2017年01月22日

2017.1.21 民俗芸能公演@国立小劇場

2017.1.21 民俗芸能公演 早池峰神楽 −大償と岳−

演目
大償(おおつぐない)神楽   出演=早池峰大償神楽保存会
   鳥舞(とりまい)
   天降(あまくだり)
   鐘巻(かねまき)
  (休   憩)
岳(たけ)神楽        出演=早池峰岳神楽保存会
   天女(てんにょ)
   五穀(ごこく)
   諷誦(ふうしょう)
   権現舞(ごんげんまい)

このブログにもいくつか神楽のことを書いたが、それ以前にも
旅行先などで、神楽を見る機会が何度かあった。

この早池峰神楽も、かなり以前に、岩手県大迫(おおはさま)
町(現在は花巻市に統合)の、現地で拝見する機会を得た。
・・・もっとも、何の知識もなく見たので、面白かったという印象
しか残っていないのだが。

なんの知識もないのは、まあ、今も同じで、今回も、面白かっ
た・・・という以上のことは言えそうにない。

早池峰山のふもとの、大償と岳のふたつの地区に伝承される
神楽で、国指定の重要無形文化財、そして、ユネスコの無形
文化遺産にも指定されている。

全部で40番以上の舞があるそうだが、今回は、大償から3番、
岳から4番という、ごく一部の?紹介だった。

儀式性の高い舞、豊穣を祈る舞、神話に題材をとった舞、優
雅な女舞・・・そして、圧巻だったのは、激しく勇壮な荒舞に位
置づけられる「諷誦」。(今回は岳神楽だったが、大償にも同
じ演目があり、そちらは「普将」と呼ぶそうだ)

荒ぶる神が、悪鬼を退治する様子を描く舞で、両手に刀(真剣)
を持って、これを操りながら激しく舞う。
まさに、手に汗握る、迫力満点の舞で、会場から、大喝采を
浴びていた。


2017.1.21 民俗芸能公演 壬生狂言

演目    出演=壬生大念佛講中
道成寺(どうじょうじ)
  (休   憩)
愛宕詣(あたごもうで)
  (休   憩)
紅葉狩(もみじがり) 

壬生狂言という名称は聞いたことがあったが、どんなものな
のか、知識はゼロだった。

壬生狂言は、京都市中京区にある壬生寺に伝わる芸能で、
正式には「壬生大念佛狂言」と言うそうだ。

鎌倉時代、多くの信者に仏の教えを分かりやすく伝えようと、
壬生寺中興の祖である圓覚上人が始めたと伝えられている。

始めは宗教的色彩が強かったのだろうが、近世になって、他
の芸能、演劇から様々な物語を取り入れ、庶民の娯楽として
も親しまれるようになった。

昭和51(1976)年、国の重要牟礼文化財に指定。現在、30
番ほどの演目が上演される。

すべての演者が面をつける仮面劇で、金鼓・太鼓・笛の囃子
に合わせて演じられる。中でも一番の特徴は、演者はすべて
無言・・・つまり、パンマイムだけで演じられるということだろう
・・・これには、本当に驚いた。

今回演じられた3番のうち、「道成寺」と「紅葉狩」は、能や歌
舞伎舞踊でもおなじみの演目。

そして、「愛宕詣」は、落語の「愛宕山」みたいにカワラケ投げ
(舞台から煎餅を投げる)をする場面があったりもする。

さらに、色好みの主人が、茶屋で出会った娘に心ひかれ、実
はとんだババをつかまされてしまうというその後の展開は、先
月見たばかりの狂言「業平餅」によく似ていた。


こうした各地の伝統芸能は、原則として、その場に行かない
と見られないし、その上、上演時期も限られているから、こう
して東京で見られる機会というのは、とても貴重である。

ただ、予備知識なしで見に行ってしまったのは、ちょっともっ
たいなかったかな・・・次の機会には、少し勉強してから行こ
う・・・とぞ思ふ。
posted by JTm at 20:09| 雑記 | 更新情報をチェックする

