2019年11月23日

2019.11.22 国立能楽堂定例公演

2019.11.22 国立能楽堂定例公演 ―演出の様々な形

演目
狂言「鐘の音」(大蔵流)
 シテ(太郎冠者)=茂山千三郎、アド(主人)=茂山千五郎、
 アド(仲裁人)=丸石やすし、  後見=茂山 茂
  (休  憩)
能「橋弁慶-笛之巻-」(観世流)
 シテ(前・常盤御前、後・武蔵坊弁慶)=観世喜正、
 子方(牛若丸)=観世和歌、ワキ(羽田秋長)=飯冨雅介、
 アイ(洛中の男)=茂山あきら、茂山千五郎
 囃子方 笛=藤田次郎、小鼓=曽和正博、大鼓=佃 良勝
 後見=観世喜之、永島忠修
 地謡=桑田貴志、奥川恒治、坂真太郎、駒瀬直也、
    佐久間二郎、弘田裕一、小島英明、中所宜夫

毎秋恒例の「演出の様々な形」、今年は二か月続きで
「鐘の音」と「橋弁慶」を見る。

狂言「鐘の音」。息子の成人の祝いに金の飾りのつい
た太刀を贈ろうと、主人は太郎冠者に命じて、鎌倉へ
その金の値を調べに行かせる。

ところが太郎冠者はこれを鐘の音と勘違い・・いくつ
もの寺を巡って鐘をつく・・

太郎冠者が巡る寺は、五大堂、寿福寺、極楽寺、そし
て建長寺。いずれも現存する寺院だ。擬音語までセリ
フにしてしまう狂言独特の手法とともに、鎌倉の寺巡
りを楽しむかのような。

能「橋弁慶」。小書き(特殊演出)「笛之伝」は、前
半に牛若の母・常盤御前が登場して、息子の乱暴を諫
め、牛若の持つ笛の伝来が明かされる。

この小書きが上演されることは珍しいらしい。

普通は、この前半から弁慶が登場して、五条の天神に
詣でようとして従者に止められる・・という話になる
ようだ。

後半は、どちらの場合でも、明日は鞍馬山に帰ること
になった牛若が、最後の名残に五条の橋に来て、ここ
で弁慶と出会う・・という、まあ、お馴染みの場面。

ところがお馴染みでなかったのは、五条橋付近で千人
斬りを決行していたのが、なんと、牛若の方だった・・
ということ。

まさに、びっくり仰天でした。えー???って思って
いるうちに、物語がどんどん進んでしまって、もう、
正直、戸惑うばかり。

子どものころに親しんだ昔ばなしでは、弁慶の方が千
人斬りを企てて、牛若がそれを成敗するって話だった。

帰ってから調べたら、多くの弁慶の物語では、千人斬
りを弁慶の仕業としているが、牛若、つまり義経の仕
業とする本も、一部にあるそうだ。

うーん、牛若は単に面白半分で京の人々を襲っていた
のか?・・なんか、英雄像が覆ってしまったような。

能の中では、その動機については一切語られていない
(と思う)が、判官びいきの身としては、きっと、無
差別に人を襲っていたのではなくて、仇である平氏の
一族を狙っていたのだ・・と思いたい。
posted by JTm at 10:35| | 更新情報をチェックする