2017年05月22日

2017.5.20 江東薪狂言@江東区文化センター

2017.5.20 第18回 江東薪狂言

演目
火入れ式
狂言のお話       茂山 茂
狂言「鬼瓦」
       主人=茂山あきら、
       太郎冠者=茂山童司、  後見=井口竜也
狂言「木六駄」
       太郎冠者=茂山千五郎、茶屋=茂山七五三。
       主人=島田洋海、伯父=松本 薫、 後見=茂
  (休   憩)
区民参加狂言「金津」
       すっぱ=茂山千作、金津の里の男=茂、
       金坊師(子方)=茂山鳳仁、
       金津の里の衆=山下守之、童司、区民参加者5名、
       後見=千五郎、島田

昨年に続き、雨の心配のない日和に恵まれて、勇んで?
到着したのに、入って目についたのは・・・
  0520.JPG
えー、今年でおしまいなの!?
・・そりゃ、あんまりぢゃわいのう・・・

色々言いたいことはあるけれど、ひとまずは狂言に集中。

「鬼瓦」。長かった都での滞在を終えて、故郷に帰る
ことになった大名が、信仰していた因幡堂に参詣。そ
うだ、故郷にもこのお薬師様を勧請しようと思い立つ。

その日のためにと、お堂を見て回るうち、「おや、あ
の鬼瓦が誰かに似てる・・・」

鬼瓦そっくりの奥方が恋しくて泣いてしまうお大名・・
愛のチカラ、です。

ちょっと気弱そうなお大名、優しく見守る太郎冠者、
どちらもはまり役の親子共演。

「木六駄」。ちょっと季節外れながら、雪道を12頭の
牛を追って歩く・・・という物語。

降りしきる雪の中、苦労してたどりついた峠の茶屋・・
ここで酒を呑んで温まろう!という太郎冠者の目論見
だったが、「すまん、売り切れじゃ」。

あー、もう、ひと足も歩けない!という太郎冠者に、
茶屋の亭主は、「お前、酒、持ってるじゃないか」
いや、これは、主人から伯父御様に差し上げるもので・・
「そうは言っても、お前がここで歩けなくなっては、
お使いの役が果たせないだろ?」・・ごもっとも。

というわけで、太郎冠者と茶屋の亭主が大宴会。
千五郎師、豪快な呑みっぷり、そして酔いっぷり。
大柄な身体を存分に活かしての演技。千鳥足の鶉舞
(うずらまい)は、舞台から落ちやしないかと心配に。

「金津」。区民参加狂言は、立衆と呼ばれる“その他
大勢”の役がある演目なので、演目が限られる。この
「金津」は、たぶん、初めてだろう。

ちょうどよい子方がいないとね・・・今回は、千五郎
師の三男坊・鳳仁(たかまさ)くん、8歳。

越後の国、金津に住む男が、建立したお堂に祀る地蔵
像を求めに、都にやって来る。・・これに目をつけた
のが、都の“すっぱ”(詐欺師)。

なんと、自分の息子を地蔵像に化けさせて、まんまと
金を騙し取る・・・

えー、いくらなんでも、生きた少年と、作り物の地蔵
像を間違えるか!?
・・などという指摘は、野暮です、野暮。

「必ずものを言うな」と命じられたはずの坊やだが、
やっぱり子どもです、「まんじゅうが喰いたい」と・・
素朴な里の衆、早速に饅頭をお供え。

と、今度は「古酒が呑みたい」・・・
えー、子どものくせにお酒ですか? まあ、未成年者
飲酒禁止法なんてぇのは無かった時代だから。

お酒を呑んだ「お地蔵さん」は、つい、居眠りを・・
里人は、「生き仏さまだ!」と大喜び。

ついには、立ち上がり、踊りまで踊ってしまうお地蔵
さん・・・供えたお酒のお流れを頂戴した里人も、大
いに浮かれて・・・踊りながら退場。

いつもなら、ここで附祝言があるはずだが、今回はそ
のまま終演に・・・これ、「金津」が歌と踊りで終わっ
たから・・ですよね?・・・最終回だから、ではなく。

それにしても、残念な「休止」ではある。ぜひぜひ、
また復活して欲しい・・・アンケートにも書いて出し
てきたけれど。
posted by JTm at 09:48| 狂言 | 更新情報をチェックする

