2019年05月06日

2019.5.5 新富座こども歌舞伎@鉄砲洲稲荷神社

2019.5.5 新富座こども歌舞伎 
       鉄砲洲稲荷神社例大祭奉納公演

演目
口  上
三人吉三巴白浪より「大川端庚申塚の場」
義経千本桜より「吉野山」
白浪五人男より「稲瀬川勢揃の場」

新富座こども歌舞伎は、中央区在住在学の小中学生
によって構成される子ども歌舞伎の一座で、今年で
結成12周年を迎えるそうだ。

その大きな活動のひとつが、5月に行われる鉄砲洲
稲荷神社の例大祭での奉納。会場は鉄砲洲稲荷神社
の神楽殿。

近くの八丁堀での講座に通っている関係で、チラシ
を手にしたので、ちらっと覗く・・くらいの気安さ
で訪れた。

着いてみたらこの混雑・・見えるかな?ダメなら帰
ろうか・・
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境内の端っこからようやく覗き見・・口上の最中。
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最初の演目は「三人吉三」。お嬢吉三、お坊吉三、
そして和尚吉三の3人の悪党が、偶然の出会いから
義兄弟の契りを結ぶ。
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お嬢吉三。「月もおぼろに・・」の名セリフ。
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お坊吉三との争いになり・・・
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それを和尚吉三が仲裁して、3人は義兄弟に。
・・お嬢が一番大きいのは、ま、ご愛敬ということで。
演じているのは、今回最年長、中学1年の女の子です。

続いて、「義経千本桜」から吉野山、静と忠信の道行。
義太夫担当も、地元の方々。
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静が鼓を打つと・・忠信登場。
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 IMG_6670.JPG 連舞に。
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道化役の早見藤太も、実に達者!
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最後は引き抜いて狐火の衣装・・そして、狐六方での
引っ込み・・演じているのはなんと、小学3年生の坊や!
もう、驚き以外のなにものでもなく。

ずっと立って見ていたので、ここらでもう、脚が棒・・
だけど、到底、帰る気になれず・・・最後の演目へ。

「白浪五人男」の稲瀬川勢揃い。この小さな舞台に5人
が並び、取り手たちとの立ち回りも。
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右の写真の中央、日本駄右衛門役、大きくて立派!
小学6年の女の子でした・・そうか、この年頃は、女
の子の方が大きいものね。

最後は、主役も脇役も関係なく、全員でのご挨拶。
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境内を埋め尽くした観客から、惜しみない拍手が贈ら
れました。

ちょっとだけ覗こう・・なんて思っていた気持ちを大
いに反省・・見事なお芝居に、大満足で会場をあとに。
あー、でも、脚が痛い!
posted by JTm at 09:39| 芝居 | 更新情報をチェックする

2019年05月04日

2019.5.1~5.3 向じま墨亭こけら落とし公演・午前の部

2019.5.1~5.3 向じま墨亭こけら落とし公演・午前の部

墨田区東向島1丁目に新しく開場した、小さな小屋・・
新しい元号とともにスタートした。

東武線曳舟駅から、徒歩8分ほどの、築60年の民家
を改装。元は化粧品屋さんだった建物の、2階の4
畳半二間をつなげた和室が会場・・満員になっても
20人弱という・・演者との間が、思いっきり近い。
・・・ゼイタクの極み。 

 外観。IMG_6610 (2).JPG

外観だけでなく、内部にも敢て元のお宅のあれこれ
を残したそうで・・・

こんな、模様つきの窓ガラス、今は見かけません。
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照明器具も・・昭和生まれには懐かしい。
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さらに・・これも、敢て残したもの・・台所じゃない
から、秋葉様のお札ではないけれど。
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こけら落とし公演の最初の四日は、午前の部が落語、
午後は講談というスケジュール。その最初の三日間、
落語の会に参加。

