2019年05月18日

2019.5.17 通ごのみ 扇辰・白酒@日本橋劇場

2019.5.17 通ごのみ 扇辰・白酒

演目
桃月庵ひしもち      道具屋
入船亭扇辰        死ぬなら今
桃月庵白酒        鰻の幇間
  (仲 入 り)
桃月庵白酒        強情灸
入船亭扇辰        お文さま
         (三味線:柳沢きょう)

ひしもち「道具屋」。最後、鉄砲の値を訊くところで
サゲた・・・これ、遊京さんが演っていたのと同じ?
・・誰か、入船亭の師匠から習ったかな?と、勝手な
推測。

扇辰。まずは、あと4日で二ッ目昇進のひしもちさん
を、改めて紹介。次回のこの会は、昇進祝いの会・・
とか。

扇辰「死ぬなら今」。昨秋の扇辰日和で聞いて以来で、
2度目。次に上がった白酒師が言っていた通り、客層
によっては、完全に蹴られそうな噺だね。

でも、このくらい馬鹿馬鹿しいと、もう笑うっきゃな
いんじゃない?

白酒「鰻の幇間」。月曜日の権太楼師匠に次いで今週
2度目。鰻屋の汚さは、権太楼師のさらに上を行く。
窓は開かないし、畳にはじゅうたん代わりの埃、箸置
きは消しゴム?

最後、一八は釣銭を受け取らなかったが、ここはしっ
かり受け取った方がいいんじゃないかな?・・祝儀や
るほどの待遇じゃないし。

白酒「強情灸」。白酒師のこの噺は聞いた記憶がない。
龍玉師のは、数えきれないほど聞いたけれど。

龍玉師同様、雲助師直伝なのは明らか。腕が太い分、
盛り上げたモグサに迫力が・・・あ、すいません。

扇辰「お文さま」。4月の扇辰・喬太郎の会での初演
を聞いている。前回より5分ほど短くなったようで。

こういう、地味ーな、あまり他の人が演らない噺が、
扇辰師匠はことのほかお好きなようで・・・

そして、扇辰師匠のファンは、そういう師匠が大好き
なんだよなー・・・
posted by JTm at 09:47| 落語 | 更新情報をチェックする

2019年05月17日

2019.5.15 人形浄瑠璃5月文楽公演@国立小劇場(その2)

2019.5.15 人形浄瑠璃5月文楽公演 第二部

演目
通し狂言「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」
     近松半二、松田ばく、栄善平、近松東南=合作
 三段目 妹山背山の段
  <背山>太夫 大判事=竹本千歳太夫
         久我之助=竹本文字久太夫改め豊竹藤太夫
      三味線 (前)鶴澤藤蔵、(後)豊澤富助    
  <妹山>太夫 定高=豊竹呂勢太夫
         雛鳥=竹本織太夫
      三味線 (前)鶴澤清介、(後)鶴澤清治
      琴 鶴澤清公
  <人形役割>
    雛鳥=(前)吉田簔紫郎、(後)吉田簔助、
    久我之助=吉田玉助、後室定高=吉田玉誉、
    大判事清澄=吉田玉男  外
  (休  憩)
 四段目 杉酒屋の段
    太夫=竹本津駒太夫、三味線=竹澤宗助
  同  道行恋苧環(こいのおだまき)
    太夫 お三輪=豊竹芳穂太夫、求馬=豊竹靖太夫、
       橘姫=豊竹希太夫、
       竹本碩太夫
    三味線 野澤勝平、鶴澤清𠀋、鶴澤寛太郎、
        野澤錦吾、鶴澤燕二郎
  (休  憩)
 四段目 鱶七(ふかしち)上使の段
    太夫=豊竹藤太夫、三味線=鶴澤清来馗
  同  姫戻りの段
    太夫=竹本小住太夫、三味線=鶴澤友之助
  同  金殿(きんでん)の段
    太夫=豊竹呂太夫、三味線=竹澤團七
  <四段目人形役割>
    橘姫=吉田一輔、求馬実は藤原淡海=豊松清十郎
    お三輪=桐竹勘十郎、蘇我入鹿=吉田文司、
    漁師鱶七実は金輪五郎=吉田玉志、
    金殿の官女=桐竹勘介、吉田玉路、吉田簔之、吉田玉延、
    丁稚子太郎=桐竹紋秀   外
  囃子=望月太明藏社中

