2018年07月04日

2018.7.3 歌舞伎鑑賞教室@国立大劇場

2018.7.3 第94回 歌舞伎鑑賞教室

演目
第一部   解説  歌舞伎のみかた
      解説=坂東新悟
      <実演> 山賊=坂東彌風、
       村の男=市川猿三郎、市川龍蔵、
           鎌田雅尋、本吉和樹
       鳴物、笛、ツケ担当のみなさん
       竹本樹太夫、鶴澤繁二
  (休   憩)
第二部   歌舞伎「日本振袖始-八岐大蛇と素戔嗚尊-」
      (近松門左衛門=作、戸部銀作=脚色)
       出雲国簸の川川上の場
      <配役>岩長姫実ハ八岐大蛇=中村時蔵、
       稲田姫=坂東新悟、素戔嗚尊=中村錦之助
       大蛇の分身=山崎咲十郎、片岡愛治郎、
           井田一誓、小森龍成、眞野貴臣 外
      <竹本連中>
       浄瑠璃=竹本葵太夫、竹本道太夫、竹本樹太夫、竹本拓太夫
       三味線=鶴澤寿治郎、豊澤長一郎、鶴澤繁二、鶴澤泰二郎
      <大薩摩連中>大薩摩=鳥羽屋三右衛門事東武線太夫
             三味線=杵屋五七郎

久々の鑑賞教室、解説は前回来た時と同じ新悟さん。
すっかり手慣れたようで。

舞台機構や鳴物、ツケなどの初歩的な紹介のあと、
今回の上演作品「日本振袖始」の解説を、映像で。

・・これ、新悟さんが、稲田姫役を務める準備のた
めなのだろうが、イラストを用いて、全段の物語を
見せるのは、分かりやすい。

第二部「日本振袖始(にほんふりそではじめ)」。

前半、浄瑠璃の語りがなかなか難しく、サッカー余
波の寝不足もあって、ちと眠い。岩長姫に化けた、
八岐大蛇が、酒壺を抱え込むようにして、大酒を吞
み、次第に正体を現していく・・酒に溺れてはダメ
ですよーという教訓か??(冗談です)

後半は、いよいよ本性を現した八岐大蛇と素戔嗚尊
との戦い。大蛇の八つの頭を、8人の人間が演じる
という工夫はすごい。ほとんど前衛的とも思えるの
だが・・・

もともと、人形浄瑠璃として演じられた作を、歌舞
伎に移したものと解説にあった。歌舞伎での初演も
人形浄瑠璃と同じ、享保3(1718)年。

この初演の時から、こういう演出だったのだろうか?

そして、人形ではいったい、どうやってこの大蛇を
表現するのか?・・・大阪の文楽公演で上演される
ようだが・・・うーん、行けるかな?
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2018年03月17日

2018.3.16 国立劇場三月歌舞伎公演

2018.3.16 国立劇場三月歌舞伎公演

演目
「増補忠臣蔵ー本蔵下屋敷ー」(一幕二場)
 第一場  加古川家下屋敷茶の間の場
        浄瑠璃=竹本蔵太夫、三味線=鶴澤翔也
 第二場  同      奥書院の場
        浄瑠璃=竹本愛太夫、三味線=鶴澤慎治
  (配役)桃井若狭之助=中村雁治郎、加古川本蔵=片岡亀蔵、
      井浪伴左衛門=市村橘太郎、三千歳姫=中村梅枝 外
  (休   憩)
「梅雨小袖昔八丈-髪結新三-」(三幕六場)
    河竹黙阿弥=作、尾上菊五郎=監修
 序 幕  白子屋見世先の場
      永代橋川端の場
  (休   憩)
 二幕目  富吉町新三内の場
      家主長兵衛内の場
      元の新三内の場
 大 詰  深川閻魔堂橋の場
  (配役)髪結新三=尾上菊之助、家主長兵衛=片岡亀蔵、
      家主女房お角=市村橘太郎、手代忠七=中村梅枝、
      弥太五郎源七=市川團蔵、白子屋お熊=中村梅丸、
      白子屋後家お常=市村萬次郎  外

「増補忠臣蔵」。増補というのは、本篇には登場しない
脇筋のエピソードという意味だそうで、現代風に言えば、
忠臣蔵スピンオフというところだろうか。

忠臣蔵九段目、山科閑居の場に、松の廊下で塩冶判官を
抱き止めた桃井家家老の加古川本蔵が登場して、大星の
息子・力弥に討たれる。


ここの本蔵の登場は、よくよく考えてみると、なんか、
唐突じゃないかい?・・・という疑問の解答の物語だ。

師直を討とうと考えたのに、家老の本蔵が、密かにまい
ないを贈ったためその機を得られず、松の廊下以降、
「へつらい武士」と陰口を言われている若狭之助。

殿様の怒りは本蔵に向かい、本蔵は自ら、下屋敷に蟄居
している。その屋敷内には、若狭之助の妹で判官の弟と
許婚の間柄の三千歳姫もかくまわれている。
(今風に言うと、マスコミから隠れている・・というところか)

そこへ、若狭之助がお成り・・との知らせ。
いったい、なに?・・と色めき立つ屋敷内。三千歳姫に
横恋慕する伴左衛門は、この機に乗じて、お家乗っ取り
を画策するが・・・。

最後、本蔵を死罪にすると言いながら、実は伴左衛門の
悪事を暴く若狭之助に、つい、先日見たばかりの、某T
Vドラマの最終回を思い出したのは、我ながら苦笑せざ
るを得なかった。

