2018年09月30日

2018.9.29 露の新治落語会@深川江戸資料館

2018.9.29 露の新治落語会

新治師が力を入れている、東北の3.11被災地支援のための
落語会。主催のNPO法人「東北笑生会」の代表、増子隆
さんは、新治師の高校の同級生だそうだ。

演目
桂 紋四郎       延陽伯
露の新治        阿弥陀池
めおと楽団ジキジキ   (音曲漫才)
露の新治        まめだ
  (仲 入 り)
座談会「東北笑生会の活動」
      増子隆、新治、ジキジキ
柳家さん喬       (飛び入りご挨拶)
露の新治        宿屋仇
       (三味線:田村かよ、鳴物:紋四郎)

紋四郎。桂春蝶門下、東京で活動中とのこと。
「延陽伯」。東京ではたらちねである。昼間の小はださん
に続いて、本日二度目。

調べたら、大阪の方がずーっと長い噺のようだ。言い立て
も、ちょっと違っているし。でも、今回は新妻の名を覚え
ようとするところまで、ほんの10分ほど。

新治「阿弥陀池」。こちらは東京では新聞記事となる噺。
ほら話の舞台が、天ぷら屋じゃなくて米屋。そして、よう
やく話を終えて見れば、「殺されたのは女房の弟や!」と
いう騒ぎに。

・・・これ、どう考えても、上方版の方が面白い。

めおと楽団ジキジキ。新治師とともに、東北に笑いを届け
る活動をしておられるとのこと。東京の寄席より前に、天
満天神繁昌亭に出ておられたとは知りませんでした。

新治「まめだ」。2014年に一度、新治師の口演を聞いて
いる。演芸作家・三田純市氏が、米朝師匠のために書いた
・・というのは、その時に調べた。

小さないたずらから、命を落としてしまう仔狸(まめだ)
が哀れ。心ならずもその原因となってしまう、三階役者も
気の毒になる。ラスト、まめだの墓にはらはらと舞い落ち
るイチョウの落ち葉が目に見えるようで、目の前が一瞬、
黄色く染まった。

仲入り後は、「笑生会(しょうしょうかい)」の活動報告
を、座談形式で。「何をして欲しいですか?」という質問
に、「また笑わせに来てください」と言われたのが、何よ
り嬉しい・・という話に、思わずホロリ。

ここで、新治師と親交の深い、さん喬師匠が飛び入りの挨
拶に。この日は、お弟子のさん若改め小平太師の披露目だ
が、時間的に見て、口上を終えてすぐ、来てくださったよ
うだ。地元在住のさん喬師匠登場に、拍手!!

新治「宿屋仇」。東京では宿屋の仇討。新治師で聞くのは
三度目。

これもやはり、上方版に分があるかなぁ・・始終三人組の
馬鹿騒ぎに、鳴物が入るのがなんとも嬉しい。厳格なはず
の隣室の侍が、つい浮かれて、持った筆を三味線に合わせ
て踊らしちゃうのが愉快だ。

こういうの、狂言にもよくあるなー・・「末広がり」とか
「蝸牛」とか・・他にもいろいろ。

久々の落語会ハシゴで楽しい一日だったが、なぜか突然の
膝の痛みで、思いがけずタクシーで帰宅する破目に・・・
いやー、参ったなぁ!
posted by JTm at 09:13| 落語 | 更新情報をチェックする

2018.9.29 国立名人会@国立演芸場

2018.9.29 第421回 国立名人会

演目
柳家小はだ       たらちね
柳家三之助       黄金の大黒
三遊亭吉窓       里帰り
むかし家今松      質屋庫
  (仲 入 り)
柳家はん治       禁酒番屋
林家正楽        (紙切り)
     相合傘、刀の手入れをする小三治師匠、
     秋祭り、お月見、藤娘、薪能
柳家小三治       出来心
         (三味線:太田その)

小三治師出演とあって、チケット争奪戦は厳しく、なんとか
ゲットしたものの、前の人の頭が邪魔で、高座はよく見えず
・・・お願い、あんまり動かないで!と祈りつつ。

小はだ「たらちね」。婚礼の翌朝、ネギを買うところまで。

三之助。とっても久々・・昨年11月以来だ。「黄金の大黒」。
大黒が恵比寿を迎えに行くサゲまで通し。冒頭の店子たちの
ワイワイガヤガヤが楽しい。店賃を知らないのが与太郎じゃ
なくて金ちゃん・・これ、前もそうだったかな?

