2017年03月20日

2017.3.19 立合狂言会@金剛能楽堂

2017.3.19 第三回 立合狂言会・京都公演

演目
ご挨拶と解説    茂山千三郎、野村万蔵
          +井上松次郎、善竹富太郎
小舞競演「幼けしたるもの」「風車」 千三郎&万蔵
狂言「鶏聟」(大蔵流・茂山忠三郎家)
          聟=山本義之、舅=岡村宏懇、太郎冠者=新島健人、
          教え手=茂山良暢   後見=善竹大二郎
          地謡=茂山千三郎、島田洋海、鈴木 実、山下守之
狂言「佐渡狐」(和泉流・狂言共同社)
          佐渡ノ百姓=鹿島俊裕、越後ノ百姓=今枝郁雄、
          奏者=井上松次郎   後見=野村万蔵
狂言「寝音曲」(大蔵流・善竹十郎家)
          太郎冠者=善竹大二郎、
          主人=善竹富太郎   後見=茂山千三郎
  (休   憩)
解説        茂山千三郎、野村万蔵
狂言「呂蓮」(和泉流・三宅狂言会)
          旅僧=三宅右矩、宿の主人=高澤祐介、
          妻=前田晃一     後見=野村万蔵
狂言「佐渡狐」(大蔵流・茂山千五郎家)
          越後の国のお百姓=鈴木 実、
          佐渡の国のお百姓=島田洋海、
          都の奏者=茂山千三郎   後見=山下守之
附祝言「猿唄」   出演者全員

東京公演が楽しかったので、京都行くついでがある
からと、チケットを取ってしまった。
ギリの購入だったので、席は端っこ。それよりなに
より、京都で泊まるところがなくて・・・

ま、それはさておき。

冒頭のご挨拶と解説は、東京公演同様。実演は、水
あめをなめる仕草と、ニワトリの鳴き声。・・やっ
ぱり、派手なんです、茂山千五郎家。

そして、東京でビックリした野村又三郎さんの水あ
めのなめ方・・いったん、左手にとってなめる・・
は、同じ名古屋の和泉流・狂言共同社の井上松次郎
さんも同じ。・・学校公演だと、「あのあと手を洗
わなかった!」と子どもたちに叱られるそうです。

今回は、「佐渡狐」が比較演目。
和泉流の「佐渡狐」は、初めて見たが、冒頭に都の
奏者が登場して名乗りを上げたので、ちとビックリ。

茂山千五郎家では、ふたりのお百姓が先に出ます。
あと、佐渡に狐が居る、いないの判定をする際の、
三人の位置関係が、まったく違う・・・やっぱり、
派手なのは、茂山千五郎家。

そして、奏者に賄賂を贈る場面で、佐渡のお百姓役
の島田さんが、「ちかごろよくある話」とアドリブ
を入れたのは、万蔵師も驚いていたようだ。

「鶏聟」「寝音曲」は、茂山家で何度も見ている演
目。また、「呂蓮」は、つい先ごろ、外ならぬ野村
万蔵師の僧役で見たばかり。

おそらく、細かな違いはあるのだろうが、やはり、
一緒に見ないとね・・・

東京公演が、4時半過ぎに終わったから、こちらも
同じだろう・・・と思って、帰りの新幹線を手配し
ていたのだが、京都公演はさらに30分長く・・・

終演後は、大慌てで京都駅にすっ飛んだ。
というわけで、今回も、記念撮影はまだ途中の場面
のみ。
 IMG_0907.JPG
 IMG_0909.JPG
      あ、万蔵さん、横向いちゃった・・・ 
posted by JTm at 14:36| 狂言 | 更新情報をチェックする

