2018年05月30日

2018.5.29 桂吉坊×木ノ下裕一ふたり会@浅草見番

2018.5.29 凸凹伝芸教室 桂吉坊×木ノ下裕一ふたり会

演目
ご挨拶とオープニングトーク   桂 吉坊
                木ノ下裕一
落語「皿屋敷」         桂 吉坊
  (仲 入 り)
歌舞伎トーク「番町皿屋敷」   木ノ下裕一
まとめ?トーク         桂 吉坊
                木ノ下裕一
 (三味線:恩田えり、鳴物:柳家花ごめ、金原亭小駒)

土曜日に続く浅草見番だが、客筋がまったく違う・・・
若い女性、多数。

木ノ下裕一氏は、「古典演目の現代的上演を行う」、木
ノ下歌舞伎の主催者。月末まで上演中のコクーン歌舞伎、
「切られの与三」でも補綴を担当。

わたしは、三年前に一度、「三人吉三」を見ている。⇒

このおふたりの会は、今まで何度か開かれているようだ
が、この会場で、この主催者で行われるのは初めてだそ
うで、今後も続く・・予定とのこと。ぜひ、お願いしたい。

吉坊「皿屋敷」。今回のテーマが、落語と歌舞伎のお菊
さんなので、まずは落語から。

東京では「お菊の皿」と呼ばれる噺だが、元は上方落語
なのかな。舞台は姫路(播州)で、青山鉄山は、姫路の
代官という設定。皿屋敷は、今は車屋敷と呼ばれている
・・調べたら、姫路城の車門近くにあるから、だそうだ。

伊勢参り帰りの男が、三十石船で皿屋敷のことを知らず
に恥をかいた・・というところから、丁寧に演じた。

お菊さんの人気が高まって、観客が増え、演技?がクサ
くなる・・などというのはお江戸版と一緒だが、興行師
は登場しなかった。

お菊は二度の登場だが、いずれも鳴物が入って、一度目
は淋し気に、かつ、不気味に。そして、二度目は見事な
芝居振りで。サゲは「風邪だから明日休むの」と。

木ノ下裕一「歌舞伎トーク」。歌舞伎の「番町皿屋敷」
は、岡本綺堂作で、大正5年に、二代目市川左團次、市
川松蔦の顔合わせで初演。ジャンル?としては新歌舞伎、
である。

お菊伝説は、各地にあるそうで、皿が一枚無くなる原因
もいろいろ、中にはお菊が粗忽で割ってしまう・・とい
うのもあるとか。

岡本綺堂版は、殿様・青山播磨は、純粋にお菊を愛して
いたが、身分違いの恋なので、不安にかられたお菊が、
播磨の心を試すべく、皿を割った・・ということになっ
ている。(これ、落語「厩火事」みたい)

鉄山の横恋慕が原因となる落語と比べ、より、現代(と
言っても大正時代の)的に、人の深層心理を扱う内容と
なっているようだが・・・うーん、正直、歌舞伎では見
たくないなぁ・・・あまりに暗すぎる。

木ノ下歌舞伎で上演したら、どんなふうに作り上げる?
・・・そのあたり、もう少し突っ込んで聞きたかった。

最後は、吉坊師も登場して、再びふたりのトーク。
ここからは、落語の皿屋敷について、木ノ下氏が吉坊師
に聞く・・というかたち。

皿屋敷は、三代目春団治師が得意としていた噺だそうで、
鉄山がお菊を責め、最後は斬り殺す場面など、実に美し
い所作だったとのこと。米朝師から伝わった噺だが、
「春団治師匠の方がきっちり演ってはった」そうだ。

男性ながら大阪のオバチャンそのまんま、という雰囲気
の(失礼!)木ノ下氏、しゃべり出したら止まらない勢
いで、いつ終わるのか、少々、不安にかられたが、意外
に早く、きっちり2時間で終演。
posted by JTm at 09:47| 雑記 | 更新情報をチェックする

2018年02月12日

2018.2.11 粋曲・柳家小菊を聴く会@お江戸日本橋亭

2018.2.11 粋曲・柳家小菊を聴く会

演目
落語「たらちね」    春風亭一花
落語「権助魚」     立川平林
粋曲          三味線と唄=柳家小菊
  (仲 入 り)
端唄          三味線=花季珠代
            唄=柳家小菊
ご存知         三味線と唄=柳家小菊
               (鳴物=春風亭一花)

かわら版の2月号に広告が出ていたので申し込んだ。
ずいぶん遅い告知だなーと思ったのだが、どうやら
予定していた会が出演者の都合で中止になり、急遽、
企画された・・・というウワサ。

