2019年06月26日

2019.6.25 能楽鑑賞教室@国立能楽堂

2019.6.25 第36回 能楽鑑賞教室

演目
解説「能楽の楽しみ」     安藤貴康(能楽師シテ方観世流)
狂言「文山立(ふみやまだち)」(大蔵流)
   シテ(山賊甲)=善竹富太郎、アド(山賊乙)=善竹大二郎
  (休  憩)
能「船弁慶」(観世流)
   シテ(前・静御前、後・平知盛の怨霊)=清水寛二、
   ツレ(源義経)=鵜澤 光、
   ワキ(武蔵坊弁慶)=舘田善博、
   ワキツレ(義経の従者)=梅村昌功、則久英志、
   アイ(船頭)=大藏基誠
   囃子方 笛=八反田智子、小鼓=飯富孔明、
       大鼓=亀井洋佑、太鼓=田中 達
   後見=鵜澤 久、浅見慈一
   地謡=安藤貴康、小早川 修、谷本健吾、西村高夫、
      北浪貴裕、山本順之、馬野正基、柴田 稔

今回は、高校2校、中学1校の生徒さんとともに。
お行儀の良い生徒さんたちだった。

冒頭の解説は例年通り。途中に各校代表を舞台に
上げて、簡単な所作をさせるワークショップもい
つもの通り。

まぁ、生徒さんの方は毎年変わるのだから良いの
だろうけれど、元・生徒の方はいささか飽きが・・・

そのせいか、狂言「文山立」は、正直、眠気との
戦いに。生徒さんたちに恥ずかしいです。

ただ、さほど笑いが多い演目でもなく、セリフが
延々と続く感じで、もう少しとっつきやすい演目
でもよいのでは?・・と思わぬでもない。

「船弁慶」。こちらもこの鑑賞教室ではよく取り
上げられる演目で、2度目の遭遇。

前シテが静御前、後シテが知盛の怨霊と、義経を
めぐって相反する立場のふたりを、ひとりの演者
が演じるというのは・・・うーん、なんだか奥深
い気が。

ともに生きたい、一緒に死にたいと思う静が、義
経の命により京に返される前半。

もしかしたら、その一緒に行けない静の恨みが、
知盛の霊に合体して、後半の怨霊の姿になってし
まったのか?

いやー・・それはやっぱり考えすぎだよね。  
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2019年06月17日

2019.6.16 能を知る会@国立能楽堂

2019.6.16 能を知る会 東京公演

演目
ご挨拶        中森貫太
解説 「川の幸・山の恵み~新元号を言祝ぐ~」
           葛西聖司
仕舞「嵐山」
      シテ=観世喜正
仕舞「吉野静」
      シテ=観世喜之
   以上、地謡=河井美紀、遠藤喜久、奥川恒治、小島英明
狂言「末広かり」(和泉流)
      果報者=野村萬斎、太郎冠者=野村遼太、
      すっぱ=月崎晴夫、  後見=竹山悠樹
      囃子方 笛=松田弘之、小鼓=幸 正昭、
          大鼓=柿原弘和、太鼓=梶谷英樹
  (休  憩)
能「國栖(くず)」(観世流)
      漁師・蔵王権現=中森貫太、
      老嫗=佐久間二郎、天女=中森健之介、
      王(子方)=宮坂 唐、侍臣=殿田謙吉、
      輿舁=御厨誠吾、平木豊男、
      追手ノ兵=月崎晴夫、竹山祐樹
      囃子方 笛=松田弘之、小鼓=幸 正昭、
          大鼓=柿原弘和、太鼓=梶谷英樹
      後見=小島英明、観世喜之、奥川恒治
      地謡=平野真樹、永島 充、久保田宏二、駒瀬直也、
         桑田貴志、観世喜正、坂 真太郎、鈴木啓吾
(この後、中森貫太師による質疑応答があったが、途中退席)

解説、字幕付き、初心者向けとの惹句に釣られて。
冒頭、葛西氏の解説は、面白く的確に見どころを教えて
くださり、ソフトなお声も聞きやすく(元NHKアナウ
ンサーだから当然だが)、大変結構だった。これを聞け
ただけでも、来た価値がある。

まずは仕舞2曲から。仕舞というのは、能の一部を面・
装束をつけずに舞う、能の略式上演形態・・と、プログ
ラムにある。

先日の青翔会で見た舞囃子とは違い、囃子方は入らず、
謡のみ。「國栖」の舞台、吉野にちなんだ2曲。

「嵐山」。京都嵐山の桜は、吉野から移植したものだと
か。後シテ・蔵王権現の舞の場面。

「吉野静」。これは義経千本桜、吉野山道行か。静御前
が、義経の武勇を語る場面の舞。

狂言「末広かり」。こちらは先月、国立能楽堂主催の狂
言の会で見たばかり。

すっぱに騙された太郎冠者に怒りながらも、囃子の楽し
さに、つい、浮かれ出す主人(果報者)・・いやいや、
いかん!と自分を戒めながら、すぐにまた、身体が動い
てしまう・・・その心の動きがよく見えて面白い。

能「國栖」。背景は壬申の乱。天智天皇の息子、大友皇
子と、天智の弟・大海人皇子(天武)の皇位継承争い。

大友皇子に追われた王(天武)が、吉野山に隠れる・・
それを匿った国栖の里の老漁師が、追手の兵を一括して
追い払い、天女やら神々やらが登場して、来るべき王の
御代を称え、言祝ぐ・・という物語。