2017.3.18 茂山狂言会50周年記念@金剛能楽堂

2017.3.18 茂山狂言会50周年記念

演目
お話「狂言愛好者の一人として」  
       壬生寺副住職 松浦俊昭
狂言「福部の神(ふくべのしん)」勤入
    福部の神=茂山あきら、
    鉢叩き=茂山宗彦、茂山逸平、
        茂山千五郎、茂山 茂。島田洋海、
        井口竜也、松本 薫、丸石やすし 
        後見=鈴木 実、増田浩紀
    囃子方 大鼓=谷口正壽、小鼓=曽和鼓堂、
        太鼓=前川光長、笛=森田保美 
舞拍子「船弁慶」
        金剛龍謹
    囃子方 大鼓=谷口正壽、小鼓=曽和鼓堂、
        太鼓=前川光長、笛=森田保美 
    地謡=惣明貞助、宇高徳成、豊嶋幸洋、
       種田道一、廣田幸稔
  (休   憩)
小舞「暁の明星」     茂山竜正
小舞「府中」       茂山 蓮
小舞「幼けしたるもの」  茂山慶和
小舞「柳の下」      茂山鳳仁
小舞「七つに成子」    茂山虎真
   以上の地謡=逸平、宗彦、茂、山下守之
狂言「狸腹鼓」
    伯母実は狸=茂山千三郎、
    喜惣太=茂山童司    後見=千五郎、松本
    囃子方 大鼓=谷口正壽、小鼓=曽和鼓堂、
        太鼓=前川光長、笛=森田保美 
狂言「木六駄」
    太郎冠者=茂山七五三、茶屋=茂山千作、
    主人=茂、伯父=網谷正美  後見=宗彦、逸平
附祝言「猿唄」   茂山宗彦、茂山逸平

1967年の第一回からちょうど50年という節目
の会だそうで、その第一回と同じ演目を再現。

まずは来賓のご挨拶・・・50年前は、ノーベル
賞受賞者の湯川秀樹氏だったそうで、「だいぶ
見劣りが・・」と、松浦俊昭師。

壬生寺には、壬生狂言が伝承されてあり、俊昭
師も、少年時代から演じて来られたとのこと。
1月の、国立劇場での公演を見たので、ちと懐
かしい・・国立にも来ておられたのだろうか?

「福部の神」。これはお初の演目。
もともとは、能「輪蔵」のアイだそうだが、独
立でも演じられるとのこと。

笹に茶筅を付けた鉢叩き連中が、北野神社の末
社、紅梅殿に参詣して、ひょうたんや鉦を叩い
て念仏を唱える。(この鉢叩き歌が入るのを「勤入」
という)

歌い、踊る陽気な念仏に、神様も浮かれたのか、
ふと姿を現し、共に酒を酌み、歌い、踊る・・・

よく掛かる「福の神」と同じような内容だが、
登場人物が多い分、やけに陽気である。

中世に、このようなかたちの門付け芸能があっ
たそうで、その演じ手たちはまた、茶筅を作っ
て売り歩く人でもあったのだそうだ・・・とい
うことは、あとで調べて判明。現場では、ただ
ただ、頭の中に疑問符が林立。

舞拍子「船弁慶」。50年前の公演では、金剛巌
師が演じたが、今回は、孫の龍謹師。

能「船弁慶」の中の、知盛の霊が義経一行の乗っ
た船を襲う場面・・・勇壮な舞である。

装束を付けず、黒紋付に袴といういで立ち。普段
は面の下のシテ方のお顔を、じっくりと拝見。
・・・いやー、イケメンだわぁ・・・。

休憩後は、茂山家の次代・・次々代を担う、坊や
たちの小舞から。

こればかりは、50年前には無かったね。
・・・半世紀前の茂山家には、このくらいの年齢
のお子さんはいなかったはずだから。

現千作・七五三のご兄弟が、二十歳そこそこ。
末弟の千三郎さんは赤ちゃんだ。あきら師が10代
半ばくらいかな?・・・今回の坊やたちのパパた
ちは、まだ、影も形もない時代だ。

みんなよくガンバリマシタ。地謡のパパたちも。
竜正くん、虎真くん、ぐん!と背が伸びて、もう、
坊やなんて呼んだら怒られそうです。

「狸腹鼓」。“害獣”である狸を退治するうちに、そ
のこと自体が楽しくなってしまった喜惣太。仲間を
殺された古狸が、その伯母に化けて、殺生の罪を説
き、狸狩りを止めさせようとする。

お馴染み?「釣狐」と似たような物語だが、後半、
狸の化けの皮が剥がれてからは、「狸なら腹鼓を」
と言われた狸が打つ腹鼓に、喜惣太が浮かれ、俄然、
楽しくなって来る。・・・そして、最後の大逆転・・・

