2017年09月26日

2017.9.25 「深川の雪と吉原の花」展@岡田美術館

2017.9.25 「深川の雪と吉原の花」展

箱根小涌谷にある岡田美術館は、2013年の開館
当初から、長い間所在不明だった美術品が、「え、
ここにあったのか!」と、業界を驚かせている。

実業家の岡田和生氏のコレクションとのことだが、
どうやら、長年にわたって、コツコツと密かに?
収集されていたらしい。

明治以来の旧財閥系の大コレクターのコレクショ
ンは、各所の美術館で公開されているが、岡田氏
は1967年創業のユニバーサルエンターテインメン
トという会社の創設者で、主にゲーム機などを扱っ
ているらしく、如何にも現代的な、新コレクター
と言ってもよいだろう。

世を驚かせたそのコレクションのひとつが、喜多
川歌麿の肉筆浮世絵「深川の雪」だった。

縦199㎝×横341㎝という巨大な掛軸・・2014
年に公開されるまで、半世紀余り、その行方
が分からなかった作品だ。

そして、この作品は、いずれも現在は米国の
美術館に所蔵される、「吉原の花」「品川の
月」とともに、雪月花三部作を構成する。

中で、「品川の月」は、コレクションの門外
不出を条件に設立された、アメリカ合衆国ワ
シントンDCにある、フーリア美術館の所蔵
のため、今後とも、日本への里帰りは望めない。

しかし、今回、アメリカ・コネチカットのワ
ズアース・アセーニアム美術館所蔵の「吉原
の花」が来日すると聞き、ぜひにと、箱根へ。

 IMG_1664.JPG 岡田美術館入口。

パンフレット。以下の画像はすべて、このパン
フからの引用です。
 IMG_1668.JPG

深川の雪。(岡田美術館蔵)
 IMG_1666.JPG

吉原の花。(ワズワース・アセーニアム美術館蔵)
 IMG_1665.JPG

品川の月。(複製。原本はフーリア美術館蔵)
 IMG_1667 (2).JPG

じっくり見ていて気付いたのは、描かれている人
物が、どれもみな女性ばかり?・・・ということ。

吉原はもちろん、深川も品川も、男の遊び場であっ
たはずなのに・・・もてなす側ばかりか、お客ま
で女性ばかりに見える。

「深川の雪」では、左下の女性に抱かれている赤
ん坊が、男の子?かもしれない。

「吉原の花」では、右下隅に立つ人物が、若衆か?
 IMG_1665 (2).JPG

そして「品川の月」では、左上の障子に映る影が、
どうやら客の男性らしい。
 IMG_1667 (3).JPG

パッと見て、分かる“男性”は、各作にひとりずつ。
あとはみんな女性。

なぜ、男がいないのか。
歌麿は、確かに女性を描くことを得意にしていた
から、もしかすると、注文者の意向なのかもしれ
ない。その方が華やかになるから、と。

またもしかすると、女たちが妍を競う里の雰囲気
を描きたかったのかもしれない。

はっきりした解答はないけれど、そんな見方もま
た面白いなー、とふと思った次第。
(各画像はクリックすると拡大します)
posted by JTm at 13:21| 展覧会 | 更新情報をチェックする