2020年01月31日

2020.1.30 赤坂雲助の会@赤坂会館

2020.1.30 赤坂雲助の会

演目
三遊亭ぐんま     権助魚
五街道雲助      徳ちゃん
  (仲 入 り)
五街道雲助      品川心中(通し)

この会場での雲助師の会は三回目。毎回、次の会の
チケットを会場で販売するから、客席はご常連ばか
り・・・雲師曰く、「赤坂秘密倶楽部へようこそ」。

ぐんま「権助魚」。「ちゃんと古典落語演ります」
と宣言しながら、銭湯での実体験?マクラを長々と。
そして唐突に入った噺本篇は、故郷である群馬への
愛に満ちた噺でした。

権助が合間合間に発する「ほげっ?」が無性に可笑
しい。

雲助「徳ちゃん」。2016年にぎわい座以来なので
久しぶり。「今日のワリで遊べるよ」というのは、
何度聞いても、可笑しくてそしてちょっと切ない。

マクラにたっぷりと振った、若き日の、吉原でのご
修行実体験?話とともに、昭和の御代・・いや、噺
の方はさらにそれ以前だが・・を感じます。

雲助「品川心中」。通しで聞くのは、こちらも2016
年、見番の会以来。

後半の仕返し篇では、筋書を書いた親分ばかりでな
く、金蔵の弟役を演じた仲間も、かなりの芸達者で
(さん喬師匠との違い)、どうやらお染はまんまと
騙されて、黒髪を切ってしまったらしい。

噺の間は笑って聞いていたのだけれど、後から考え
るとなんか、気の毒になる・・

一席目では、“離れ”に通された徳ちゃんの、二席目
では、髪を切ってしまったお染の、今後が気がかり。
posted by JTm at 10:54| 落語 | 更新情報をチェックする

2020年01月27日

2020.1.26 笑えない会Legacy@深川江戸資料館

2020.1.26 笑えない会Legacy よね吉・千五郎ふたり会

演目
座談会      桂 よね吉&茂山千五郎+村上慎太郎
  (休  憩)
狂言「空腕」   太郎冠者=茂山千五郎、
         主人=茂山 茂、    後見=島田洋海
  (休  憩)
落語「不動坊」  桂 よね吉
           三味線=豊田公美子、鳴物=桂二乗、桂よね一
  (休  憩)
落言「冷庫知新」(村上慎太郎=作)
         落語=桂 よね吉
         ひよこ饅頭=茂山千五郎、
         マヨネーズ=茂山 茂、備長炭=島田洋海
           三味線=豊田公美子、鳴物=桂二乗、桂よね一
フィナーレ?   出演者全員  

恒例の冒頭トークは、昨年亡くなった千五郎師のお父上、
五世千作師の思い出話中心に。
最後に、今回の落言の作者、村上慎太郎氏も加わって、
新作誕生までのあれこれを。

狂言「空腕」。とんと忘れていたが、一昨年のこの会で
も演じられた曲。・・えー・・って感じだけど、面白かっ
たからいいか。

腕自慢の太郎冠者だが、実は、とんだ空威張りで、本当
は大の臆病者。夜のお使いを命じられて、すくみ上る。
・・それを見越して、からかってやろうという主人・・
決して意地悪なのではなく、面白がっているのね。

架空の武勇伝を仕方話で演じる太郎冠者・・歌舞伎に出
てくる、戦いの様子を知らせる注進の者みたいで愉快。
・・歌舞伎のルーツなのかも?と、思ったりした。

落語「不動坊」。もともと上方の噺だそうだが、大阪の
噺家さんで聞くのは久々・・東京での「不動坊」とはか
なり違うんですね。

まず、季節が冬。しかも雪がちらつく寒い夜だ。屋根の
上のお馬鹿四人組の間抜けさが、いっそう際立つ。

そして、登場人物の職業も微妙に違う。まず、主人公の
利吉は、金貸し・・って、これはあまり良い印象の仕事
ではないねぇ。長屋の独身男たちのやっかみも強くなる。

徳さんのすき返し屋は東京と同じ、東西屋(ちんどん屋)
は名前が新さん、そしてあとのひとりは鍛冶屋ではなく
て、活け洗い屋という不思議な職業・・髪を結う時のか
もじや鹿の子を洗う仕事なのだそうだ。

さらに、幽霊役は噺家の万年前座ではなく、亡くなった
不動坊と同業の講釈師・・雪の降る中、襦袢一枚で震え
ている図は、気の毒ながら滑稽だ。

噺のオチも、昔の芸人の鑑札、遊芸稼ぎ人に掛けたもの
で、これはマクラでの説明がないとわからない・・それ
もあって、口演時間は50分を超えた。

落言「冷庫知新」。小佐田定雄氏以外の手になる落言は
初めてではないか。村上氏は、京都在住の劇作家で演出
家、劇団主催者。

詰め込みすぎで調子のよくない冷蔵庫の中で、その中に
入れられた食材たちが、なんとかおのれの“使命”である、
「賞味期限内に食べられる」を、全うしようと画策する。

なんとなく、新作落語の「ぐつぐつ」を思い出す。

落語部分で語られるこの家の主人は、会社では年下の上
司に「君のやり方は古い」と叱られている。

それならば、冷蔵庫の中の「古い」食材や、それを包括
する「古い」冷蔵庫に同情的なのかな?と思いきや・・
さすがに、こればっかりは、古けりゃいいってものでは
ないようで・・・

大笑いしながら見ていたものの、こんなに話を広げちゃっ
てどうまとめるの?と心配になる。
・・結局、最後はドガチャカドガチャカだったけど。

「笑えない会」でありながら、その実、最初から最後ま
で笑いっぱなしなのは、いつものこと。
・・そろそろ、看板、掛け替えてもいいかも?です。
posted by JTm at 21:46| 狂言 | 更新情報をチェックする

