2017年05月19日

2017.5.18 人形浄瑠璃五月文楽公演@国立小劇場(その2)

  0518(1).JPG 来ました。

2017.5.18 人形浄瑠璃五月文楽公演・第一部

ロビーにも飾り物多数。
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演目
「寿柱立万歳(ことぶきはしらだてまんざい)」
    太夫 太夫=竹本三輪太夫、才三=竹本津國太夫、
       竹本南都太夫、竹本小住太夫、竹本文字栄太夫
    三味線=鶴澤清馗、鶴澤清𠀋、鶴澤清公。
        野澤錦吾、竹澤團吾
    人形役割 太夫=桐竹紋臣、才三=吉田清五郎
  (休   憩)
「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」
  茶筅酒の段
    太夫=豊竹芳穂太夫、三味線=鶴澤聖友
  喧嘩の段
    太夫=豊竹咲寿太夫、三味線=豊澤龍爾
  訴訟の段
    太夫=豊竹靖太夫、三味線=野澤錦糸
  桜丸切腹の段
    太夫=豊竹文字久太夫、三味線=鶴澤藤蔵
  (休   憩)
豊竹英太夫改め六代豊竹呂太夫襲名披露口上」
  (前列下手より)豊竹呂勢太夫(司会)、竹本津國太夫、
          豊竹呂太夫、鶴澤清治、桐竹勘十郎
  (後列下手より)豊竹亘太夫、鶴澤藤蔵、竹本三輪太夫、
          竹本千歳太夫、豊竹希太夫
  (休   憩)

「菅原伝授手習鑑」(続き)
  寺入りの段
    太夫=豊竹呂勢太夫、三味線=鶴澤清治
  襲名披露狂言・寺子屋の段 
    太夫=(前)豊竹呂太夫、(切)豊竹咲太夫
    三味線=(前)鶴澤清介、(切)鶴澤燕三
  人形役割(各段共通)
    白太夫=吉田玉也、松王丸=吉田玉男、
    梅王丸=吉田幸助、桜丸=吉田蓑助、
    千代=桐竹勘十郎、春=吉田一輔、八重=吉田蓑二郎、
    武部源蔵=吉田和生、戸浪=桐竹勘壽、菅秀才=桐竹勘介、
    小太郎=吉田蓑太郎、よだれくり=吉田玉翔、  外

張り切って見に来たはずだったのに、前夜の寝不足で、
再三に渡って睡魔に襲われる・・・無念じゃ。
も一度見直したいくらいだけど、チケット完売。トホホ

「寿柱立万歳」。常磐津の曲を義太夫に移したものだ
そうで、大正天皇の即位の礼を祝して演じられたのが
初め、とのこと。ごくごくおめでたいものを、いっぱ
い並べました、という感じ。

ユーモラスな才三は、黄色の足袋・・やっぱり狂言方。

「菅原伝授手習鑑」。これも歌舞伎では何度か見たは
ずだが、文楽ではお初。

プログラム見て、え?と思う・・なんだ、車引は出な
いのか。なんか、物足りないなぁ。

白太夫の古稀の祝いに、三つ子の息子の嫁たちが駆け
つける場面から。三人の息子は勤め先が異なり、中で
も、菅原道真に仕える梅王丸と、その敵方の藤原時平
に仕える松王丸とは仲が悪い。

ようやくやって来たと思えば喧嘩沙汰。・・父が道真
から預かる大事な植木の内、桜の木を折ってしまう。
・・・この桜の“受難”が、その後の悲劇の予告となる。

兄弟の内、桜丸は、使えていた帝の弟と道真の娘の仲
を取り持ち、それが道真左遷の引き金になったことを
苦にしている。

父の古稀の祝いだというのに、敵方に仕える松王は自
ら勘当され、梅王は道真を追って筑紫に行きたいと言
い、桜丸は責任感から自害する・・・毅然として、そ
の介錯を務める老父の姿が、なんとも痛ましい。

後半は、道真の息子・菅秀才を、自らの寺子屋にかく
まう、武部源蔵の物語。

若君・菅秀才をかくまっていることがバレて、源蔵は
若君の首を差し出すよう迫られる・・・ここで、現代
感覚と相容れないのは、源蔵が、もう最初から、「寺
子の誰かを身代わりに」と考えていることだ。

おいおい、そんな身勝手な!・・って思うでしょ?

