2020年02月09日

2020.2.8 東次郎家伝十二番@横浜能楽堂

2020.2.8 東次郎家伝十二番 第十一回

演目
狂言「粟田口」
 シテ(大名)=山本東次郎、
 アド(太郎冠者)=山本則孝、アド(粟田口)=山本則重、
 後見=若松 隆
  (休  憩)
狂言「節分」
 シテ(鬼)=山本凛太郎、
 アド(女)=山本泰太郎、  後見=山本則秀
 囃子方 笛=一噌隆之、小鼓=田邊恭資、大鼓=佃良太郎

「粟田口」。粟田口というのは京都の地名・・落語の
「祇園祭」にも出てくるので、それは知っていたが、
古くから刀の名工がいたそうで、そこで打たれた刀を
総称して粟田口と呼ぶのだそうな。

お道具自慢の会の、次回のテーマが「粟田口」という
ことになり、大名はそれが何かもよく分からないまま
に、太郎冠者に「買って来い」と命じる。

主人もよく知らないものを、召使が知る訳がない・・
ということで、見事、騙された太郎冠者は、「我こそ
粟田口」と名乗るすっぱ(詐欺師)を連れ帰る。

念のためにと、粟田口について書かれた書付を見つつ、
“本物”であることを確認する大名・・当意即妙に誤魔
化すすっぱ・・このやり取りは物語の肝心かなめの部
分なのだろうが・・ちと難しい。

本物だと確信した大名は、この粟田口を供に出かける
ことに。

良い家来を持ったと喜ぶ大名は、何度も粟田口の名を
呼び、すっぱはそれに答える・・繰り返すうちに、すっ
かり信用した大名が、太刀・刀を預けると・・・?

まさか、刀と人を間違えるなんて・・とは思うけれど、
狂言では、カタツムリと人を取り違えることすらある
ので、それに比べれば可愛いもの。

そして、何度も「粟田口!」と呼ぶうちに、楽しさが
募ってくる大名の様子も、なんとも可愛らしい・・そ
れだけに、最後、すっぱが逃げ去って、ひとり舞台に
残った大名が、とってもお気の毒・・です。

「節分」。こちらはこの季節にはお馴染みの曲。
節分の夜、蓬莱の島から日本にやって来た鬼が、ひと
り留守番をする女にひと目惚れ。

一生懸命口説いた挙句に、女に宝物(隠れ蓑と隠れ笠)
を進呈して、亭主気どり・・と、とたんに女は豆をまく。

鬼を怖がりながらも、決して寄せ付けない女。狂言の
女は気が強い。そして、宝物と聞いたとたんに、態度
を一変させるしたたかさ・・

鬼より怖いものがそこにいる。

プログラムに書かれた東次郎師の紹介文に、(人妻で
ある女に)「鬼が言い寄るなどという題材は、能舞台
に乗せるにはあまり好ましいとはいえません。それを
どう克服するかを狂言は『難しい謡』と『手数の多い
舞』という過酷な演出で演者を追い込み、小賢しい工
夫などの余地を与えません」とある。

確かに、鬼の口説は、なんか、きわどそうかな?とは
思うけれど、難しくて意味不明。・・これ、わからな
くて幸い、なのかもしれません。

月一回、一年間の長丁場のこの会も、ついに来月で終
わりとなる・・次回、3月1日の予定。
posted by JTm at 10:48| 狂言 | 更新情報をチェックする