2020年07月26日

2020.7.25 国立能楽堂ショーケース公演(その3)

2020.7.25 国立能楽堂ショーケース公演<7月>

演目
解説       和久荘太郎
狂言「附子(ぶす)」(大蔵流)
   シテ(太郎冠者)=山本泰太郎、アド(主)=山本凛太郎、
   アド(次郎冠者)=山本則孝
  (休  憩)
能「羽衣(はごろも)」(宝生流)
   シテ(天人)=辰巳満次郎、ワキ(白龍)=御厨誠吾
   囃子方 笛=小野寺竜一、小鼓=森 貴史、
       大鼓=佃 竜太郎、太鼓=小寺真佐人
   後見=亀井雄二、東川尚史
   地謡=和久荘太郎、佐野 寛、小倉伸次郎、川瀬隆史

今週3回目の能楽堂。
解説は、宝生流シテ方、和久荘太郎師。字幕との関係で、
今回もほぼ台本通り。多少の入れ事はあったようだが、正
直、3回は飽きます。

「附子」。これも教科書にも載る有名曲。附子とはトリカ
ブトの毒のこと。留守の間に召使たちに食べられてしまう
のではないかと恐れる主人は、砂糖を毒の附子と偽る。
しかし、召使たちの悪知恵は・・・

附子をすっかり舐めてしまったふたりが、言訳のために、
主人の大事な品物を壊してしまうというのは、本当に悪知
恵としか言いようがない。ホント、感心します。

「羽衣」。昨年末の横浜能楽堂に続き、2度目。“眠くなら
ない”演目ナンバー1のはずの演目だけれど・・すいません、
今日はダメでした。

いやしかし、気持ち良かったなー・・・
人の声のハーモニーって、どうしてこんなに気持ちいいの
でしょうか。

でも、今回、地謡はいつもの半分の4人(覆面はなし)。
やっぱり、ちょいと、物足りなかったかな。

ショーケース公演は、あと、8月、9月にも予定されてい
る。いつもは中正面か脇の席だけれど、この公演はとって
もリーズナブルなので、正面席で見た。

正直な感想としては、どこの席も一長一短かな・・という
ところ。
posted by JTm at 14:56| | 更新情報をチェックする

2020年07月23日

2020.7.22 国立能楽堂ショーケース公演(その2)

2020.7.22 国立能楽堂ショーケース公演<7月>

演目
解説         川口晃平
狂言「棒縛(ぼうしばり)」(大蔵流)
   シテ(次郎冠者)=大藏基誠、アド(主)=善竹十郎、
   アド(太郎冠者)=大藏彌太郎
  (休  憩)
能「土蜘蛛」(観世流)
   シテ(前・僧、後・土蜘蛛の精)=山崎正道、
   ツレ(源頼光)=角当直隆、トモ(太刀持)=山崎友正、
   ツレ(胡蝶)=小田切亮磨、ワキ(独武者)=野口能弘、
   ワキツレ(従者)=野口琢弘、大日方寛、
   アイ(所の者)=小梶直人
   囃子方 笛=栗林祐輔、小鼓=田邊恭資、
       大鼓=亀井洋佑、太鼓=大川典良
   後見=小田切康陽、山中迓晶、松山隆之
   地謡=内藤幸雄、永山桂三、川口晃平、
      馬野正基、谷本健吾、坂 真太郎

ショーケース公演の二回目。
解説は、観世流シテ方の川口晃平師。前回の中村師同様、
台本通り・・外国語字幕との関係で仕方ないらしいが、
客席内は、ほぼ日本人オンリーなので、もう少し、臨機
応変でもよいのでは?と。

もっとも、前回の中村師とは、若干、内容が違っていた
ようなので、複数回見る人への配慮はあるようだ。

狂言「棒縛り」。柿山伏や附子と並んで、教科書にも取
り上げられるポピュラーな演目。

留守にするとすぐ、酒を盗み呑む召使ふたりに、業をに
やした主人は、ふたりを縛り上げて出かける。
しかし、そこは呑兵衛の意地。協力して、酒盛りにこぎ
つけるふたり・・・

