2017年06月09日

2017.6.8 千作千五郎の会@国立能楽堂

2017.6.8 第二回 千作千五郎の会

演目
狂言「文相撲(ふずもう)」
   大名=茂山千作、太郎冠者=茂山童司、
   新参の者=茂山逸平、  後見=島田洋海
狂言「伯養(はくよう)」
   伯養=茂山千五郎、何某=松本 薫、
   勾当=茂山七五三、   後見=井口竜也
  (休   憩)
狂言「鱸包丁(すずきぼうちょう)」
   伯父=茂山千五郎、甥=茂山 茂、 
               後見=山下守之
附祝言「猿唄」    山下守之

「文相撲」。新参の召使が、相撲が得意と知って、勝
負を挑む主人・・・あっさりと負けてしまい、あまり
の悔しさに、家に伝わる相撲の秘伝書を見て、再び勝
負を・・・ 

取組みの最中に、秘伝書を出して読む馬鹿らしさが、
たまらなく可笑しい。マニュアル偏重の現代を皮肉っ
ているようにも思えるが・・・古典演目です。

「伯養」。これはたぶん、初めて見る演目。

座頭の伯養は、師匠の琵琶が壊れたため、何某のとこ
ろへ、琵琶を借りに行く。ところが、そこにもうひと
り、琵琶を借りに来た者がいて・・・

この相手は、座頭より位が上の、勾当。中世の身分制
社会では、上の者の権力は絶対・・・しかし、伯養も、
借りずに帰るわけにはいかない。

結局、何某の仲裁で相撲で決着をつけることになるの
だが、ふたりとも目が見えないため、とんだことに・・・

あまり見る機会がないのは、たぶん、盲人を揶揄する
ような内容と見られてしまうからだろう。まあ確かに、
笑いながらも、あまり後味はよくない。

ここまで二曲、相撲がらみ・・・しかも、対戦する演
者は、どちらもおじvs.甥。

「鱸包丁」。祝宴用の魚に鯉を持って来るよう伯父に
頼まれたが、ずぼらな甥は、用意などしない・・言訳
に、「求めた鯉をカワウソに喰われた」と。

伯父は、これを嘘と見破る・・さて、その仕返しは?

伯父が、見事な仕方話でスズキを料理・・甥が包丁人
の子であることは、会話の中で示されるが、伯父もま
た、同じような仕事であることをうかがわせる。

如何にも美味そうなスズキ料理が出来上がった・・と
思いきや、「こちらのスズキはホウジョウに喰われて
しまったよ!」・・というのがオチ。

プログラムに解説がなければ、何のこっちゃ、わから
ん・・というところ。「ホウジョウ(嘘の意)」との
ことだが、さて、どんな字を書くのかな・・ちょっと
調べたけど、わっかりませーん!
posted by JTm at 11:30| 狂言 | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

2017.5.20 江東薪狂言@江東区文化センター

2017.5.20 第18回 江東薪狂言

演目
火入れ式
狂言のお話       茂山 茂
狂言「鬼瓦」
       主人=茂山あきら、
       太郎冠者=茂山童司、  後見=井口竜也
狂言「木六駄」
       太郎冠者=茂山千五郎、茶屋=茂山七五三。
       主人=島田洋海、伯父=松本 薫、 後見=茂
  (休   憩)
区民参加狂言「金津」
       すっぱ=茂山千作、金津の里の男=茂、
       金坊師(子方)=茂山鳳仁、
       金津の里の衆=山下守之、童司、区民参加者5名、
       後見=千五郎、島田

昨年に続き、雨の心配のない日和に恵まれて、勇んで?
到着したのに、入って目についたのは・・・
  0520.JPG
えー、今年でおしまいなの!?
・・そりゃ、あんまりぢゃわいのう・・・

色々言いたいことはあるけれど、ひとまずは狂言に集中。

「鬼瓦」。長かった都での滞在を終えて、故郷に帰る
ことになった大名が、信仰していた因幡堂に参詣。そ
うだ、故郷にもこのお薬師様を勧請しようと思い立つ。

その日のためにと、お堂を見て回るうち、「おや、あ
の鬼瓦が誰かに似てる・・・」

鬼瓦そっくりの奥方が恋しくて泣いてしまうお大名・・
愛のチカラ、です。

ちょっと気弱そうなお大名、優しく見守る太郎冠者、
どちらもはまり役の親子共演。

「木六駄」。ちょっと季節外れながら、雪道を12頭の
牛を追って歩く・・・という物語。

降りしきる雪の中、苦労してたどりついた峠の茶屋・・
ここで酒を呑んで温まろう!という太郎冠者の目論見
だったが、「すまん、売り切れじゃ」。

あー、もう、ひと足も歩けない!という太郎冠者に、
茶屋の亭主は、「お前、酒、持ってるじゃないか」
いや、これは、主人から伯父御様に差し上げるもので・・
「そうは言っても、お前がここで歩けなくなっては、
お使いの役が果たせないだろ?」・・ごもっとも。

というわけで、太郎冠者と茶屋の亭主が大宴会。
千五郎師、豪快な呑みっぷり、そして酔いっぷり。
大柄な身体を存分に活かしての演技。千鳥足の鶉舞
(うずらまい)は、舞台から落ちやしないかと心配に。

