2019年05月07日

2019.5.6 お豆腐の和らい2019・東京公演@紀伊國屋サザンシアター

2019.5.6 お豆腐の和らい2019・東京公演
   新作CLASSICS「罰」~想定外な狂言たち~

演目
ご挨拶と解説       茂山あきら&茂山 茂
「かけとり」(茂山逸平=作・演出)
   太郎=鈴木 実、女房=井口竜也、
   大家=丸石やすし、酒屋=茂山千三郎、
   後見(囃子方)=島田洋海
「狸山伏」(茂山童司=作・演出)
   山伏=茂山逸平、強力=山下守之、
   狸?=茂山千五郎、後見=茂
「帰ってくれないゴドー」(土田英生=作・演出)
   ウラジミール=茂山千之丞、
   エストラゴン=茂山宗彦、ゴドー=島田
  (休  憩)
「言葉なき行為」
 (サミュエル・ベケット=作、ジョナ・サルズ=演出)
   男=あきら、黒衣=茂

狂言のお家、数ある中で、数多くの新作に取り組むと
いう点では、茂山千五郎家が一番・・だろう。
「年に10本も新作を演ったこともあり、明けても暮れ
ても新作の稽古」という年もあったとか。

その膨大な?蓄積の中から、選りすぐりの?4本を。

「かけとり」。落語の「掛取り」をもとに、逸平さん
が書いた・・冒頭の解説によれば、「四季の狂言を演
る会で、冬の狂言に良いのがなかったから」と。

今までも何度か見ているが、今回は配役を一新・・と
は言うものの、能好きの大家と囃子方担当の後見は、
こりゃもう、動かせない配役ですな。

大真面目な顔で、能がかりの借金取り立て合戦・・も
うお腹を抱えて笑っちゃう。

「狸山伏」。古典狂言の「蟹山伏」の焼き直しで、旅
の山伏主従が出会うのは、蟹の精ならぬ、なにやら狸っ
ぽい異形のもの。

芋の葉を傘代わりにしたその姿には、どこか見覚えが・・

誰もが知っている有名なアニメのパロディでもあるの
だけれど、著作権処理がどうなってるかわからないの
で、詳細は書きません。

着ぐるみを着て、ただぶつぶつひとり言を言っている
だけの役(これひと役!)を演じるのが、当代のご当
主とは!

「帰ってくれないゴドー」。サミュエル・ベケットは、
アイルランド出身のフランスの劇作家で、ノーベル文
学賞受賞者。

名前だけは知っているけれど、もちろん読んだことも
見たこともなし。

その代表作「ゴドーを待ちながら」は、ふたりの男た
ちが、自分たちに幸運を運んで来てくれるはずの、ゴ
ドーという人物を、ひたすら待ち続ける物語だそうだ。

じゃ、そのゴドーが、本当に現れたらどうなる?とい
う発想がこの狂言。うーん、結局、待っている時間こ
そが、一番の幸せ・・なのかな?

「言葉なき行為」。最後はそのベケット作の無言劇。
あきら師が自身の劇団・能法で、狂言の様式で上演、
すでに40年にもわたり、国内外で上演しているとか。

舞台の上には、木が一本、そして小さな櫓・・これ
は後に井戸と分かる。

どうやら、ここは砂漠らしい。風に吹き飛ばされる
ようにして登場した男・・風に逆らって進もうとす
るが、なかなか果たせず・・・

最初は、起上って再び進もうとしていた男だが、だ
んだん疲れ、ようやく見つけた井戸も、どうしても
水を汲み上げることが出来ない。

絶望感に支配される男・・・

うーん・・・これ、どう理解すべきなのか。
男のひとつひとつの動きは、確かに狂言的で、そこ
を見れば、確かに滑稽さもあるのだけれど、全体を
支配しているのは、どう考えても絶望感だ。

救いがないよな・・と、ちょっと憂鬱な気分で終演
を迎えた。
posted by JTm at 09:29| 狂言 | 更新情報をチェックする