2020年01月26日

2020.1.24 国立能楽堂狂言の会

2020.1.24 国立能楽堂狂言の会

演目
狂言「三本の柱」(大蔵流)
   シテ(果報者)=善竹忠重、
   アド(太郎冠者)=善竹富太郎、(次郎冠者)=善竹忠亮、
     (三郎冠者)=茂山忠三郎、 後見=善竹大二郎
   囃子方 笛=栗林祐輔、小鼓=鳥山直也、
       大鼓=佃良太郎、太鼓=林雄一郎   
狂言「法師ヶ母(ほうしがはは)」(和泉流)
   シテ(夫)=野村万作、アド(妻)=野村萬斎
   囃子方 笛=栗林祐輔、小鼓=鳥山直也、大鼓=佃良太郎
   地謡=中村修一、石田幸雄、高野和憲、内藤 連
  (休  憩)
新作狂言「彦市ばなし」(大蔵流)
   シテ(彦市)=茂山千五郎、
   アド(天狗の子)=茂山千之丞、(殿様)=茂山逸平
   囃子方 笛=栗林祐輔     後見=茂山 茂

「三本の柱」。昨年11月に、山本東次郎家の公演で
見たが、同じ大蔵流ということもあり、筋立ては変
わらない。

ただ、果報者(主人)が、「三本の柱を三人で二本
ずつ」持つようにと言いつけるのは、「三人の者の
知恵を試すため」という独白があった。
・・これ、初耳のような?・・聞き損ねただけ?

「法師ヶ母」。以前に見たような気がするが、記録
に出てこない。見たとしても、おそらく大蔵流で、
和泉流ではお初かと思う。

酔っぱらった亭主が帰宅して、女房に文句をつける・・
なんだか、落語の「替り目」みたいな始まり。
ただ、落語と違って、この亭主、なかなか強い(あ
とで酔った勢いと判明するが)。女房に離縁を申し
渡すのである。

泣きながら去る女房・・心にかかるのは愛しいわが
子のこと・・題名の「法師」は、金法師つまり、赤
子のことである。

翌朝、酔いのさめた亭主は、女房を探してさまよう
・・これ、「隅田川」など、能の物狂いもののパロ
ディなのだそうだ。
ここから、能がかりの謡の連続となり・・うーん、
ちと難しいです。

余談だが、離縁される女房が、亭主に対して、離縁
の印を要求するのが興味深い・・慰謝料かな?

「彦市ばなし」。劇作家・木下順二が新劇のために
書いた脚本を、そのまま、狂言にしたという新作・・
と言っても、狂言での初演は1955年だそうだから、
もう60年以上前のことだ

熊本の民話・彦一(昔話ではこの字)ばなしをもと
に、セリフもすべて熊本弁(作者の意思により改変
出来ないとのこと)であるが、そのまま狂言のセリ
フとして、まったく違和感はない。
(むしろ新劇の方が馴染まないのでは?という気がするが、
見たことがないのでわからない)

嘘つき名人を自認する彦市が、天狗の子を騙して隠
れ蓑を手に入れる。親天狗の報復を恐れた彦市は、
さらに一計を案じて、殿様をも巻き込み・・

彦市のキャラクターは、上手いことやって楽しよう
とするが失敗し、自分の嘘の糊塗に汲々とする・・
というもの。お調子者だがどこか憎めない。

それ以上に憎めないのが、彦市の嘘をまんまと信じ
て、河童が釣られるのを楽しみにしている殿様。
言ってしまえば、とんだ馬鹿殿なんだけれど、おお
どかで愛嬌のある、可愛らしいお殿様である。

この公演に先立って、21日に「『彦市ばなし』と新
作狂言の流れ」と題する講演会(講師:能楽研究家・
小田幸子氏)があり、受講することが出来た。

その中で、この殿様のキャラクターが、新劇と狂言
では大きく違う・・という話があった。
新劇では、殿様は馬鹿にされ疎まれ批判されるべき
対象として描かれる・・のだそうだ。

セリフはまったく同じなのに、狂言と新劇でそんな
に違って来るというのは、もちろん演出の違いであ
り、特に狂言には「大名」という役どころが昔から
あるので、その伝統的キャラクターに寄せている・・
ということだった。

