2019年05月10日

2019.5.9 小辰の寸法@日本橋社会教育会館

2019.5.9 小辰の寸法 第15回

演目
入船亭小辰       子ほめ
  〃         馬の田楽
  (仲 入 り)
入船亭小辰       大工調べ

前座さんを頼み忘れたそうで、今回は小辰[完全]
ひとり会。いつものご挨拶に代わる長いマクラか
ら、「子ほめ」。

小辰さんの子ほめはレアもの。なんでも、素人の
ころ寄席などでこの噺に出会うとイライラしたそ
うで。

前座のころは一度も聞いたことがなく、てっきり
持ってないんだと思っていたから、二ッ目になっ
て初めて聞いた時は、正直、驚いた。

そんな経緯があるからか、フツーには演らない・・
という意地なのか、独自のオチで。

「馬の田楽」。たぶん2度目・・前回は昨年2月。

ぽかぽかと暖かな春の昼下がり、豊かな田園風景。
ほとんどの登場人物がのんびりと春の日を過ごし
ている中、必死に駆ける馬と、さらに必死にそれ
を追う馬方。

その鮮やかな対比が、より一層、情景を際立たせ
る。味噌付けた馬、無事に見つかりますように。

「大工調べ」。こちらは昨夏以来で3度目。今回
はお調べまで通し。

前半の棟梁と大家の攻防、勢いがあって良かった
けれど、ちょっとした言い違いがいくつか・・ま、
たぷん、ご本人も気づいていたと思うけれど。

次回、6月の会は、前座さんもう頼んであるそう
です(笑)
posted by JTm at 08:50| 落語 | 更新情報をチェックする

2019年05月09日

2019.5.8 雲一里@日本橋劇場

2019.5.8 第5回 雲一里

演目
春風亭朝七      たらちね
柳家小もん      かぼちゃ屋
柳家小里ん      三人兄弟
  (仲 入 り)
五街道雲助      禁酒番屋
春風亭一朝      抜け雀
       (三味線:太田その)

朝七「たらちね」。冒頭の大家とのやり取りから、
途中をカットして、婚礼の場面へ。突然にふたり
で向かい合うことになった、八と新妻の恥ずかし
うなそぶりが、なんとも可愛い。

小もん「かぼちゃ屋」。初回に前座で出て以来と
のこと。かぼちゃ屋は前座のころから演っていた
噺(たぶん)で、さすがに口慣れた感。

小里ん「三人兄弟」。この噺、小里ん師からしか
聞いたことがない。元は上方落語らしい。

遊びが過ぎて二階にカンヅメになった、三人兄弟
のお話。この三人の遊び方が、それぞれ独特なの
が、なんだか楽しい。

雲助「禁酒番屋」。2016年以来。その前回の時に
知ったが、雲助師、先代馬生版と先代小さん版、
ふたつの型を持っておられるようで。

今回は先代馬生師の型で、女中のおきよさんが、
一升徳利をあふれさせるという・・「こっちの方
がより汚い」と、前回、雲さま仰ってましたね。

ただ、最後の場面は意外にあっさりと・・雲師の
美学か。

一朝「抜け雀」。2015年以来。その時も4年ぶり
と書いてある。

ここのところ一朝師匠の噺を聞く機会が、以前に
比べて格段に多くなっていることを考えると、レ
アものと言ってよいかもしれない。

他の演者に比べると、登場人物がみんな、大いに
明るく、人生を謳歌している雰囲気・・聞いてい
てとっても楽しい。

小田原宿の旅籠の主人夫婦が、切れの良いべらん
めぇで繰り広げる夫婦喧嘩も大いに愉快。


今回は、ちょっと入りが良くなかったようで、ち
と気になるところ。次回は10月30日の由。
posted by JTm at 13:30| 落語 | 更新情報をチェックする

