2017年12月03日

2017.12.2 扇辰日和@なかの芸能小劇場

2017.12.2 扇辰日和 vol.65

演目
入船亭はい辰      寿限無
入船亭扇辰       医者秀英の家
            (『緑林門松竹』より)
  (仲 入 り)
さとうさおり      (ギター演奏と唄)
入船亭扇辰       徂徠豆腐

はい辰「寿限無」。9月の初高座と同じ噺だっ
たが、まだあまり高座に上がる機会がないよう
なので、仕方ない。でも、確実に上達・・して
いるかな?ごめん、よく分からない。

扇辰。まずは、はい辰さんへのエール?・・・
「デカイくせに、蚤の心臓で・・」と。そのデ
カイ身体の維持のためには、食欲も旺盛のよう
で・・・師匠は大変。

『緑林門松竹』より、「医者秀英の家」。
圓朝作の長い噺の、発端の部分。陰惨な噺で、
敢えて高座に掛けるのは、雲助師と龍玉師くら
いかと思っていた。

そして、この部分を聞くのも初めてだと思った
が、前述の両師で、だいぶ前に聞いていた。
ただ、その時は、この後の「おすわ殺し」まで
続けての口演だったから、正直、印象が薄い。

田舎言葉丸出しの、下男・新助が、実は眉ひと
つ動かさずに陰惨な殺しをやってのける大悪党
・・・という、豹変ぶりが鮮やかなのだが、うー
ん、この後の場面まで聞かないと、その対比が
今ひとつ、物足りないかなぁ・・・

扇辰師匠のピカレスクぶりも見てみたいし、ぜ
ひ、続きの「おすわ殺し」を!

仲入り後は、ゲストのさとうさおりさん、自作
の曲を4曲・・だったかな?

扇辰「徂徠豆腐」。冒頭の、豆腐屋が冷たい水
に手を入れて、豆腐を取り出す場面を見て、昔、
ラッパ吹きながら回って来た豆腐屋のおじいさ
んを思い出した・・・

とっても美味しい豆腐屋さんだったのだが、「お
金とか触った手で直につかむから」と、わが家
では、一旦、熱湯を通してから食べたっけ。

たとえ、冷奴でも、一旦湯がいて、それからま
た冷やす・・徂徠は、そのまま食べていたなぁ。

年の瀬の到来にふさわしい人情篇で、お開き。
posted by JTm at 08:55| 落語 | 更新情報をチェックする

2017年12月02日

2017.12.1 音楽狂言「寿来爺」@梅若能楽学院会館

2017.12.1 音楽狂言「寿来爺」

「寿来爺」は、「すくるうじぃ」、スクルージで
ある。つまり、ディケンズの名作、『クリスマス・
キャロル』を、音楽と狂言で、という公演。

2015年に初演、今回が三回目だそうだ。

演目
第一部 三重奏
 ホルベルク組曲(ホルベアの時代から)
   グリーグ=作曲、白土文雄=編曲
 5つの小品
   ショスタコーヴィチ=作曲、アトフミャン=編
 バレエ音楽「ペトルーシュカ」より
   ストラヴィンスキー=作曲、織田英子=編曲
 以上、演奏:ヴァイオリン=河村典子
       アコーディオン=大田智美
       コントラバス=白土文雄
 ご挨拶   河村典子
  (休   憩)
第二部 音楽狂言「寿来爺」
  ディケンズ=原作(『クリスマス・キャロル』より)
  ワルター・ギーガー=作曲、長屋晃一=台本
 第一楽章 萬里蔵の幽霊
 第二楽章 過去の精霊
 第三楽章 現在の精霊
 第四楽章 未来の精霊-大団円
  配役:寿来爺=善竹十郎、幽霊と三人の精霊=善竹大二郎
  演奏:第一部と同じ

音楽にはまったく縁の無い身、チラシを能楽堂で
見つけたこともあり、「狂言」を見るつもりで出
かけたのだが、行ってみたら、コンサートだった。

前半の三重奏については、何も言えることはない。
ただ、心地よかった、とだけ。それにしても、ア
コーディオンの入る三重奏って、珍しいのでは?
と思うけど、わたしが知らないだけかな。

「寿来爺」。これも驚いたのだが、なんと、これ、
音楽が先に出来たのだそうだ。ワルター・ギーガー
氏は、スイス在住の作曲家・ギタリストで、日本
と日本文化に大きな関心を持ち、能とのコラボレー
ションによるオペラの作品もある由。

そのギーガー氏が、2002年に作ったのがこの曲で
当初は、パントマイムでのひとり芝居を想定した
ものの果たせず、朗読つきの音楽作品として上演
されたとのこと。

それを、狂言とのコラボレーションに・・と、発
案したのもまた、ギーガー氏だったのだそうだ。

台本を書いた長屋氏は、イタリア・オペラの研究
家で、日本の古典文学の造詣も深い方・・らしい。

しかし、個人的な印象としては、これを「狂言」
たらしめたのは、第一に、善竹十郎、大二郎両師
の力が大きいのではないかと思う。

特に面を付けない、寿来爺役の十郎師の、場面ご
とに心象を映し出す表情、そして、鍛え抜かれた
狂言師としての立ち居・・・これ無くしては、到
底、成立しない公演だっただろう。