そして自らの心情を語る若狭之助のセリフ・・・
「へつらい武士は数多いる」・・うん、最近では財務省
辺りに、多く生息しているようだ。

閑話休題。
本蔵の処罰は済んだと、若狭之助は言い、本蔵に虚無僧
の身支度をしてやり、師直邸の絵図面を渡す・・そうか、
それで!・・・と、山科に突然本蔵が登場する謎が、見
事に解けたのだった。

「梅雨小袖昔八丈」。こちらは2015年に芝翫(当時は
橋之助)丈の主演で上演したものと、ほぼ同じ内容。

新三役の菊之助丈・・・いい男すぎ!
なんか、落語「雪とん」のお祭り佐七を思わせるなぁ・・・
これじゃ、お熊は、「親指と人差し指、指二本で」あっ
さりと、忠七から乗り替えちゃうんじゃないかい?

そして、その分、ワルの要素に乏しい感が・・・無きに
しも非ず。まあ、このあたりは次に期待としておく。
なにせ、尾上菊五郎家にとっては、まさしく「家の芸」
ですからね。今後も、見る機会は多そうだ(って、国立
で演ってくれないとダメなんだけどね)。

「忠臣蔵」で敵対する武士を演じた亀蔵・橘太郎両丈が
こちらでは大家夫婦に扮して、コミカルな演技を見せる。
達者な脇役無くして、芝居は成り立たない・・というこ
とを、体現して見せた。

お熊役、梅丸丈がなんとも可愛らしい娘振り。
最近の若手はよく知らないので調べてみたら、梅玉丈の
部屋子で、21歳。歌舞伎のお家の出ではなく、ご両親は
ともに出版関係のお仕事とか。

梨園外から人気役者になった女形には、坂東玉三郎丈と
いう素晴らしい先輩もあることだし、今後、ますますの
ご活躍を期待したい。

もうひとり、若手も若手、今年5歳になる、菊之助丈の
長男、寺嶋和史くんが、新三を呼びに来る小僧さんの役
で、登場している。

こちらは、当代の菊吉を祖父に持つ、サラブレット中の
サラブレットだ。今から活躍を期待などと書くのは、さ
すがに早すぎるけれど、一生懸命芝居振りを演じて、と
ても可愛らしく、客席からは大きな拍手。

お父さんと手をつないで、袖に入って行く背中は、親子
共にほっとした様子に見えた。
posted by JTm at 10:36| 芝居 | 更新情報をチェックする

2018年01月16日

2018.1.16 国立劇場新春歌舞伎公演

2018.1.16 国立劇場新春歌舞伎公演

演目
通し狂言「世界花小栗判官(せかいのはなおぐりはんがん)」四幕十場
 発 端(京)     室町御所塀外の場
 序 幕<春>(相模) 鎌倉扇ヶ谷横山館奥庭の場
            同       奥御殿の場
            江の島沖の場
  (休   憩)
 二幕目<夏>(近江) 堅田浦浪七内の場
            同  湖水檀風の場
  (休   憩)
 三幕目<秋>(美濃) 青墓宿宝光院境内の場
            同  万屋湯殿の場
            同    奥座敷の場
  (休   憩)
 大 詰<冬>(紀伊) 熊野那智山の場
  (配役)盗賊風間八郎=尾上菊五郎、小栗判官=尾上菊之助、
      照手姫=尾上右近、漁師浪七=尾上松緑、
      細川政元・万屋お槙=中村時蔵、鬼瓦の胴八=片岡亀蔵、
      浪七女房小藤・万屋お駒=中村梅枝  外

馬が活躍?する物語からだろうか、開幕時、暗くした
場内に馬頭琴の音が響き、舞台では、銀河を流れる星
の中から、馬の姿が・・・(チンギス汗か!?)

発端で父を殺された小栗判官が、許婚の照手姫ととも
に、父を殺しお家の重宝を奪った盗賊を探し求める。

彼らを助ける者あり、妨害する者あり、また、その目
的とはまったく関りがないのに、知らない内に渦中の
人となる者も。

派手な立ちまわりあり、チャリ場あり、女の嫉妬と恨
み、果ては幽霊まで登場するという・・・まさにサー
ビス満点というか、やりたい放題というか・・・

色々とツッコミたいところは、多々あれど、まあ、別
にいいか・・と、許せてしまうのが、歌舞伎の楽しさ
だねぇ。

そんなことを、再確認させてくれた新春の歌舞伎。
楽しゅうござんした。

先月は岳父の吉右衛門丈と一座した菊之助丈が、今月
は実父の菊五郎丈と。見た目の美しさ、口跡の良さ、
惚れ惚れする男っぷり。

・・お父上には申し訳ないが、この人が八代目になる
日を、なんとか見たいもの・・と思ってしまった。

そして、松緑丈が、11月の坂崎出羽守役に次ぐ好演。
二幕目の後半、舟の櫂や網を用いての立ち回りは、昔
見た、先代辰之助(三代目松緑を追贈)丈の「蘭平物
狂」を思い出し、大いに懐かしかった。

この場面と、序幕の小栗判官の馬の曲乗りの場面、三
階さんたちの活躍に、大きな拍手を贈りたい。

※1/25追記。
名馬「鬼鹿毛」を演じたのは、坂東八重之、尾上音之助、尾
上音蔵、坂東橘助の4名である由(おそらくは、2名ずつの
交互)。この公演での国立劇場賞特別賞を受賞されたとのこ
と。おめでとうございます!
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