それはもちろんそうなのだろう・・でも、もうひと
つ、この違いを生む大きな要素があったのではない
かと、わたしには思える。

それは、初演時の殿様役が、四世茂山千作師であっ
たということだ。

舞台にいるだけで、見る人を幸せにしてくれた、あ
の四世千作師個人の魅力が、この殿様の性格を決定
した・・そんな気がしてならない。
posted by JTm at 09:35| 狂言 | 更新情報をチェックする

2020年01月24日

2020.1.23 入船亭扇辰の会@湯島天満宮参集殿

2020.1.23 ぎやまん寄席 入船亭扇辰の会

演目
入船亭辰ぢろ      狸の札
橘家門朗        天災
入船亭扇辰       鰍沢
  (仲 入 り)
入船亭扇辰       井戸の茶碗

新年、“初扇辰”・・ロビーで食事していたら、楽屋
入りする師匠に、丁寧に挨拶をいただいてしまい、
恐縮至極。・・それにしても、師匠、すっごい重装
備ですね・・そんなに寒いかなぁ?

辰ぢろ「狸の札」。2月上席から楽屋入りが決まっ
たそう・・見習い1年半近く?噺家も狭き門だ。
噺の方は、まだ口慣れてない感・・でも、兄弟子た
ちの前座時代を思い出し、懐かしく聞く。

門朗「天災」。こちらは対照的に、2月中席から二ッ
目昇進、橘家文太と改名するそうだ。

扇辰師匠も言っておられたが、楽屋入り直前と昇進
直前、ふたりの前座さんを見られたのは大いに興味
深い・・ホント、こんなに成長するものなんですね。

「天災」は、文蔵師匠の得意ネタだけれど、門朗さ
んは、なんと小里ん師匠に習ったと、これは扇辰師
の“暴露”。確かに楷書の芸。

扇辰「鰍沢」。今年は暖冬で大嫌いな雪がなく、正
月の新潟が快適だったという話から、雪やスキーの
マクラをたっぷりと。聞いていたら運動神経ゼロの
わたしでも、スキー出来るかも?・・という気が。
ま、錯覚でしょうけれど。

扇辰師匠の「鰍沢」は、2018年以来で、昨年は遭
遇していない(珍しい・・)。でもその間に小辰さ
んのを何度か聞いているので、あまり久々という感
じはないが。

命からがら逃げだした新助が、雪中を走る姿があり
ありと目に浮かぶ。映画のシーンみたい。

扇辰「井戸の茶碗」。こちらは昨秋以来。お正月ら
しく、誰も悪い人が出てこない、心温まる噺で。
・・それでも、人情噺にはせず、どこか戯画化して
演じるのが扇辰師匠。そういうの、大好きです。
posted by JTm at 09:13| 落語 | 更新情報をチェックする

2020年01月22日

2020.1.21小辰の寸法@日本橋社会教育会館

2020.1.21小辰の寸法

演目
入船亭小辰      (ご挨拶)
三遊亭じゃんけん   時そば
入船亭小辰      高砂や
  〃        長短
  (仲 入 り)
入船亭小辰      富久

今年最初の小辰の寸法だが、前夜、徹夜本につかまって
しまったので、ほとんど寝ていない・・おまけにこの日
の昼は、他で講演会があって・・
と、まず言訳から。小辰さん、すいません。

じゃんけん「時そば」。お初です。兼好師匠の二番弟子、
2月1日から二ッ目昇進で、好二郎となるそうだ。なる
ほど、マクラも演目も、もはや前座のものではない。
・・それにしても、よく似ている・・師匠にね。

小辰「高砂や」。一昨年の正月以来で久々だったが、冒
頭のような状況なので、途中で落ちた・・ったく、なに
やってんだか。

「長短」。これはたぶんお初。初演かどうかは不明だが。
長さんののんびりさが人の好さを感じさせるのに対し、
短さんの“いらち”が、なんだか意地悪く感じられてしま
う・・ホントは悪い人ではないよね?

「富久」。先週の研精会で聞いたばかり。同じ会場です
ぐまた演るのは、「完成」を目指してのこと・・だと、
分かってはいるのですが・・・

すいません、また、落ちました。反省しま~す。
posted by JTm at 08:59| 落語 | 更新情報をチェックする