2019年07月17日

2019.7.15 歌舞伎鑑賞教室@国立大劇場

2019.7.15 第96回 歌舞伎鑑賞教室

演目
解説 歌舞伎のみかた
    解説=坂東新悟、中村玉太郎
    <実演>梅王丸=坂東彌紋、松王丸=坂東やゑ六、
    仕丁=中村蝶八郎、坂東八重之、市川瀧翔、尾上貴緑
    浄瑠璃=竹本蔵太夫、三味線=鶴澤寿治郎
    ほかに、鳴物、ツケ担当のみなさん
  (休  憩)
歌舞伎「菅原伝授手習鑑-車引-」一幕
  (竹田出雲・三好松洛・並木千柳=作) 
  吉田社頭車引の場
   <配役>松王丸=尾上松緑、梅王丸=坂東亀蔵、
       桜丸=坂東新悟、杉王丸=尾上左近、
       藤原時平=中村松江   外
   浄瑠璃=竹本蔵太夫、三味線=鶴澤寿治郎
  (休  憩)
舞踊劇「棒しばり」長唄囃子連中
    (岡村柿紅=作)
   <配役>太郎冠者=坂東亀蔵、次郎冠者=尾上松緑、
       曽根松兵衛(主人)=中村松江
   唄=芳村伊四太郎  外
   三味線=柏 要二郎  外
   笛=望月太喜三久、
   小鼓=望月太喜十朗、望月太左次郎、望月太佐久
   大鼓=望月太左一郎、太鼓=望月太左成
   後見=尾上扇緑、尾上松太郎  外
アフタートーク
   坂東新悟、坂東亀蔵、尾上松緑、中村松江

毎年、夏の2か月、国立劇場で行われる歌舞伎鑑賞教室、
以前は確か、「高校生のための」という冠詞がついてい
たのではなかったか。

高校生が減ったのか、見に来る学校が減ったのか、最近
は、社会人や親子のための公演日も設け、対象を広げて
いるようだ。

この日は特に、「~のため」をうたってはいない公演日
だったけれど、祝日なので学生団体はなく、元・生徒の
観客ばかり。公演中に2回あるアフタートークの日にぶ
つかったのは、ほんの偶然。

冒頭の解説は、ここのところすっかり定着の?新悟さん
に、若い玉太郎さんも参加。見に来る高校生と近い年齢
の役者さんを、どんどん起用しようということか。

そして、このあと上演する演目の中から、実演を交えて
解説するというパターンもすっかり定着したようだ。

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最初のころの鑑賞教室は、毎度毎度、同じようなことを
同じように解説し、最後に「国立の誇る舞台機構」をフ
ルで動かして見せるというワンパターン。

まあ、生徒さんの方は毎年変わるのだから、それでも良
かったのだろうが、高校生のためという冠を外した以上、
「毎回見に来る」人がいることも想定しなくてはね。

ただ、あの舞台機構を動かすのはもう一度見てみたい気
もするな・・今は多分、より大規模な機構を持つ劇場も
あるのだろうけれど。

「車引」。菅原伝授という長い物語の一場面だが、揃い
の衣装や派手な隈取で、いかにも「ザ・歌舞伎」という
ところだから、見ごたえはあるし、物語の流れが分から
なくても楽しめる・・だから選んだのだろうが。

個人的には、落語「七段目」で、店番をしていた芝居好
きの若旦那が、芝居仲間の引く俥の前に飛び出して、
「車、やらーぬ!!」と、見得をする場面を思い出し、
つい、クスクス笑いたくなってしまうので・・ちょっと
困る場面でもある。

「棒しばり」。狂言の棒しばりを元に、大正時代に歌舞
伎舞踊として脚色したという。初演は、六世尾上菊五郎、
七世坂東三津五郎という、当時、踊りの名手として知ら
れたふたりで、この名手たちの手を縛り、不自由な姿で
踊らせるところが、見せ場だったそうだ。

