2019年07月04日

2019.7.3 国立能楽堂定例公演

2019.7.3 国立能楽堂定例公演

演目
狂言「犬山伏」(大蔵流)
  シテ(山伏)=茂山 茂、
  アド(出家)=茂山逸平、アド(茶屋)=網谷正美、
  アド(犬)=島田洋海、  後見=井口竜也
  囃子方 笛=一噌幸弘、小鼓=住駒幸英、大鼓=大倉鷹乃助
  (休  憩)
能「班女(はんじょ)」(宝生流)
  シテ(花子)=佐野 登、ワキ(吉田少将)=野口能弘、
  ワキツレ(従者)=野口啄弘、吉田祐一、
  アイ(野上の宿の長)=茂山あきら
  囃子方 笛=一噌幸弘、小鼓=住駒幸英、大鼓=大倉鷹乃助
  後見=三川淳雄、和久荘太郎
  地謡=今井 基、小倉健太郎、金森隆晋、大坪喜美雄、
     當山淳司、金森秀祥、佐野玄宜、小倉伸二郎

「犬山伏」。プログラムに記載がないのに、囃子方が
登場したので??と思ったら、最初の山伏の名乗りの
時だけの演奏で、すぐに引っ込む・・あれ、今までこ
んなのあったっけ?

狂言だけの会では、囃子方が居ることはまれだけど、
能+狂言の会は、能の方にかならず囃子方が居るから
・・特別なのかな?

傲慢な山伏と気弱な出家が茶屋で鉢合わせ・・茶屋の
亭主の機転で、山伏に一矢報いるという、おなじみの
お話。すっかり“犬役”定着の島田さん・・名演技。

「班女」。そもそもこの演目を見たいと思ったのは、
主人公が花子という名の遊女だから。狂言「花子」の
中で、ついに実際には登場することのない、“伝説の美
女”と同じ名である。

しかし、残念なことに、「花子」と「班女」の関係に
ついては、プログラムにも諸解説書にもなにも触れら
れていなかった。

落語の登場人物みたいに、花子と言えば美しい遊女と
いうような「定番」の名なのかもしれない。

美濃国、野上宿(現在の岐阜県関ヶ原町野上)の遊女・
花子は、客であった吉田少将と再会を約し、扇を交換
する。

待っても待ってもなかなか来ない吉田少将を思うあま
り、花子は他の客を相手にせず、一日中、扇を見つめ
ている始末・・ついに、野上の宿の長は、花子を追放
する。

しかし、花子が宿を出された後に、吉田少将は約束通
り、花子を訪ねてくる・・・

これ、すれ違いのメロドラマですね。

そして、やがてふたりは巡り会う・・取り交わした扇
がふたりを結ぶ。まさに「要」になるわけだ。

再会の舞台は、京都下鴨神社の糺の森(ただすのもり)。
糺という字は、糸をより合わせる、縄をなうという意
味があるそうで、再会の場にはふさわしい。

字幕のおかげで、なんとかストーリーは追えたものの、
舞の場面が長いのはなかなか辛い・・今回もまた、惨
敗の憂き目であった・・とほほ。

そうそう、班女という題名は、中国の故事から来たも
のだそうで、皇帝の寵を受けそして失った班婕妤とい
う女性にちなむと言う。

この人、捨てられたわが身を、夏には大切にされるの
に秋になると忘れられてしまう扇に例えた詩を詠んだ
のだそうで・・・

皇帝の後宮の女性に例えられるとは・・この花子もま
た、遊女とは言え、教養豊かな女だったのだろう。
posted by JTm at 15:44| | 更新情報をチェックする