一日置いて、今度は第二部へ。チケット取りにあたふたし
たため、最前列、上手床のすぐ下の席。

いつもなら、まあいい席と思えるのだけれど、今回は参っ
た。端っこ過ぎて、冒頭の妹山背山の段の醍醐味を味わう
には、今ひとつ・・という感じ。
ま、しょうがない。次の機会には・・覚えておかなくちゃ。

太宰と大判事の家の代々続くという争いは、どうやら、領
地の境界をめぐってのことらしい。ふたつの家の領地は、
吉野川を挟んで隣り合う。(川が境界なら争いの種にはならな
いんじゃない?という感想は置いといて)

舞台の真ん中が川・・その流れは、とうとうと客席に続く。
向かって右、上手側が大判事の屋敷、反対の下手側が太宰
の屋敷。義太夫を演奏する床も両側に出て、それぞれ別の
太夫が、両家を語り分ける。

川ひとつを隔て、近くに居ながら会うことすらかなわない
恋人たちが、それぞれの屋敷で鬱々と過ごしている。ただ、
雛鳥がひたすらに久我之助を思っているのに対し、久我之
助の方の憂鬱は、恋人のことだけではないようだ。

采女(藤原鎌足の娘で天智帝の恋人)の付人として、鎌足・
淡海親子と共に帝に味方する久我之助は、入鹿に従う父の
大判事の心を量りかねているのだ。

入鹿打倒の企ての成否を占おうと、川辺に降り立つ久我之
助・・それを見た雛鳥も表に走り出て、久々に顔を合わせ
るふたり・・・

そこへそれぞれの親が登場し、短い逢瀬は終わりを告げる。
これが、生きて逢える最後だとも知らずに。

定高と大判事は、入鹿から突き付けられた難題を、それぞ
れの子に伝える・・だが、実は、この時点で、ふたりの親
とも、自分の子の死を覚悟している。自分の子を殺して、
相手の子の命は助けようと。

「不和な仲ほど義理深し」という大判事のセリフが重い。

この後の親子の別れ、とりわけ定高・雛鳥母娘の経緯は哀
愁に満ちた場面で、涙を誘われるが、詳しくは書かない。

とどのつまり、若いふたりは死んでようやく結ばれる。
そして親たちは、子どもの生き方(死に方)に触発されて、
反入鹿への道に進むことが暗示される。

四段目は、また、ガラッと雰囲気が変わり、町娘・お三輪
が物語の中心となる。

鎌足の息子、淡海(不比等)は、求馬と名を変えて、烏帽
子作りに身をやつし、奈良の町に隠れ住む。隣家の杉酒屋
の娘、お三輪は、この求馬に惚れて、人目をはばかる仲に
なっている。

もうひとり、求馬に惚れて秘かに通ってくる女がいる。正
体を明かさないこの娘は、実は入鹿の妹・橘姫である。

お三輪と橘姫が鉢合わせし、恋のさや当て・・そして、橘
姫の正体を突き止めようとする求馬は、苧環(糸巻)の糸
を姫の着物の袖に止付け、後を追う。

嫉妬にかられたお三輪もまた、求馬の袖に糸を付け、後を
追う。

姫の白い衣装には赤い糸、求馬の黒の衣装には白い糸・・
実際には存在しないその糸が、鮮やかに目に浮かび、苧環
がくるくると回るたびに、長く長く伸びていく。

橘姫は入鹿の御殿・金殿に帰りつき、追う求馬もまた到着
して、ふたりは互いの正体を知る。

あ、ここにもまた、対立する家の恋人たちが・・・

しかし、雛鳥・久我之助のカップルと違い、こちらの恋人
たちには多分に政治的な思惑がありそうだ。
橘姫は、求馬(淡海)の要求に応じ、兄・入鹿を裏切るこ
とを承知して、ふたりは祝言をあげることに。

