂山 茂、(竹松)茂山逸平、
     (伯父)=丸石やすし  後見=鈴木 実

「居杭」。少年・居杭には、なにかと世話になる人が
いるが、その人が、やたらと自分の頭をたたくのが迷
惑。清水様に請願して、ある頭巾を手に入れる。これ
を被ると姿が消えて・・

姿の見えなくなった居杭を心配する何某は、占い師・
算置に卦をたてさせるのだが、調子に乗った居杭は、
ふたりを揶揄うことに・・

可愛いからちょっかいを出したくなる何某・・その気
持ちも分かるけれど、坊やには迷惑、というのもよく
わかる。

居杭役の大藏康誠くんは、2008年生れ。父、祖父と
三代そろっての舞台は、新春らしく縁起良く。

「黄鐘早舞」。黄鐘というのは、日本古来の音律の名
称。早舞は、能の舞の一種で、謡を伴わず楽器のみで
舞われる、貴人の霊などのテンポの速い爽快な舞・・
だそうだ。

そして、普通はより高い調子の伴奏だが、少し低めの
この黄鐘で舞う場合もある・・「錦木」「松虫」など
・・と、プログラムには書いてありました。

「楽阿弥」。大蔵流にもある演目とのことだが、見る
のはお初。以前に見た「通圓」と同じように、能の形
式に則った曲。

伊勢詣りの旅の僧が、伊勢国別峰というところで、一
本の松に多くの尺八が掛けてあるのを見る。

自身、尺八を吹くのが好きな僧が、気になって土地の
者に問うと、「かつて尺八を吹きに吹いて吹き死にし
た者があり、その供養のためです」とのこと。

僧もまた、供養のためにと、持参の尺八を吹く・・

僧の吹く尺八を聞いて、そのかつての尺八吹き・楽阿
弥の霊が現れて、ふたりのつれ吹きに・・・この尺八
の音色を、楽器ではなく“セリフ”でやってしまうのが、
狂言らしいところ。

「トラ、フラリフ、リ、トラ、フラフリロ、フウ」

楽阿弥はやがて自らの最期を語る・・尺八を吹いて門
付けをしていたが、あまりにしつこくしすぎたため、
土地の者に嫌われてしまった・・・と。

この最期はあまりにも悲しすぎる。人々にせがまれて
茶を立て続けた通圓とはえらい違いだ。

「竹松」。現存最古の狂言台本「天正狂言本」に概略
のみ伝わる曲を、平成元年に復曲、その後の再演を経
て、今回が3回目の上演とのこと。

祭りの山鉾の趣向に、能を演じようとする主人が、召
使の女・竹松に、伯父のところまで能の道具一式を借
りにやる。
その帰り道、山賊に出くわしてしまった竹松は・・・?

能を舞うと言う主人が、実はさっぱり下手くそらしい
のに、山賊の方はかつては山鉾で実際に能を舞った経
験者。

そして、おとなしく荷物を差し出した竹松が、実は、
女に似合わぬほどの剛の者。

この逆転の構図は、いかにも狂言らしい。

だけど、よくある“わわしい女”ではない、しとやかな
タイプなのに、実はとっても力強い、という竹松は、
あまり狂言らしからぬ存在かもしれない。

そして、この竹松をスリムな逸平さんが演じたという
のも意外性あり・・大柄な千五郎師だったら、山賊も
最初から近寄らないかも?・・・(ごめん!)
posted by JTm at 14:12| 狂言 | 更新情報をチェックする