「金津」。区民参加狂言は、立衆と呼ばれる“その他
大勢”の役がある演目なので、演目が限られる。この
「金津」は、たぶん、初めてだろう。

ちょうどよい子方がいないとね・・・今回は、千五郎
師の三男坊・鳳仁(たかまさ)くん、8歳。

越後の国、金津に住む男が、建立したお堂に祀る地蔵
像を求めに、都にやって来る。・・これに目をつけた
のが、都の“すっぱ”(詐欺師)。

なんと、自分の息子を地蔵像に化けさせて、まんまと
金を騙し取る・・・

えー、いくらなんでも、生きた少年と、作り物の地蔵
像を間違えるか!?
・・などという指摘は、野暮です、野暮。

「必ずものを言うな」と命じられたはずの坊やだが、
やっぱり子どもです、「まんじゅうが喰いたい」と・・
素朴な里の衆、早速に饅頭をお供え。

と、今度は「古酒が呑みたい」・・・
えー、子どものくせにお酒ですか? まあ、未成年者
飲酒禁止法なんてぇのは無かった時代だから。

お酒を呑んだ「お地蔵さん」は、つい、居眠りを・・
里人は、「生き仏さまだ!」と大喜び。

ついには、立ち上がり、踊りまで踊ってしまうお地蔵
さん・・・供えたお酒のお流れを頂戴した里人も、大
いに浮かれて・・・踊りながら退場。

いつもなら、ここで附祝言があるはずだが、今回はそ
のまま終演に・・・これ、「金津」が歌と踊りで終わっ
たから・・ですよね?・・・最終回だから、ではなく。

それにしても、残念な「休止」ではある。ぜひぜひ、
また復活して欲しい・・・アンケートにも書いて出し
てきたけれど。
posted by JTm at 09:48| 狂言 | 更新情報をチェックする

2017年05月08日

2017.5.7 お豆腐の和らい・東京公演@紀伊國屋ホール

2017.5.7 お豆腐の和らい 都の賑わい狂言

演目
ご挨拶と解説       茂山童司
狂言「棒縛(ぼうしばり)」
    次郎冠者=茂山あきら、主人=茂山千作、
    太郎冠者=茂山千三郎、  後見=井口竜也
  (休   憩)
アンケートのお願い    山下守之
狂言「長光(ながみつ)
    すっぱ=茂山千五郎、田舎者=松本 薫、
    目代=鈴木 実    後見=茂山千三郎
狂言「籤罪人(くじざいにん)」
    太郎冠者=茂山童司、主人=茂山七五三、
    町内の衆=茂山 茂、井口竜也、山下守之、
         増田浩紀、茂山あきら
    笛=藤田貴寛
    後見=茂山千三郎、鈴木 実
附祝言「猿唄」       茂山宗彦

昨年は、他と重なって行けず、二年ぶりのお豆腐の
和らい。
ご当主・千五郎さん、お手ずから、チケットをもぎ
る・・・いつもながら、気さくなこと!

今年は、京都を舞台にした狂言の特集だそうで。

「棒縛」。テーマは「酒」・・・伏見の、ね。

先日、大蔵流五家の公演でも見たばかり。

あの時、最後の場面で、主人役の山本則秀さんは、
真っ直ぐ立ったままで、杯を覗く様子を見せたが、
今回の千作師は、ぐうっと前に乗り出すようにして
立つ。

まさに、山本家と千五郎家の、芸風の違い。

「長光」。テーマは「市場」。

こちらは、五家の時に見た「茶壺」と同工異曲。
故郷に帰る前に、土産物を物色する田舎者が持つ太
刀に、すっぱ(詐欺師)が目をつける。

相手の隙をついて、太刀を自分の腰に佩いてしまう
・・・まさに性質が悪い。

目代(役人)が、太刀の銘や大きさなどを問い、田
舎者が大きな声で答えると、すっぱは真似をして・・・

でも、「茶壺」のすっぱほど、もの覚えが良くない
みたい・・・覚えきれなかった個所を、ぐにゅぐゅ
と誤魔化す様子は、なんだか、落語みたい。

「籤罪人」。テーマは「祭」・・祇園祭です。

今年の祭の計画を練る一同・・・召使の太郎冠者が
いちいち、口を出すので、主人はおカンムリ。

しかし、その太郎冠者が提案した、「地獄の鬼が、
罪人を責めるところ」が、一同の賛成を得てしまう。

しかも、役もめが無いようにくじ引きをすると、罪
人を引き当てたのは主人・・そして、鬼は太郎冠者。

このあたり、如何にも狂言らしい設定。

籤に目をやった主人が、さっと顔色を変え、「やり
直そう」と言う・・・でも、くじをやり直すのは、
縁起が良くないと止められる・・これ、面白い。

いざ、お稽古となると、なにやら、鬼より罪人の方
が強いし怖い・・・身分制の社会では、召使はごく
軽んじられる存在なのだということを、改めて感じ
た。

最後の附祝言は、普通は後見の人がそのまま残って
謡うのだけれど、今回は、宗彦さんが登場!

沢田研二氏主演のミュージカルに出演中なので、今
回の狂言会は欠席と聞いていた・・・もっぴーファ
ンとしては、嬉しいサプライズだったが・・・

あれ? 紋が違う・・・
黒紋付は、童司さんからの借り着だったようで。
posted by JTm at 11:44| 狂言 | 更新情報をチェックする