ところが、どの子も“山家育ち”で、とても若君の身代
わりは務まりそうにない。・・この子どもたちの人形
がとってもかわいくて、見ていて嬉しくなる。

しかし、ひとりだけ、その日、寺入りしたばかりの小
太郎という少年は、上品な顔立ちで、これなら・・と
源蔵は思う。・・・ヒドイ話です、ホント。

まあ、結局のところ、この小太郎は、松王丸の息子で、
時平に仕えながらも、父・白太夫の主人である道真へ
の恩義を忘れていない松王が、若君の身代わりにさせ
るために、小太郎を寺入りさせたと判明するのだが。

親子の情より、主君への忠義が重んじられた時代の物
語・・・と言ってしまえばそれまでだが・・・なんか、
似たような話は今でもあるかも?・・ま、さすがに、
命まで、とは言わないまでも。

狂言半ばでの口上は、呂勢太夫の司会で、津國太夫、
清治、勘十郎の三師が、太夫部、三味線部、人形部を
代表して述べた。・・・“裏”の演芸場も昇進披露公演
だから、5月の国立は、口上の競演だ。

新・呂太夫師は、最後の段の前半を語ったが、その間、
約35分・・・うーん、ちょっと短くないかい?とも感
じたが、切の咲太夫師のお元気そうな顔が見られたの
で、まあ、よし、としておこう・・って、睡魔と戦っ
ていたくせに、上から目線で・・・すいません!
posted by JTm at 14:33| 文楽 | 更新情報をチェックする

2017年05月17日

2017.5.16 人形浄瑠璃五月文楽公演@国立小劇場(その1)

2017.5.16 人形浄瑠璃五月文楽公演・第二部

演目
「加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)」
  筑摩川(つくまがわ)の段
    太夫=豊竹亘太夫、三味線=鶴澤燕二郎
  又助住家の段
    太夫=(中)豊竹咲甫太夫、(奥)豊竹呂勢太夫
    三味線=(中)鶴澤清志郎、(奥)竹澤宗助
  (休   憩)
  草履打(ぞうりうち)の段
    太夫 岩藤=竹本津駒太夫、尾上=豊竹睦太夫、
       善六=豊竹希太夫、
       腰元=豊竹咲寿太夫、竹本小住太夫
    三味線=鶴澤寛治
  (休   憩)
  廊下の段 
    太夫=豊竹咲甫太夫、三味線=竹澤団七
  長局(ながつぼね)の段
    太夫=竹本千歳太夫、三味線=豊澤富助
  奥庭の段
    太夫 岩藤=豊竹始太夫、お初=豊竹希太夫、
       庄司=竹本津國太夫、忍び=豊竹亘太夫
    三味線=野澤喜一朗
  人形役割(各段共通)
    鳥井又助=吉田玉志、多賀大領=吉田玉佳、
    又助女房・お大=豊松清十郎、同倅・又吉=吉田和馬、
    谷沢求馬=吉田勘彌、安田庄司=吉田文昇、
    中老尾上=吉田和生、局岩藤=吉田玉男、
    召使お初=桐竹勘十郎、伯父・弾正=吉田玉輝   外

今月の文楽公演は、昼の部が六代呂太夫襲名披露
だが、まずは、二部から見る。

「加賀見山旧錦絵」。懐かしい演目である・・・
と言っても、懐かしいのは歌舞伎の公演だが。

中・高校次代の鑑賞教室を除けば、わたしが初め
て歌舞伎を見に行った時の演目なのだ。

岩藤が延若、尾上が歌右衛門、それにお初が芝翫。
・・・ああ・・みんな、あちらに行ってしまった。

文楽で見るのは初めて。歌舞伎の記憶と違うのは
前二段。多賀家(加賀前田家がモデルだそうで、
そういえば“百万石の”というセリフがあった)の
家臣で、家宝紛失の咎で浪人した、谷沢求馬とそ
の下僕・又助の物語。

筑摩川の段は、いきなり、殺しの場面だ。主人の
求馬の帰参を願う又助が、お家乗っ取りを企む家
老を暗殺・・・しかし、実はこれがお殿様とは!