そうそう、鍛え抜かれたと言えば、その声もまた
しかり、である。

通常の狂言は、セリフ劇であり、たとえ囃子方が
付く演目でも、演奏にセリフがかかることはない。
あくまで、謡の伴奏、舞のための音楽だ。

なので、セリフの背後でも三重奏が続く・・とい
うのに、当初は戸惑った。

しかし、聞くうちに、だんだん、音楽が気になら
なくなった(なんて言うと、演奏者に申し訳ない
のだが、音楽門外漢のたわ言と許して欲しい)。

背後の演奏に競うように張り上げるというのでは
決してないのに、きちんと声を響かせて、セリフ
を聞かせる「技」。実に素晴らしかった。


と、十分に満足した公演ではあったのだが、敢え
てひと言、苦情を言いたい。

能楽堂で手にしたチラシに、16:30開演とあった
が、行ってみたらこれが間違いで、18:30開演だっ
た。おかげで2時間、時間をつぶさなくてはなら
なくなった。

間違いは無い方がもちろん良い。でも、間違うこ
とはある。

困るのは、それを訂正してくれないことだ。
今回だって、わたしはメールで申し込み、予約完
了の返信をいただいて出かけたのである。

なぜ、その返信の際に、「チラシに間違いが・・」
と、付け加えてくれなかったのか。こちらが知っ
ているだろうと推測しても、無駄でもいいから書
き添えるのは、礼儀という以上に「常識」ではな
いだろうか。

と、アンケートがあったら書いて来るつもりだっ
たが、無かったのでここに書く。関係者の方、読
んでください!
posted by JTm at 10:11| 狂言 | 更新情報をチェックする

2017年12月01日

2017.11.30 国立能楽堂企画公演

2017.11.30 国立能楽堂企画公演 働くあなたに贈る

働いてないけどね。

演目
狂言「薩摩守(さつまのかみ)」(大蔵流)
   シテ(出家)=大藏基誠、
   アド(茶屋)=大藏彌右衛門、
   アド(船頭)=大藏彌太郎
実演解説・装束付け  山科彌右衛門
  (休   憩)
能「紅葉狩(もみじがり)-鬼揃-」(観世流)
   前シテ(女)・後シテ(鬼)=観世芳伸、
   ツレ(侍女・鬼)=清水義也、角幸二郎、
      武田宗典、坂口貴信、木月宣行、
   ワキ(平維茂)=則久英志、ワキツレ(従者)=大日方寛、
   ワキツレ(勢子)=野口琢弘、御厨誠吾、
   アイ(供女)=大藏教義、アイ(武内の神)=大藏吉次郎
   囃子方 笛=竹市 学、小鼓=清水皓祐、
       大鼓=飯嶋六之佐、太鼓=大川典良
   後見=上田公威、松木千俊、野村昌司
   地謡=坂井音晴、藤波重彦、坂井音雅、浅見重好、
      武田友志、山科彌右衛門、藤波重孝、大松洋一

狂言「薩摩守」。初見である。
昔、キセル乗車のことを薩摩守と言われ、何のこっちゃ?
と思ったのを思い出す。つまり、平忠度(ただのり)が、
薩摩守であったことから、ただ乗りに掛けたシャレなの
だが・・・まさか、狂言にあるなんて・・・

どんなに古いシャレなんだ!

貧乏旅の出家が、同情した茶屋の主人から、渡し船の船
賃代わりになるシャレを教わる・・が。

狂言では、結末は目に見えている・・結局、忘れちゃう
のね。でも、向こう岸に渡るまではなんとか誤魔化した
ので、着いてしまえばそれまで。

損をしたのは船頭ばかり。

幕間?に、装束を付ける実演。着付けが三人がかり・・
後の演目には、この装束の女性が6人も出るのだ。
楽屋には、人があふれているのだろうなぁ。

能「紅葉狩」。確か、高校の古文の教科書に出ていたよ
うに思うのだが、もちろん、内容までは覚えてない。

戸隠の山中で、美女たちの紅葉狩の酒宴に出くわした平
維茂(これもち)が、勧められるままに酒を呑み、女た
ちの舞を見る・・・しかし、実はこの美女たちの正体は
鬼。

武内の神(武内宿禰)の夢のお告げでそれを知った維茂
は、授かった劔をふるっての鬼退治・・・

小書「鬼揃」は、普段はひとりだけの鬼女を、全部で6
人出すという特殊演出。前半の女たちの舞は華やかに、
後半の大立ち回りも、迫力満点!となる。

「同じ値段なら、お得感満載だねぇ」・・帰りがけにそ
んな会話が聞こえてきたが、うん、同感である。
posted by JTm at 13:58| | 更新情報をチェックする