2019.5.1 柳家さん喬の会

演目
柳家さん喬      花見小僧
  (仲 入 り)
柳家さん喬      文七元結

朝10時半という早い開演時間にもかかわらず、入場
待ちの列。その横を大きな車が・・え、こんな細い
道に?・・と思ったら、これがさん喬師匠。運転、
お上手です。

生まれ育ったのがこのあたり・・と、懐かしそうに
思い出話を繰り広げ、“ご当地噺”の「花見小僧」へ。

今年は春噺を聞けていないから、大いにうれしい。
「旦那様、“仲がいい”と、“いい仲”とは違います」
・・・何度聞いても笑っちゃう、番頭のセリフ。

噺が終わっても、まだ、なんとなく思い出話を続け
たそうなそぶりのさん喬師匠・・「あと何を演りま
しょうか・・このまましゃべっているとキリがない」
と、やはりご当地ゆかりの「文七元結」を約束して
仲入り休憩。

「文七元結」。さん喬師匠の文七は2017年以来。
今回ふと気づいたのだが、さん喬師の描く佐野槌の
女将は優しいね・・「わたしゃ鬼になるよ」という
セリフはあるけれど、それにも優しさが込められて
いる感じ・・長兵衛さん、甘えてはいけませんよ。

噺の合間に、たっぷりの隅田川随談を挟み、向島ゆ
かりの大御所の2席・・めでたい幕開けとなった。


2019.5.2 隅田川馬石の会

演目
隅田川馬石      浮世床
  (仲 入 り)
隅田川馬石      居残り佐平次

2日は、やはり地元在住の馬石師匠。師である雲助
師も本所の方だから、弟子入り以来の縁?かと思っ
たら、そうではなく・・と、弟子入りまでの紆余曲
折をたっぷりと・・初日のさん喬師匠より長かった。

「浮世床」。将棋、本、隠し芸、夢というフルバー
ジョン。奇妙な隠し芸のくだりは、この噺が元なの
か・・他の噺でもよく聞くけれど。

最後、艶っぽい夢を見た半ちゃんが、色男を気取っ
てみせる所は、なんか如何にも馬石師らしい・・

「居残り佐平次」。ご当地がいわゆる赤線地帯だっ
たことから、吉原じゃない遊び場を舞台にした噺を
ということらしい。

もっともこの「鳩の街」が栄えたのは、どうやら戦
後のことらしいので、江戸時代の品川と結び付ける
のは困難?・・ま、落語を聞くには支障はないが。

ちゃらんぽらん風の佐平次が、馬石師にかかると、
案外真面目な色男になる・・不思議。

「おふくろに」と、仲間に金をことづけるのが、佐
平次の本当の顔?・・居残りになって客相手に稼ぐ
のは、あくまで「商売」。

最後は、「おこわに掛ける」で終わらずに、独自の
オチ・・・現代人にはわかりやすいかも?だけど、
ちと、無理があるような気も・・。

二日目は、出がけに予想もしなかった大雨になって、
バスが遅れて慌てたけれど、終演後は良く晴れて暑
いくらいに・・傘はそのまま日傘になった。


2019.5.3 古今亭菊志んの会

演目
古今亭菊志ん     野ざらし
  〃        妾馬
  (仲 入 り)
古今亭菊志ん     文七元結 

3日の菊志ん師は、えー、地元とは無縁でしょ?と
思っていたのだが、圓菊師匠が八広にお住まいで、
前座のころは毎日通っていた・・曳舟駅利用で。

ということだそうだ。そのころの思い出をちょっと
だけ話して(オフレコでした)、すっと噺に入る。

「野ざらし」。舞台は向島の土手だから、ご当地噺。
聞きなれないフレーズは、八五郎が年増じゃなくて、
若い娘が好みということ。もしかして演者自身の好
みの反映?