2020年01月26日

2020.1.25 出雲の神楽@国立小劇場

2020.1.25 民俗芸能公演 出雲の神楽・第一部

演目
佐陀神能  島根県松江市・佐陀神能保存会
 「入申(いりもうす)」
 七座「御座(ござ)」
    舞=西山 彰 
    囃子方 鼕長太鼓=石橋淳一、締太鼓=宮川康秀、
        笛=川谷房光、銅拍子=松尾真己
 (解説)  錦田剛志(島根県・万九千神社宮司)
 神能「三韓(さんかん)」
    武内宿禰=幡垣俊輔、神功皇后=板橋貴男、
    神主/百済王=幡垣裕行、神子=長谷川みゆ、 
    高麗王=西山 彰、新羅王=中村暢夫
    囃子方 大鼕=石橋淳一、大鼓・銅拍子=宮川康秀、
        小鼓・笛=松尾真己、川谷房光
  (休 憩)
大土地神楽  島根県出雲市・大土地神楽保存会神楽方
 七座「悪切(あくぎり)」
    神官=園山隆一
    囃子方 大鼕=坂本伸仁、
        小太鼓=水師正雄、安達拓矢、板垣 努、
        笛=大村 聡、安田晋也、杉谷勇樹
 (解説)  錦田剛志
 神能「八戸(やと)」
    素戔嗚尊=(前)栗田和弘、(後)福代 純、
    足名椎=桐山和弘、手名椎=春日 卓、
    稲田姫=大梶明美、八岐大蛇=日野昌幸
    囃子方 大鼕=水師正雄、
        小太鼓=坂本伸仁、安達拓矢、板垣 努
        笛=大村 聡、安田晋也、杉谷勇樹


2020.1.25 民俗芸能公演 出雲の神楽・第二部

演目
大土地神楽
 「入申」
 七座「茣蓙舞(ござまい)」
    下照姫命=小田沙和子、御多福=小田武司
    囃子方 大鼕=坂本伸仁、
        小太鼓=桐山和弘、園山隆一、板垣 努、
        笛=大村 聡、日野昌幸、荒木奏人
 (解説)  錦田剛志
 神能「野見宿禰(のみのすくね)」
    野見宿禰=安達拓矢、当麻蹴速=福代 純、
    行事=安田晋也
    囃子方 大鼕=水師正雄
        小太鼓=桐山和弘、園山隆一、春日 卓
        笛=大村 聡、日野昌幸、荒木奏人
  (休  憩)
佐陀神能
 七座「剣舞(けんまい)」
    舞=幡垣裕行、幡垣俊輔、板橋貴男、中村暢夫、
    囃子方 鼕長太鼓=石橋淳一、締太鼓=宮川康秀、
        笛=川谷房光、銅拍子=松尾真己
 (解説)  錦田剛志
 神能「八重垣(やえがき)」
    奏仁=西山 彰、奇稲田姫=朝山慎二郎、
    素戔嗚尊=幡垣俊輔、大蛇=中村暢夫、
    後見=池田俊貴
    囃子方 締太鼓=石橋淳一、大鼓・銅拍子=宮川康秀、
        小鼓・笛=松尾真己、川谷房光
 「成就神楽(じょうじゅかぐら)」

旅先などで、偶然に神楽を見る機会があって興味を持ち、
東京で公演のある際は、なるべく見るようにしている。

今回は、出雲大社のお膝元、島根県に伝わる出雲神楽か
ら、松江市の佐陀神能(さだしんのう)と、出雲市の大
土地神楽(おおどちかぐら)の公演。

佐陀神能は、出雲国の二の宮、つまり出雲大社に次ぐ、
格式のある佐太神社に伝わる神楽で、それだけに、神道
との結びつきが強く、神事としての格式を保持している。

一方、大土地神楽は、出雲大社に近い大土地荒神社に伝
わる神楽である。江戸時代までの神楽は、もっぱら神職
によって演じられてきたが、この大土地神楽は、すでに
江戸時代の末には、神職ではない氏子たちに継承された。

それだけに、観衆を意識した、娯楽としての要素が強く
見られる。

・・という、対照的なふたつの神楽を、二部にわたって
見る。

どちらの神楽にも、神事として行われる「七座」と、神
話の歌劇化ともいえる「神能」の二種類の演目が伝わり、
佐陀神能には、さらに「式三番」も伝承されている。

以上が、解説とプログラムからの受け売りです。

個人的に、見比べたいと思ったのは、「八戸」と「八重
垣」で、どちらも、素戔嗚尊の大蛇退治を題材とする。

大土地の「八戸」では、大蛇はなぜか手足のあるトカゲ
みたいな形で、鯉のぼりの模様のようなウロコ模様の着
ぐるみで大暴れ・・対する素戔嗚尊も、汗だくの大立ち
回り・・・

一方、佐陀の「八重垣」では、大蛇は立ち姿で、歌舞伎
の衣装のような、三角を並べた鱗模様の衣装・・大振り
の面には、目が、なんと16個!(八頭の大蛇だから・・)

そして、この大蛇と戦うのは、もっぱら素戔嗚尊の部下
の奏仁で、尊は最後の最後に、とどめを刺すだけ。

この一事だけでも、ふたつの神楽の性格の違いがよく見
える・・面白い公演でした。

もうひとつ、大土地神楽の「悪切」がすごかった・・か
なりテンポが速く、動きの大きな舞を、35分間、ひとり
で舞うのである。
・・なんだか、見ている方が、息切れして酸欠になりそ
うだった。 
posted by JTm at 11:21| 雑記 | 更新情報をチェックする