2017年07月17日

2017.7月 納涼茂山狂言祭2017東京公演@国立能楽堂

2017.7.15 納涼茂山狂言祭2017東京公演(第一日)

演目
お話(解説)      茂山逸平
狂言「二人袴(ふたりばかま)」
     聟=茂山童司、舅=茂山七五三、親=茂山千三郎、
              太郎冠者=鈴木 実、後見=増田浩紀
狂言「呼声(よびこえ)」
     太郎冠者=茂山宗彦、次郎冠者=逸平、
     主人=茂山 茂、後見=増田
  (休   憩)
狂言「木六駄(きろくだ)」
     太郎冠者=茂山千五郎、主人=千三郎、
     茶屋の亭主=茂山あきら、伯父=松本 薫、後見=鈴木
附祝言「猿唄」     鈴木 実

リクエストで演目の決まるこの公演、今年の初日は、
偶然ながら、割と最近見た演目ばかりとなり、ちと
残念ではある・・まぁ、自分がリクエスト出したわ
けじゃないから、文句を言う筋ではないのだが。

「二人袴」。よく上演されるお馴染みの曲。今回の
出演者の中では一番若い童司さんが、「聟入りなん
て恥ずかしいことイヤ」と言う、若いというより、
幼いと言った方が良いような、聟さんを好演。

・・・とっても可愛らしいです。
そして、人格者の舅・・親子の袴が前半分だけと気
づいて笑ってはいるけれど、決して馬鹿にした笑い
ではないのが心地よい。

「呼声」。仕事をサボって遊びに行った太郎冠者に
説教をしようと、次郎冠者を連れた主人が、太郎冠
者の家を訪れる。

声で分かるといけないと、作り声で呼びかける次郎
冠者・・・しかし、太郎冠者はその上を行き・・・

平然と居留守を使う太郎冠者を苦々しく思いつつも、
次第に興が乗って、ともに浮かれて踊り出す主従・・・
まさに、この主にして、この召使・・です。

「木六駄」。3月の京都の会、5月の薪狂言と、こ
このところ頻繁に遭遇。暑い季節に、雪の山道を想
像させて、少しは涼しく・・というリクエストなん
だろうか?

うーん、ちょっと雪道は想像が難しいなぁ・・なに
せ、暑さが尋常じゃないから。(演者のせいじゃなく)
でも、峠の茶屋の宴会は、楽しかった・・中でも鶉
舞がとっても楽しい。

そして、お酒が美味しそうだよなぁ・・と思ったら、
帰りにスポンサーから、梅酒のプレゼント。上手く
出来てます。


2017.7.16 納涼茂山狂言祭2017東京公演(第二日)

演目
お話(解説)      茂山童司
狂言「飛越(とびこえ)」
     新発意=茂山 茂、
              某=茂山宗彦、後見=増田浩紀
狂言「瓜盗人(うりぬすびと)」
     盗人=茂山七五三、畑主=茂山千三郎、
     囃子方 笛=松田弘之、 後見=童司
  (休   憩)
狂言「業平餅(なりひらもち)」
     業平=茂山逸平、侍=千五郎、傘持=茂山あきら、
     随身=増田、鈴木 実、後見=宗彦
附祝言「猿唄」     茂山宗彦

「飛越」。冒頭の童司さんの解説では、「お坊さん
が川に落ちて残念、という話」とのことだったが、
そりゃ、あんまり、ざっくりしすぎでしょう。

新発意(しんぼち=見習僧)と、友人の某が連れ立っ
て茶の湯の会へ。途中、小さな川を飛び越えなくて
はならないが、臆病な新発意は、飛び越えられず・・

って、某さんの方は、長袴で飛び越えてるんですが
ねぇ・・・

後半、川に落ちて濡鼠になった新発意を、某が馬鹿
にして笑う・・と、新発意も、負けじと反撃・・・
なんか、小さい男の子の喧嘩と一緒。
・・・たぶん、すぐにまた、仲直りするんだろうな。

「瓜盗人」。瓜畑を見回りに来た畑主が、瓜が盗ま
れたことに気づき、案山子を作って設える。

この案山子が愉快。何にでもなる便利な葛桶に、横
に細い竹を渡して着物を着せる。その上に、小さな
鞨鼓を置き、面(うそふきというひょっとこみたい
な面)を付けて烏帽子をかぶせる。