最後は幇間を出さずに、独自のオチで。

「妾馬」。圓菊師匠の得意だった噺だそうだが、直
接習ってはいないとのこと。

こちらも八五郎が主人公・・もちろん別人だけど、
パァパァご陽気なのは共通点。落語国ではそういう
位置づけなのかな。

お屋敷での八五郎と三太夫さんが、なんか、漫才コ
ンビみたい。殿様もお楽しみだったようで。

「文七元結」。初日のさん喬師と被ったが、「お約
束の」と言っておられたので、どこかでネタ出しし
ていたのかもしれない。わたしは知らなかったが。

ふたりの演者を比べられるので、聞く方としてはそ
れはそれで楽しい。(演者は嫌かも)

“泣き”の部分の少ない、カラッとした文七。長兵衛
夫婦の喧嘩のすさまじさが印象に残る。そして、佐
野槌の女将は、かなり厳しい人って感じ。

一番面白いと思ったのは、文七の主人の近江屋卯兵
衛で、「汚い着物を着た男がぶつけるようにして50
両という大金を恵んでくれた」ときいて、「その絵
が浮かばない」と、何度も繰り返す。

とっても現代的感覚だなーと思った次第。


以上三日間、まとめてのご報告。
向じま墨亭、これからどんな活動をしていくのか、
楽しみに見ていきたい。ますますのご発展を!!
posted by JTm at 11:06| 落語 | 更新情報をチェックする

2019年04月28日

2019.4.27 国立能楽堂企画公演

2019.4.27 国立能楽堂企画公演 -特集・対決-

演目
狂言「惣八(そうはち)」(大蔵流)
  シテ(惣八)=善竹十郎、
  シテ(出家)=山本東次郎、アド(有徳人)=山本則俊
  (休  憩)
能「正尊(しょうぞん)」
  シテ(土佐坊正尊)=宝生和英(シテ方宝生流)、
  ツレ(武蔵坊弁慶)=金剛龍謹(シテ方金剛流)、
  ツレ(源義経)=観世淳夫(シテ方観世流)、
  ツレ(姉和光景)=佐野 登(シテ方宝生流)、
  子方(静御前)=廣田明幸、
  立衆(正尊の郎党)=野月 聡、辰巳大二郎、川瀬隆士、
  立衆(義経の郎党)=豊嶋晃嗣、宇高竜成、宇高徳成、
  アイ(侍女)=山本泰太郎、
  囃子方 笛=杉信太朗、小鼓=森澤勇司、
      大鼓=柿原弘和、太鼓=金春國直
  後見=金剛永謹、東川光夫、水上 優、清水寛二、
  地謡=田崎 甫、大友 順、金森隆晋、武田孝史、
     當山淳司、辰巳満次郎、内藤飛能、小倉伸二郎

“平成最後の”能楽堂企画公演は、異なる家や流派の
競演で、狂言と能。テーマの「対決」は、もちろん、
一義的には曲の内容によるのだろうけれど、この配
役を見ると、「家」「流派」の対決という意味も?

「惣八」。ある有徳人が、出家と料理人を募集・・
そこに応募してきたふたり、実は元・出家の料理人
と、元・料理人の出家。しかも、ふたりとも新米で・・

魚の名も知らぬ料理人と、お経の四角い字が読めな
い出家・・これは役に立ちませぬ。
で、ふたりは一計を案じ・・・?

ふたりが仕事を交換することで、なんだ解決じゃな
い!と、安心するのは現代的感覚。

出家が衣(ころも)姿でナマグサ物を扱い、料理人
がさっきまで魚をいじった手で尊い経巻を持つ・・
なんてことは、信心深い中世の人には許せないこと。

最初から、得意な技で雇われていれば、なんの問題
もなかったのだろうに・・と、思うのだけれど。

普通は、出家と惣八のどちらかをシテ、もう一方を
アドとするようだが、今回は、同じ大蔵流の中では
あるが、善竹家と山本家、両シテの“対決”で。

「正尊」。兄頼朝と不和になった義経に、頼朝から
の刺客として土佐坊正尊が差し向けられる。

前半は、主人を守ろうとする武蔵坊弁慶と正尊との
対決、後半は、義経の居る堀川の館を正尊の一党が
襲い、チャンチャンバラバラの激戦に。

昨年6月に、京都の薪能で見て、面白かった印象が
あり、再度見たいと思った次第。

今回も、前半の起請文をめぐる静かな対決と、後半
の派手な立ち回り、どちらも息詰まる熱戦。

演出は宝生流のものだそうで、正尊は自ら起請文を
読み上げる。そしてシテ方三流の異流共演・競演で。

なんか、国立ならではのプログラムではないか?
posted by JTm at 09:43| | 更新情報をチェックする