一方、糸が切れて求馬を見失ったお三輪もまた、絶望にか
られながら、この金殿に迷い込む。

金殿の官女たちのいじめに合い、さらに絶望を極めたお三
輪の耳に、「婿取り済ました」の声が。

「袖も袂も食ひ裂き食ひ裂き乱れ心の乱れ髪」・・・

お三輪の嫉妬が最高潮に達したその時、彼女は命を奪われる。

そう・・求馬の目的はこれだった。
入鹿を滅ぼすのに必要なもの・・それは、爪黒の鹿の血と、
疑着の相のある女の生血。

疑着の相というのは「嫉妬に狂った女の悪相」のことだとい
う・・これを得るために、求馬はお三輪を利用したのか・・・

そして、第一部(二段目)で芝六が、ご禁制の鹿を狩ったわ
けも、ここに来てようやく明らかになる。

お三輪は、自分の死が恋しい男の役に立つことを知って、喜
んで死んでいく・・うーん、なんかちと納得できないなぁ。

様々な人々の犠牲の上に、やがて入鹿は誅殺されるのだが、
残念ながら今回の上演は、それを暗示するのみで終了・・あ
と、ちょっとなのにね。

いやー、さすがに見ごたえがあった。5時間超の公演がまっ
たく苦痛でなく、その一瞬一瞬を惜しむようにして見入って
しまった。

妹山背山の段では、両床とも気力体力充実の4人の太夫、三
味線が担当し、両側から聞こえてくる丁々発止の掛け合いに、
頭がぐるぐる・・・めくるめく思い。

そして、最後の金殿を語る呂太夫師が、3日目まで休演で心
配したけれど、わたしの行った前日に無事復帰、元気なお姿
を見られたのも嬉しい。

ただ、杉酒屋の橘姫の希太夫師が、やや声が出ていなかった
のは残念。3日目まで呂太夫師の代演をしたお疲れだろうか。

人形の方では、妹山背山の後半の雛鳥の簔助師、お三輪の勘
十郎師、そして橘姫の一輔師と、三者三様の娘役が、いずれ
もそれぞれの性格を見事に表現して素晴らしかった。


出来ることなら今回の上演中に、もう一度見てみたいのだが
・・・うーん、チケットがもうすべて完売だそうで。
・・・次の上演、いつかなぁ・・・?
posted by JTm at 10:30| 文楽 | 更新情報をチェックする

2019年05月14日

2019.5.13 権太楼ざんまい@日本橋劇場

2019.5.13 権太楼ざんまい

演目
林家彦星       牛ほめ
柳家さん光      人形買い
柳家権太楼      鰻の幇間
  (仲 入 り)
柳家権太楼      鼠穴
       (三味線:金山はる)

文楽の1部を見て、某美術館を急ぎ足で回り
たどり着いた水天宮前・・くたびれた。

というわけで、最初のふたりには大変申し訳
ないのだが、彦星「牛ほめ」、さん光「人形
買い」と、眠気との必死の戦い。

頑張ったつもりだが、やはり時折、意識喪失
したみたい・・・

静かで平板な牛ほめと、ガチャガチャ姦しい
人形買い(前半のみ)・・対照的とも言える
噺なのに、どちらも眠いのはなぜ?

権太楼「鰻の幇間」。もう、そんな季節です
か・・という感じ。冒頭、“陸釣り”目当ての
一八が、如何にも暑い炎天下にいる雰囲気・・
聞いてるだけで、なんか、暑くなりそうな。

“よしおちゃん”も、相変わらず元気に遊びま
わっているし、鰻屋の女中は無愛想だし・・
後半、クレーマーに転じる?一八の気持ち、
よーく、分かります。

「鼠穴」。なんと、初演である。
ずっと、演りたくない噺だったとか・・『東
京かわら版』4月号の巻頭インタビューにも、
「(あの噺は)談志さんに任せよう・・あれ
以上のことは出来ない」とある。

ところがそのインタビューからそんなに時間
もたっていない今日このごろ、「演りたくて
しょうがない」と言う。

なぜ??

聞いてみてわかりました・・「どうしたらイ
ヤじゃなくなるか、その工夫がついたから、
試してみたくてしょうがない」・・ってこと
なんじゃないかな。

頼りにしていた兄にたった3文を渡されて、
一念発起した竹次郎が、「わらしべ長者」の
ように次々に・・という部分を、もっと具体
的に、深川冬木町の親分に見込まれて、とい
う設定に。

夢の中でも、幼い娘を吉原に売るくだりは省
く・・など。

いろいろと創意を感じさせる噺になっていた
と思う。今年12月の落語研究会で演ることが
決まっているそうで、そこに向けて、これか
ら繰り返し磨きをかける予定とのこと。

今年は、何度も聞く機会がありそうですよ、
権太楼師匠の「鼠穴」。

次にわたしが聞けるのは、8月末のよみうり
大手町ホールかな?・・どんな変化が生じて
いるか、楽しみです。

72歳のチャレンジ・・・もう、いくら称賛し
ても足りません。
posted by JTm at 20:32| 落語 | 更新情報をチェックする