2019年05月04日

2019.5.1~5.3 向じま墨亭こけら落とし公演・午前の部

2019.5.1~5.3 向じま墨亭こけら落とし公演・午前の部

墨田区東向島1丁目に新しく開場した、小さな小屋・・
新しい元号とともにスタートした。

東武線曳舟駅から、徒歩8分ほどの、築60年の民家
を改装。元は化粧品屋さんだった建物の、2階の4
畳半二間をつなげた和室が会場・・満員になっても
20人弱という・・演者との間が、思いっきり近い。
・・・ゼイタクの極み。 

 外観。IMG_6610 (2).JPG

外観だけでなく、内部にも敢て元のお宅のあれこれ
を残したそうで・・・

こんな、模様つきの窓ガラス、今は見かけません。
 IMG_6615.JPG
照明器具も・・昭和生まれには懐かしい。
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さらに・・これも、敢て残したもの・・台所じゃない
から、秋葉様のお札ではないけれど。
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こけら落とし公演の最初の四日は、午前の部が落語、
午後は講談というスケジュール。その最初の三日間、
落語の会に参加。

2019.5.1 柳家さん喬の会

演目
柳家さん喬      花見小僧
  (仲 入 り)
柳家さん喬      文七元結

朝10時半という早い開演時間にもかかわらず、入場
待ちの列。その横を大きな車が・・え、こんな細い
道に?・・と思ったら、これがさん喬師匠。運転、
お上手です。

生まれ育ったのがこのあたり・・と、懐かしそうに
思い出話を繰り広げ、“ご当地噺”の「花見小僧」へ。

今年は春噺を聞けていないから、大いにうれしい。
「旦那様、“仲がいい”と、“いい仲”とは違います」
・・・何度聞いても笑っちゃう、番頭のセリフ。

噺が終わっても、まだ、なんとなく思い出話を続け
たそうなそぶりのさん喬師匠・・「あと何を演りま
しょうか・・このまましゃべっているとキリがない」
と、やはりご当地ゆかりの「文七元結」を約束して
仲入り休憩。

「文七元結」。さん喬師匠の文七は2017年以来。
今回ふと気づいたのだが、さん喬師の描く佐野槌の
女将は優しいね・・「わたしゃ鬼になるよ」という
セリフはあるけれど、それにも優しさが込められて
いる感じ・・長兵衛さん、甘えてはいけませんよ。

噺の合間に、たっぷりの隅田川随談を挟み、向島ゆ
かりの大御所の2席・・めでたい幕開けとなった。


2019.5.2 隅田川馬石の会

演目
隅田川馬石      浮世床
  (仲 入 り)
隅田川馬石      居残り佐平次

2日は、やはり地元在住の馬石師匠。師である雲助
師も本所の方だから、弟子入り以来の縁?かと思っ
たら、そうではなく・・と、弟子入りまでの紆余曲
折をたっぷりと・・初日のさん喬師匠より長かった。

「浮世床」。将棋、本、隠し芸、夢というフルバー
ジョン。奇妙な隠し芸のくだりは、この噺が元なの
か・・他の噺でもよく聞くけれど。

最後、艶っぽい夢を見た半ちゃんが、色男を気取っ
てみせる所は、なんか如何にも馬石師らしい・・

「居残り佐平次」。ご当地がいわゆる赤線地帯だっ
たことから、吉原じゃない遊び場を舞台にした噺を
ということらしい。

もっともこの「鳩の街」が栄えたのは、どうやら戦
後のことらしいので、江戸時代の品川と結び付ける
のは困難?・・ま、落語を聞くには支障はないが。

ちゃらんぽらん風の佐平次が、馬石師にかかると、
案外真面目な色男になる・・不思議。

「おふくろに」と、仲間に金をことづけるのが、佐
平次の本当の顔?・・居残りになって客相手に稼ぐ
のは、あくまで「商売」。

最後は、「おこわに掛ける」で終わらずに、独自の
オチ・・・現代人にはわかりやすいかも?だけど、
ちと、無理があるような気も・・。

二日目は、出がけに予想もしなかった大雨になって、
バスが遅れて慌てたけれど、終演後は良く晴れて暑
いくらいに・・傘はそのまま日傘になった。


2019.5.3 古今亭菊志んの会

演目
古今亭菊志ん     野ざらし
  〃        妾馬
  (仲 入 り)
古今亭菊志ん     文七元結 

3日の菊志ん師は、えー、地元とは無縁でしょ?と
思っていたのだが、圓菊師匠が八広にお住まいで、
前座のころは毎日通っていた・・曳舟駅利用で。

ということだそうだ。そのころの思い出をちょっと
だけ話して(オフレコでした)、すっと噺に入る。

「野ざらし」。舞台は向島の土手だから、ご当地噺。
聞きなれないフレーズは、八五郎が年増じゃなくて、
若い娘が好みということ。もしかして演者自身の好
みの反映?

最後は幇間を出さずに、独自のオチで。

「妾馬」。圓菊師匠の得意だった噺だそうだが、直
接習ってはいないとのこと。

こちらも八五郎が主人公・・もちろん別人だけど、
パァパァご陽気なのは共通点。落語国ではそういう
位置づけなのかな。

お屋敷での八五郎と三太夫さんが、なんか、漫才コ
ンビみたい。殿様もお楽しみだったようで。

「文七元結」。初日のさん喬師と被ったが、「お約
束の」と言っておられたので、どこかでネタ出しし
ていたのかもしれない。わたしは知らなかったが。

ふたりの演者を比べられるので、聞く方としてはそ
れはそれで楽しい。(演者は嫌かも)

“泣き”の部分の少ない、カラッとした文七。長兵衛
夫婦の喧嘩のすさまじさが印象に残る。そして、佐
野槌の女将は、かなり厳しい人って感じ。

一番面白いと思ったのは、文七の主人の近江屋卯兵
衛で、「汚い着物を着た男がぶつけるようにして50
両という大金を恵んでくれた」ときいて、「その絵
が浮かばない」と、何度も繰り返す。

とっても現代的感覚だなーと思った次第。


以上三日間、まとめてのご報告。
向じま墨亭、これからどんな活動をしていくのか、
楽しみに見ていきたい。ますますのご発展を!!
posted by JTm at 11:06| 落語 | 更新情報をチェックする