2019年12月22日

2019.12.20 国立能楽堂定例公演

2019.12.20 国立能楽堂定例公演 —演出の様々な形

演目
狂言「鐘の音」(和泉流)
 シテ(太郎冠者)=野村万蔵、アド(主)=野村 萬
  (休  憩)
能「橋弁慶-替装束・扇之型」(金剛流)
 シテ(武蔵坊弁慶)=金剛永謹、トモ(弁慶の従者)=宇高竜成、
 子方(牛若丸)=廣田明幸、アイ(早打)=炭 光太郎
 囃子方 笛=松田弘之、小鼓=観世新九郎、大鼓=川村眞之介
 後見=廣田幸稔、豊嶋幸洋
 地謡=遠藤勝實、今井克紀、見越文夫、種田道一、
    坂本立津朗、今井清隆、元吉正巳、金剛龍謹

先月に続き、「鐘の音」と「橋弁慶」をお流儀を変えて。

「鐘の音」。前回の大蔵流との大きな違いは、ひとり、
登場人物が少ないところ。大蔵流では失敗した太郎冠者
のために、主人にとりなしをしてくれる仲裁人があった
が、こちらは太郎冠者の“自助努力”。

そう言えば、確か「舟渡聟」でも、和泉流の方がひとり
少ない演出だった・・なぜなんでしょ。

そして、太郎冠者が鐘を聞いてまわる鎌倉の寺は、寿福
寺、円覚寺、極楽寺、建長寺。微妙に違うのね・・
でも、最後の建長寺の鐘が一番!なのは同じでした。

「橋弁慶」。前回は特殊演出で、牛若が母に諫められる
場面から始まったが、今回は“通常通り”、弁慶と従者の
やりとりから始まる。

夜中に宿願成就のための参詣をしようとする弁慶を、従
者が止める。

「五条橋に、12、3の少年が出て、人を斬る・・危ない
から行ってはいけません」

しかし、腕自慢の弁慶は、敢えて出かけることに・・

ここで弁慶はいったん引っ込み、その間に早打と呼ばれ
るアイが出て、「弁慶が五条橋の人斬りを退治するぞ」
と報じる。早打というのは、急を知らせる使者だそうだ。

ここで牛若が登場、そして弁慶も再登場。
この時、弁慶が装束を替え、面を付けて出るのが、今回
の特殊演出、「替装束」である。

能では、普通、現実の成人男性の役は面を付けないとの
ことだが、ここでは特別に面を用いる・・弁慶の超人的
な力を示しているのか。

女の衣を引き被っている牛若を見て、弁慶は「自分は出
家だから、女にはかかわるまい」と脇を通り過ぎようと
する・・と、その時、牛若が弁慶のなぎなたの柄を蹴っ
飛ばし・・・

なんか、これ、チンピラ同士の喧嘩の発端みたい。
・・「てめぇ、わざと蹴とばしやがったな!」・・

というわけで、あとはチャンチャンバラバラ。
能は、決して、静かなだけの演劇ではないんですねぇ。

もうひとつの特殊演出、「扇之型」は、このチャンバラ
の最中に、牛若が弁慶に扇を投げつけるというもの。

この扇が、勢い余って舞台の下に落ちた・・あら大変、
もう使わないのかな・・大丈夫かな・・と、ちょっとハ
ラハラしたけれど、どうやら扇の出番はそこだけだった
ようで、無事、終演。
posted by JTm at 10:55| | 更新情報をチェックする