吉窓「里帰り」。以前にも聞いているはずだが、吉窓師だっ
たかな?春風亭柳昇作とのこと。

姑と折り合いの悪い嫁が、里帰りして、実家の父にとんでも
ないアドバイスを受ける。ところが、数か月後、ふたりの関
係は見事に良好となり・・・。

まあ、実際にはあり得ないだろうけれど、なんとなく納得さ
せられちゃうのは、演者の腕?

ここまで一生懸命、首を曲げて見ていたのだが、ついに力尽
きて、浅く腰かけて身体を椅子の背にもたせかける・・・
これでもなんとか、高座は見えたのだけれど、この態勢、眠
気を誘うんだよねー・・・。

というわけで、今松「質屋庫」は撃沈。残念かつ申し訳ない。

休憩時に、首の体操して、後半戦。

はん治「禁酒番屋」。寄席の短い時間で「妻の旅行」ばかり
に遭遇していたので、はん治師の古典は久しぶりだ。しかも
この噺は、お初かも。

吞んべぇ侍の近藤氏、二升の酒を一気に飲み干す見事さ。そ
して、番屋の侍たちが、ちょっとずつ酔いを深めて行く表現
も念入りに。でも、最後のナニを飲もうとする場面は、あっ
さりと、あくまで上品に。

正楽。小三治師匠というお題を受けたら、すかさず「刀を手
入れしているところ」という注文が追加に。なるほど、小三
治師は古武士の風格。

小三治「出来心」。「今日はあまり調子が良くない」「泥棒
の噺は演りたくない」「前からネタを決めるのは嫌い」と、
ぼやきつつも、後半の花色木綿まで通しで。

そして、後半の方が、断然、笑いが多かった。たっぷりの間
が、可笑しさを倍増させる。

前半のまぬけ泥までで、ちょうど、終演予定時刻の午後4時
だったので、これで終わるかな?と思ったら、後半へ。
・・・結局、終演は4時半に。ほぼ1時間の口演でした。
posted by JTm at 08:21| 落語 | 更新情報をチェックする

2018年09月29日

2018.9.28 国立能楽堂狂言の会

2018.9.28 開場35周年記念公演 国立能楽堂狂言の会

演目
狂言「福の神」(大蔵流)
   シテ(福の神)=善竹忠一郎、
   アド(参詣人)=善竹隆司、善竹隆平
   地謡=大藏基誠、大藏吉次郎、善竹十郎、善竹富太郎
狂言「射狸(いだぬき)」(大蔵流)
   シテ(尼・古狸)=山本東次郎、
   アド(猟師)=山本則重
   囃子方 笛=槻宅 聡、小鼓=森澤勇司、
       大鼓=高野 彰、太鼓=桜井 均
  (休   憩)
狂言「木実争(このみあらそい)」(和泉流)
   シテ(茄子の精)=野村萬斎、
   アド(橘の精)=石田幸雄、
   立衆 柿の精=深田博治、桃の精=高野和憲、
      梅干の精=月崎晴夫、葡萄の精=岡 聡司、
      栗の精=野村太一郎、胡瓜の精=中村修一、
      西瓜の精=内藤 連、南瓜の精=飯田 豪
   囃子方 笛=槻宅 聡、小鼓=森澤勇司、
       大鼓=高野 彰、太鼓=桜井 均
   地謡=野村遼太、野村万作、破石晋照、野村裕基

「福の神」。以前に茂山狂言会でよく出ていた演目で、ある
意味お馴染み。今回は同じ大蔵流でも、大阪にルーツのある
善竹家のメンバーで。

物語は単純なので、大きな違いはない。神殿で新年を迎える
ふたりの参詣人の前に、福の神が出現して、幸せになれる方
法を教えてくれる・・というのだから、めでたい、めでたい。