2017年05月08日

2017.5.7 お豆腐の和らい・東京公演@紀伊國屋ホール

2017.5.7 お豆腐の和らい 都の賑わい狂言

演目
ご挨拶と解説       茂山童司
狂言「棒縛(ぼうしばり)」
    次郎冠者=茂山あきら、主人=茂山千作、
    太郎冠者=茂山千三郎、  後見=井口竜也
  (休   憩)
アンケートのお願い    山下守之
狂言「長光(ながみつ)
    すっぱ=茂山千五郎、田舎者=松本 薫、
    目代=鈴木 実    後見=茂山千三郎
狂言「籤罪人(くじざいにん)」
    太郎冠者=茂山童司、主人=茂山七五三、
    町内の衆=茂山 茂、井口竜也、山下守之、
         増田浩紀、茂山あきら
    笛=藤田貴寛
    後見=茂山千三郎、鈴木 実
附祝言「猿唄」       茂山宗彦

昨年は、他と重なって行けず、二年ぶりのお豆腐の
和らい。
ご当主・千五郎さん、お手ずから、チケットをもぎ
る・・・いつもながら、気さくなこと!

今年は、京都を舞台にした狂言の特集だそうで。

「棒縛」。テーマは「酒」・・・伏見の、ね。

先日、大蔵流五家の公演でも見たばかり。

あの時、最後の場面で、主人役の山本則秀さんは、
真っ直ぐ立ったままで、杯を覗く様子を見せたが、
今回の千作師は、ぐうっと前に乗り出すようにして
立つ。

まさに、山本家と千五郎家の、芸風の違い。

「長光」。テーマは「市場」。

こちらは、五家の時に見た「茶壺」と同工異曲。
故郷に帰る前に、土産物を物色する田舎者が持つ太
刀に、すっぱ(詐欺師)が目をつける。

相手の隙をついて、太刀を自分の腰に佩いてしまう
・・・まさに性質が悪い。

目代(役人)が、太刀の銘や大きさなどを問い、田
舎者が大きな声で答えると、すっぱは真似をして・・・

でも、「茶壺」のすっぱほど、もの覚えが良くない
みたい・・・覚えきれなかった個所を、ぐにゅぐゅ
と誤魔化す様子は、なんだか、落語みたい。

「籤罪人」。テーマは「祭」・・祇園祭です。

今年の祭の計画を練る一同・・・召使の太郎冠者が
いちいち、口を出すので、主人はおカンムリ。

しかし、その太郎冠者が提案した、「地獄の鬼が、
罪人を責めるところ」が、一同の賛成を得てしまう。

しかも、役もめが無いようにくじ引きをすると、罪
人を引き当てたのは主人・・そして、鬼は太郎冠者。

このあたり、如何にも狂言らしい設定。

籤に目をやった主人が、さっと顔色を変え、「やり
直そう」と言う・・・でも、くじをやり直すのは、
縁起が良くないと止められる・・これ、面白い。

いざ、お稽古となると、なにやら、鬼より罪人の方
が強いし怖い・・・身分制の社会では、召使はごく
軽んじられる存在なのだということを、改めて感じ
た。

最後の附祝言は、普通は後見の人がそのまま残って
謡うのだけれど、今回は、宗彦さんが登場!

