2020年02月28日

2020.2.27 通ごのみ -特選落語会-@日本橋劇場

2020.2.27 通ごのみ -特選落語会-

演目
入船亭小辰        替り目
柳家小里ん        五人廻し
五街道雲助        権九郎殺し(『双蝶々』より)
  (仲 入 り)
柳亭市馬         七段目
柳家小満ん        水中の玉(『龍宮』より)
           (三味線:太田その)

三味線の名手、太田その師匠のための会・・と、主催者
の弁。その主役が一切、舞台に顔を見せないという・・
不思議な会です。

小辰「替り目」。音曲噺風に・・と言うので、冒頭に登
場する酔っ払いの「ラバウル小唄」か?と、思ったけれ
ど、そうではなく、後半にいつもの義太夫流しではなく、
きょうだいの新内流しを登場させて、その師匠ののどを
聞かせた。

小辰さんの都々逸もちらっと・・ま、ご愛敬ですね。

小里ん「五人廻し」。こちらは近隣の部屋から聞こえて
くる三味線に、「うるさい!」と怒鳴っただけで、あと
は、ごく普通の、小里ん師匠の噺・・

淡々と語りながら、じわじわと可笑しくなってくる・・・
五代目小さん師のDNAだなぁ。

ここでいったん、緞帳を下ろす・・三味線が「箱根八里」
を鳴らしているから、仲入りではないなと思っていたら、
雲助師、板付きでの登場。

雲助「権九郎殺し」。長篇の『双蝶々』から、主人公の
長吉が、番頭・権九郎を手に掛ける場面を、芝居がかり
でたっぷりと。もちろん鳴物入りです。

すごい迫力・・見ていて自分が殺されちゃうような気が・・

仲入りで生き返る。

市馬「七段目」。市馬師匠のこの噺は、初めてではない
と思うが、久しぶり。芝居好きの若旦那に馬くけず劣ら
ず、市馬師匠ご自身が、芝居好きなんだ・・と、聞いて
いてはっきりわかります。

最後、夢中になって思わず刀の緒を解こうとする若旦那、
それに気づいておびえながらも、芝居を続けるさだ吉。
その対比が傑作でした。

小満ん「水中の玉」。昨秋の小満ん夜会で初めて聞いた。
その時調べたところによると、上方落語の旅ネタの中の
一話とのこと。

船から大金を落とした男が、巨大フラスコに入って、海
の中へ。龍宮で歓待されたり、サンゴの林で盗みを働い
たり・・の大冒険。

龍宮と言えば、鯛や平目の舞い踊り・・おにぎやかに。

主催者の前宣伝通り、その師匠の三味線と唄を堪能。
そして、コロナウィルス禍でこの先少なくとも半月くら
いは見られない歌舞伎・・その空白を埋めてくれた。

この素敵な会、ぜひ、続けて開催して欲しい・・と思っ
たら、もう次回は決まっていた。6月1日(月)。

それまでには、収束してるよねぇ、この騒動?
そうじゃなきゃ、困るよ。
posted by JTm at 09:44| 落語 | 更新情報をチェックする

2020年02月27日

2020.2.26 権太楼ざんまい@日本橋劇場

2020.2.26 権太楼ざんまい

演目
柳家権太楼      (ご挨拶)
柳家り助       二人旅
柳家さん光      雑俳
柳家権太楼      御神酒徳利(占い八百屋)
  (仲 入 り)
柳家権太楼      百年目
        (三味線:田中ふゆ)

時節柄、チケット持っていても欠席という方も多かった
ようで、前方にも空席がちらほら。なんとなく、不穏?
な状況を見て取ってか、いつもはしない、開演前のご挨
拶。・・権太楼師匠ほどの方でも、お仕事のキャンセル
が続いているそうです。

り助「二人旅」。前に聞いた時には、小里ん師匠そっく
り!というばかりの印象だったが、ちょっと独自色が出
てきたかな?・・もちろん、似てることは似てるけどね。

さん光「雑俳」。さん光さんのこの噺はたぶんお初。持
ち時間が短かったようで、うまく端折りつつ、独自の?
オチへ。

権太楼「御神酒徳利」。何を演ろうか、かなり迷った末
に、この噺へ。なるべく笑いの多い噺をとの配慮だった
かもしれない。

意地悪な女中への対抗意識から、軽い気持ちでついてし
まった嘘に、自ら罠にはまったような八百屋さん・・
その苦しい言い逃れを、うんうんとなんでも信じてしま
う、旦那の人の好さが何だか嬉しい。

仲入りに、過去の演目のラインナップを眺めて、「百年
目」聞きたいな・・と思ったが、同時に渡された来週の
会のチラシにネタ出しされていたから、無理か・・?