平成から令和へ、新しい“時代”を祝うための演目・・と
のことだが・・・うーん、皇位継承争いでしょ? ちと
どうなの??っていう気がしないでもない。

ま、それはさておき。

葛西氏の解説の助けもあって、大変にわかり易く面白く
拝見。王と、それを匿う老漁師夫妻の、穏やかな交流場
面から、一転して、追手との緊迫したやり取りに変わる、
その変化の大きさが際立つ。

そして、後半は、天女の美しい舞から、蔵王権現の勇壮
な舞へ・・あまり細かいことは考えず、お祝い気分にひ
たって見るのが良いようだ。

そして、字幕。国立能楽堂主催公演の字幕は、あくまで
謡の詞章の表示が中心で、文字を見ても詞が難しくてわ
からないことがままある。

その点、今回の字幕は現代語訳だったので、物語の理解
という点では、とてもよかった。

ただ、個人的には、謡の詞も見たい・・という気がする。
ワガママですいません!

最後に質疑応答コーナーがあるということだったが、上
演時間がかなり押して(伸びて)いた上に、次の予定が
あったので、聞かずに失礼した。


もひとつ余計なこと。
壬申の乱は、大友・大海人のどちらが仕掛けたのか、説
が分かれているようだ。本来の皇位継承者は大友だった
という説もあり、とすると、大海人の方が簒奪者という
ことになる。

しかし、勝ったのは大海人つまり天武天皇側。
・・結局、歴史は勝った者が作るということ、そして、
能は、その権力者の保護の下にあった芸能なんだ・・と
いうことを、改めて考えさせられもした。     
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2019年06月12日

2019.6.11 能楽研修発表会 青翔会@国立能楽堂

2019.6.11 能楽研修発表会 第19回 青翔会

冬中持ちこたえたというのに、ここへ来て風邪をひく。
熱はないが、咳が出る・・前夜は眠れず、大いに寝不
足というのに、こんな時に限って、午前、午後、夜と、
びっしり予定が詰まっている。

午前中の予定は終了が正午。大急ぎで13時開演の能楽
堂へ。

演目
舞囃子「葛城」(喜多流)
   シテ=狩野祐一
   囃子方 笛=熊本俊太郎、小鼓=大村華由、
       大鼓=佃良太郎、太鼓=蛯浦理沙
   地謡=金子龍晟、佐藤 陽、大島輝久、谷 友矩
舞囃子「融(とおる)」(宝生流)
   シテ=今井 基
   囃子方 笛=平野史夏、小鼓=清水和音、
       大鼓=柿原孝則、太鼓=金春國直
   地謡=金森隆晋、當山淳司、辰巳満次郎、
      今井泰行、髙橋 亘
舞囃子「舎利(しゃり)」(金春流)
   シテ=本田芳樹
   ツレ=本田布由樹
   囃子方 笛=熊本俊太郎、小鼓=岡村はる奈、
       大鼓=柿原孝則、太鼓=蛯浦理沙
   地謡=中村昌弘、辻井八郎、井上貴覚、政木哲司
狂言「萩大名」(和泉流)
   シテ(大名)=野村万之丞、
   アド(太郎冠者)=上杉哲太、
   小アド(亭主)=能村晶人、 後見=野村万蔵
  (休  憩)
能「吉野天人」(観世流)
   シテ(前・里女、後・天人)=鵜澤 光
   ワキ(都の者)=矢野昌平
   ワキツレ(同行者)=村瀬 提、村瀬 慧
   アイ(里人)=河野佑紀
   囃子方 笛=髙村 裕、小鼓=寺澤祐佳里、
       大鼓=亀井洋佑、太鼓=澤田晃良
   地謡=井上裕之真、関根祥丸、小早川泰輝、安藤貴康、
      木月宣行、山階彌右衛門、浅井文義、浅見重好

青翔会は、国立の能楽養成の研修生や各流派の若手の
発表会。初めて参加したが、残念ながら体調は最悪、
しかも、頼みの綱の字幕がない・・いやー、失敗失敗。
ちゃんと予習していくべきでした。

まずは舞囃子三曲。

「葛城」。これは以前に一度見た演目なので、物語は
知っていた。
その中から、最後に山伏の祈祷で苦役を逃れた葛城の
神が、喜びの舞を舞う場面・・だったらしい。

「融」。左大臣・源融が、都に東北の塩釜の風景を再
現した屋敷の庭は、融の死後荒れ果てていた。通りか
かった旅僧の前に、融の亡霊が現れて、かつての栄華
を懐かしんで舞う。

「舎利」。仏舎利を奪った足疾鬼(そくしっき)とい
う鬼を、韋駄天が現れて追いかけ、戦いの末に無事、
舎利を奪い返す・・という物語だそうだ。

これは面白そうな内容だなぁ・・能の舞台も見てみた
い。今回の舞は、最後の韋駄天と足疾鬼の対決場面。
大柄な演者の足拍子が、ドン!と腹に響いた。

狂言「萩大名」。これは幸いにもお馴染みの演目。た
だ、和泉流のを見たのはお初かもしれない。

見慣れた大蔵流のそれと、運びはほとんど同じだが、
すっとぼけた大名が、亭主の丹精した庭を見て言うセ
リフに、若干、違いがあったように思う。

悪気はないが、とんだ与太郎の大名・・万之丞師のお
とぼけぶり・・結構でした。

能「吉野天人」。申し訳ないがここで力尽きた・・
面をつけていたので、最初は分からなかったが、シテ
が女性能楽師であることに、声を聞いて気づいた。

が、そこまで。あとは爆睡・・ホント、すいません。 
   
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