2019年07月14日

2019.7.13 国立能楽堂普及公演

2019.7.13 国立能楽堂普及公演

演目
解説・能楽あんない
  「源融が愛した河原院」
   表 きよし(国士舘大学・日本文学)
狂言「入間川」(和泉流)
  シテ(大名)=野村又三郎、アド(太郎冠者)=奥津健太郎、
  アド(入間の某)=松田髙義     後見有
  (休  憩)
能「融(とおる)-遊曲、思立之出」(金剛流)
  シテ(前・老人、後・源融の霊)=今井清隆、
  ワキ(旅僧)=森 常好、アイ(所の者)=野口隆行
  囃子方 笛=松田弘之、小鼓=観世新九郎、
      大鼓=白坂信行、太鼓=小寺真佐人
  後見=廣田幸稔、豊嶋幸洋、今井克紀
  地謡=田村 修、坂本立津朗、見越文夫、種田道一、
     山田伊純、松野恭憲、元吉正巳、金剛龍謹

解説の表氏、話し方が明瞭で聞きやすく、内容もごくわか
り易い。「融」の主人公・源融の略歴や、この能と古歌の
関係等について。

「入間川」。入間川は埼玉県を流れる川で、その流域にあ
る入間という地名は、律令制以来の古い地名だそうだ。

この入間の里には、なぜか、物事をさかさまに言う風習が
ある(本当とは思えない)・・これを生半可の理解で真似
をしたために、ちょっと困った破目になるというお話。

主人公は、都滞在から本国に帰る途中、入間の里を通りか
かった大名・・さかさ詞の「入間様」を駆使?して、土地
の者と渡り合うが・・?

嬉しがってさかさ詞を使う大名と土地の者・・聞いている
となんだかわからなくなって・・さっさと退場した太郎冠
者が“正解”のようだ。

「融」。旅の僧が京都六条付近までやってくると、荒れた
風情の屋敷の庭が・・休んでいると、老人が現れて汐汲み
を始める・・

海でもないのになぜ?といぶかしく思う僧に、老人は、こ
の屋敷の由来を語る。

源融という人は、嵯峨天皇の息子ながら、臣籍降下して源
姓を賜り、後に左大臣まで上り詰めた方なのだそうだ。

左大臣・融は六条河原院の屋敷に、陸奥の千賀の塩竈の風
景を再現した庭を造り、わざわざ海水を運ばせて、塩づく
りを行わせたという。

そう老人は物語り、旅僧に問われるままに付近の山々の案
内をして、汐を汲んでいなくなる。

所の者から、「その老人はもしかしたら融大臣の化身かも?」
と聞いた旅僧は、この屋敷跡で一夜を過ごし、融大臣の霊
に遭遇・・・

なんかなー、京の都に陸奥の風景を再現するという、あま
りにも贅沢な優雅さには、正直、付いていけない感じ・・
しかも、海のない京都に海水を運ばせるって?

冒頭の表氏の解説では、融は決して思い通りの人生を送っ
たわけではないとのことだったし、桁外れの贅沢も、実は
その憂さ晴らしではないかという解釈が、プログラムに書
かれていたが・・・庶民感覚では???と、はてなマーク
を林立させざるを得ない。

後シテの融大臣の霊の姿は、面・装束ともいかにも優雅で、
でもどこか憂鬱さを感じさせる雰囲気ではあったけれど。
(面は、中将という名で在原業平の相貌を模したと言われるものだそうだ)
posted by JTm at 08:50| | 更新情報をチェックする