2016年10月26日

2016.10.25 宮崎・高千穂の夜神楽@国立能楽堂

2016.10.25 宮崎・高千穂の夜神楽

演目
主催者挨拶      宮崎県副知事(知事病気のため代理)
第一部 講演会    司会・小川直之(國學院大學教授)
    「生命(いのち)燃える神楽の魅力」 
           三隅治雄(芸能学会会長)
    「神楽の音楽について」 
           小島美子(国立歴史民俗博物館名誉教授)
   (休   憩)
第二部 神楽公演   三田井地区神楽保存会
           解説・高千穂神社宮司
     「神颪(かみおろし)」
     「杉登(すぎのぼり)」
     「住吉」
     「手力雄(たぢからお)」
     「鈿女(うずめ)」
     「戸取(ととり)」
     「御神体」

第一部は、神楽研究者の方々のご講義。興味深いお話
でしたが、ふたりの講師が、いずれもご高齢にもかかわ
らず、とってもお元気なのに感心。
・・・やっぱり、神様のご利益があるのでしょう。

第二部は、宮司さんの簡単な解説の後、実演へ。

「神颪」。場を清め、神々を招くための舞。
 a神颪(1).JPG

「杉登」。杉の大木に神様が降臨して、里人を祝福し、
去って行く。神招き〜降臨〜鎮魂の後舞の順で。
b杉登(1).JPG b杉登(2).JPG b杉登(3).JPG

「住吉」。海の神であり、また和歌の神でもある、住吉
神を讃える舞。
  住吉.JPG  

ここから三番は、天照大神の岩戸隠れの伝説(神話)
を描く。・・・これが天岩戸です。
  c手力雄(1).JPG

「手力雄」。隠れてしまった天照大神を捜す、手力雄神。
面(おもて)の顔色に注意。
  c手力雄(2).JPG  

「鈿女」。手力雄神が発見した岩戸の前で、舞を披露。
静かな舞です。
d鈿女(1).JPG d鈿女(2).JPG 

「戸取」。天照大神が、ちらっと覗いたのを見て、手力
雄神が、全力で岩戸を引き開ける・・・顔が、真っ赤に!
e戸取(1).JPG e戸取(2).JPG e戸取(4).JPG

「御神体」。伊弉諾命・伊弉冉命が、酒を造り、国を
産む舞。真夜中に行われるそうで、眠けざましに?
客席を回って、ユーモラスな仕草を見せる。

登場・・・
f御神体(1).JPG

舞台から、正面の階(きざはし)を通って、客席へ・・・
この階段、お能の公演では、決して使いません。
 f御神体(2).JPG f御神体(3).JPG

これからがいいところ!でしたが、次の予定があり、
ここで失礼させていただきました。・・・すいません。   
posted by JTm at 08:43| 雑記 | 更新情報をチェックする

2016年09月25日

2016.9.24 特別企画公演「日本の太鼓」@国立劇場

2016.9.24 国立劇場開場50周年記念
    第40回 特別企画公演「日本の太鼓」・第一日

演目
鶴の寿(つるのことぶき)     作調=藤舎呂英
  出演 藤舎呂英連中 
      囃子 藤舎呂英、藤舎円秀、藤舎清之、望月太津之、
         梅屋右近、藤舎呂裕、望月正浩、望月呂鳳
      笛  福原徹彦、福原百七
      長唄 杵屋佐喜、杵屋長寿郎、杵屋利次郎、
         吉住小碌、杵屋正則
八丈太鼓(東京都八丈島)
  出演 八丈島太鼓の会 菊池隆、菊池卓
尾張新次郎太鼓(愛知県名古屋市)
  出演 尾張新次郎太鼓保存会
       服部貴行、土方道人、林克久、岡田健二、安井貴広、
       山田成美、棚橋春美、松岡秀春、松岡義大、鳥山竜佑、
       鈴木快斗、安井富、安井久晃
石見神楽「大蛇(おろち)」 
  出演 谷住郷神楽社中(島根県江津市)
       右田哲也、大迫吉秀、大場俊弘、早弓智博、大畑慶介、
       大畑公介、恵木勇也、太田祐三、大杉典久、岩崎優、
       原広樹、岡本祐一、右田達郎、青木修平、別所良祐、
       濱吉勇介、島田雅也
  (休   憩) 
独演「千年の寡黙2016」   作曲=林英哲
       独演 林 英哲
大太鼓連打「七星」      作曲=林英哲
  出演 林 英哲
     英哲風雲の会 上田秀一郎、はせみきた、服部博之、木村優一、
            辻祐、上坂優、田中嘉久、石塚拓矢