沢田研二氏主演のミュージカルに出演中なので、今
回の狂言会は欠席と聞いていた・・・もっぴーファ
ンとしては、嬉しいサプライズだったが・・・

あれ? 紋が違う・・・
黒紋付は、童司さんからの借り着だったようで。
posted by JTm at 11:44| 狂言 | 更新情報をチェックする

2017年04月30日

2017.4.29 大蔵流五家狂言会@梅若能楽学院会館

2017.4.29 第三回 大蔵流五家狂言会

演目
狂言「鴈礫(がんつぶて)」
   大名=大藏教義、
   道通りの者=山本則孝、仲裁人=茂山千五郎
狂言「惣八(そうはち)」
   料理人(惣八)=山本泰太郎、
   有徳人=善竹隆司、出家=茂山逸平
狂言「棒縛(ぼうしばり)」
   次郎冠者=善竹隆平、
   主人=山本則秀、太郎冠者=大藏基誠
  (休   憩)
狂言「茶壺(ちゃつぼ)」
   すっぱ=茂山良暢、
   中国方の者=茂山童司、目代=善竹大二郎
狂言「千切木(ちぎりき)」
   太郎=茂山 茂、亭主=山本則重、
   太郎冠者=大藏彌太郎、立頭=善竹忠亮、
   立衆=茂山千五郎、山本則孝、山本則秀、
      善竹隆司、善竹大二郎、
   女=善竹富太郎
附祝言「猿唄」    4名

3月に立合狂言会を見て以来、家を越えての競演
にハマってしまった感があり、この日はなんと、
能楽堂のハシゴ・・・出演者の中にも、掛け持ち
の方、何人かいらしたようで。

会場は、東中野駅と中野坂上駅の中間くらい。
個人的に、馴染みがない土地ではないのだが、知
りませんでした、能楽堂があるなんて。

昭和36(1966)年に出来たとのことだから、あの
ころ(いつ?)、すでにあったのだねぇ・・縁な
き衆生でありました。

「鴈礫」。見事な鴈を見つけた大名が、弓矢を構
えて狙いをつけるうち、通りがかりの男が石をぶ
つけて仕留めてしまう。

自分が「狙い殺した」と言い張る大名・・おいお
い、それはないだろう!ってところ。

大名の弓の腕前を見て取った仲裁人が、「もう一
度射てみて」・・・死んで動かなくなった鴈だと
いうのに、大名の矢は・・・?
・・・だから、最初から言ってるじゃない!?

「惣八」。出家と料理人を多く雇うという高札を
見て、元料理人の出家と、元出家の料理人が同じ
家に雇われる。

ところがこのふたり、互いに、まだ、新しい仕事
に慣れていない・・・早速命じられてしまった仕
事を前に、思案投げ首するばかり。

ふたりが仕事を交換して、めでたしめでたしとな
るはずが・・・主人は怒る。

・・・うーん、怒らなくたっていいじゃない?と
いう感じだが、やはり、出家がなまぐさ物を扱っ
たり、料理人が経を読んだりするのは、当時の感
覚ではNGなんでしょう。

それにしても、この有徳人、なんでまた、出家と
料理人を多く雇おうなんて考えたんでしょうね?

「棒縛」。これはお馴染みの演目。両手を縛られ
た太郎冠者と次郎冠者が、協力し合って酒を盗み
呑む・・・呑めないとなると、余計に、無性に呑
みたくなる・・・その気持ち、よく分かります。

「茶壺」。茶壺を担いで旅する男が、酔って道端
で寝ていると、すっぱが現れてこの茶壺を盗ろう
とする。

奪い合っているところに、目代(役人)が現れて
仲裁・・・という流れは、最初の「鴈礫」とよく
似ている・・まぁ、最後は違うけれど。

目代が、いろいろと事情聴取する場面、すっぱは、
上手く真似をしてなかなか正体を現さない・・・
このあたり、良暢さんの、ワンテンポ遅れての合
舞は、なんともお見事でした。

「千切木」。連歌の仲間にうるさがられて、仲間
外れにされてしまった太郎。呼ばれもせず会に押
しかけ、あれこれ邪魔をするので、ついには袋叩
きにされてしまう。

太郎の女房は、この仕打ちを怒り、太郎に仕返し
をするようたきつける・・・実は臆病な太郎は、
どう見てもへっぴり腰。

太郎役の茂さんがスリムなのに、女房役の富太郎
さんは、超とつけたいくらいの重量級。
・・・これ、まさに、配役の妙です。

連歌仲間も、この女房には逆らえないだろう・・・
「留守!」という答は、太郎の背後に女房の姿が
見えたからかも?と、ふと思ったり。

附祝言の4名、お名前を確認しきれず、すいません。
童司さんがいたのだけは分かったのですが。
posted by JTm at 13:30| 狂言 | 更新情報をチェックする