狂言としては深刻な「釣狐」より、ちょっとユーモ
ラスな感があるのは、狐と狸のイメージの差か。

この狸役、伯母に化けた狸に扮する間は、装束も面
も二重にまとっていて、しかも、伯母の扮装を、舞
台上で解く。・・・体力的には、狐より辛いのでは
ないか?・・・千三郎さん、お疲れ様です。

「木六駄」。昨夏、国立能楽堂の企画で、各派・家
の演出の違いを見た演目。

そのとき聞いた話では、もともと茂山千五郎家では
この演目は絶えていたが、明治の初期に、和泉流か
ら取り入れたとのことだった。

しかし、酔った太郎冠者が興に乗って舞う「鶉舞」
は、逆に、千五郎家から和泉流・三宅藤九郎に伝わっ
たという説もあるらしい。

異流・家の交流は、今に始まったことではない、と
いうことか。

七五三師の太郎冠者、千作師の茶屋・・・息の合っ
たやりとりは、ご兄弟ならでは。・・・なにせ、
60年超の共演者同士ですからね。

七五三師の追う牛がね・・・ちゃんと見えてくるん
ですよ、なんとも不思議なことに。

最後の附祝言は、宗彦・逸平のご兄弟で。いつもよ
り少し長く。「楽しゅうなるこそめでたけれ」と。
posted by JTm at 13:18| 狂言 | 更新情報をチェックする

2017年03月17日

2017.3.16 千作千五郎の会@国立能楽堂

2017.3.16 第一回 千作千五郎の会

昨秋のW襲名を経て、新・千作、新・千五郎が
新しく挑む会。

演目
狂言「花折(はなおれ)」
   新発意=茂山千五郎、住持=茂山七五三、
   花見の衆=茂山童司、松本 薫、島田洋海、
        井口竜也、茂山 茂、  後見=山下守之
狂言「柑子(こうじ)」
   太郎冠者=茂山宗彦、主人=茂山逸平、後見=山下
  (休   憩)
狂言「武悪(ぶあく)」
   主人=茂山千作、武悪=千五郎、
   太郎冠者=茂、  後見=松本
附祝言「猿唄」     松本 薫

「花折」。上方落語の「鶴満寺」に似たお話。
花見の衆に庭を荒らされた住持は、「今年は花見
禁止」と新発意(見習い僧)に言い残して外出。

ところが留守中に花見客がやってきて、断られる
と門前で宴を張る。楽しそうな様子を見て、新発
意は・・・?

真面目だが酒にはだらしのない新発意と、そこに
つけこむちゃっかり者の花見の衆・・・春の狂言
にふさわしい明るさと馬鹿らしさが、“満開”です。

「柑子」。柑子とはミカンのこと。前夜の宴会の
折、三つ生りのミカンを貰って召使に預けた主人
は、それを思い出して、「持ってこい」と言う。

ところが召使の太郎冠者は、自分に下さったもの
と思って、みんな食べてしまって・・・

太郎冠者が、これをどうごまかすか?が見せ場。
「栗焼」などと、同工異曲というところだ。

洒落た言訳を考えてご満悦の太郎冠者の笑顔と、
食べられてしまったと分かった主人の渋面・・・
対照的なふたりを、兄弟共演で。

・・・最後、橋掛を引き上げる、宗彦さんの“し
てやったり”という表情が、なんとも傑作だった。

「武悪」。これはかなり上演頻度の高い演目。
前半の重厚な物語が、後半になって、なんとも
コミカルな展開になる、そのギャップがウケる
のだろうか。

無断欠勤の続く召使の武悪・・・怒った主人は、
ついに、朋輩の太郎冠者に、成敗を命じる。

友でもある武悪を斬ることのできない太郎冠者
は、彼をこっそりと逃がす。

ところが、この主人と武悪が、東山でバッタリ・・・

間に立って右往左往する太郎冠者、幽霊になり
すまして、次第に調子に乗る武悪、幽霊を恐れ
ながらも、堂々と立ち向かう主人・・・三者三
様の“人となり”が、はっきりと見えて、見ごた
えのある内容。

千作師、あいかわらず、立ち居が不自由そうで
見ていて心配になったが、朗々としたお声はま
だまだお元気そう・・・どうぞ、お身体大切に。

次回は、6月8日(木)19:00~。
posted by JTm at 19:46| 狂言 | 更新情報をチェックする