あまり馴染みのない分野の会に、またもお邪魔したのは、
一昨年、文京シビックHで拝見した「石見神楽」の名に惹
かれたからだった。

もちろん、再見の石見神楽「大蛇」は、前回にも増して(な
にせ舞台が広いから)の勇壮さであったが、他の出演者
もまた、勝るとも劣らない見事さだった。

プログラムは、創作太鼓と各地に伝わる伝統芸能によっ
て構成されている。

「鶴の寿」。開場50周年の記念に委嘱された祝祭の曲だ
そうで、この日が初演。

能の「式三番」をモチーフに、太鼓を主体にして、鼓、笛、
そして長唄のアンサンブル。長唄の詞は、能の謡の「とう
とうたらり・・・」をアレンジしたものだったようだ。

「八丈太鼓」。プログラムには、宇喜多秀家を始め、戦に
敗れてこの島に流された流人たちが、刀を桴(ばち)に
持ち替えて打ち鳴らした・・・という、話が紹介されていた。

演者の両菊池氏は、父子だそうで、確かによく似たお顔
立ちだった。

ひとつの太鼓をふたりで打つ、両面打ちという技法で演
じられ、文字通り、「打てば響く」という、絶妙のコンビネー
ション・・・掛け合いの妙味である。

二日続きのこの公演だが、両日とも、災害から復興した
伝統芸能の演目が、ひとつずつ組み込まれている。
(ちなみに二日目は宮城県気仙市の太鼓)

初日のこの日は、この「尾張新次郎太鼓」がそれ。
もともと、熱田神宮の神楽から発祥して、愛知県西部に
広まった太鼓演奏は、昭和34(1959)年の伊勢湾台
風による被害と、その後の高度成長期の価値観の変化
で、次第に廃れつつあった。

その中で、率先して若者たちを指導し、自分の技法を惜
しみなく伝えたのが、西川新次郎(1912-82)さんで、
今、その名を冠した保存会には、会員・準会員あわせて、
200名以上が所属しているそうだ。

笛の演奏に合わせて、ひとりの奏者が、それぞれ、長胴
太鼓と締太鼓を両手の桴で打ち分ける。時に、桴を投げ
上げたり、バトンのように回したりする、“曲打ち”も見せる。

8人の太鼓奏者の動きが、見事にシンクロして、視覚的
にも見ごたえがある演奏だった。

「石見神楽・大蛇」。一昨年シビックHで見たのは、島根県
吉賀町の会だったが、今回は、江津市に本拠を置く会。

「大蛇」は、石見神楽の代表的演目で、素戔嗚尊が八岐
大蛇を退治した神話に基づくもの。

なんと言っても、大蛇の舞のすごいこと!とぐろを巻いて
せりあがったかと思うと、次の瞬間には数頭の大蛇が、
絡み合う・・・そのすばやいこと!

そして、長丁場の間中、速いテンポで打ち鳴らされる太鼓
が・・・・これまた、お見事!

休憩後の後半は、太鼓奏者にして作曲家の林英哲氏の
登場。

林氏は、広島県出身で今年64歳。若いころから、鬼太鼓
座や鼓童での活動を経て、1984年には、初の和太鼓ソ
リストとして活動を開始したとか。

「千年の寡黙」は、昭和60(1985)年の初演。世界初の
和太鼓独奏曲だそうだ。

舞台中央に特別大きな太鼓を配し、左右に、様々な形の
太鼓が、ドラムセットのように組み合わせておかれている。
これを行き来しつつ演奏しながら、最後は、中央の大太鼓
での演奏となる。

いやー・・・なんかもう、頭がクラクラ。
何も考えられず、何も感じず、ただただ、どっぷりと、太鼓
の響きの中に浸かってる・・・・そんな感じ。
でもって、これがなんとも心地よい。

最後「七星」は、英哲氏とお弟子さんたちとの計9台の大
太鼓の連打・・・引き続き、太鼓のシャワーを、たっぷりと
浴びさせていただきました。

最後にもうひとつ。
前後半とも、国立劇場の舞台機構をフルに使用した、ス
ピーディな舞台転換が、実に鮮やか。前演目の興奮を、
途切れさせることなく後に続けて、より一層、演奏を盛り
上げた。・・・・特筆して称えたい。
posted by JTm at 10:29| 雑記 | 更新情報をチェックする