狂言ではよく見る演目なので、つい、違いが気になるの
だが、一番驚いたのは、主人の大名に名前がついていた
ことだった。狂言では名無しさんです。

そして、最後、酔っぱらった次郎冠者は、こともあろう
に主人を棒で打ったりする・・狂言では、ただ「許させ
られい・・」と、逃げて行くだけなのに。

大正5年といえば、今からもう100年も前のことなんだ
が、中世に成立した狂言に比べると、もう、段違いに近
代的!・・という印象だった。

アフタートークは、棒しばり出演のお三人はそのままの
衣装で、休憩していた?新悟さんは、普通のお着物で。

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松緑さんが中心となって、公演裏話や楽屋でのエピソー
ドなどを交えて。途中、押隈プレゼントクイズがあった
り、写真撮影もOKだったり・・・ホント、国立も様変
わりしたなぁ!

なんて感心してしまうわたしは、もはや、「古いファン」
ということなんでしょうねぇ・・・はぁ(溜息)

 2019071517240000.jpg 松緑さんの押隈欲しかった・・・
posted by JTm at 11:31| 芝居 | 更新情報をチェックする

2019年05月06日

2019.5.5 新富座こども歌舞伎@鉄砲洲稲荷神社

2019.5.5 新富座こども歌舞伎 
       鉄砲洲稲荷神社例大祭奉納公演

演目
口  上
三人吉三巴白浪より「大川端庚申塚の場」
義経千本桜より「吉野山」
白浪五人男より「稲瀬川勢揃の場」

新富座こども歌舞伎は、中央区在住在学の小中学生
によって構成される子ども歌舞伎の一座で、今年で
結成12周年を迎えるそうだ。

その大きな活動のひとつが、5月に行われる鉄砲洲
稲荷神社の例大祭での奉納。会場は鉄砲洲稲荷神社
の神楽殿。

近くの八丁堀での講座に通っている関係で、チラシ
を手にしたので、ちらっと覗く・・くらいの気安さ
で訪れた。

着いてみたらこの混雑・・見えるかな?ダメなら帰
ろうか・・
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境内の端っこからようやく覗き見・・口上の最中。
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最初の演目は「三人吉三」。お嬢吉三、お坊吉三、
そして和尚吉三の3人の悪党が、偶然の出会いから
義兄弟の契りを結ぶ。
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お嬢吉三。「月もおぼろに・・」の名セリフ。
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お坊吉三との争いになり・・・
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それを和尚吉三が仲裁して、3人は義兄弟に。
・・お嬢が一番大きいのは、ま、ご愛敬ということで。
演じているのは、今回最年長、中学1年の女の子です。

続いて、「義経千本桜」から吉野山、静と忠信の道行。
義太夫担当も、地元の方々。
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静が鼓を打つと・・忠信登場。
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 IMG_6670.JPG 連舞に。
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道化役の早見藤太も、実に達者!
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最後は引き抜いて狐火の衣装・・そして、狐六方での
引っ込み・・演じているのはなんと、小学3年生の坊や!
もう、驚き以外のなにものでもなく。

ずっと立って見ていたので、ここらでもう、脚が棒・・
だけど、到底、帰る気になれず・・・最後の演目へ。

「白浪五人男」の稲瀬川勢揃い。この小さな舞台に5人
が並び、取り手たちとの立ち回りも。
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右の写真の中央、日本駄右衛門役、大きくて立派!
小学6年の女の子でした・・そうか、この年頃は、女
の子の方が大きいものね。

最後は、主役も脇役も関係なく、全員でのご挨拶。
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境内を埋め尽くした観客から、惜しみない拍手が贈ら
れました。

ちょっとだけ覗こう・・なんて思っていた気持ちを大
いに反省・・見事なお芝居に、大満足で会場をあとに。
あー、でも、脚が痛い!
posted by JTm at 09:39| 芝居 | 更新情報をチェックする

