2019年07月08日

2019.7.7 大蔵流五家狂言会@国立能楽堂

2019.7.7 第五回 大蔵流五家狂言会

演目
狂言「業平餅」
  在原業平=善竹大二郎、従侍=大藏教義、
  稚児=大藏ゆき、白丁=茂山千之丞、大藏基誠、
  白丁・傘持=善竹隆平、茶屋=茂山逸平、
  茶屋の娘=善竹忠亮、  後見=善竹隆司
  囃子方 笛=杉 信太朗、小鼓=田邊恭資、大鼓=亀井広忠
狂言「止動方角(しどうほうがく)」
  主人=善竹富太郎、太郎冠者=茂山千五郎、
  伯父=山本則孝、馬=茂山 茂、 後見=島田洋海
  (休  憩)
狂言「唐相撲」
  帝王=大藏彌太郎、日本人=山本泰太郎、
  通辞=茂山忠三郎、
  唐子=大藏章照、大藏康誠、大藏ゆき、大藏さき、茂山良倫、
  唐人=茂山千五郎、山本則孝、善竹隆司、茂山宗彦、茂山 茂、
    善竹隆平、大藏基誠、茂山逸平、善竹富太郎、善竹忠亮、
    大藏教義、善竹大二郎、茂山千之丞、山本凛太郎、
    石倉昭二、上田圭輔、江口史明、小川一幸、小梶直人、
    片桐伸直、川野誠一、肥沼潤一、鈴木 実、髙木謙成、
    寺本雅一、冨田昌美、中村隆志、野島伸仁、肘岡拓朗、
    宮田蒼一、宮本 昇、吉田信海
  囃子方 笛=杉 信太朗、小鼓=田邊恭資、
      大鼓=亀井広忠、太鼓=大川典良
  後見=山口耕道、島田洋海、井口直也、山本善之

東京と関西で交互に開催のこの会、今回は第五回記念?
に、大曲「唐相撲」・・国立能楽堂、満席です。

「業平餅」。玉津島に向かう在原業平の一行が、途中の
茶屋で休憩・・ところが、代金が払えない。代わりに歌
を詠もうと言う業平に、茶屋の亭主はプンプン。

しかし、代わりに「うちの娘を京都に連れて行って行儀
作法を仕込んでください」という話になり、業平はよう
やく餅にありつく・・食べっぷり、お見事!

もとより色好みの業平は、これ幸いという気だったのだ
けれど・・さて、この娘は?

他の白丁(召使い)がさっさと引っ込んだあとも、橋掛
で居眠りをしていた傘持が、最後に大活躍の逆転も愉快。

「止動方角」。人使いの荒い主人の命で、伯父のもとに
沢山の借り物に行った太郎冠者。上手く借りられて喜ん
で帰るが、主人は「帰りが遅い!」と。

この馬には、ちょっと癖があって、後方で咳をすると暴
れる・・伯父からそれを聞いていた太郎冠者は、一矢報
いようと・・・

横暴でわがままな主人だが、馬から落ちて呆然とする姿
は、ちょっと可愛らしい。そんなに悪い人でもないのか
も・・と、太郎冠者も思っているみたい。

ここまでの二曲、セクハラとパワハラが主題・・でした。

「唐相撲」。全部で40人近い(囃子方を入れればそれ以
上)人が、舞台から橋掛にかけて勢揃い・・そして、日
本人と通辞役のふたり以外は、なにやら怪しげな言葉を
話すという・・タモリさんを思い出す。

多くの出演者を必要とするので、上演機会はあまり多く
ない。10年ほど前に、国立能楽堂の記念公演で見たくら
いだろうか。その時は、今回の通辞役、茂山忠三郎師の
お父上、先代忠三郎師が帝王役だった。

唐の皇帝に仕えていた日本人相撲取りが、故郷忘じ難く
帰国を願い出る。すると皇帝は、名残にもう一度相撲を
見せて欲しいと言い、帝室の使用人たちを次々に召し出
して・・・

この相撲の取り組みがすごい。そしてめちゃくちゃ楽し
い・・見ている方ばかりじゃなく、演ってる皆さんも大
いに楽しそう・・

だけど、一夜明けたらあざだらけ、なんてことになって
いませんように。

狂言師さんたちの身体能力の高さに、大いに感動。
posted by JTm at 11:27| 狂言 | 更新情報をチェックする

2019年06月23日

2019.6.22 東次郎家伝十二番@横浜能楽堂

2019.6.22 東次郎家伝十二番 第三回

演目
狂言「楽阿弥」
  シテ(楽阿弥)=山本則孝、アド(旅僧)=山本則重、
  アド(所の者)=若松 隆、    後見=山本凛太郎
  囃子方 笛=栗林祐輔、小鼓=森澤勇司、大鼓=佃良太郎
  地謡=山本則俊、山本則秀、山本修三郎
  (休  憩)
狂言「花子(はなご)」
  シテ(夫)=山本東次郎、アド(太郎冠者)=山本凛太郎、
  アド(妻)=山本泰太郎、  後見=山本則俊、山本則秀

「楽阿弥」。今年の1月、国立能楽堂の会で和泉流
のを野を見ているが・・うーん、こんなに難しかっ
たっけ?