2019年05月07日

2019.5.6 お豆腐の和らい2019・東京公演@紀伊國屋サザンシアター

2019.5.6 お豆腐の和らい2019・東京公演
   新作CLASSICS「罰」~想定外な狂言たち~

演目
ご挨拶と解説       茂山あきら&茂山 茂
「かけとり」(茂山逸平=作・演出)
   太郎=鈴木 実、女房=井口竜也、
   大家=丸石やすし、酒屋=茂山千三郎、
   後見(囃子方)=島田洋海
「狸山伏」(茂山童司=作・演出)
   山伏=茂山逸平、強力=山下守之、
   狸?=茂山千五郎、後見=茂
「帰ってくれないゴドー」(土田英生=作・演出)
   ウラジミール=茂山千之丞、
   エストラゴン=茂山宗彦、ゴドー=島田
  (休  憩)
「言葉なき行為」
 (サミュエル・ベケット=作、ジョナ・サルズ=演出)
   男=あきら、黒衣=茂

狂言のお家、数ある中で、数多くの新作に取り組むと
いう点では、茂山千五郎家が一番・・だろう。
「年に10本も新作を演ったこともあり、明けても暮れ
ても新作の稽古」という年もあったとか。

その膨大な?蓄積の中から、選りすぐりの?4本を。

「かけとり」。落語の「掛取り」をもとに、逸平さん
が書いた・・冒頭の解説によれば、「四季の狂言を演
る会で、冬の狂言に良いのがなかったから」と。

今までも何度か見ているが、今回は配役を一新・・と
は言うものの、能好きの大家と囃子方担当の後見は、
こりゃもう、動かせない配役ですな。

大真面目な顔で、能がかりの借金取り立て合戦・・も
うお腹を抱えて笑っちゃう。

「狸山伏」。古典狂言の「蟹山伏」の焼き直しで、旅
の山伏主従が出会うのは、蟹の精ならぬ、なにやら狸っ
ぽい異形のもの。

芋の葉を傘代わりにしたその姿には、どこか見覚えが・・

誰もが知っている有名なアニメのパロディでもあるの
だけれど、著作権処理がどうなってるかわからないの
で、詳細は書きません。

着ぐるみを着て、ただぶつぶつひとり言を言っている
だけの役(これひと役!)を演じるのが、当代のご当
主とは!

「帰ってくれないゴドー」。サミュエル・ベケットは、
アイルランド出身のフランスの劇作家で、ノーベル文
学賞受賞者。

名前だけは知っているけれど、もちろん読んだことも
見たこともなし。

その代表作「ゴドーを待ちながら」は、ふたりの男た
ちが、自分たちに幸運を運んで来てくれるはずの、ゴ
ドーという人物を、ひたすら待ち続ける物語だそうだ。

じゃ、そのゴドーが、本当に現れたらどうなる?とい
う発想がこの狂言。うーん、結局、待っている時間こ
そが、一番の幸せ・・なのかな?

「言葉なき行為」。最後はそのベケット作の無言劇。
あきら師が自身の劇団・能法で、狂言の様式で上演、
すでに40年にもわたり、国内外で上演しているとか。

舞台の上には、木が一本、そして小さな櫓・・これ
は後に井戸と分かる。

どうやら、ここは砂漠らしい。風に吹き飛ばされる
ようにして登場した男・・風に逆らって進もうとす
るが、なかなか果たせず・・・

最初は、起上って再び進もうとしていた男だが、だ
んだん疲れ、ようやく見つけた井戸も、どうしても
水を汲み上げることが出来ない。

絶望感に支配される男・・・

うーん・・・これ、どう理解すべきなのか。
男のひとつひとつの動きは、確かに狂言的で、そこ
を見れば、確かに滑稽さもあるのだけれど、全体を
支配しているのは、どう考えても絶望感だ。

救いがないよな・・と、ちょっと憂鬱な気分で終演
を迎えた。
posted by JTm at 09:29| 狂言 | 更新情報をチェックする