最後、主人に見つかってからも、めげずに酒を呑もうと
する次郎冠者の“執念”・・・まさに主人もタジタジ。

つい先日、ご長男をコロナで亡くされた善竹十郎師が、
お元気な顔を見せてくださったのはなにより。

能「土蜘蛛」。源頼光のもとに、突然現れた怪しい僧・・
実は、葛城山に年ふる巨大土蜘蛛の精で・・。

頼光の家臣である独武者が、これを退治する勇壮な曲。
土蜘蛛が次々に放つ、おびただしい糸で、舞台は真っ白。

でも不思議と、終演後は糸があまり残らない。みなさん
すり足で退場なさるから、みんな、幕内に引きずって行っ
ちゃうのね・・・

前回の公演では、地謡の方が顔半分を覆っておられたが、
今回は人数を減らしただけで直面・・解説の方も、マス
クはしておられなかった。

うーん、これもお流儀の違いですかね?
posted by JTm at 13:01| | 更新情報をチェックする

2020年07月21日

2020.7.20 国立能楽堂ショーケース公演(その1)

2020.7.20 国立能楽堂ショーケース公演<7月>

演目
解説         中村昌弘
狂言「萩大名」(和泉流)
   シテ(大名)=能村晶人、アド(太郎冠者)=山下浩一郎、
   小アド(茶屋)=野村万蔵
  (休  憩)
能「猩々(しょうじょう)」(金春流)
   シテ(猩々)=辻井八郎、ワキ(高風)=館田善博、
   囃子方 笛=藤田貴寛、小鼓=鳥山直也、
       大鼓=安福光雄、太鼓=林 雄一郎
   後見=髙橋 忍、井上貴覚
   地謡=中村昌弘、山井綱雄、本田布由樹、
      山中一馬、政木哲司、本田芳樹

2月15日以来、5か月ぶりの能楽堂。前回は狂言の公演
だったから、能の公演としては、1月以来だ。

例によって、感染防止対策は厳しく、前庭に手洗い用の
流しが出来ていたし、入場時の検温、消毒も当然のこと
に。そして客席は最前列は使用せず、後列もひとつ置き
の市松模様。

それとは別に、字幕表示器が刷新されていたのに驚く。
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昨夏に続き、能楽を広く一般に広めようというコンパ
クトでリーズナブルな公演。今週は三日間通います。

解説の中村昌弘師は、金春流シテ方。能舞台の説明と
本日の演目の紹介をテンポよく、簡潔に。奥様お手製
のマスクでお顔は半分しか見えなかったけれど。

狂言「萩大名」。和泉流のこの演目は3回目かな。今
回、萩の庭の主が「茶屋」という役名なのがちょっと
不思議な気がした。

茶屋なら、お商売なんだから、お客に当座(即興で詠
む歌)を強要しなくたっていいのになー・・と。

能村師の大名は、風流は解さなくても決してお馬鹿で
はない感じが出ていて好感。万蔵師の茶屋は、あくま
で歌に執着するのが可笑しい。

「萩大名」見終わって、休憩時間に中庭に出たら、ちょ
うど、ミヤギノハギが咲き始めたところでした。
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能「猩々」。酒屋を営む親孝行な高風の店に、毎夜通っ
てくる不思議な男・・いくら呑んでも酔わないこの男、
実は、水中に住む妖怪・猩々だった。

猩々は、高風に、川のほとりに酒壺を持って来てくれ
と言い残して去る。高風がその約束通り川辺で待って
いると・・・

高風が持参した酒壺を空にした猩々が、陽気に舞い、
謡う。全身真っ赤な装束、赤頭、そして笑っているよ
うな表情の面が、見ていてとても楽しい。

高風の親孝行を愛でて、猩々は「汲めども尽きぬ」酒
で酒壺を満たしてくれる。

親孝行の徳によって天が感ずるところ・・二十四孝か。
それにしても、いくら呑んでも空にならない酒壺なん
て・・・いいなぁ!

舞台上もソーシャルディスタンスで、いつもは8人の
地謡が6人に。そして、鼻から下を布で覆う(紐で耳
に掛けている)という用心も。

ここにもまた、コロナ禍でも何とか公演を続けたいと
いう関係者の強い思いを感じた次第。

トイレの前のソーシャルディスタンス・・能楽堂らし
く「足袋」!・・好きだなぁ、こういうユーモア。
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posted by JTm at 09:00| | 更新情報をチェックする