不思議なのは、この人違いを気づかないまま、次
の段は5年後となってしまうところ・・うーん。

又助の家に身を寄せる求馬は、ようやく紛失した
家宝を見つけたが、買い戻す金に困っている。忠
義の又助は、村の人々からの預かり金を横領、そ
れを知った女房のお大は、廓に身を売ることに。

お大が女衒に連れられて去るのと入れ替わりに、
多賀家の重臣・安田庄司が現れ、5年前の殿様暗
殺の犯人として、又助を指名する。

又助は、ここで初めて、敵方の手先に騙されて、
誤って殿様を殺してしまったことを知るのだ。

ここで又助、考えた・・・主人・求馬に自分を成
敗させて、それを手柄に帰参が叶うように、と。

又助の目論見は当たったが、そのために幼い息子
が犠牲になるのはなぁ・・・よくあるパターンで
はあるけれど、やっぱりやりきれない。

「草履打」以降は、お馴染みの物語。お家乗っ取
りの一味である局・岩藤が、その秘密を知ってし
まった中老・尾上を、これでもかとばかりいたぶ
り、思い余った尾上は自害。

そして、尾上の召使であるお初が、見事、主人の
仇を討つとともに、お家の危機をも救う・・・と
いう、勧善懲悪のお話になる。

岩藤の役は、歌舞伎でも女形の役者さんではなく、
立役の人が演ることになっている。冒頭に思い出
を書いた公演の時に岩藤を演じた延若丈は、まる
で写楽の絵から抜け出て来たような、顎のしゃく
れたお顔で・・・なんとも憎々しい岩藤だった。

人形の岩藤のかしらは、“八汐”という名だそうだ。
これ、「伽羅先代萩」の悪役の名だ・・きっと、
同じかしらなんでしょう、たぶん。

女の人形には珍しく?口が開閉する。への字に結
んだ口を開くと、次々に憎たらしいセリフが・・・
そのたびに、真っ赤な口の中が見えるのだ・・・
これホント、怖いです。

尾上は、裕福な町人の娘ということになっていて、
岩藤はその身分の低いことをいじめの種にする。

何を言われても、反論したりせず、ひたすら下手
に出る・・・貧しいながら武家の出のお初には、
それがなんとももどかしい・・・見ているわたし
ももどかしかった。

「大工調べ」なみの啖呵、切っちゃえ!と、けし
かけたくなるが・・そんなことには無論ならない。

でもねー、お家転覆の陰謀の証拠を持ってるんで
しょ・・・なんとか、反撃出来なかったのかなぁ?

まあ、そんなこと思ったって仕方ないですね。
仇はお初が討ってくれたことだし・・・一応は、
めでたし、めでたしってことで。


東京の文楽公演は、毎度のことながら、チケット
争奪戦が厳しくて、今回は、一部・二部とも最前
列ということに。

文楽で最前列ってどうなのかな?と思ったが、人
形を見るにはなかなか結構・・・人形と人形遣い
さんの表情がよく見えて、大いに楽しい。

ただ、床の太夫と三味線は、振り返らないと見え
ないので・・・それはやっぱり、ちと残念。
posted by JTm at 17:41| 文楽 | 更新情報をチェックする

2017年05月16日

2017.5.15 らくご街道雲助五拾三次@日本橋劇場

2017.5.15 らくご街道雲助五拾三次 -吉例・ザ・ファイナル-

演目
五街道雲助     髪結新三(上)
  (仲 入 り)
五街道雲助     髪結新三(下)
       (三味線:太田その、
        ツケ:桃月庵はまぐり、
        鳴物:桃月庵ひしもち)

長い長い東海道の旅、毎年5月は、様々な趣向で
「髪結新三」を見せてくれたが、ファイナルの今
年は“原点”に返って、雲師ひとりの口演をたっぷ
りと。

前半が、発端から車力・善八が弥太五郎源七に、
事態の収拾を依頼する場面まで。

後半が、弥太五郎が新三の家を訪れる場面から、
大詰の深川閻魔堂橋の立ち回り。

前半44分、後半52分の長丁場、まさに、入魂の
一席だった。

特に、大詰、芝居がかりの立ち回りの迫力がすご
かった・・・席が高座に近かったこともあって、
文字通り、息詰まる思い・・・あとちょっと長かっ
たら、呼吸困難になっていたかも。

いやー、雲助師匠、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございます。
posted by JTm at 06:41| 落語 | 更新情報をチェックする