2018年08月16日

2018.8.15 八月納涼歌舞伎・第一部@歌舞伎座

2018.8.15 八月納涼歌舞伎・第一部

演目
「花魁草」2幕4場 北條秀司=作・演出、大場正昭=演出
  出演 お蝶=中村扇雀、幸太郎=中村獅童、米之助=松本幸四郎、
     座元勘左衛門=坂東彌十郎、お栄=市村萬次郎、 外
  (休   憩)
舞踊「龍虎」 大野恵造=作、十世坂東三津五郎=振付
  出演 龍=松本幸四郎、虎=市川染五郎
  (休   憩)
新作歌舞伎「心中月夜星野屋」1幕 小佐田定雄=脚本、今井豊茂=演出
  出演 おたか=中村七之助、星野屋照蔵=市川中車、
     お熊=中村獅童、藤助=片岡亀蔵  外

「花魁草」。安政の大地震で江戸を逃れた、役者の幸太
郎と遊女のお蝶は、栃木宿の百姓・米之助に助けられ、
その離れに暮らしている。

互いに想い合うふたりだが、10歳も年上でしかも暗い過
去のあるお蝶は、所帯を持つ決心がつかずにいる。

そんな日々に、突然現れた江戸の芝居の座元・・震災か
ら復興した芝居小屋に、幸太郎を迎えたい、しかも、以
前のような大部屋役者ではなく、若手の花形として、と。

喜ぶ幸太郎、励ますお蝶・・しかし、お蝶の心にはある
決心が・・・

想い合いながら、ついに結ばれることのない男女・・と
いうのは、なんか、新派にありそうな物語。北條が師事
した、長谷川伸作品にも通じる、昭和の香り・・それも
昭和初期・・ただよう舞台。初演は昭和56(1981)年だ
そうだけれど。

「龍虎」。襲名から半年の、松本幸四郎、市川染五郎の
親子競演である。

龍虎の争いは、日本絵画の画題としてよく取り上げられ
るもので、個人的には、葛飾北斎の作を思い出す。

 0816.jpg
 ↑わが家の壁に掛かっている龍虎図。龍図(フランス・ギメ美術館蔵)
が里帰りして、虎図(太田記念美術館蔵)に再会した時の展覧会で購入
したコースター。

最初、龍と虎のついた冠?を付けて登場した両者だが、
すぐに長い毛の鬘に変わり、さて、どちらが龍でどちら
が龍なのか?・・はい、袴の柄が龍は波頭、虎は竹林で
した。毛の色も龍は黒、虎は茶髪(笑)

二度の引き抜きもあり、豪快で迫力のあるスピード感あ
ふれる舞踊。振付の十世三津五郎は、三年前に亡くなっ
たあの方です。伴奏は竹本でしたが、演者の名は不明。
・・プログラムには書いてあるのかなぁ?・・買わなかっ
たので、すいません。

「心中月夜星野屋」。今回のお目当てはこの芝居。落語
「星野屋」を落語作家の小佐田定雄氏が脚色。

お話は、ほとんど落語の通りで、騙し騙されながらも、
カラッと明るく、不快感があまりないのも落語的。落語
を知り尽くした小佐田氏ならではの脚色だと思う。

星野屋の旦那を演じる中車丈(つまり、香川照之さん)
は、俳優としてはベテランだが、歌舞伎役者としてはま
だ経験が浅い。この星野屋の旦那を芝居好きで、なにか
というと芝居の真似をしたがる人と設定したのは、なか
なかよい工夫だ・・という気がした。

「花魁草」では、優男の役だった獅童丈が、男勝りの母
お熊を演じているのは、なんとなく楽屋オチっぼくてこ
れもまた楽しい。

余談だが、「ムシが好かない」と女たちにクサされた星
野屋が、「俺はムシが大好きさ!」とうそぶいてみせる。
「いよっ!カマキリ先生!」と、声を掛けたかったな。
posted by JTm at 09:42| 芝居 | 更新情報をチェックする