一花。前日に続き同じ会場で。噺は「たらちね」。

平林。“ひらりん”と読むそうだ。談志家元の弟子で、
今は談慶師預かり・・お初です。
「権助魚」。いろいろと“装飾”が多くて、いかにも
立川流・・という感じ。

小菊。まずはいつも通りのスタートで・・・
「梅は咲いたか」「並木駒形」。

“ご当地”なので・・・「お江戸日本橋」。

そして、季節にちなんで、雪の唄・・・
「雪のだるま」「御所のお庭」「初雪に」。

都々逸4曲も、冬らしい選曲。

そして、「伽羅の香り」「鬢のほつれ」、会場から
のリクエストは、「大津絵節・冬の夜に」。
火消しの女房が、仕事に出た亭主を案じながらつぶ
やくように歌う・・・志ん生師匠がお好きだった唄
だそうで。

休憩を挟んで、端唄の花季珠代さんとの共演で、
「獅子頭」「淀の川瀬」「のび上がり」「春雨くず
し」。

花季珠代さんは、端唄・花季会の主催(という言い
方が正しいのかどうか?)で、小菊師は、その母上
の知優佳師匠に、お稽古をしてもらっていたそうだ。

「三味線つけて貰うと、とっても楽だわー」と何度
も言っておられたのが印象的(笑)。

最後はもう一度、ソロに戻って、
「からかさ」「どんどん節」。

ご一緒に、と・・・「祇園小唄」「明治一代女」
「松の木小唄」。聞いたことはあるけれど、一緒に
歌うのは、無理無理。

「柳の雨」「槍錆」「裏の背戸や」「酒と女」、
「春雨」の節で「呉服づくし」。

そして最後は、お賑やかに、「品川甚句」で〆。

2時開演で、4時過ぎまで、たっぷりと聞かせてい
ただきました・・・すごーく幸せだったんですが、
これでまた、しばらくの間、寄席の15分の高座が、
もの足りなく思えちゃうよなぁ・・・。
posted by JTm at 10:08| 雑記 | 更新情報をチェックする

2018年01月28日

2018.1.27 番楽@国立小劇場

2018.1.27 国立劇場民俗芸能公演 番楽 第二部

演目
根子番楽(ねっこばんがく) 根子番楽保存会(秋田県北秋田市)
 口上
 露払い
 翁舞(おきなまい)
 敦盛(あつもり)
 三番叟(さんばそう)
 信夫太郎(しのぶのたろう)
  (休   憩)
 作祭り(さくまつり)
 鞍馬
 曽我兄弟
 鐘巻(かねまき) 

昨年秋に、能楽堂での黒川能公演を見た時、山形県に
伝わるこの芸能のルーツのひとつが、隣県・秋田に伝
わる「番楽」であるかも?との知識を得た。

で、たまたまその時にチケット発売中だったこの会を、
ついつい、購入してしまった次第。

「番楽」は、神楽の一種に分類される芸能で、かつて
は、山伏が携わっていたと考えられている。

その中で、今回見た根子番楽は、秋田県北秋田市阿仁
の根子集落に伝承される。この地域はいわゆるマタギ
の里であり、番楽を担ってきたのもその人々である。

息災延命を祈る神楽の定番の演目に加えて、長刀や刀
を勇ましく振り回す、勇壮な演目が多いのは、狩猟を
生業とする人々の芸能であることの証、かもしれない。

今回の上演演目のなかでも、「敦盛」「信夫太郎」
「鞍馬」「曽我兄弟」「鐘巻」などが、合戦の様子を
語る舞であったり、兵法比べの様子を伝えたり、仇討
ち修業の様子を見せたりと、激しい動きの活発な舞で
ある。

わたしが一番面白かったのは「鞍馬」で、これは、牛
若丸と弁慶が兵法比べをする物語だ。

舞台が京の五条の橋の上ではなく、鞍馬の山中とだっ
たのは、ちと、「?」ではあったけれど。

それでも牛若丸は、「ここと思えはまたあちら」の身
軽さで弁慶を翻弄し、最後はなんと、弁慶の持つ長刀
の柄の上に乗ってしまう・・

牛若役は、もちろん子どもさん・・たぶん、小学生だ
ろう。この少年ばかりでなく、冒頭の「露払い」にも、
子どもたちが登場し、大活躍。

プログラムの解説によれば、昭和39(1964)年から地
元の小学生全員に、番楽を教える活動が始まり、その
“卒業生”の中から、今を担う指導者が誕生している由。

そして、演者ばかりでなく、客席を埋めた観客の方も、
かなりの部分、地元からの「応援団」だったのではな
いかな・・・?

地元に伝わる芸能を大切にし、みんなで応援して、次
代に伝えて行こうという意気込みが大いに感じられる、
すてきな公演であった。
posted by JTm at 14:57| 雑記 | 更新情報をチェックする