国立能楽堂主催公演の、プログラムの充実と字幕の
ありがたさを改めて感じてしまう・・・。

尺八を吹いて吹いて、土地の人々に疎まれてしまっ
た男の悲劇。話を聞いて哀れんだ僧が、供養のため
にと尺八を吹く。

普通のセリフはほとんどなく、ずーっと謡が続く。
これが、なんとも心地よすぎて・・・爆睡しました。
ごめんなさい。

「花子」。昨年暮れから千之丞襲名披露等で見る機
会が多かった曲。三月には千作師73歳の渾身の演技
も見たが、今回は御年82歳のシテ。今までに見た中
で最高齢。

でもそんな年齢のことは、まったく感じさせない、
若々しく可愛らしい男を、のびやかに演じて見せて
(いや、魅せて、かも)くださった。

山本家の「花子」のシテの装束は、「紅地枝垂れ桜
模様唐織」の上に、「花色地藤八ッ橋模様素袍」と、
(花色は花色木綿の花色でつまり紫に近い色)プロ
グラムに紹介があった。

前半のきっちりした着付けが、後半、花子のもとか
ら帰宅すると、素袍の片袖を脱ぎ、烏帽子も失くし
・・と、なんとも色っぽい姿に。

下に着る唐織の赤と、素袍の花色の対比が鮮やかで、
実に美しかった。

今回、何が上演されるのか、何も見ずに出かけてし
まったのを大いに反省。次回は必ず予習を・・・。
posted by JTm at 08:30| 狂言 | 更新情報をチェックする

2019年05月26日

2019.5.25 東次郎家伝十二番@横浜能楽堂

2019.5.25 東次郎家伝十二番 第二回

演目
狂言「抜殻(ぬけがら)」
  シテ(太郎冠者)=山本則秀、
  アド(主)=山本則重、  後見=山本則俊
  (休  憩)
狂言「花盗人」
  シテ(三位)=山本東次郎、
  アド(何某)=山本泰太郎、
  立衆(花見の客)=山本則孝、山本則重、
      山本凛太郎、寺本雅一、若松 隆
  後見=山本修三郎

「抜殻」。茂山千五郎家の公演では何度か見ている。
物語自体は同じである。

使いを命じられた太郎冠者だが、いつも使いの前に
呑ませてくれる酒を、今日は主人が忘れている・・・

前半は、なんとか酒のことを主人に思い出して貰お
うと、行きつ戻りつする太郎冠者の苦心・・呑んべぇ
のひとりとして共感多し。

後半は、使いの途中で眠り込んでしまった太郎冠者
を、主人が懲らしめる・・こっそりと鬼の面をかぶ
せるのだ。

自分が鬼になってしまったと思い込み、驚き慌てる
太郎冠者。

最後、いっそ死んでしまおうと泉に飛び込もうとす
ると、その勢いで面が外れ・・・
「鬼の面が泉に落ちている」ではなく「鬼の抜殻が・・」
という発想が面白い・・鬼は実在しているのだ。

プログラムに「主人が毎回使いの前に酒を飲ませる
のは、相手が同性の恋人なので恥ずかしいから」と
いう主旨の説明があったが・・へぇー、知らなかった。

狂言「花盗人」。下屋敷の桜が見事に咲いたからと、
客を連れた主人が訪れると、なんと、桜の枝が折ら
れている。

きっとまた来る・・とみんなで待ち構えていると、
そこに現れたのはひとりの出家。

前日、折り取った枝を気に入りの稚児にやったとこ
ろ、今度はもっと大枝を!とねだられてしまい、ま
たまた来てしまったのだ・・

え、これもまた同性の恋人!?・・今回はそういう
テーマなのか?

捕らえられ桜の木の根元に縛られた出家(三位)は、
あれこれと古歌を引いて、花盗人の言訳をする。

それがなかなか面白いと、主人や客たちは喜んで、
ついには共に酒盛りに・・

「花盗人に罪はない」・・なーんて鷹揚に構えてい
ると、最後に一発、強烈なパンチを喰らいます。

狂言らしい皮肉さ。
そう、何を盗もうと、盗人は盗人。悪い事は悪いと
きちんとしなくちゃね。
posted by JTm at 09:02| 狂言 | 更新情報をチェックする