2018年02月19日

2018.2.18 落語と狂言の会「お米とお豆腐」@セルリアン能楽堂

2018.2.18 落語と狂言の会2018「お米とお豆腐」

演目
口上トーク     小佐田定雄
          桂 文之助
          茂山七五三、茂山あきら
着付け実演     モデル=あきら、着付け=増田浩紀、島田洋海
落語「茶屋迎い」  桂 文之助
狂言「昆布売」   大名=茂山あきら、昆布売=茂山七五三
  (休   憩)
落言「おねがい」  小佐田定雄=作
          落語=桂 文之助
          稲荷=茂山七五三、天神=茂山あきら
      (三味線:大川貴子、鳴物:桂小鯛、桂弥太郎)

会場が江東区から渋谷の能楽堂に移ってしまった
のが、個人的には大変残念なのだが、どうも少数
意見のようで・・・

相変わらず、開演時間前からぐだぐだと?トーク
が始まり、合図の太鼓と共に、急に改まってのご
挨拶。

話題の中心は、なぜか、鯨肉。渋谷にはクジラの
専門料亭がありますから。

最後に、あきら師をモデルに、大名役の着付け実
演。5分ほどで、大名が出来上がりました。
     0218.JPG ※許可を得て撮影しています。

文之助「茶屋迎い」。掛取りに行った若旦那が、
その金を持ってお茶屋に居続け・・・迎えに行っ
た連中も次々と・・・という話なので、「木乃伊
取り」かな?と思ったけれど、最後に権助の着物
を借りて、大旦那が迎えに。

そう、「不孝者」でした。プログラムに、ちゃん
と書いてあった・・・上方では口演が絶えていた
のを、小佐田先生が復活したとか。

東京の落語だと、大旦那の昔なじみの芸者さんを
とっても色っぽく演じることが多いけれど、文之
助師は、意外にあっさり、かつ、笑いは多めで。

狂言「昆布売」。ひとりで都へ行く大名が、通り
がかりの昆布売に、太刀を持たせて従者替りにし
ようとするが・・・。

刃物を預けた相手を、見くびってはいけません。

昆布売に扮した七五三師・・どこかで見たような?
・・・小浜の観光施設に、等身大の写真パネルが
あったっけ。あれ、まだ飾っているかなぁ?

落言「おねがい」。先月の「笑えない会」の落言
も神様ネタだったが、それに続いて。

今回の神様は、お稲荷様とその末社の天神様。こ
のお社に、次々にお参りに来る人々の、勝手な願
いに、神様は困惑・・・

この参詣の人たちが、実は、ひとつの家族?とい
うことがだんだん明らかになって来る・・最後は、
ちょっとほろっとさせる、良い話に。

・・うん、もう、会場はどこでもいいです。これ
からもこの会、続けてください。
posted by JTm at 11:33| 狂言 | 更新情報をチェックする

2018年02月01日

2018.1.31 国立能楽堂狂言の会

2018.1.31 国立能楽堂狂言の会

演目
狂言「鍋八撥(なべやっぱち)」(大蔵流)
   シテ(鍋売り)=大藏吉次郎、
   アド(鞨鼓売り)=大藏教義、(目代)=善竹忠一郎  後見
   囃子方 笛=小野寺竜一
  (休   憩)
素拍子「男舞(おとこまい)」
   笛=小野寺竜一、小鼓=田邊恭資、大鼓=佃良太郎
狂言「蛸-吐墨」(和泉流)
   シテ(蛸の精)=野村萬斎、ワキ(僧)=野村万作、
   アイ(所の者)=岡 聡志   後見
   囃子方 笛=小野寺竜一、小鼓=田邊恭資、大鼓=佃良太郎
   地謡=内藤連、高野和憲、石田幸雄、中村修一、野村太一郎
  (休   憩)
狂言「千切木(ちぎりき)」(大蔵流)
   シテ(太郎)=茂山七五三、
   アド(何某)=茂山千作、(太郎冠者)=茂山千三郎、
   立衆(連歌の講中)=茂山千五郎、茂山宗彦、茂山茂、
             茂山逸平、茂山童司、丸石やすし
   アド(太郎の妻)=茂山あきら   後見=井口竜也

「鍋八撥」。新しく出来る市に最初に来た者に、永代
の営業権を与えるという高札が立つ。真っ先に来たの
は、若い鞨鼓(楽器)売り。

しかし、彼が寝ている間に、もうひとり、鍋(素焼の
焙烙鍋)売りの男が来て、先着を争う。

仲裁役の目代(役人)の言うままに、舞を舞ったり、
売り物の鞨鼓や鍋を叩いたりの「勝負」。

この、「技比べ」みたいなことで物事の決着をつける
お話は、狂言には結構多い・・いわゆる「探湯(くが
たち)」の一種なのかもしれない。

若い鞨鼓売りの動きを、年配の鍋売りがなんとか真似
しようとする様子が、なかなか愉快。このおふたり、
実の親子だそうだ。

素拍子「男舞」。男舞は、能の演目の中で、男性が舞
う祝言の舞。テンポが速く勇壮な舞・・とのこと。
今回は、素拍子なのでその伴奏音楽。

「蛸」。能のパロディのようなお話。漁師に捕られて
料理されてしまった大蛸の精を、旅の僧が弔う。

後半、蛸の被り物を身に着けて登場する萬斎師が傑作。
コスプレみたいだな・・と思ってしまった。

小書の「吐墨」は、萬斎師自身の考案だそうで、蛸だ
けに墨を吐くわけだが・・一体、どうやって?と思っ
ていたら、先日見た「土蜘蛛」のように、細い紙の糸
を投げる・・・ただし、白でなく黒の糸。