捧げられた神酒を呑んで、いささか浮かれ、ついには立ち上
がって舞い始める福の神・・・にこやかなお顔の面が、なん
とも福々しく可愛らしい。
福の神の“大笑い”で終わる、「笑い止め」。

「射狸」。茂山家の「狸腹鼓」と似ているけれど、ちょっと
違う。もともと、この“狸もの”は、各流・各家で秘曲扱いさ
れたとのことで、そのせいか逆に“まぼろし”の曲になってし
まった?らしい。

幕末に井伊直弼が復曲して茂山千五郎家に伝わるのが「狸腹
鼓」(通称「彦根狸」)、昭和61(1986)年、山本東次郎師
の復曲が、この「射狸」なのだそうだ。

開始前に秋の草花を植えた一畳台が、舞台中央に設置された
のは、ちとビックリ。そして、シテの尼が、衣は身に着けて
いるものの、面は最初から狸というのにも驚く。
「狸腹鼓」と、大きく異なるところだ。

狸狩りを生業とする猟師のもとに、古狸が尼の伯母に化けて
訪れ、殺生の非を説く。猟師は納得してもう狸は狩らないと
約束するが、ずっと狙っている古狸だけは・・と、思い直す。

と、帰ったはずの伯母が、なぜか浮かれて舞い踊る姿に・・

この尼が謡う小謡が、「七つになる子」。遊女のいる里へ遊
びに行こうという、尼さんにはあまり(全然!)似つかわし
くないもの。

かくして、正体は露見し、猟師と狸の一騎打ちになる。ここ
で最初に出てきた一畳台が重要な役を果たす。狸は身軽に、
台に飛び乗ったり下りたり・・そして、ススキの陰で、尼の
衣を脱いで、狸に変身!

御年80を越えたはずの東次郎師の身軽さに、脱帽です。

狸の打つ腹鼓に、次第に猟師が浮かれて、立場が逆転するの
は、“腹鼓”と同じ。最後は、狸がススキの草むらに隠れてい
るのに気づかずに、猟師は狸を探して退場。それを見送った
狸が、橋掛の真ん中へんで、手すりにもたれて空を見上げる

・・・これきっと、空にかかる月、それもたぶん満月を見て
いるんだろうなー・・・素晴らしい余韻だった。

「木実争」。大蔵流では「菓争(このみあらそい)」と書く
ようだ。だいぶ以前に一度、見ているはずだが、記憶は定か
でないが、出てくる木の実の面々が、少し異なるようだ。

今回は和泉流、野村万作家で。

吉野の桜を見に行く橘の精が、途中で茄子の精と道連れにな
る。しかし、このふたり、どうも最初から折り合いが悪い。
橘は、自らを“高貴”なものと思っていて、茄子はそれに反感
を持っている。

この茄子氏、意外に?物識りで、橘の言葉尻をとらえてはか
らかいの種にする。橘はまた、茄子風情が何を言うか!と反
発して・・・ついには、古歌の解釈を巡って大喧嘩に。

橘に加勢する、柿、桃、梅干し、葡萄。
茄子の側には、栗、胡瓜、西瓜、南瓜。

これが、男ばかりでなく、老若男女とりまぜた構成になって
いるのが面白い。

桃の娘が桃尻を端折って、臭い(匂いじゃない?)攻勢、茄
子は名が与一で弓の名手、栗は伊賀のくノ一・・・
もう、駄洒落ですね、こうなると。

両軍入り乱れての戦いは、しかし、山嵐のひと吹きで、あっ
さりと幕になる。自然の力にはかなわない。

それにしても、俗曲「なすかぼ」では喧嘩をする茄子と南瓜
が、ここでは味方同士なんだなぁ・・と、妙なことに感心。

能楽堂30周年の時の狂言の会は、とっても難しくていささか
閉口したのだけれど、今回は、かなり砕けた感じで、大いに
楽しめた。やっぱり、狂言には笑いが不可欠。
posted by JTm at 10:42| 狂言 | 更新情報をチェックする