2018年10月17日

2018.10.15 芸術祭十月大歌舞伎@歌舞伎座

2018.10.15 芸術祭十月大歌舞伎・夜の部
    -十八世中村勘三郎七回忌追善-

演目
「宮島のだんまり」一幕 大薩摩連中
  出演 傾城浮舟太夫実ハ盗賊袈裟太郎=中村扇雀
     大江広元=中村錦之助、平清盛=坂東彌十郎、
     悪七兵衛景清=片岡亀蔵、
     河津三郎=市村萬次郎   外    
  (休   憩)
義経千本桜 吉野山」清元連中、竹本連中
  出演 佐藤忠信実ハ源九郎狐=中村勘九郎、
     静御前=坂東玉三郎、早見藤太=坂東巳之助
  (休   憩)
「助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつはなざくら)」一幕
 三浦屋格子先の場  長唄連中
  出演 花川戸助六=片岡仁左衛門、
     三浦屋揚巻=中村七之助、
     白酒売新兵衛=中村勘九郎、
     母・満江=坂東玉三郎  外

夜の部の助六目当てに歌舞伎座へ。めったに行かないと
書こうとしたが、先月の歌舞伎座ギャラリーを入れると
三か月連続になるので、そろそろ看板を架け替えないと。

「宮島のだんまり」。だんまり(暗闘と書く)は、長い
物語の中の一場面で、敵対する複数の人物が、闇の中で
出会って、何も見えない中で物語の核となる宝物を奪い
合う。

もっとも、本当に真っ暗にしてしまっては、客席からブー
イングが起こるだろうから、暗い「つもり」で演じるわ
けだ。

今回は奪い合うのは、どうやら平家の赤旗らしい。背景
は宮島・厳島神社である。

これいったい、どんなお話の一場面なんだろう?と、帰っ
てからいろいろ調べたが、さっぱりわからない。これが
わたしには、とってもストレス。ホント、この人たち何
なのよー!?・・と、叫びたい気分。

そんなこと考えずに、いろいろな衣装を着けた花形役者
さんたちが、行きつ戻りつしながら、舞台いっぱいに広
がって美しさを競う・・そんな雰囲気を楽しめば良いん
だろうけれど。それが出来ない身の不運。

「吉野山」。こちらは、お馴染みの「義経千本桜」の一
場面を舞踊化したものだから、前後の筋も分かっていて、
安心して見られる。

吉野に落ちた義経を追う静御前。家来の佐藤忠信が付き
添うが、この忠信、どこか挙動不審。静が義経から賜っ
た初音の鼓を打つと、なぜか鼓にすり寄って・・

実はこの忠信、狐が化けている・・というのは、落語に
も出てくるお馴染みの話。

ただ、この場面ではまだ、狐は完全には正体を現さない。
鼓の音に反応して、時折、狐っぽい動きを見せるだけ。

桜満開の吉野山の美しい背景と、美男美女の道行をぼうっ
と楽しむ。道化役の早見藤太と花四天とのからみも、嬉
しいお楽しみ。

「助六曲輪初花桜」。市川家十八番のひとつ、助六は、
市川家で演じる時は「助六由縁江戸桜」という外題にな
るが、今回は松嶋屋用の外題・・ま、題だけであまり大
きな違いはない。(と大雑把に言うと怒られそうだが)

もともとは、曽我兄弟の仇討の物語のバリエーション。
紛失した宝刀「友切丸」を探すため、侠客に身をやつし
て吉原に入り込んだ曽我五郎が・・って、これ、まった
く時代が違うねぇ。歌舞伎では日常茶飯事だが。

これもまた、細かいことは考えずに、カッコイイ男と美
しい女が、それぞれ、スカーッ!と切れのいい啖呵を切
り、ちょっと道化た人たちも登場して笑わせてくれ、悪
役は悪役で、堂々たる存在感を示し・・と、夢の世界に
遊ぶのが醍醐味です。

仁左衛門丈の助六は、まだ、孝夫時代に一回拝見してい
る。調べたらこれが1983年の歌舞伎座で、その時が初演
だったそうだ。

その後、仁左衛門襲名時(1998年)に再演しているが、そ
の時は見ていない。今回が三回目20年ぶりの助六だそう
だが、わたしにとっては、35年ぶり・・ひぇー!!

初演時に、十七世勘三郎丈に教えを受けたそうで、それ
を今度は十八世に「教えて欲しい」と頼まれながら、実
現しなかったとのこと。

十八世の七回忌追善に、勘九郎・七之助兄弟と共にこの
舞台を務めることで、十八世との約束を果たす・・とい
う意味なんだろうな。そう考えるとなんとなくウルウル。

興奮冷めやらぬままに、陶然とした気分で帰宅。
posted by JTm at 09:58| 芝居 | 更新情報をチェックする