「千切木」。暮れの京都の狂言会で見たばかりだった
が、前回は脇正面、今回は中正面だったので、ちょっ
と印象が違う。

そして、茂山一家総出演の配役・・・国立らしい豪華
さでした。

終演後外に出たら、前庭で空を見上げる人多数・・・
ブルームーンでスーパームーンでブラッドムーン・・
なんだって。
2018.1.31.2106.JPG 2018.1.31.2216.JPG

posted by JTm at 14:02| 狂言 | 更新情報をチェックする

2018年01月28日

2018.1.26 笑えない会Legacy@深川江戸資料館

2018.1.26 笑えない会Legacy よね吉・千五郎ふたり会

演目
座談会          桂 よね吉、茂山千五郎
             茂山童司(司会)
  (休   憩)
狂言「空腕(そらうで)」 主人=茂山茂、
             太郎冠者=茂山千五郎  後見=山下守之
  (休   憩)
落語「仔猫」       桂 よね吉
             三味線=豊田公美子、鳴物=桂二乗、桂二葉
  (休   憩)
落言「神棚(かみだな)」 小佐田定雄=作
             落語=桂 よね吉
             神様=茂山 茂、その妻=茂山童司、
             その母=茂山千五郎   後見=山下守之
             三味線=豊田公美子、鳴物=桂二乗、桂二葉

このふたり会は、京都で会を重ねているようだが、
東京では二度目だそうだ。残念ながら前回は見ていな
い・・他と被っていたのだろうか。

「笑えない会」という名称は、自分たちには、まだ少
し力不足かな?と思えるような演目を演りたい・・・
なので、お客さんは笑えないかも?というところから
ついた名だとのこと。

そして、実際、前回の東京公演は、「さんざんだった」
・・というようなトークから開始。

まずは古典狂言の「空腕」。
この空は、大空のことではなく、からっぼの方。
日頃、腕自慢をしたがる太郎冠者が、実はとんでもな
い臆病者で弱っちぃ奴だった・・というお話。

夕暮れに使いを命じられて、主人に刀を借りて出かけ
た太郎冠者だが、立木を追い剥ぎと間違えて、「この
刀を上げるから命ばかりは・・」と懇願する始末。

心配して後をつけた主人は、これを見て、家宝の刀を
盗られては大変と、こっそりこれを取り上げて帰る。
刀を失くした言訳に、自分の武勇伝をデッチ上げる太
郎冠者だが・・・

“敵”がいなくなると、急に強気になっちゃう太郎冠者
・・・狂言にはよくあるタイプ。言訳の武勇伝の仕方
話は、大いに勇ましい。

そして実はすべてを知り、内心、ニヤニヤしながらも
その太郎冠者の“奮戦”を見ている主人・・・イジワル
なんじゃなくて、面白がっているところに好感。

落語「仔猫」。美人じゃないけど、働き者でよく気の
付く女中のお鍋さん・・・実はオソロシイ性癖の持ち
主で・・・

後から考えると気味の悪い噺なんだが、聞いている間
はむしろ、怖いより可笑しい・・・冒頭のトークで、
よね吉師は、「昔、枝雀師匠のこの噺をそでで聞いて、
怖くて震え上がった」と言っていたんだけど。

この噺、初めてではないはずだが、オチが、本性を隠
すという意味の「猫を被る」と、「齧る(かじる)」
という意味の関西弁を掛けた地口オチということは、
初めて気づいたように思う・・・お恥ずかしい。

それにしてもよね吉さん、しばらく見ないうちに、随
分とカンロクがつきましたねぇ。

落言「神棚」。落語+狂言で、落言・・です。
腕はいいが、怠け者の提灯職人、家主からの注文で、
明日朝までに提灯を10張・・・出来なければ長屋を出
て行かなくてはならない。

しかし、男は酒を飲んで寝てしまう・・・困ったのが、
この家の神棚(「死んだおっ母さんの信心で、立派な
神棚」との説明あり)に住む神様。

男が家を追い出されれば、自分たちも路頭に迷う・・・
と、男の代わりに提灯を貼ることに。

夜が明けて完成した提灯を見た男、調子に乗って、翌
日は倍の20張、さらに30張を請け負う。

大変なのは神様。嫌がる女房や姑(この神様は養子ら
しい)まで総動員して提灯を貼ろうとするが・・。

この神様家族が、必殺シリーズの中村主水一家を思わ
せて愉快。女ふたりの“わわしさ”は、群を抜いている。


予定時間を大幅に超過して、終演は9時半過ぎ。
「笑えない会」のはずなのに、なぜか大笑いしっぱな
しで、あまり長さは感じなかったけれど。
posted by JTm at 12:03| 狂言 | 更新情報をチェックする