2019年03月27日

2019.3.26 国立劇場三月歌舞伎公演@国立小劇場

2019.3.26 国立劇場三月歌舞伎公演

演目
「元禄忠臣蔵・御浜御殿綱豊卿」2幕5場
     真山青果=作、真山美保=演出
 第一幕 御浜御殿御殿松の茶屋
 第二幕 御浜御殿綱豊卿御座の間
     同   入側お廊下
     同   元の御座の間
     同   御能舞台の背面
  (配役)徳川綱豊=中村扇雀、お喜世=中村虎之介、
      富森助右衛門=中村歌昇、
      新井勘解由=中村又五郎 外
  (休  憩)
「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」常磐津連中
     宝田寿来=作
  (配役)関守関兵衛実ハ大伴黒主=尾上菊之助、
      小野小町姫・傾城墨染実ハ小町桜の精=中村梅枝、
      良峯少将宗貞=中村萬太郎
  (常磐津)浄瑠璃=常磐津兼太夫、常磐津菊美太夫 外
       三味線=常磐津文字兵衛、岸澤式松 外

小劇場での歌舞伎本公演は12年ぶりだそうだ。
12年前のその公演は、新作台本の入選作だったの
ではないかな。とっても斬新な演出だったという
記憶がある。 

今回も、新作という範疇ではあるけれど、真山青
果作となれば、これはもうすっかり定着した演目
ではある。

「御浜御殿綱豊卿」は、2011年の前回上演が記憶
に新しい。ベテラン揃いだった前回と異なり、小
劇場歌舞伎らしく、若手が大活躍。

御浜御殿に吉良上野介が来ると聞いて、赤穂浪士
のひとり。富森助右衛門が、つてをたどって御殿
に入り込む。

妹(実は名目上の)が、綱豊卿の愛妾となったこ
とを頼りに御殿を訪れる助右衛門・・なんだか、
「妾馬」の八五郎だな・・なんて思ったりして。

しかし、綱豊卿は助右衛門の正体もその目的も、
とうに察している。そしてなんとか仇討をさせた
いものと思っているのだ。

ただ、本妻の実家の近衛関白家は、大石内蔵助を
召し抱えたいと考えており、そのためには浅野家
を再興して、仇討をさせない方が良い。

妻の実家の意向と、自分の気持ち・・板挟みになっ
た綱豊卿は苦しい立場だ。

助右衛門に迫って、仇討の企ての有無を明かさせ
ようとする綱豊卿・・頑として口を割らない助右
衛門。火花を散らすやり取りだ。

最後、能舞台で演じられている(という設定)の
演目は、当初、「船弁慶」だったのが、能楽関係
者の助言で「望月」に変えられた・・と、プログ
ラムに紹介されていた。

「望月」は、主君の仇を討つ物語だそうで、確か
に、この場にはよりふさわしいと言えよう。

「積恋雪関扉」。こちらは上演回数の少ない演目
で、前回は1991年の正月、大劇場での上演。故
團十郎丈と玉三郎丈の顔合わせだったらしい。
・・・見ているはずだがな・・記憶にない。

今回は、今まさに“旬”の菊之助丈が、初役で関兵
衛を務めるというので、楽しみに見る。

もちろん、菊之助丈は良かったけれど、それ以上
に、小町桜の精を演じた梅枝丈が美しかった。

なにやら陶然として、夢心地・・・どっぷりとそ
の世界に浸った。


小劇場での歌舞伎公演は、若手中心の座組や、新
作など、意欲的な試みが多かったと記憶している。

なぜ、12年もの間、途絶えていたのか、その事情
は知らないが、これを機に、復活してくれるのか
・・・大いに期待したい。

桜が花盛りは、劇場の外も。
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いつもは10日前後に見に行く歌舞伎・・今回は
楽日前日になったおかげで、桜の方も堪能しま
した。
posted by JTm at 09:54| 芝居 | 更新情報をチェックする