2018年05月01日

2018.4.30 お豆腐の和らい2018・東京公演@紀伊國屋サザンシアター

2018.4.30 お豆腐の和らい2018 新作CLASSICS狂言_
        -しんさくなのに、クラシック?-

演目
「伝統は絶えた」(ごまのはえ=作、演出)
    師匠=茂山童司、弟子=茂山千五郎
「新作サクサクトーク」
    茂山千三郎×茂山童司
  (休   憩)
「鮒ずしの憂うつ」(土田英生=作、茂山あきら=演出)
    鮒ずし=茂山宗彦、丁稚羊羹=茂山逸平、
    近江牛=童司、くさやの干物=丸石やすし、
    引き割り納豆=茂山 茂   後見=千五郎
「流れ星X(エックス)」(茂山千三郎=作、演出)
    地球人の流れ者=鈴木 実、太郎ボイボイ星人=千三郎、
    主ボイボイ星人=山下守之  後見=千五郎

「伝統は絶えた」。今回の上演作のうち、これだけは
以前に見ている。2011年のHANAGATA。ただ、あと
のトークでの話では、バージョンアップ?して、より
過激になったとか。

前回の記録を見ると、鞍馬の忍者の師弟の物語だった
ようだが、今回は同じ鞍馬でも山伏の師弟。

一子相伝の秘奥義を教えるという師匠だが、どうやら
かなりの“恍惚”状態のようで・・・ぐるぐる回る話を
なんとか引き戻そうとする弟子だったが・・?

前置きを話し終えて、「さて」と茶をすすると、さらっ
とリセットされちゃって、もう一度同じことを話し出
す師匠・・・なんか、7年前より身につまされるなぁ。

トーク。茂山家の中でも、新作を自ら書き下ろすこと
の多いふたりによる。

明治以降に書かれた作は、すべて「新作狂言」なのだ
そうだが、それももう150年。中には十分、古典的な
“新作”もあるわけで・・・だから、しんさくなのにク
ラシック。

新作を書く時には、誰が演じるのか、その演者に充て
て台本を書くことが多いそうで、「その初演の演者を
離れた時にどうか?」が、その作が残って行くかどう
かの分かれ道・・というような話があった。

落語と同じだなぁ!新作落語もまた、演者を変えて口
演されることで古典的な位置づけになって行く。

「鮒ずしの憂うつ」。滋賀県でのイベントで上演され
たが、東京進出は初めてとのこと。

鮒ずし、丁稚羊羹、近江牛と、滋賀県の名産品が次々
に登場・・・中で、丁稚羊羹というのはあまり馴染み
がないのでちょっと調べてみた。

滋賀、京都あたりでは、竹の皮に包んだ蒸し羊羹をそ
う呼ぶのだそうだ。安価なので丁稚さんが藪入りのお
土産にするから・・だとか。(ちなみに、北陸地方で
は、水羊羹を指すそうで、こちらは朝ドラ「ちりとて
ちん」に出てきた)。

近江の名産品でありながら、その臭さが災いして近頃
では嫌われる鮒ずし・・・「これからは国際化の時代」
と近江牛になじられ、手下?の丁稚羊羹にも馬鹿にさ
れて、すっかり憂うつに。

その鮒ずしを励ましに、臭い仲間がやって来る・・ク
サヤの干物と引き割り納豆。

話の中に、世界の臭い食品がたくさん登場。臭いの強
さから言えば、鮒ずしなんてごくおとなしい方・・ら
しいですよ。

「流れ星X」。トークでの千三郎さんのお話では、着
物屋さんのイベントのために書いたら、それを見た京
都府知事が、「環境問題を考えるのに最適」と、愛・
地球博(2005年)で上演することになったとか。

2065年、温暖化が進み人間が住めなくなってしまった
地球のため、移住先を探す流れ者が、ボイボイ星にた
どり着く。ここで、温暖化を食い止める「ホシヒエー
ル」なる機械のことを知った流れ者は、「それをぜひ、
貸して欲しい」と申し出るが・・・

古典の狂言には、争いを「相撲で決着をつける」とい
うパターンがたびたび登場する。それを踏まえて、T
Vゲームでの決着・・・そんなことで、地球の運命、
決めていいんですか!?

ボイボイ星人役は、顔の周りを囲むような頭巾?をつ
けているのだが、主ボイボイ星人役の山下さん、小顔
のためか、頭巾がずれて、顔が半分隠れてしまった。

片目しか、見えてないでしょ?・・・大変だねぇ。

大いに笑った楽しい一日・・・ただひとつ心配は、当
初は出演予定だった茂山あきら師が、「急病」で、出
ておられなかったこと・・・どうぞ、お大事に。
posted by JTm at 09:47| 狂言 | 更新情報をチェックする