その晩、再びやってきた盗人、案山子に驚いて平謝
り・・しかし、案山子であることに気づくと、逆ギ
レして、畑を荒らす。

怒った畑主、今度は自分が案山子に化けて・・・

案山子の動き?そのままに、盗人に対する畑主と、
案山子が動いた!と、ビックリの盗人。とぼけた表
情のうそふきの面が、可笑しさを倍増。

「業平餅」。色男の代表者みたいな在原業平が、旅
の途中で空腹となり、茶屋に入って餅を所望・・し
かし、業平、なんと無一文。

主人ばかりか、従者一同まで、全員、金も食べ物も
なしで旅してるんですねぇ・・・行先は紀州だよ。

現代なら、京都から和歌山まで、鉄道で1時間半く
らいで着くから問題ないかもしれないが、業平さん
は当然徒歩だし・・・なんと無計画な。

しかし、茶屋の亭主が「うちの娘を都に連れて行っ
て教育してくれるなら、餅を御馳走しましょう」と。

もとより色好みの業平さん、「しめしめ、餅も女も
いただきだ!」と、喜ぶけれど・・・

他の従者が引っ込んだ後も、橋掛で待機しつつ居眠
りしていた傘持が、最後の最後に大活躍。

今年の納涼狂言の最後は、娘役の童司さんと傘持役
のあきら師が、親子でさらって行ったのでした。
posted by JTm at 09:56| 狂言 | 更新情報をチェックする

2017年06月09日

2017.6.8 千作千五郎の会@国立能楽堂

2017.6.8 第二回 千作千五郎の会

演目
狂言「文相撲(ふずもう)」
   大名=茂山千作、太郎冠者=茂山童司、
   新参の者=茂山逸平、  後見=島田洋海
狂言「伯養(はくよう)」
   伯養=茂山千五郎、何某=松本 薫、
   勾当=茂山七五三、   後見=井口竜也
  (休   憩)
狂言「鱸包丁(すずきぼうちょう)」
   伯父=茂山千五郎、甥=茂山 茂、 
               後見=山下守之
附祝言「猿唄」    山下守之

「文相撲」。新参の召使が、相撲が得意と知って、勝
負を挑む主人・・・あっさりと負けてしまい、あまり
の悔しさに、家に伝わる相撲の秘伝書を見て、再び勝
負を・・・ 

取組みの最中に、秘伝書を出して読む馬鹿らしさが、
たまらなく可笑しい。マニュアル偏重の現代を皮肉っ
ているようにも思えるが・・・古典演目です。

「伯養」。これはたぶん、初めて見る演目。

座頭の伯養は、師匠の琵琶が壊れたため、何某のとこ
ろへ、琵琶を借りに行く。ところが、そこにもうひと
り、琵琶を借りに来た者がいて・・・

この相手は、座頭より位が上の、勾当。中世の身分制
社会では、上の者の権力は絶対・・・しかし、伯養も、
借りずに帰るわけにはいかない。

結局、何某の仲裁で相撲で決着をつけることになるの
だが、ふたりとも目が見えないため、とんだことに・・・

あまり見る機会がないのは、たぶん、盲人を揶揄する
ような内容と見られてしまうからだろう。まあ確かに、
笑いながらも、あまり後味はよくない。

ここまで二曲、相撲がらみ・・・しかも、対戦する演
者は、どちらもおじvs.甥。

「鱸包丁」。祝宴用の魚に鯉を持って来るよう伯父に
頼まれたが、ずぼらな甥は、用意などしない・・言訳
に、「求めた鯉をカワウソに喰われた」と。

伯父は、これを嘘と見破る・・さて、その仕返しは?

