2017年01月28日

2017.1.27 国立能楽堂狂言の会

2017.1.27 国立能楽堂狂言の会

演目
狂言・大蔵流「佐渡狐」
   シテ(佐渡のお百姓)=山本則重、
   アド(越後のお百姓)=山本則秀、
   アド(奏者)=山本則俊   後見2名
狂言・大蔵流「鶏猫(けいみょう)」
   シテ(河野某)=茂山千作、
   アド(藤三郎)=茂山七五三、同(藤三郎の子)=茂山虎真、
   同(太郎冠者)=茂山茂、同(次郎冠者)=鈴木実、
   同(三郎冠者)=山下守之  
   地謡=茂山童司、茂山宗彦、茂山逸平、松本薫
   後見=茂山千五郎、島田洋海
  (休   憩)
素囃子「神楽」
   笛=栗林祐輔、小鼓=森貴史、大鼓=原岡一之、
   太鼓=林雄一郎
狂言・和泉流「政頼(せいらい)」
   シテ(政頼)=野村萬斎、
   アド(閻魔)=石田幸雄、
   立衆(鬼)=深田博治、高野和憲、竹山悠樹、内藤連、岡聡史、
   小アド(犬)=月崎晴夫
   囃子方 笛=栗林祐輔、小鼓=森貴史、
       大鼓=原岡一之、太鼓=林雄一郎
   地謡=奥津健太郎、野村又三郎、野口隆行、中村修一
   後見=野村万作 外1名

「佐渡狐」。お馴染みの演目だが、山本家の公演はお初かな?
奏者役で出演予定だった東次郎師が、「怪我のため」休演だっ
たのは残念至極。たいしたことがないと良いのだが。

代演は、東次郎師の弟の則俊師。ふたりのお百姓を演じるの
は、ともに則俊師の息子さんなので、期せずして親子・兄弟共
演と言うことになった。

そして、このふたりの息子さん・・・実によく似ておられる・・・最
初見た時、双子?と思ったほど。(実際は則重さんが2歳上)

お国自慢が過ぎて?実は佐渡にはいない狐を「いる!」と主
張してしまった佐渡のお百姓が、奏者を買収して、狐の形態
をこっそり教えて貰う、そのドタバタが傑作です。

「鶏猫」。領主の愛猫を殺してしまった男を、その息子が訴え
て出る・・・なぜ、彼は父の罪を暴くのか?

中世、罪を犯した者は、本人ばかりでなく、家族や一族郎党
まで処罰される・・・連座制の時代である。

父が犯人であることが、他の者の口からバレれば、一族が滅
びる・・・それならば、自分が訴え、その褒美として父の命を助
けて貰おう・・・息子の深謀遠慮。

愛猫家にとって、猫は子どもと同じくらい大事・・・というのはよ
くわかるけれど、藤三郎にとってもその猫に殺された鶏は、大
切な鶏だったのだろう。

それなのに、片方は罰する側であり、もう片方は罰せられる側
となる・・・身分制社会の理不尽さを感じた次第。

素囃子「神楽」。能の中で、女神や巫女の舞につけられる囃子
だそうで、後半、徐々にテンポが速くなり、聞いていて、思わず
身体が動いてしまいそうな楽しさだった。

「政頼」。人間たちが利口になって、仏教に帰依してしまうので、
地獄は閑古鳥・・・なんかこれ、落語みたいな設定。

ついには、閻魔大王自ら、眷属を引き連れて六道の辻へ、亡
者を捕らえにご出馬。

そこにやって来たのが、鷹狩の名人だった源政頼。
「数えきれないほどの鳥や獣を殺した・・・殺生の罪は免れぬ」
と、閻魔は糾弾するが、政頼は「あれは鷹がしたことです」・・・

政頼は調子よく閻魔に取り入り、ついには鷹狩の実演を見せ
ることに。

殺生の罪を糾弾したはずの閻魔が、狩った獲物を美味そうに
食べるばかりか、褒美を要求されて、「今後も獲物を届けるこ
とを条件に、娑婆へ帰してやる」・・・・

・・・閻魔さま、これって、融通利かせすぎじゃない?
ついには、閻魔の冠まで、土産にくれてやるんだものなー。

落語でも狂言でも、閻魔さまって意外にいい加減。

政頼役の萬斎師は、終始、左手に鷹を止まらせたまま。鷹を
放つところでは、袖を上手く使って、鷹を隠し、飛び立った鷹を
目で追う様子を見せる・・・これで、本当に鷹が飛んだように見
えてしまう・・・すごいです。
posted by JTm at 13:46| 狂言 | 更新情報をチェックする