でも、聞けました!(お稽古かも?・・全然構いませんが)
権太楼「百年目」。権太楼師匠のこの噺、大好きです。

店の中で、威張り散らし怒りまくっていた番頭さんが、
舟で芸者衆や幇間に対しては、とっても優しく穏やかな
のが、今回、特に印象的だった・・。

思いがけず、店の旦那様に遭遇してしまい、「(陸に)
上がらなきゃよかった・・」と、何度も悔やむ様子は、
たぶん、誰しも同じような経験のあること。

ああ・・そうだよなぁ・・そう思うよなぁ・・と。

これで、番頭さんに完全に感情移入。だからこそ、最後
の旦那の言葉に、番頭さんと一緒に、涙するのです。

東日本震災の年の三月に、計画停電の告知される中で聞
いた権太楼師匠の「百年目」を、今回もまた、思い出した。
posted by JTm at 09:09| 落語 | 更新情報をチェックする

2020年02月26日

2020.2.25 赤坂文楽@赤坂区民センター

2020.2.25 赤坂文楽#22 関取千両幟

演目
挨拶と解説       葛西聖司
トーク         鶴澤藤蔵
            豊竹睦太夫
            吉田玉助、吉田一輔
  (休  憩)
人形浄瑠璃文楽『関取千両幟』
 猪名川内より相撲場の段
  太夫  おとわ=豊竹睦太夫、猪名川=豊竹靖太夫、
      鉄ヶ嶽・外=竹本碩太夫
  三味線 鶴澤藤蔵、鶴澤清志郎(胡弓も)
  人形  猪名川=吉田玉助、おとわ=吉田一輔、
      鉄ヶ嶽=吉田玉佳    外

前半は、司会の葛西聖司氏の解説、そして出演者たちの
座談で、本日の演目を紹介し、聞きどころ、見どころを
丁寧に紹介・・初心者としてはありがたいが、見慣れて
いる人にはご不満もあったようで・・隣席がやかましい。

気の毒だが、嫌なら、後半の実演までロビーで待てば?
と言いたくなる。会場に入ったからには、静かに聞いて
欲しいものである。

「関取千両幟」は、素浄瑠璃で一度、本公演で二度見て
いる。でも、いつもこの「猪名川内から相撲場」のとこ
ろだけ・・それだけ、名場面なのだろう。

前半の猪名川内は、ふたりの相撲取り、猪名川と鉄ヶ嶽
の会話・・猪名川は主筋の若者のために、200両という
金を工面するか、支払いを待ってもらうかしなくてはな
らない。

その口利きを鉄ヶ嶽に頼みたい・・鉄ヶ嶽の方は、なん
とか猪名川に勝ちたい・・
「魚心あれば、水心」・・迷いながらも八百長相撲の決
心をする猪名川。

このやりとりを秘かに聞いていたのが、猪名川の女房・
おとわ。亭主の髪を梳きながら、その心を慮って、こち
らもなにやら決心を・・

舞台転換の間に、三味線弾きの見せ場、「曲弾き」。

三味線で櫓太鼓の音を再現し、撥を投げたり、三味線を
頭上に持ち上げたり、逆さに立てたりして、曲芸ばりの
弾き方を見せる・・鮮やか。

後半の相撲場は、すでに相撲が終わったところ。どうや
ら、猪名川対鉄ヶ嶽の勝負の最中に、「懸賞金200両!」
の声がかかって、猪名川は正々堂々の相撲に勝ったらし
い・・

懸賞の声を掛けた大坂屋が、駕籠を伴ってやって来る・・
挨拶をする猪名川・・「金主の旦那は駕籠の中だよ」。

猪名川がひと言礼をと、駕籠のたれを上げると、乗って
いたのは女房のおとわ。

おとわは、苦界に身を沈めて、夫の苦悩を救ったのだ。

駕籠の中のおとわと、猪名川との別れ・・この幕切れが
なんとも味わい深かった。

当初、出演を予定されていた呂勢太夫師が、病気療養の
ために休演というのは残念だった。

が、睦太夫師の声には、当初の予定の猪名川より、女性
のおとわの方が合っているように思うし、一番若い太夫
の、碩太夫師の活躍の場が増えたのも結構だったと思う。

いつもはほぼ満席の赤坂文楽だが、今回は空席が目立つ。
・・コロナウィルスで断念した人もおられたのだろう。
一日も早い収束を祈るしかない。
posted by JTm at 11:51| 文楽 | 更新情報をチェックする