伯父が、見事な仕方話でスズキを料理・・甥が包丁人
の子であることは、会話の中で示されるが、伯父もま
た、同じような仕事であることをうかがわせる。

如何にも美味そうなスズキ料理が出来上がった・・と
思いきや、「こちらのスズキはホウジョウに喰われて
しまったよ!」・・というのがオチ。

プログラムに解説がなければ、何のこっちゃ、わから
ん・・というところ。「ホウジョウ(嘘の意)」との
ことだが、さて、どんな字を書くのかな・・ちょっと
調べたけど、わっかりませーん!
posted by JTm at 11:30| 狂言 | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

2017.5.20 江東薪狂言@江東区文化センター

2017.5.20 第18回 江東薪狂言

演目
火入れ式
狂言のお話       茂山 茂
狂言「鬼瓦」
       主人=茂山あきら、
       太郎冠者=茂山童司、  後見=井口竜也
狂言「木六駄」
       太郎冠者=茂山千五郎、茶屋=茂山七五三。
       主人=島田洋海、伯父=松本 薫、 後見=茂
  (休   憩)
区民参加狂言「金津」
       すっぱ=茂山千作、金津の里の男=茂、
       金坊師(子方)=茂山鳳仁、
       金津の里の衆=山下守之、童司、区民参加者5名、
       後見=千五郎、島田

昨年に続き、雨の心配のない日和に恵まれて、勇んで?
到着したのに、入って目についたのは・・・
  0520.JPG
えー、今年でおしまいなの!?
・・そりゃ、あんまりぢゃわいのう・・・

色々言いたいことはあるけれど、ひとまずは狂言に集中。

「鬼瓦」。長かった都での滞在を終えて、故郷に帰る
ことになった大名が、信仰していた因幡堂に参詣。そ
うだ、故郷にもこのお薬師様を勧請しようと思い立つ。

その日のためにと、お堂を見て回るうち、「おや、あ
の鬼瓦が誰かに似てる・・・」

鬼瓦そっくりの奥方が恋しくて泣いてしまうお大名・・
愛のチカラ、です。

ちょっと気弱そうなお大名、優しく見守る太郎冠者、
どちらもはまり役の親子共演。

「木六駄」。ちょっと季節外れながら、雪道を12頭の
牛を追って歩く・・・という物語。

降りしきる雪の中、苦労してたどりついた峠の茶屋・・
ここで酒を呑んで温まろう!という太郎冠者の目論見
だったが、「すまん、売り切れじゃ」。

あー、もう、ひと足も歩けない!という太郎冠者に、
茶屋の亭主は、「お前、酒、持ってるじゃないか」
いや、これは、主人から伯父御様に差し上げるもので・・
「そうは言っても、お前がここで歩けなくなっては、
お使いの役が果たせないだろ?」・・ごもっとも。

というわけで、太郎冠者と茶屋の亭主が大宴会。
千五郎師、豪快な呑みっぷり、そして酔いっぷり。
大柄な身体を存分に活かしての演技。千鳥足の鶉舞
(うずらまい)は、舞台から落ちやしないかと心配に。

「金津」。区民参加狂言は、立衆と呼ばれる“その他
大勢”の役がある演目なので、演目が限られる。この
「金津」は、たぶん、初めてだろう。

ちょうどよい子方がいないとね・・・今回は、千五郎
師の三男坊・鳳仁(たかまさ)くん、8歳。

越後の国、金津に住む男が、建立したお堂に祀る地蔵
像を求めに、都にやって来る。・・これに目をつけた
のが、都の“すっぱ”(詐欺師)。

なんと、自分の息子を地蔵像に化けさせて、まんまと
金を騙し取る・・・

えー、いくらなんでも、生きた少年と、作り物の地蔵
像を間違えるか!?
・・などという指摘は、野暮です、野暮。

「必ずものを言うな」と命じられたはずの坊やだが、
やっぱり子どもです、「まんじゅうが喰いたい」と・・
素朴な里の衆、早速に饅頭をお供え。

と、今度は「古酒が呑みたい」・・・
えー、子どものくせにお酒ですか? まあ、未成年者
飲酒禁止法なんてぇのは無かった時代だから。

お酒を呑んだ「お地蔵さん」は、つい、居眠りを・・
里人は、「生き仏さまだ!」と大喜び。

ついには、立ち上がり、踊りまで踊ってしまうお地蔵
さん・・・供えたお酒のお流れを頂戴した里人も、大
いに浮かれて・・・踊りながら退場。

いつもなら、ここで附祝言があるはずだが、今回はそ
のまま終演に・・・これ、「金津」が歌と踊りで終わっ
たから・・ですよね?・・・最終回だから、ではなく。

それにしても、残念な「休止」ではある。ぜひぜひ、
また復活して欲しい・・・アンケートにも書いて出し
てきたけれど。
posted by JTm at 09:48| 狂言 | 更新情報をチェックする